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相続準備1 遺産分割の準備

遺産分割準備の重要性

相続トラブルで一番多いのは、遺産分割。誰が、どの財産を、どれくらい受け継ぐのかで、争いが起きます。
「自分の場合は大丈夫だろう」、という過信が一番のトラブルの元。確実に相続をめぐる争いや問題が発生しているのです。

教えてくれる人木下 裕行さん

税理士法人レガシィ
代表社員税理士
パートナー

ご本人の想いがあっても 長年一緒にいた妻に:今までずっと連れ添ってくれた妻。自分がもし先に亡くなったとしても、これまで通り不自由なく暮らして欲しい。
・近くに住む長男夫婦に:いつもそばにいて面倒をみてくれたり、何かと気にかけてくれた長男夫婦。今までの恩返しに出来るだけ多く渡したい。・海外に暮らす二男:海外勤務が多くていつも忙しい二男。しっかりと自立して頼もしいが、将来のためにも役立つ財産をあげたい。・将来楽しみな孫に:目に入れても痛くないほど可愛い孫。進学の度にお金がかかるし、塾や習い事などの教育資金として残したい。

協議によっては残したい人に必ず残せるとはかぎりません。

遺言書を残すことで、揉めない相続を事前に準備。

遺産分割とは、被相続人(亡くなった方)の財産を、遺言や相続人同士の話し合いによって分配することです。被相続人が残した財産は、一旦は相続人全員の共有財産となります。その後、遺言があれば遺言に従って、遺言がなければ「遺産分割協議」という話し合いによって、各相続人に具体的に分配されることとなります。ご本人の想い通りの遺産分割を希望する場合は、遺言書を作成しておくことをお勧めします。

残されたご家族のそれぞれの状況

公平な遺産分割をするために、専門家や弁護士に相談することも大切。

遺言書が無い場合は、相続人全員で遺産分割協議という話し合いにより遺産の分け方を決めます。誰がどの遺産を相続するか預金をどう分けるか、不動産をどうするかなど、具体的な遺産の分け方を決めていきます。この段階がもっとも揉めやすく、一番難しいプロセスです。もし自分たちで分割するのが難しい、気まずいといった場合は、この協議をする段階から専門家や弁護士に相談することをお勧めします。

例えば要介護状態の妻は法定相続1/2、長男と二男は法定相続1/4ですが、長男の妻が義母の介護をしていた場合は?

全員が納得しないと遺産分割できません

話し合いがまとまらないと、決着までに時間がかかります。

遺産分割事件の平均審理期間:令和2年に終局した事件を対象とすると平均12.6ヶ月かかっています。

スムーズに遺産分割できないと大変です。

相続税の控除や特例が受けられません。(配偶者の税額軽減✕、小規模宅地等の評価減✕)

※原則、相続発生後10ヶ月以内の申告が必要となります。

相続財産の処分はできません。(不動産の売却✕、株式の売却✕)

※1人でも反対する人がいたら協議は成立せず、財産は共有状態のままです。

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