不動産投資は副業にならない? 副業禁止でも不動産投資はできるのか

ざっくり要約!
- 不動産投資は長期的な資産運用として扱われるため、多くの企業で副業とはみなされず、会社員でも始めやすい
- ただし、5棟10室以上の規模や本業への支障が出る場合は問題となりやすいため、事前に会社の規定確認と適切な運営管理が必要
会社員の方の資産運用手段として注目を集める不動産投資。しかし、「副業禁止の会社で不動産投資は問題にならないのか」「本業に支障をきたさないか」など、不安を感じる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、不動産投資が副業に該当するかどうかや、会社員が不動産投資を始める際の注意点について、解説します。
目次
不動産投資は副収入を得る方法として最適
不動産投資が副収入を得るのに最適だとされる理由として、主に以下の3つが挙げられます。
本業に支障が出にくい
不動産投資の大きな特徴は、管理を委託することで日々の仕事に支障をきたすことなく運営できる点です。物件の管理は専門の業者に任せることができるため、普段の仕事に集中しながら、資産運用による収入を得ることができます。また、残業や休日出勤のような追加の労働時間も必要ないため、体力的な負担も少なくて済むでしょう。
融資が受けられる
会社員として安定した収入があれば、銀行からの融資を受けやすいのも不動産投資の魅力です。定期的な収入があることで信用力が認められ、有利な条件でお金を借りられる可能性が高くなります。また、自己資金が少なくても、良い条件で融資を組むことができれば、より良い物件の購入にチャレンジできます。
不動産投資の「融資」に関する記事はこちら
【2025年】不動産投資の融資はどう受ける? 金融機関別の特徴と金利目安
生命保険代わりや節税などさまざまな効果が見込める
不動産投資には生命保険代わりの機能や節税など、いくつかのメリットがあります。たとえば、投資用ローンを組む際に加入する団体信用生命保険があれば、もしもの時にローンの残りを保険が支払ってくれるため、家族の負担を心配する必要がありません。また、所有する不動産から得られる収入から管理費や修繕費などの経費を差し引くことで、納める税金を減らせるでしょう。
不動産投資は副業にならない可能性が高い
ここでは、不動産投資が副業にならない理由を3つ、見ていきましょう。
不動産投資は資産の所有・活用
不動産投資は、投資信託や国債と同じように長期的な資産運用の一種として考えられています。不動産を購入して長く保有し、家賃収入を得たり、将来的な資産価値の上昇を期待したりするもので、FXや株式の短期売買とは性質が異なります。
そのため、多くの企業では副業禁止の対象とはせず、むしろ従業員の経済的な基盤を強くする手段として好意的に捉えられているケースが大半です。
相続など意図せず不動産を取得することもある
不動産を持つことになるきっかけとして、自分で購入する以外にも親や親族からの相続といったケースもよく見られます。このように、意図せず不動産を所有することになった場合、一般的な副業とは少し違った扱いになります。
たとえば、親から引き継いだ物件を賃貸として運営したり、一時的に貸し出したりするケースは、副業というよりも、生活の中で自然に発生した資産管理の一環といえるでしょう。
法律上は自由に副業できる
法律上では基本的に副業は自由であり、不動産投資も例外ではありません。公務員などの一部の職種を除けば、基本的に自由に行うことができます。
ただし、会社によって就業規則が異なるので、自分の勤務先でどのように規定されているか、事前に確認しておくことが大切です。なお、必要に応じて上司や人事部門に相談するのもよいでしょう。特に最近では、副業・兼業に対する企業の理解も深まりつつあり、従業員の資産形成を支援する動きも広がってきています。
公務員や副業禁止の企業で不動産投資で問題になりやすいケース

公務員や副業が制限されている会社員の方は、以下のような場合に特に注意が必要です。
事業的な規模になっている
不動産投資が一定以上の規模とみなされた場合は事業扱いとなり、副業禁止規定に抵触する恐れがあります。一般的な目安として「5棟10室以上」が事業と判断されるボーダーラインとされているため、投資規模を広げる際はこの基準を意識して慎重に判断するようにしましょう。
本業に支障が出ている
物件の管理に時間を取られすぎて、本来の仕事に影響が出てしまうケースです。たとえば、物件のトラブル対応で仕事中に頻繁に電話をしたり、休憩時間に物件の管理に追われたりすると、本業のパフォーマンスが落ちてしまうことがあります。周囲から見ても、こうした状況は好ましくありません。
就業規則に違反している
会社によっては、不動産投資に関する報告義務や運営方法について細かく規定していることがあります。これらの規則を知らずに違反してしまうと、思わぬトラブルを招いてしまうかもしれません。事前に就業規則をしっかり確認し、必要な手続きは漏れなく行いましょう。
「公務員」の不動産投資に関する記事はこちら
公務員が不動産投資するには許可が必要? 認められる3つの条件とは
副業で不動産投資するためのコツ
副業で不動産投資を行う際は、以下の3つのポイントを意識することが大切です。
必要に応じて事前に職場に相談する
不安な点がある場合は、上司や人事部門に相談してみましょう。「長期的な資産形成のため」「将来の経済的な安定のため」など、投資の目的をしっかり説明することで、理解を得やすくなります。また、会社が定める手続きについても、この機会に確認しておくと安心です。
仲介や管理を委託する
物件管理は、できるだけ専門の業者に任せるのがおすすめです。入居者の対応や建物の修繕、家賃の集金など、日々の管理業務を任せれば、自分の時間を本業に充てられます。管理会社を上手に活用することで、手間をかけずに安定した収入を得られるでしょう。
本業をないがしろにしない
不動産投資はあくまでも副収入を得る手段のひとつです。本業での実績や信頼関係があってこそ、安定した投資活動が続けられます。また、会社員としての安定した収入は、新たな物件を購入する際の審査でもプラスに働くでしょう。本業と投資のバランスを保ちながら、長期的な視点で資産形成を進めることが大切です。
まとめ
不動産投資は、一般的な副業とは異なり、長期的な資産運用の一つとして捉えられる傾向にあることから、多くの企業で認められています。ただし、事業的な規模になることは避け、本業に支障が出ないよう注意が必要です。特に以下の3点を意識することで、安全に不動産投資を始められるでしょう。
- 会社の規定を確認し、必要に応じて事前に相談する
- 物件管理は専門家に任せ、本業に集中できる環境を整える
- 投資はあくまで副次的なものとし、本業を最優先する
このように準備を整えた上で不動産投資を始めれば、安定した副収入を得ながら、長期的な資産形成を実現することができます。
ワンポイントアドバイス
不動産投資を始める前に、まずは会社の就業規則を確認しましょう。その上で、管理会社に物件運営を任せることで手間を最小限に抑え、本業に集中できる環境を整えるのがポイントです。投資はあくまで資産運用の一環として、焦らず慎重に進めていくことをおすすめします。
この記事のポイント
Q. 不動産投資は副業に適していますか?
A. 不動産投資が副収入を得るのに最適だとされる理由として、「本業に支障が出にくい」「融資が受けられる」などがあげられます。詳しくは「不動産投資は副収入を得る方法として最適」をご覧ください。
Q. 不動産投資は副業になりますか?
A. 不動産投資は副業とならない可能性が高いです。不動産投資が副業にならない理由について、詳しくは「不動産投資は副業にならない可能性が高い」で解説しています。
Q. 公務員や副業禁止の会社に勤めている人で気をつけることはありますか?
A. 公務員や副業が制限されている会社員の方は、注意が必要な場合があります。詳しくは「公務員や副業禁止の企業で不動産投資で問題になりやすいケース」をご覧ください。