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第24回「全国賃料統計」(2019年9月末現在)の調査結果

 一般財団法人日本不動産研究所は11月25日、第 24 回「全国賃料統計」(2019 年 9 月末現在)の調査結果を公表しました。「全国賃料統計」は、オフィス・共同住宅の賃料動向を把握するため、1996年9月末に同研究所が調査を開始し、毎年9月末時点で、同研究所の本社・支社・支所の不動産鑑定士等が、全国主要都市のオフィス76ポイント、共同住宅158ポイントを対象にモデル建物の新規賃料を査定し、市場規模を示すウエイトを乗じて指数化しています。

1.オフィス賃料

・オフィス賃料は、調査地点の約半数が上昇しており、全国平均は4.0%上昇(前年3.4%上昇)と上昇幅が拡大し、6年連続の上昇となっています。三大都市を中心に3%を下回る低い空室率が続き、東京区部以外では新規供給も限定的で需給が逼迫するエリアが多く、これが賃料上昇の要因となっています。
・都市圏別では、すべての都市圏で上昇しており、大阪圏は昨年に引き続き大阪市の大幅な賃料の上昇の影響により 10%を超える上昇幅となっています。また、名古屋圏の上昇率が 6.1%上昇(前年 2.8%上昇)と昨年から倍増しています。
・都市規模別では、すべての都市規模で上昇しており、政令指定都市では4.8%上昇(前年4.1%上昇)と5%に迫る上昇率となっています。
・地方別では、昨年に引き続き、すべての地方で上昇となっています。特に近畿地方は、昨年に引き続き大阪圏の高い上昇率の影響により 10%に迫る上昇幅となっています。また、札幌市、名古屋市の賃料上昇率の拡大が影響し、北海道地方、中部・東海地方の上昇率が昨年より 2%を超える増加となっています。
・上昇地点数を今回の結果とファンドバブル期(2007年)と比較すると、上昇地点数は今回が上回っていますが、5%以上の上昇地点数は2007年の20地点に対して今回は13地点と少なく、薄く広い範囲での賃料上昇となっています。また、下落地点数は7地点と全体の1割程度と過去最も少なくなっています。
・主要地点のオフィス賃料は、すべての地点で上昇しており、5%上昇率の地点数は昨年の2地点から7地点と大幅に増加しています。

2.共同住宅賃料

・共同住宅賃料は横ばいの地点が約8割と多く、全国平均は0.1%上昇(前年0.1%上昇)と前年同様ほぼ横ばいの状況が継続しています。
・地方別では、関東地方・中国地方で1.0%以下の小幅な上昇が継続し、それ以外の地方では0.1%の下落または横ばいで、全体的に見ればほぼ横ばいで推移しています。
・都市圏別では東京圏、東京都区部、三大都市圏以外で上昇したが上昇率は小さく、全体的に見ればほぼ横ばいで推移しています

図表1 賃料指数 (2010年を100とする指数)

3.今後 1 年間の見通し

・オフィス賃料指数は、三大都市圏を中心として需給が逼迫した状況は続き上昇が継続するが、上昇幅は縮小もしくは同程度となる地点が多くなる見通しです。2020 年 9 月末時点では全国平均で 3.0%上昇する見通しです。
・共同住宅賃料指数は、大半の地点で横ばい傾向が継続し、2020 年 9 月末時点では全国平均で 0.1%上昇となる見通しです。

一般財団法人日本不動産研究所公表 第 24 回「全国賃料統計」(2019 年 9 月末現在)より転載。著作権は一般財団法人日本不動産研究所に帰属します。

なお、本調査に関する詳しい公表資料は、一般財団法人日本不動産研究所のホームページから入手することが出来ます。
http://www.reinet.or.jp/?p=23222