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専門家コラム

区分マンション投資、
郊外ニュータウン周辺物件のメリットと注意点

専門家コラムVol.22|イメージ
吉崎 誠二

COLUMNIST PROFILE

吉崎 誠二

不動産エコノミスト
社団法人 住宅・不動産総合研究所 理事長

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区分マンション投資の対象となる物件の多くは、首都圏では東京23区や横浜市・川崎市、関西では大阪市・神戸市・京都市の中心部にあるコンパクトサイズ物件でしょう。
このような物件があるエリアは、商業の中心地であり、多くのマンションが建つ人口集積地でもあります。これらのエリアのうち都心を除けば、各市の郊外には「ニュータウン」と呼ばれた新興住宅街が存在します。郊外エリアの区分マンションを投資対象として考える場合のメリットと注意点について解説します。

目次
郊外に広がるニュータウンの街の姿/ニュータウンにおける街の構成
郊外区分マンションへの投資のメリット
新興地域区分マンションへの投資の注意点
地域に精通した専門家のサポート

郊外に広がるニュータウンの街の姿/
ニュータウンにおける街の構成

現在の都市部では、職住近接、商住近接を志向される世帯が増え、中心市街地物件に住む世帯も増えてきました。
かつては、中心部に住む人はそれほど多くなく(元々住んでいた方々を除いて)、新たに居を構える方は郊外に自宅を求めることが多かったものです。そのため、昭和40年代以降、首都圏や関西圏などの郊外に多くのニュータウンが開発されました。開発を担ったのは、住宅都市整備機構(現在のUR)、や電鉄会社などが中心でしたが、その他民間企業が開発した事例も見られます。田畑が広がり人口が少ないエリアを開発、そして鉄道などのインフラ整備を行い、街を創っていったのです。東急グループが開発した現在の田園都市線沿線に広がる多摩田園都市は、その代表的な街づくりと言えるでしょう。2000年以降はこうした開発は少なくなりましたが、近年では、つくばエクスプレス線(TX)沿線でこうした開発を見ることができます。

専門家コラムVol.22|イメージ01

ニュータウンの街の構成は似通っており、鉄道駅を中心として駅前にショッピングセンター(SC)、そして駅近くの場所に分譲マンションが建ち、そこから円状に分譲戸建住宅が広がります。
そして、マンションエリアの周辺や戸建エリアの周辺などに賃貸住宅が建築されます。この賃貸住宅は、地権者が土地活用として建てるタイプ(いわゆるアパートタイプ)と、分譲型の区分投資用マンションがあります。郊外のニュータウンは、30-40台の子育て世帯にとって住みやすく、幅広く人気があるため、そこには一定の賃貸住宅需要が存在しているわけです。

郊外区分マンションへの投資のメリット

専門家コラムVol.22|イメージ02

賃貸用としての郊外区分マンション物件の購入は、ファミリータイプ物件が主流です。広いファミリータイプ物件ですが、郊外物件ですので都心や大都市部のコンパクトサイズ物件と購入金額はさほど変わりません。また、賃料は、地域差に加えて街の成熟度により差が大きくなります。

街開きして間もないニュータウンの周辺物件の場合、それほど賃料は高くありませんが、その分購入金額も安くなります。そのため、利回りは、「その地域なりの利回り」になる例が一般的です。しかし、新興郊外区分マンションへの投資は、値上がりの期待が大きくなります。インカムゲインは安定的に得ることができた上で、キャピタルゲインの期待が持てるということです。
街がある程度成熟した頃に賃貸用区分マンションの中古物件が出てくれば、ねらい目と言えるでしょう。

新興地域区分マンションへの投資の注意点

このような新興地域における区分マンション投資では、インカムゲインに加えてキャピタルゲインも狙いたいため、街の発展、また「街がブランド化するかどうか」が大きなポイントになります。東急グループが開発した田園都市線の各ニュータウンなどは、街の成熟化とともに圧倒的なブランドを維持しています。
このようなエリアは、物件価格も大きく下がる可能性が少なく、賃貸需要が安定、つまり賃料も安定しているため、ねらい目と言えます。しかし、首都圏郊外、関西圏郊外に開発されたニュータウンの中には街開きから年数が経過し、衰退しはじめている所もあり、大きく値下がりしているようです。

昨今のTX沿線では、流山おおたかの森駅周辺のニュータウンやつくば市やつくばみらい市に広がる研究学園周辺のニュータウンなどは街が成熟している真っただ中という状況で、今後のゆくえに注目が集まります。

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地域に精通した専門家のサポート

ここまで見てきたように、郊外ニュータウン周辺の区分マンション物件への投資は、街の成熟度で期待値が決まる、と言えるでしょう。中古物件では、実需(自宅として利用)する物件の流通量はある程度ありますが、現在賃貸中の物件(=投資用の物件)の流通量は、それほど多くないようです。しかし、その地域に精通している仲介会社を通じて、最新の情報を入手することができます。地域に精通した、区分マンション投資の専門家(専門部署)のサポートを受けることで、賢い投資に繋げていただきたいと思います。

ご留意事項
不動産投資はリスク(不確実性)を含む商品であり、投資元本が保証されているものではなく、元本を上回る損失が発生する可能性がございます。
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本マーケットレポートに掲載されている情報は、2023年6月17日時点公表分です。
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