床下収納
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床下収納とは?DIYできる?キッチンにある場合の使い方も

執筆者プロフィール

桜木 理恵
資格情報: Webライター、宅地建物取引士、2級ファイナンシャル・プランニング技能士、管理業務主任者

大学在学中に宅地建物取引士に合格。新卒で大手不動産会社に入社し、売買仲介営業担当として約8年勤務。結婚・出産を機に大手ハウスメーカーのリフォームアドバイザーに転身し約5年勤務。その他信託銀行にて不動産事務として勤務経験あり。現在は不動産の知識と経験を活かし、フリーランスのWebライターとして活動。不動産や建築にまつわる記事を多数執筆。「宅地建物取引士」「2級ファイナンシャル・プランニング技能士」「管理業務主任者」所持。

ざっくり要約!

  • 床下収納とはおもに1階の床下の空間に設ける収納で、食品や日用品などを収納できる
  • 床下収納を設ける際には給排水管の配管の位置などを考慮する必要があるため、基本的にリフォーム会社などに依頼するのがおすすめ

床下収納とは、文字通り「床の下に設けられた収納庫」です。未利用の床下の空間を収納スペースに変えることができるため、床面積を減らすことなく収納を増やすことができます。

通常床下収納は床下の点検口も兼ねており、基本的には1階の床下に設置します。最近では、2階にも設置できる浅いタイプや、畳の下に収納スペースを設けることができる製品もあります。

この記事では床下収納のメリットとデメリット、便利な使い方を解説します。床下収納を造作する方法も紹介しますので、追加で設けたい方や新築を予定している方は、ぜひ参考にしてください。

床下収納とは

床下収納とは、おもに1階の床下の空間に設ける収納です。床下への入り口を造作することで、床下を収納スペースとすることが可能ですが、設備メーカー製品の床下収納ユニットを利用するケースが一般的です。

床と一体化したフタをあけると収納ボックス設置されていて、その空間に食品や日用品のストックなどを収納できます。たとえばキッチンに造作することで、家事の作業動線上に収納を増やせるので便利です。

日本では昔から、床下を梅干しや味噌などを保管する場所として活用してきたこともあり、床下に食品を収納することに違和感がある方は少ないかもしれません。

建築基準法では、木造の建物は防湿のために地面から床の上面までを45㎝以上とすることが定められています。床下には給排水管や電気やガス管が配管されていますが、多くがデッドスペースになっており、床下収納はその空間を上手く利用した収納といえます。

各メーカーによって多少異なりますが、床下収納ユニットには浅型や深型、固定タイプやスライドして使えるタイプ、断熱材付きのタイプや抗菌・防カビ加工したものなどの種類があります。

またフタが自立するタイプもあり、大きさも一般的に45㎝角・60㎝角・90㎝角のタイプがあります。使い勝手や床下の形状に合わせて床下収納を造作できます。

床下収納のメリット

床下収納を造作することで、どのようなメリットがあるのでしょうか。代表的なメリットを3つ紹介します。

収納スペースの増設

パントリーやキッチンなどとは異なり、床下収納は床面積を消費せずに収納スペースを確保できるのがメリットです。

床下は給排水管などの配管がされたところ以外は、デッドスペースです。キッチンや洗面室に限らず、複数の箇所に床下収納を設けることで、収納スペースを増設することが可能です。たとえば和室の畳の下や、クローゼットの下などに設置するのもおすすめです。また点検口も増えることになります。

目立たない収納を実現

床下収納は床下に設置するため、外側から見えるのは床のフタ部分のみです。そのフタも基本的にはフローリングなどと同じ床材を利用して造作するので、それほど目立つこともありません。

またフタを閉めてしまえばその上を歩くこともできるため、歩行の邪魔になることもありません。

キッチンや洗面室に出しっぱなしにしたくないものや、大きくて邪魔になるものなどを収納するとよいでしょう。

床下の点検口になる

床下収納ユニットのボックスは取り外しできるようになっており、床下の点検口にもなります。

給排水管や電気やガス管に不具合があった場合、点検や修理するために人が出入りできる点検口が必要になります。床下収納がその点検口を兼ねていることが多く、キッチンや洗面室など水回りの近くに設置する傾向があります。

その他にもシロアリの点検や防蟻工事をする際、床下収納から侵入して行うことができます。

床下収納のデメリット

便利な床下収納ですが、デメリットもあります。おもなデメリットを3つ紹介します。

出し入れが大変

床下収納はその構造から、ものを出し入れする際はしゃがむか、膝をつく必要があります。とくに重いものや奥のものを取り出す際は、腰を痛めないように注意しましょう。

出し入れする際に負担を感じると使用すること自体を億劫に感じてしまい、使う頻度が減る可能性があります。賞味期限が短い食品などを収納する際は気をつけましょう。

取り出しやすいようにカゴや取手があるケースなどのアイテムを併用したり、ファイルボックスで仕切ったりして収納すると、出し入れしやすく整理整頓もしやすくなります。

段差ができる

フタのアルミ枠の部分やプッシュ式の取手の部分に少し段差ができるため、ほこりや汚れが溜まりやすく、またその上を歩く際につまずく原因となるおそれがあります。

フタがきちんと閉まっていない状態で上から強い力を加えると、破損やケガの原因にもなりかねません。急いでいるときでも、きちんとフタを閉めるように心がけましょう。

とくに小さい子どもがいる場合は、出し入れの際には床下収納に近づけないようにし、フタを閉めるときに手や指を挟まないように注意しましょう。

段差については、たとえば上から滑り止めがついたキッチンマットなどを敷くなどして対処することができます。

虫やカビの発生リスク

床下は湿気が溜まりやすい空間であり、床下収納ボックス内も湿気によりカビが生えやすいため注意が必要です。メーカーによってはボックス部分が防カビ仕様になっていますが、水洗いできる仕様であることが多いため必要に応じて水洗いしましょう。

また床下は外気にさらされているため、床下収納からすき間風を感じることがあります。冬の寒い時期のすき間風が心配な方は、高気密・高断熱タイプの床下収納ユニットを採用して断熱性能を高めましょう。

ま納ボックスの側面などにある通気口などからホコリや虫が侵入しやすいため、定期的に内部を点検した上で、収納ボックスを取り出して掃除することをおすすめします。

床下収納の使い方は?【キッチン・洗面所・和室】

床下収納のデメリットを考えると、使い勝手が悪いと感じるかもしれません。しかし使い方によっては有効的に使うことができます。この章では床下収納の便利な使い方を紹介します。

使用頻度の低いものを収納

床下収納は床下にあるので、出し入れする際はかならずしゃがむ必要があります。また深型の場合は奥のものを取り出しづらく、日常的に使うことを負担に感じるかもしれません。

こうした点が気にならないようにするために、床下収納には、比較的使用頻度の低いものを収納しましょう。たとえばキッチンの床下収納には冬以外はあまり活躍しないガスボンベや、キッチンのつり戸棚に収納すると邪魔になる大型の調理器具、お正月用の重箱などを収納するのがおすすめです。

和室の畳の下の床下収納には、たとえば来客用の寝具や季節の装飾品など年に数回しか利用しないものを収納しましょう。ただし、おひなさまや五月人形は湿気によりカビが生えやすいため、床下収納での保管は避けましょう。

防災グッズを収納

床下収納は防災グッズの収納場所に向いています。使用頻度が低いこともありますが、防災グッズを床下収納に保管しておくことを家族で共有することで、いざというときに見つけやすいメリットがあります。

ただし、防災グッズの中でも乾電池や懐中電灯、ラジオはサビに弱いため、定期的な点検は怠らないようにしましょう。

また地震によって床下収納のフタが変形すると開けられず、取り出すことができなくなることも考えられます。防災グッズは、分散して保管するようにしましょう。

防災グッズを保管するのであれば、比較的倒壊する家具が少ない洗面室の床下収納が適しています。

長期保存できるものをストック

長期保存できるレトルト食品や缶詰、ペットボトル飲料などの備蓄品は床下収納に保管しましょう。中でも防災用の食品は賞味期間が長いものが多いため、防災用の食品庫としても活用できます。

食品を収納するのであれば、キッチンの床下が向いているでしょう。いざというときに食べられないことがないように、定期的に消費期限を確認することも重要です。また賞味期限が長いものを奥へ、短いものを手前に置くなど工夫しましょう。

日用品のストック

洗面室の収納は、比較的長期間保管できる洗剤や掃除用品、トイレットペーパー、ウェットティッシュなど日用品のストックを収納する場所として活用しましょう。

まとめて保管することで在庫を把握しやすく、買い忘れを防げるメリットもあります。

しかしあまり重いものを床下に収納すると取り出しにくいだけでなく、荷重に耐えきれなくなるおそれがあります。床下収納には最大積載量が決まっていますので、超過しないように注意しましょう。

床下収納を設置するには?DIYはできる?

昨今ではネット上の動画などで床下収納のDIY方法を紹介しているものなどがありますが、実際のところ床下収納をDIYで設置するのは専門知識や技術が必要となるため、あまりおすすめできません。

床下には給排水管や電気やガス管が配管されています。とくに水回りは配管が集中しているため、床下収納を造作する場合は配管を避ける必要があります。

またフローリングの下には大引きという、床を支える木材が束の上に等間隔で配置されています。基本的には90㎝間隔で支えていますが、この大引きも避けて造作しなければなりません。

床下収納をDIYで造作することは物理的には可能ともいえますが、建物の構造部分や給排水管の配管の位置を考慮する必要があるため、基本的にはリフォーム会社や工務店などに依頼することをおすすめします。

新築の場合

建物を新築する際に施工会社に相談しましょう。あらかじめ設置したい場所を決めておけば、給排水管を避けておくことも可能です。

また建築中に床下収納を造作するのであれば、床の施工と一緒にできるので工事費用もそれほどかかりません。

設備メーカーの床下収納ユニットは一般的なもので3~5万円前後、スライドタイプで8~10万円前後です。またネット通販などでは数千円で購入できるものもあります。

リフォームの場合

リフォームで後から床下収納を設置する場合は、リフォーム会社や工務店へ相談しましょう。床下収納のタイプや大きさにもよりますが、基本的な工事で増設する場合は10~15万円が相場です。

ただし、マンションは多くの場合、フローリングの下がすぐコンクリートの構造になっていて、一戸建てのような床下空間がないことが多く、その場合は床下収納を造作できません。

たとえば床下に十分な空間がない場合は床を上げて小上がりのようにし、畳の下に床下収納を設ける方法があります。6帖の程度の和室の床を上げて、床下収納を増設する費用は30万円前後が相場です。

なお、床を上げることで天井は低くなります。事前に、工事後の天井までの高さを確認しておきましょう。

一戸建てに床下収納を造作する場合でも、床下の空間や構造によってかかる費用は変動し、給排水の配管の位置や条件によっては床下収納を増設できないこともあります。建築時の平面図や配管図を用意し、リフォーム会社や工務店に相談してみましょう。

この記事のポイント

床下収納のメリットは?

床下収納には、収納スペースの増設、目立たない収納の実現、床下の点検口になるといったメリットがあります。

詳しくは「床下収納のメリット」をご覧ください。

床下収納はDIYできる?

昨今ではネット上の動画などで床下収納のDIY方法を紹介しているものなどがありますが、実際のところ床下収納をDIYで設置するのは専門知識や技術が必要となるため、あまりおすすめできません。
設置の際に、建物の構造部分や給排水管の配管の位置を考慮する必要があるため、基本的にはリフォーム会社や工務店などに依頼するのが良いでしょう。

詳しくは「床下収納を設置するには?DIYはできる?」をご覧ください。

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