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フロアタイルのキッチンは後悔する?メリット・デメリットを紹介

執筆者プロフィール

竹内 英二
不動産鑑定士

不動産鑑定事務所および宅地建物取引業者である(株)グロープロフィットの代表取締役。不動産鑑定士、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、公認不動産コンサルティングマスター(相続対策専門士)、住宅ローンアドバイザー、中小企業診断士の資格を保有。

ざっくり要約!

  • フロアタイルは表面が固いことからクッションフロアに比べると耐久性が高い
  • フロアタイルはクッションフロアよりも貼る作業や端部の調整作業が多いため、施工時間がかかる

便利な床の仕上げ材の一つに、フロアタイルがあります。
フロアタイルは質感も良く、本物の木や石の床材のようにも見えるため、おしゃれで使いやすい内装材です。

一方で、フロアタイルには適材適所もあり、使う場所を間違えると後悔することもあります。
また、色の選択を誤っても後悔する場合もあります。

フロアタイルとは、一体どのような床材なのでしょうか。
この記事では、「フロアタイル」について解説します。

フロアタイルとは?

フロアタイルとは、塩化ビニールで造られたタイル状または板状の床材です。
高級な床材を塩化ビニールで疑似的に再現した床材となっており、安価に高級感を演出できる仕上材となっています。

高級感を演出できる床材としては、大判タイルや石があります。
本物のタイルや石は、一枚の面積が大きくなると金額が高くなり、高級な仕上げ材として流通しています。

また、本物の木で作られたフローリング材も、幅が広いものの方が金額は高くなり、高級な仕上げ材となっていることが一般的です。

フロアタイルは、これらの高級な仕上げ材として知られる大判タイルや石、幅の広い床材を模したものが多くなっています。
近年のフロアタイルは加工技術が進んでおり、本物に近い質感のものも増えてきました。
表面がゴツゴツしていたり、ザラザラしていたりするものもあります。

例えば、大理石調のフロアタイルを使えば、自宅をホテルライクに演出することも可能です。

また、高級な輸入木材を模したような木目調のフロアタイルを使うと、シックでおしゃれな雰囲気の部屋とすることもできます。

フロアタイルは、高級とされる床材を模したものが多いため、低価格で内装を楽しめる商品となっています。

クッションフロアとの違い

クッションフロアとは、柔らかい質感を持った塩化ビニールシート製の床材のことです。
フロアタイルは表面が固く仕上がっているのに対し、クッションフロアは表面が柔らか仕上がっているという違いがあります。

また、フロアタイルは1枚ずつタイル状なっているのに対し、クッションフロアはロール状に巻かれた長いシートの床材となっています。

フロアタイルは、玄関の土間やリビング、廊下に用いられることが多いです。表面が固いので、玄関の土間のように土足でも歩く場所に適しています。

クッションフロアは、リビングや寝室、子ども部屋等に用いられることが多いです。
歩くと少しプカプカした歩行感がありますが、温かみはあります。

フロアタイルのメリット

フロアタイルのメリットについて解説します。

耐久性が高い

フロアタイルは表面が固いことから、クッションフロアに比べると耐久性が高いです。
玄関の土間や店舗の床等、クッションフロアには不向きな場所に使用できます。
また、重い家具を置いてもクッションフロアよりも床はへこみにくくなります。

耐水性が高い

フロアタイルは塩化ビニール製品であることから、耐水性が高いです。
水をこぼしても、拭き取るだけで対処できます。

ただし、フロアタイルはタイルとタイルの間に目地が生じることから、目地に水が入り込んでしまうリスクがあります。
そのため、直接水をかけて床を磨くような掃除方法は適さない床材です。

デザインの種類が豊富

フロアタイルは、石や大判タイル、幅の広い木材等の高級感のあるデザインが多く、種類も豊富です。
表面の質感も本物に近いことから、高級感を演出しやすくなっています。
表面部分には、クッションフロアにはできない表現力が備わっている点が特徴です。

メンテナンスが簡単

フロアタイルは、傷ついたものは1枚だけを張り替えれば良いので、メンテナンスが簡単です。
クッションフロアの場合、一枚で広くつながっているため、一ヵ所だけの小さな傷を治すにも、シート全体を張り替えなければいけません。

フロアタイルは局所的な修繕を行うことができることから、メンテナンス費用も抑えやすいです。

フロアタイルのデメリット

フロアタイルのデメリットについて解説します。

防音性に欠ける

フロアタイルは表面が硬いことから、防音性に欠けます。

音には軽量衝撃音と重量衝撃音の2種類があります。

軽量衝撃音とは、スプーンを床に落としたときに下に響く高音域の音です。また、スリッパで歩いて響く音も軽量衝撃音の一つです。

重量衝撃音とは、椅子を動かしたときに下に響く低音域の音になります。

表面の硬いフロアタイルは、軽量衝撃音が響いてしまう原因となります。
軽量衝撃音を防ぐには、柔らかい絨毯を敷くことが効果的です。

とはいえ、せっかくデザイン性が高いフロアタイルにも関わらず、その上に絨毯を敷いてしまったらデザインが台無しとなってしまいます。

そのため、家族が集うリビングには、少し柔らかいクッションフロアの方が適しているといえます。

施工時間がかかる

フロアタイルはクッションフロアに比べると施工時間がかかる点が特徴です。
フロアタイルは一枚一枚を床に貼っていくことで仕上げていきます。
それに対して、クッションフロアはロール状に巻かれたシートを延ばしていくことで一気に張り上げることができます。

また、フロアタイルは、部屋の端部に差し掛かり寸法が合わなくなると、一枚ずつ切りながら調整して貼り合わせていくことが必要です。
それに対して、クッションフロアは、端部に差し掛かったら端を切ることで、一気に寸法を合わせることができます。

フロアタイルは、クッションフロアよりも貼る作業や端部の調整作業が多いため、施工時間がかかる原因となっています。

DIYには不向き

フロアタイルはクッションフロアに比べるとDIYには不向きです。

フロアタイルは、部屋の真ん中から一枚ずつ貼り始め、周辺に貼り広げていく施工方法を行います。
最初に貼る場所を決めるために、全体の寸法を測り、床に線を引いて貼る位置を決める作業が必要です。
1枚目が少し斜めになってしまえば、全部少し斜めに貼る結果となってしまい、貼る作業そのものが難しくなっています。

また、フロアタイルではタイルとタイルの間に目地が生じます。
目地の間からは事前に床に塗っていた接着剤が浮いて出てしまうこともあり、浮き出た接着材を綺麗に拭き取っていくことが必要です。

一方で、クッションフロアは、ロール状に巻かれたシートを部屋の端から延ばしていくだけですので、フロアタイルに比べると作業はかなり簡単になります。
壁と平行に貼りやすく、斜めに仕上がるようなことは少ないです。

また、クッションフロア同士は面積が大きいため、クッションフロア間で生じる目地も数か所だけとなります。
処理しなければならない目地の数も少ないことから、クッションフロアの施工はフロアタイルに比べると容易といえます。

床の冷たさが気になる

フロアタイルは表面が固いことが特徴であることから、クッションフロアに比べると冷たさを感じる人も多いようです。

石調やタイル調の冷たい印象のフロアタイルもあるため、錯覚で余計に冷たさを感じる場合もあります。

クッションフロアとの価格差

フロアタイルは、クッションフロアに比べると割高です。
面積や工法にもよりますが、クッションフロアの1.5~2倍程度の価格がフロアタイルの値段となっています。

フロアタイル選びで後悔しないためのポイント

この章では、フロアタイルを選ぶポイントについて解説します。

必要な機能の明確化

フロアタイルには、表面が硬いという機能があります。
まずはフロアタイルの表面が固いという機能を生かし、適材適所に使うことが後悔しないコツです。

表面が硬い床材は、土足で歩く場所に使用するのが適しています。
例えば、店舗の床や住宅の玄関等は土足で歩く部分であるため、フロアタイルが適しているといえます。

ただし、住宅の場合、玄関の土間の部分はそれほど広くありません。
本物の石やタイルで仕上げても、過剰なコストアップにならないことも多いです。
そのため、玄関で使用する場合には、本物の石やタイルとコスト比較して選ぶことも後悔しないポイントとなります。

玄関に本物の石やタイルを使っても予算内に収まるようであれば、フロアタイルよりも硬い本物の石やタイルを使うことをおすすめします。

一方で、室内においてもフロアタイルは表面が固いことから重い家具を置く部屋に使用するのも適切な使い方といえます。
表面が柔らかいクッションフロアと比べると、フロアタイルは家具の跡が付きにくいです。

例えば、大きな書棚を置く仕事部屋をフロアタイルにするという選択もあります。
仕事部屋は、その他にもプリンターラック等の比較的重い家具を置くことも多いです。

表面の硬さという機能に着目することで、使用すべき場所が見えてきます。

使用目的で選択

フロアタイルの使用目的は、デザイン性を向上させる場合に用いられることも多いです。
質感の高いフロアタイルは、クッションフロアよりも本物に近いため、高級感を演出できる効果は高いといえます。

ただし、フロアタイルは本物の石やタイルではないことから、本物にはない汚れが生じます。

石やタイルに比べると表面が柔らかいため、家具を引きずると傷が生じやすく、そこに油やホコリが入り込むことで、黒い引きずりの跡が生じてしまいます。

特に白色系のフロアタイルを選んでしまうと、黒ずみの汚れが目立つようになり、本物感が薄れていきます。

そのため、デザイン性の向上を目的にフロアタイルを貼る場合、黒い汚れが目立つ白色系のものは選択しないことが後悔しないためのポイントです。

空間の広さを考慮

目地が多く生じるフロアタイルは、トイレや洗面所、キッチンといった狭い場所の水回りの床には使用しない方が良いです。
フロアタイルを水回りに使うと、目地の間に水が入り込み、ひび割れを生じやすくなります。

狭い水回りの空間は、継ぎ目が少なくいクッションフロアを選択することが後悔しないためのポイントとなります。

インテリアとマッチするか

フロアタイルを使用する場合は、予定しているインテリアとの相性も検討すべき点です。

例えば、リビングの全体を石調のフロアタイルで仕上げてしまうと、寒々しさを感じてしまいます。
木調でも色の濃すぎるフロアタイルを選択すると、部屋が暗く感じてしまいます。

突飛なデザインは、最初は目新しく感じますが、飽きるのも早いです。
長く過ごす時間を考えると、デザインはある程度無難なものから選ぶことが後悔しないポイントとなります。

この記事のポイント

フロアタイルのメリットは?

フロアタイルには、耐久性が高い、 耐水性が高い、デザインの種類が豊富、メンテナンスが簡単といったメリットがあります。

詳しくは「フロアタイルのメリット」をご覧ください。

フロアタイルのデメリットは?

フロアタイルには、防音性に欠ける、施工時間がかかる、DIYには不向き、床の冷たさが気になる、クッションフロアよりも価格が高いというデメリットがあります。

詳しくは「フロアタイルのデメリット」をご覧ください。

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