ざっくり要約!
- マンションと戸建ての大きな違いは所有形態で、それを理解して選ぶ必要がある
- 一般的には首都圏や都心部ではマンション、地方や郊外では戸建てが人気
マンションと戸建てなら、どっちを買うのが正解なのでしょうか。この論争はよく見聞きしますが、マンションにはマンションの良さがあり、戸建てには戸建ての魅力があります。したがって一概にどちらが良いと断言できるようなものではありません。
不動産はそう簡単に買い替えできるものではないため、自分が重視したいポイントや、ライフスタイルにあった住宅を選ぶようにしましょう。
この記事では、マンションと戸建てのどちらを選ぶべきか迷っている方のために、マンションと戸建ての違いや、それぞれのメリット・デメリットを紹介します。
最後にマンションと戸建てを、売りやすさやコストパフォーマンスの視点でも比較しています。ぜひ参考にして、家族にとってベストな選択を導き出してください。
記事サマリー
マンションと戸建ての違いと人気の比較
マンションと戸建てのどちらを選ぶか検討するのであれば、あらためてそれぞれの違いを理解しておきましょう。そのうえで、マンションと戸建てどちらが人気なのか検証します。
マンションと戸建ての違い
マンションと戸建ての大きな違いは、その所有形態です。
マンションは、集合住宅や区分所有建物と呼ぶれることからもわかるように、専有部分である住戸は自分の所有物になりますが、共用廊下やバルコニー、エントランスなどは共用部分です。
マンションに暮らす住民はお互い快適に住めるように、管理規約を守って生活することになります。毎月管理費や修繕積立金を支払う必要がありますが、共有部分は掃除をする必要がなく、大規模修繕工事の費用は基本的に修繕積立金で賄われます。
一方、戸建ては土地・建物すべてが自分のものになります(土地建物が所有権の場合)。たとえば自由にペットを飼うことができ、好きなようにリフォームや改修ができます。「一国一城の主」という表現をすることもありますが、自分の裁量でいかようにもできます。
改修工事のタイミングや内容も自分で決めることができますが、そのための費用は自分で積み立てておく必要があります。
マンションと戸建てはどっちが人気?
マンションと戸建てを比較した場合、どちらが人気なのでしょうか。人気がある方を選んでおきたいものですが、不動産は地域性があるため、マンションが人気のエリアもあれば、戸建てが好まれるエリアもあります。
一般的には首都圏や都心部ではマンション、地方や郊外では戸建てが人気です。
首都圏や都心部に住む人は利便性を重視し、駅近のマンションを希望する傾向があります。
ちなみに東日本不動産流通機構のデータによれば、2023年の中古マンションの成約件数は前年を上回って35,987件、中古戸建ては前年を下回り12,871件でした。
一方、地方や郊外に住む人は、家の広さや住み心地を重視する傾向があります。都心部に比べて地価が安いこともありますが、戸建てを希望することが多いようです。
出典:首都圏不動産流通市場の動向(2023年)|公益財団法人東日本不動産流通機構
マンションのメリット
マンションの多くは駅や商業施設の近くに建っているため、通勤通学がしやすく、利便性が良いのが魅力です。
さらにオートロックや防犯カメラ、管理人室などが備わっているケースが多く、セキュリティ面が充実しているので、安心して住むことができるでしょう。
マンションは一般的に気密性が高い鉄筋コンクリート造であり、とくに左右上下を他の住戸に囲まれている部屋は季節による温度差が少なく、冷暖房の効きも良いでしょう。
大規模修繕は、通常管理組合が主体となって計画します。また基本的には修繕積立金で費用を賄うため、個人で改修工事をしたり、費用を工面したりする必要がありません。共用部は清掃員がしてくれるため、建物の維持管理に手間がかからないこともメリットといえます。
共用部分が充実しているマンションもあり、たとえばキッズルームやトレーニングルーム、キッチンスタジオなどの共用施設を利用することができます。また高層階に住むことで、戸建てでは味わえないような眺望や採光も期待できるでしょう。
マンションのデメリット
マンションは集合住宅であるため、左右上下に住戸があることが多く、騒音が原因でトラブルに発展することがあります。また楽器を演奏できる時間帯が決められていることがあるので、あらかじめ管理規約を確認しておきましょう。
ペットの飼育可のマンションであっても、大きさや頭数が制限されていることが多く、鳴き声にも注意する必要があります。
マンションは毎月管理費や修繕積立金を支払う必要があり、駐車場や駐輪場を利用する場合はその費用もかかります。
戸建てに比べてランニングコストが高いので、住宅ローンの返済以外にかかる費用を考慮しながら資金計画を立てましょう。
リフォームや改修をする場合は、管理組合へ届出が必要なケースが多く、共用部分に影響するような工事はできません。リノベーションなど大きな工事を検討している場合は、事前に管理規約を確認することをおすすめします。
・「マンションのメリットとデメリット」に関する記事はこちら マンションのメリットとデメリットは?戸建てと比較しながら解説 |
戸建てのメリット
戸建ては管理費や修繕積立金、駐車場代がかからないため、マンションと比べてランニングコストが安いことがメリットです。
資金計画も立てやすく、マンションを購入する場合と比べて高額物件を購入できるかもしれません。
隣家とある程度離れているため、マンションのように隣家の足音や生活音で悩むこともありません。配慮は必要ですが、楽器の演奏やペットの飼育もできます。
戸建ての場合は、自分がしたいタイミングでリフォームや改修工事をすることができ、建ぺい率や容積率に余裕があれば増改築して部屋を広げることも可能です。
戸建てのデメリット
戸建ては、改修工事を自分で計画して進めなければならず、そのための費用も積み立てておく必要があります。どこをどのようにメンテナンスすべきか考えることを面倒に感じる方にとっては、デメリットになるでしょう。
マンションは室内やバルコニー以外は、基本的に掃除をしなくてすみますが、戸建ての場合、庭の掃除や植栽の手入れもする必要があります。また雪が降ったときは、ある程度道路の雪かきも必要になるかもしれません。
さらに戸建ては窓が多く、マンションに比べて外から侵入しやすいため、セキュリティに注意する必要があります。
・「一戸建て住宅のメンテナンス費用」に関する記事はこちら 一戸建て住宅のメンテナンス費用の相場や対処が必要になる時期をまとめて解説! |
マンションと戸建てでライフスタイルはどう変わる?
マンションと戸建て、実際に住んだらライフスタイルに影響が出るのでしょうか。利便性と家族構成の視点で比較してみましょう。
とにかく利便性重視ならマンション
利便性を重視するなら、マンションがおすすめです。
マンションは駅や商業施設の近くに建っていることが多く、通勤通学だけでなく買い物するのも便利だと実感できるでしょう。
マンションによってはディスポーザーがついており、生ゴミが出たら粉砕しながら処理することができます。
またマンションは、24時間ゴミステーションにゴミを捨てられるケースが多く、夏などゴミのニオイが気になる時期も快適に過ごすことができます。
家族が増える予定なら戸建て
家族が増える予定があるのなら、戸建てをおすすめします。
戸建ては好きなようにリフォームでき、建ぺい率や容積率に余裕があれば増改築も可能です。家族構成に合わせて、間取りや仕様を変えやすいのは戸建てだからです。
さらに戸建てであればペットの飼育や頭数に制限がないため、ペットの家族も増やすことができます。
マンションと戸建てはどっちが売れる?
マンションと戸建て、売りやすいのはどちらでしょうか。近い将来売却する予定がなくても、不動産を購入するときには資産価値も重視したいポイントです。
不動産としての資産価値なら戸建て
戸建てが向いているのは、不動産の資産価値を重視する人です。
建物は経年によって資産価値が目減りしますが、土地の評価は時価で評価されます。
マンションは土地の持ち分は少なく、老朽化により建て替えする場合は、自己負担金が発生します。
その点、戸建ては土地の面積が大きいため、建物が老朽化しても資産価値が残ります。また古家付きで売却することもでき、費用をかけずとも売却しやすいこともメリットです。
資産形成として投資するならマンション
マンションが向いているのは、資産形成や投資目的での購入を検討している人です。
ここ10年、マンションの価格は右肩上がりに上昇し続けており、立地や条件によっては購入時よりも高く売却できる可能性があります。
またマンションを手放さない場合でも、賃貸物件として貸し出すことで、賃貸収入を得ることもできます。戸建てよりも、利便性の良いマンションの方が貸しやすいこともメリットといえます。
出典:不動産価格指数(令和5年10月・令和5年第3四半期分)を公表 ~不動産価格指数、住宅は前月比0.2%上昇、商業用は前期比1.1%上昇~|国土交通省
マンションと戸建てのコストパフォーマンス
マンションと戸建てを、コストパフォーマンスの視点で比較すると、どちらの方が優れているのでしょうか。住宅ローンとランニングコストに着目して解説します。
住宅ローンの視点ではマンション
住宅ローンを借りやすいのは、マンションでしょう。
住宅ローンを借りる場合、本人の年収や年齢の他に、不動産の担保評価も影響します。
木造の戸建住宅の耐用年数は22年ですが、鉄筋コンクリート造のマンション(住宅)は47年です。
中古物件などの場合は担保評価が低くなるため、耐用年数が短い戸建ては希望する金額を借入できない可能性があります。中古戸建ての購入を検討する場合は、早めに金融機関に相談しておきましょう。
ランニングコストの視点では戸建て
ランニングコストの視点で見れば、戸建ての方がランニングコストを抑えることができます。
東日本不動産流通機構のデータによれば、2022年に取引された首都圏マンションの管理費の平均額は約11,500円、修繕積立金は約12,500円です。
つまり毎月24,000円前後の支出になり、年間では288,000円にもなります。
また駐車場を借りている場合は、別途その費用もかかります。
戸建てでも維持費はかかりますが、マンションほどではありません。駐車スペースがあれば駐車場代もかからないため、月々の支出を抑えたい方は戸建ての方が向いているでしょう。
・「一戸建てとマンションの維持費」に関する記事はこちら 一戸建てとマンションどちらの維持費が高い?具体的な項目と維持費の比較 |
この記事のポイント
- マンションと戸建てでライフスタイルはどう変わる?
マンションと戸建てのライフスタイルはそれぞれ異なりますが、利便性を重視するならマンション、家族が増える予定があるのなら戸建てがおすすめです。
詳しくは「マンションと戸建てでライフスタイルはどう変わる?」をご覧ください。
- マンションと戸建てはどっちが売れる?
マンションと戸建ての売りやすさは立地や築年数などで異なりますが、不動産の資産価値を重視するなら戸建て、資産形成や投資目的での購入を検討しているならマンションが向いているでしょう。
詳しくは「マンションと戸建てはどっちが売れる?」をご覧ください。
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