プロパティスタ|PROPERTISTA 東急リバブル

MENU
NO.33

専門家コラム

投資用区分マンションからの資産組み換えを考えたときに、まずしておきたい事

専門家コラムVol.33|イメージ
吉崎 誠二

COLUMNIST PROFILE

吉崎 誠二

不動産エコノミスト
社団法人 住宅・不動産総合研究所 理事長

この記事のPDF版を
ダウンロードDOWNLOAD


投資用区分マンションからの資産組み換えを考えたときに、まずしておきたい事をご紹介します。

目次
区分マンション投資ブームから早10年
5年経てば譲渡益税が変わる 短期譲渡と長期譲渡
不動産投資での資産形成の王道とは?
資産の組み換えのスタート地点は?

区分マンション投資ブームから早10年

2013年5月は不動産投資を行う投資家にとって転換点となったタイミングでした。拙著「不動産サイクル理論で読み解く 不動産投資のプロフェッショナル戦術」でも書きましたが、不動産市況サイクル的には、リーマンショックで大きく下げた不動産価格は12年には底を打ち、上昇サイクルに入る見通しでした。確かに首都圏中古マンション成約価格を見れば、12年秋ごろから反転していることが分かります。
 そんな中での13年5月からの「異次元の金融緩和政策」は、不動産投資を行う方にとって大きな追い風となりました。それまで不動産投資は、一部の富裕層や不動産のプロフェッショナルが行うというイメージがありましたが、金融緩和政策の追い風は不動産投資家の裾野を大きく広げることになりました。サラリーマンやOLの方々も積極的に「収益目的の区分マンション投資」を行うようになり、当時は「区分マンション投資ブーム」と呼ばれました。しかし、今では多くの方々が区分マンション投資を行うようになり、「ブーム」ではなく「資産形成の王道の1つ」となっているようです。

5年経てば譲渡益税が変わる 短期譲渡と長期譲渡

それから10年が経過しました。不動産価格は2020年までほぼ右肩上がりで、コロナ禍の間も大きな価格下落は見られず、21年以降も順調に上昇しています。この10年で、首都圏の平均でもマンションは1.7~1.8倍に、投資用区分マンションも同じくらいの価格上昇となっています。つまり数年前までにマンションを購入された多くの方が、「今マンションを売却すれば、多少の譲渡益が出る」という状況にあるということになります。
ご承知の通り、保有後5年を境に不動産譲渡益にかかる税金が変わります。土地や建物の譲渡所得に対する税金は、他の所得と区別して計算(分離課税といいます)しますが、長期譲渡所得か短期譲渡所得かによって適用する税率が異なります。(確定申告の手続きは、他の所得と一緒に行うことになります)。
土地や建物を売った年の1月1日現在で、その土地や建物の所有期間が5年を超える場合は「長期譲渡所得」に、5年以下の場合は「短期譲渡所得」に分類されます。例えば令和5年中に売却した場合は、その土地や建物の取得が平成29年12月31日以前であれば「長期譲渡所得」に、平成30年1月1日以後であれば「短期譲渡所得」に分類されます。
譲渡所得は、譲渡価格から取得費と譲渡にかかった費用を引いた額ですが、これに対して5年を超える場合(長期譲渡所得)は20.315%、5年以下の場合(短期譲渡所得)は39.63%を掛けた額が税金となります。(マイホームの場合などは特例あり)

不動産投資での資産形成の王道とは?

5年を境に大きく税率が変わることもあり、このタイミングで保有している複数の収益用区分マンションを譲渡する方が増えます。さらに、そこで得た譲渡益を元に1棟物の収益マンションを購入するという「資産の組み換え」を行う投資家も増えています。
 本来、資産形成を効率よく行うためには不動産収益によるインカムゲインに加えて、物件価格上昇時には「利益を確定させる」ことと、その利益を元により大きなインカムゲインとキャピタルゲインを狙うのが王道です。具体的には、譲渡益(税引き後)を頭金として、より大きな物件(1棟物件など)を購入するということになります。

資産の組み換えのスタート地点は?

現在、投資用に保有している区分マンションを全部または一部を手放して、より大きな収益不動産を購入するためには、どんな準備が必要なのでしょうか?
 まずは資産組み換えの知識や情報を多く持っておきたいものです。本サイトの私の連載では、今後しばらく「収益不動産、投資用の区分マンションからの資産の組み換え」について執筆しますので、そこで最低限の知識を身につけていただきたいと思います。

ご留意事項
不動産投資はリスク(不確実性)を含む商品であり、投資元本が保証されているものではなく、元本を上回る損失が発生する可能性がございます。
本マーケットレポート に掲載されている指標(例:利回り、賃料、不動産価格、REIT指数、金利など)は、
不動産市場や金融市場の影響を受ける変動リスクを含むものであり、これらの変動が原因で損失が生じる恐れがあります。
投資をする際はお客様ご自身でご判断ください。当社は一切の責任を負いません。
本マーケットレポートに掲載されている情報は、2024年6⽉16⽇時点公表分です。
各指標は今後更新される予定があります。
本マーケットレポートに掲載した記事の無断複製・無断転載を禁じます。
マーケットレポート・コラム
トップへ戻る

NEXT CONTENTS