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vol.1
- 購入者
- Kさんご夫婦
- 住所
- 東京都江東区
- 入居時期
- 2022年
- 間取り
- 3LDK
「第一印象でピンと来た」景色のある暮らし
東京・下町で家業の八百屋を営んでいたKさんご夫妻。迎えた古希を老後の住まいを考える好機と捉え、漠然とではあるものの、売却&買い替えを思い描いていたといいます。20代で結婚して二人三脚で苦楽を共にし、商品の目利きには自信をお持ちのご夫妻が「第一印象でピンと来た」という物件は、築33年のリノベーションマンション。ある週末にお邪魔すると、チャーミングなお2人と、リビングから見える広い空と抜けのある清々しい景色が出迎えてくれました。
現役リタイアを機に引っ越し、物件購入を検討
「リビングに足を踏み入れた瞬間、ああ、ここだって。ほぼ即決で決めたんですよ」
そう声を揃え、微笑むKさんご夫妻。2022年2月に入居したご自宅は東京・江東区にある築33年、総戸数70戸の中規模マンションです。最寄り駅から徒歩2分という立地ながら、電車の騒音等は聞こえず、落ち着いた住宅街という雰囲気。桜の名所としても有名な公園が隣接し、リビングからは緑を手中に収めるグリーンビューが広がります。大きな窓から爽やかな風が通り抜けると、ご主人は「部屋に差し込む自然光と相まって気持ちを和らげてくれるんです」とにっこり。“一目ぼれ”した物件というのも頷けます。
ご主人(75)は東京の神田で生まれ、亀戸で育ったちゃきちゃきの江戸っ子です。昭和2年から続く八百屋の3代目として、奥さま(73)と看板を大事に守ってきましたが、縁あって、信頼できるご夫婦に店を譲るめどが立ち、リタイアを決意したと話します。
「2人の娘はそれぞれ自分たちの道を歩んでいます。私の代で店じまいになるのもやむなしと思っていましたが、おかげさまでいい縁に恵まれ、これまで培ってきたノウハウやお取引先をそのまま引き継ぐことができました。お客様にもご迷惑をかけずに済むと思ったら、肩の荷が下りましたね」
これまでの住まいは、店舗を兼ねたビルの上階。2フロアを住居として使用していましたが、将来的に階段の上り下りがつらくなるかもしれないとの懸念もあり、一線を退くと同時に、ビルの売却に至ったといいます。
「幼少期から慣れ親しんだ家ですが、商売をやめると決めたら行動あるのみ(笑)。東急リバブルの担当営業マンが親身になってくださって、ビルの売却を決め、新たな物件探しを始めてから1年足らずで、このマンションにビビビッと来て決めました」
実は中古住宅に不安を感じていた
買い替えるにあたってエリアは慣れ親しんだ同じ区内。娘さんたちの住まいとも近く、気軽に行き来できる距離がKさん夫妻の理想でした。戸建ではなくワンフロアで生活できるマンションというのも、お2人の希望でしたが、新築か中古かは意見が分かれ、夫婦間で“温度差”があったのだそう。
「長年住んでいた家は改装などをちょこちょこ重ねた物件だったこともあり、特段、築年数にこだわりはなかった」と振り返るご主人。一方の奥さまは――。
「せっかく買い替えるなら、新築に越したことはないと思っていました。この物件は、いままで住んでいた自宅とほぼ同じ築年数。『どうかしら?』と不安に思わなかったといえば、嘘になります。でもね、実際に足を運んでみたら、一瞬でその不安が吹き飛ぶほど素晴らしかったんです。16畳以上あるリビングの広さに、大きな窓。ベランダにやってきたスズメがちゅんちゅんと鳴く様子が、かわいくてかわいくて……。それに各部屋に収納スペースがあるでしょう? たっぷりと物が入るのがいいなって」
それ以前に内見した物件は5件ほど。なかには前の家主が退居したばかりの物件もあったといいますが、いずれもしっくりと来ず、決め手に欠けたといいます。その理由は?
完成されたリノベを目にする安心感
「退居したての物件がどのようにリノベーションされるのか。自分たちの脳内でその完成形を想像するのは、言うほど簡単なことではなく、新しい生活の場がなかなかイメージできなかったんですね。その点、この物件は天井と壁一面に清潔感のある白いクロスが張り替えられ、明るくて広々としたリビングが完成されていた。『ああ、ここならこうしてああして』と、実際に生活する様を想像できたんです。これはものすごく大きかったですね。すでにリノベーションされた物件を目にできる安心感は、何物にも代えがたいなあって」
ご主人も奥さまの言葉に深く相槌を打ちます。
「それにエントランスや共用部の管理ひとつとっても、手入れの行き届いたマンションだと分かりました。私も妻もせっかちな性分ですが(笑)、住まいはとても大きな買い物です。大規模修繕などの計画についても詳しく説明していただきましたし、最終的には東急リバブルという会社の信頼度、営業マンの誠意を感じて購入を決めました。下町で育ったからか、人情味も大事にしたい。買って売って、ハイ終わりではなく、末永くお付き合いできるかどうか。それは物件も人も同じですね」
木目のデザインをあしらい落ち着きのある空間
リビングは、一日のうちで最も長い時間を過ごすお気に入りのスペース。壁の一部には温かみのある木目のデザインをあしらい、自然と落ち着きのある空間を演出しています。ご主人の“定位置”は窓際に配した3人掛けのソファー。そこにゆったりと寝そべり、オールディーズを聴いたり、名作映画を鑑賞するのが「最高に癒される瞬間」だと話します。
以前の住まいは持ちビルの2フロア。使っていた家具をすべて持ち込むことは叶わず、あれこれ処分したそうですが、30年以上使っているオーダーメイドのダイニングセットは別でした。
「新しいリビングにも、このダイニングセットは合うかなって。子供や孫たちが集まった時も皆で食卓を囲めますし、妻の大好きな胡蝶蘭も飾れます。それに何より家族の思い出がたくさん詰まった家具ですから処分はしたくありませんでした。娘たちからも、新居になったからといって、なんでもかんでも新調する必要はないとくぎを刺されました。ただ、ベッドは新しく買いました。いままでは布団だったのですが、身体にもフィットするようで快適ですね。寝室はリビング同様、東向きの間取りで天気がいい時は橙色の朝日がパーッと見えるんです。晴れた日には、朝日ってこんなにきれいだったんだねと話しながら気持ちのいい朝を迎えています」
ご主人と一緒に目を覚まし、朝食づくりから一日が始まるという奥さま。幅と奥行きにゆとりのある対面式のキッチンはお気に入りで、「いままでは独立型だったので、リビングと一体型で解放感があるのはうれしい。備え付けの食洗器も便利です」。
シニア世代に合ったダウンサイジングな暮らし
3LDKの間取りは従来のまま、トイレや洗面室などの一部扉は引き戸に変更し、ダウンライトを設えた使い勝手のいいデザイン。入居時には奥さまのリクエストとして、内装業者に依頼し、脱衣所の戸棚に透明なアクリル板でラックを設え、さらに収納のクオリティーを上げてもらったそう。
「娘たちは近くに住んでいるので泊まることはめったにありませんが、リビングと寝室のほかに、2部屋あると心強いですね。一部屋は納戸使い、もう一部屋は客間としても使える。私たちにはちょうどいいサイズ感です」
体力と気力があるうちに最良の“終の棲家”を
人生100年時代。これからの長い人生を有意義に過ごすため、「免許証は返納し、車だけでなく、自転車も処分したけれど……」。ご主人はこう続けます。
「地下鉄以外にも、マンションの近くにはバスも通っていて、大好きな浅草や日本橋、銀座に出るのもとっても便利。公共の交通機関を上手に利用すれば、全く不便を感じません」
- Q. 体力と気力があるうちに最良の“終の棲家”を求めるにあたり、最も重視したものは?
- 「『安楽と憩い』です。子供たちはそれぞれ独立し、結婚以来、初めて2人の生活になりました。車いす生活も視野に入れ、完全バリアフリーのお部屋を選ぶのもひとつの選択肢ではありますが、私たち夫婦は初めてこのリビングに入った時に感じた“第一印象”が住んでも変わらないところに最大の価値を感じています。眼下の公園を一緒に散歩する時間に幸せを感じ、孫娘と一緒にフラダンスを楽しむ妻を送り出し、ひとりで過ごす時間もまた愛おしい。まずはあと20年を目標に、この家で夫婦で元気に楽しく過ごせたらいいなと思っています」