ざっくり要約!
- パワーカップルとは、夫と妻のそれぞれが高収入を得ている夫婦のこと
- パワーカップルのメリットを活かすなら、ペアローンを組んで家を購入するのがおすすめ
パワーカップルとは、共働きでそれぞれが高収入の夫婦を指します。世帯年収1,000万円以上などの説もありますが、明確な定義は定められていません。
本記事では、各研究機関が設けているパワーカップルの定義を紹介します。また、パワーカップルのメリット・デメリットや、おすすめの暮らし方も解説していきます。
記事サマリー
パワーカップルの定義は世帯年収2,000万円?1,500万円?
パワーカップルとは、夫と妻のそれぞれが高収入を得ている夫婦を指します。世帯年収が高いだけではなく、共働きの夫婦であることが特徴です。
パワーカップルの定義は各研究機関などで独自に設けられており、たとえばニッセイ基礎研究所では「夫と妻のそれぞれが年収700万円以上」をパワーカップルとしています。
一方、三菱総合研究所の定義では「世帯年収が1,000万円以上」となっています。
ただし、これらは各機関の独自の見解であり、一般的な定義は明確に定められていません。
世帯所得1,000万円超は12.6%
所得金額階級別世帯数の相対度数分布(2022年)
厚生労働省の調査によると、2022年の世帯所得1,000万円超の家庭は、全体の12.6%となっています。
明確な定義はないものの、仮に三菱総合研究所の指標にもとづいた場合は、12.6%がパワーカップルに該当するということです。
一方、ニッセイ基礎研究所の定義では夫婦それぞれが年収700万円以上のため、世帯年収は1,400万円以上です。
調査結果によると世帯所得1,400万円以上は4.6%。ニッセイ基礎研究所にあわせるなら、パワーカップルは全体の4.6%であるといえます。
共働き世帯は7割以上
共働き世帯数と専業主婦世帯数の推移
パワーカップルの1つの条件である共働きに関しては、全体の約7割以上が該当しています(2021年時点)。
男女共同参画局によると、妻が64歳以下の1,635世帯中、1,177世帯が共働きです。この調査は全国(※)を対象とし、1985年から総務省により行われてきました。(※図で白抜きとなっている2010~2011年は、東北の一部を除く全国の調査結果)
調査を開始した当初は共働き世帯の方が少ない状況でしたが、1995~1996年頃に逆転し、さらに2010年頃からは共働き世帯が顕著に増えています。
パワーカップルのメリット
世帯年収1,000万円や1,400万円以上といわれるパワーカップルですが、収入が多いだけが魅力ではありません。年収の高さに付随して得られるメリットが、ほかにもあります。
一人で稼ぐより税負担が軽い
パワーカップルのメリットのひとつは、世帯収入の多さに対して、所得税の負担を抑えられることです。
これには、所得税の税率は年収に伴って高くなる累進課税であることが、関係しています。所得金額900万円未満の場合は税率23%ですが、900万円以上になると所得税率は33%に上がります。
そのため、世帯所得が同じ1,400万円であれば、1人で1,400万円を稼ぐよりも、2人で700万円ずつを稼ぐ方が税率が低くなるのです。それぞれの所得税額は以下のとおりです。
・1人で1,400万円稼ぐ場合の所得税額
=1,400万円×33%-控除額1,536,000円=3,084,000円
・2人で700万円ずつ稼ぐ場合の所得税額
=(700万円×23%-控除額636,000円)×2人分=974,000円×2=1,948,000円
税率が違うことによって、上記のように100万円以上も税額が異なる場合もあります。したがって、パワーカップルは結果的に税負担が軽くなり、手取りの収入が多くなります。
それぞれが住宅ローン控除を受けられる
パワーカップルの場合、それぞれが住宅ローン控除(住宅ローン減税)を受けられる点もメリットです。
住宅ローン控除とは、年末におけるローン残高の0.7%が、所得税と住民税から控除される制度です。
ただし、あくまで払っている税金から控除されるため、年収が高くなければローン残高の0.7%を控除できないケースがあります。また、どちらかが専業主婦(主夫)の場合は、1人分の税額からしか控除されません。
パワーカップルであれば、それぞれの所得税・住民税から控除でき、メリットを最大限に享受できます。
・「住宅ローン控除」に関する記事はこちら 住宅ローン控除とは?住宅ローン控除の適用要件や適用対象について ・「住宅ローン控除 いつまで」に関する記事はこちら 【2023年度版】住宅ローンの控除はいつまで延長?申請方法や注意点まとめ |
パワーカップルのデメリット
パワーカップルにはメリットが多いものの、いくつかのデメリットもあります。
家事・育児にかけられる時間が少ない
共働きであることの悩みのひとつは、家事・育児と仕事の両立です。特に2人ともフルタイムの正社員で働いている場合は、家庭のことにかけられる時間が少なくなってしまいます。
子供がいる場合は、体調不良による突発的なお迎えや、学校行事への参加、習い事の送迎などもあります。テレワークやフレックス制度などを活用し、時間の使い方を工夫していくと良いでしょう。
所得制限で助成金がもらえないことも
国や自治体で用意される助成金・補助金には、受給条件として所得制限が設けられているケースがあります。
パワーカップルで世帯年収が高い場合、制限により給付対象外となることも珍しくありません。
パワーカップルにおすすめの暮らし方・家の買い方
パワーカップルのメリットを最大限に活かすには、知っておきたい暮らし方や家の買い方があります。
親との同居・近居
家事・育児と仕事を両立するには、親の力を借りることも選択肢のひとつです。たとえば、日中の勤務時間中に子どもの面倒を見てもらうことも可能かもしれません。
同居したり、近隣に住んでいたりすれば、サポートしてもらいやすくなるでしょう。
共用施設が充実しているマンションに住む
共働きで忙しいパワーカップルに向いているのは、共用施設が充実しているマンションです。
たとえば、託児所が設けられていれば、子どもを預けて2人ともがフルタイムで働きやすくなります。また、宅配やゴミ捨ての共用施設が充実していると、忙しい生活の中で効率化を図れます。
時短商品やサービスを惜しまず利用する
夫婦それぞれが働きながら家事や育児を行うには、時短商品やサービスを惜しまず利用することもポイントです。
たとえば家事代行サービスで、料理の作り置きや水まわりの掃除を依頼することが、そのひとつです。また、日々の暮らしのなかでも、下処理が済んだミールキットを使うなど、時短商品を活用することで、時間を作りやすくなります。
ペアローンを組んで家を購入する
ペアローンとは、夫と妻のどちらも債務者となるローンの組み方です。ペアローンを組むことによって、夫婦それぞれの所得税において住宅ローン控除を受けられるようになります。
さらに、2人の年収の合計額で審査されるため、どちらか1人だけでローンを組むよりも、大きな金額を借りられる可能性があります。その結果、理想に合う土地や建物を取得しやすくなるでしょう。
・「ペアローン」に関する記事はこちら ペアローンはデメリットが多い?後悔しないために知っておきたいこと |
まとめ
パワーカップルとは、共働きで夫と妻のそれぞれが高収入を得ている夫婦です。明確な定義はないものの、世帯年収1,000万円以上がひとつの目安といわれています。
メリットとして税負担が軽くなる一方、補助金の対象外となることや、家事・育児の時間が取りにくいというデメリットもあります。
親のサポートを得たり、共用施設を活用したりして、働き方を工夫してみましょう。また、住宅購入の際にはペアローンを組むこともおすすめです。
この記事のポイント
- パワーカップルの定義は世帯年収いくら?
一般的な定義は明確に定められていません。ただ、各研究機関により「世帯年収1000万円以上」や「夫と妻のそれぞれが年収700万円以上」という独自の指標が設けられています。
詳しくは「パワーカップルの定義は世帯年収2,000万円?1,500万円?」をご覧ください。
- パワーカップルのメリットは?
一人で大きく稼ぐよりも所得税の負担が軽い点や、夫婦それぞれが住宅ローン控除を受けられる点がメリットです。
詳しくは「パワーカップルのメリット」をご覧ください。
- パワーカップルのデメリットは?
所得制限により助成金がもらえないケースがあることや、家事・育児にかけられる時間が少ないことが挙げられます。
詳しくは「パワーカップルのデメリット」をご覧ください。
物件探しや売却がもっと便利に。
無料登録で最新物件情報をお届けいたします。
Myリバブルのサービス詳細はこちら