ざっくり要約!
- 中古マンションには築年数ごとにメリットがあり、一概に「築何年がいい」とはいえない
- マンションの状態と価格のバランスがいいのは築20年までのマンション
中古マンションにはさまざまな価格帯の物件があり、自分の予算に応じて選べるのが魅力です。しかし「中古マンションを買うなら築何年がいいの?」と迷ってしまう方も多いでしょう。
この記事では、中古マンションの築年数と価格の関係や、築年数ごとの特徴やメリットを紹介します。また、購入する前に確認すべきポイントや注意点についても解説しますので、中古マンションの購入を検討している方はぜひ参考にしてください。
中古マンションの選び方
中古マンションを選ぶとき、何を基準にして選んだらよいのでしょうか。築年数は中古マンションを選ぶ際に1つの基準になりますが、築年数が新しいほど価格が高くなる傾向があるため、どちらを優先するのか考えなければなりません。
築年数ごとの特徴を理解し、立地や広さなどほかの条件も含めバランスを考えながら選ぶようにしましょう。
中古マンションの築年数と価格の関係
建物は経年により劣化し、年数に応じて資産価値が下がります。その減少の度合いは構造によって異なり、中古マンションも例外ではありません。
下記は首都圏のマンションの築年帯別の平均価格を表した表です。
築0~5年までは7,000万円前後で成約していますが、築30年近くにもなると3,300万円前後となることがわかります。
引用:築年数から見た 首都圏の不動産流通市場(2023年)|東日本不動産流通機構
さらに表を見ると、築31年以降はほとんど下落していません。これは建物の評価がほとんどなくなり、土地値になったことを意味します。
また成約価格が築36~40年で上昇していますが、都心部のヴィンテージマンションが注目され、高値での取引が成立していることが影響しているかもしれません。
ヴィンテージマンションに明確な定義はありませんが、一般的に立地やデザインがよく、築年数が古くても価格が落ちないマンションのことをいいます。とくに千代田区や港区、渋谷区といった人気エリアにある、管理が行き届いた中古マンションをさすこともあります。
都心部では分譲時の価格よりも値上がりしている中古マンションもあり、地価や需要の高まりが価格に大きく影響することがわかります。
築年数による物件の特徴を理解する
中古マンションの購入を検討する前に、築年数ごとの特徴を理解しましょう。中古マンションには築年数ごとにメリットがあるため、一概に「築何年がいい」とはいえません。自分の希望や条件、予算に合った中古マンションを選びましょう。
立地と築年数のバランスを考慮する
中古マンションを選ぶ際は築年数だけでなく、立地などほかの条件も比較し、バランスを考慮して選びましょう。
マンションの価格は築年数だけで評価されるわけではなく、たとえば陽当たりやバルコニーの向き、階数、住環境なども影響します。
中古マンションの築年数ごとの特徴やメリット
中古マンションは築年数によって特徴やメリットがあるので、築年数を絞ることで選びやすくなります。
この章では、築年数ごとの特徴とそれぞれのメリットを紹介します。築年数ごとのマンションを思い浮かべながら、自分が求める条件にどの築年帯が合っているのか比較してみましょう。
築10年未満のマンションの特徴・メリット
新築から10年未満のマンションは、設備が新しく内装の状態もよい物件が多いため、リフォームがほとんど必要ないのが特徴です。
中古マンションの耐震性や配管の状態に不安を感じる人も、安心して購入できるでしょう。
築10年未満のマンションは、分譲当時と比べてそれほど価格は下がっていません。中古マンションとしては割高ともいえますが、新築マンションと比べてもそれほど劣化していないマンションを、新築マンションよりも安く買えるのがメリットです。
築10年〜20年のマンションの特徴・メリット
築10年から20年のマンションは、給湯器やガスコンロなどが寿命を迎えるタイミングになり、修理や交換が必要になってきます。
価格面で考えると築20年ほどで、分譲時の価格の70~80%程度の価格になります。しかしリフォーム費用を考慮しても、新築マンションを買うよりも安く抑えることができるのがメリットです。
現行の新耐震基準で建てられており、耐震性もまず問題ありません。
マンションの状態と価格のバランスがいいのは、築20年までのマンションといえます。
築20年以上のマンションの特徴・メリット
築20年以上のマンションになると、分譲時の価格の50~60%ほどの価格になり、その後価格が大きく下落することがなくなります。
値崩れしないため、資産価値が下がりにくいことが特徴です。
マンションは駅の近くや人気のエリアから開発されるため、築年数が古いマンションほど、立地がよい傾向にあります。価格面も抑えながら、希望するエリアで見つけやすいこともメリットといえるでしょう。
・「築30年のマンション」に関する記事はこちら 築30年のマンションには何年住める?購入するときに見ておきたいポイントとは |
中古マンションを買うなら築何年?購入前に確認すべき点
ここまで中古マンションの築年数ごとの特徴とメリットを紹介してきました。それぞれに特徴やメリットがあり、一概に「築何年はよくない」ということはありません。希望や予算に応じて、築年数を選択しましょう。
しかし中古マンションを検討するのであれば、購入前に確認すべきポイントがいくつかあります。
この章では、とくに確認しておきたいポイントを3つ紹介します。
- 耐震性と築年数
- リフォームやリノベーションの必要性
- 管理状態と修繕記録
耐震性と築年数
建物には大きく2つの基準があり、現行の耐震基準を満たした「新耐震基準」と、1981年5月31日以前の基準である「旧耐震基準」があります。大きな地震がおきるたびに建築基準法が改正されており、築年数が新しいほどより耐震性を強化した建物になっています。
新耐震基準で建てられたマンションは、震度6強~7程度の揺れが起きても、ほとんど損傷しない構造になっています。
旧耐震基準であるからといって、すぐに倒壊するわけではありませんが、中古マンションを選ぶ際の1つの指標になります。
ちなみに1995年の阪神淡路大震災で、新耐震基準の木造住宅が被害を受けたことを受け、2000年に建築基準法が改正されました(新・新耐震基準)。
なお、建物がどの基準に該当するのかチェックする際は、建物の完成の時期ではなく、建築確認申請がされた日(建築確認通知書発行日)で判断するようにしてください。
1981年5月31日まで | 旧耐震基準 |
1981年6月1日以降 | 新耐震基準 |
2000年6月1日以降 | 新・新耐震基準(2000年基準) ※木造の建物に対する基準 |
リフォームやリノベーションの必要性
内覧の際には設備や内装の状態をチェックし、リフォームやリノベーションがどの程度必要になるか確認しましょう。
設備状態や故障の有無については、売主に確認するようにし、リフォーム会社や工務店に見積もりを作成してもらうようにします。
たとえば浴室をリフォームするのに、50万円~150万円ほどかかります。リフォームにかかる費用を、資金計画に計上することを忘れないように注意しましょう。
管理状態と修繕履歴
マンションは「管理を買う」と表現するほど、管理状態が重要です。
資産価値にも影響するため、内覧の際は住戸部分だけでなく、共用施設や廊下、ゴミステーションなども確認することをおすすめします。
また管理組合がきちんと機能しているマンションほど、大規模修繕工事が適切なタイミングで実施されている傾向があるため、修繕履歴も確認しましょう。
売主に確認することもできますが、希望すれば不動産会社が修繕履歴や大規模修繕の予定について調査することも可能です。
中古マンションの購入プロセスと注意点
中古マンション購入の一般的なプロセスと、購入時に注意すべき点を紹介します。
中古マンション購入の流れ
- 資金計画を立てる
- 不動産会社に希望・条件を伝えてマンションを探す
- マンション内覧
- 住宅ローンの事前審査
- 購入申込書の提出
- 売買契約締結
- 住宅ローン本審査
- 残代金決済・マンション引き渡し
中古マンションを購入する場合は、資金計画を立てた上で不動産会社(仲介会社)に相談します。予算や条件、希望するエリアを伝え、マンションを探してもらいます。マンション購入する際は諸費用もかかるため、資金計画についても担当者に相談しておくとよいでしょう。
担当者から提案してもらったマンションの中で、気になる物件があれば内覧を希望します。日程を調整してもらい、実際にマンションを内覧しますが、比較するためにもできれば一度に2~3件は内覧するようにしましょう。
内覧したマンションの中で購入したい物件が見つかったら、購入申込書(買い付け証明書)を記入し、不動産会社の担当者経由で売主に提示します。そして売買価格や引き渡し条件に折り合いがついたら、売買契約を締結します。
売買契約後に住宅ローンの本審査の申し込みをし、正式に承認が下りたら残代金決済日にローンを実行してもらいます。
金融機関がローンを実行するまでには時間がかかります。また売主の引っ越し準備もあるため、売買契約から1~2カ月後に決済日を予定することが多いです。時間に余裕を持って購入計画を立てておきましょう。
決済日には所有権を移転し、マンションの引き渡しを受けます。
購入時における注意点
中古マンションは売主が住んでいる状態で内覧することが多く、家具を移動したら予想以上に傷や汚れがあったり、設備や建具に不具合が生じていたりすることがあります。
購入してから後悔しないためにも、売買契約時に「設備表」や「物件状況等報告書」をよく確認しましょう。
設備表には、マンションに付随する設備の有無や不具合の有無が記載されており、物件状況等報告書には雨漏りの有無や災害の履歴などが記載されます。
売買契約書に署名をする前であれば、契約を見合わせることもできます。中古マンションの状態をよく確認したうえで、契約を締結するようにしてください。
・「マンション購入時の注意点」に関する記事はこちら マンション購入時の注意点は?新築・中古のポイントを紹介 |
中古マンション購入時の住宅ローンの選び方
住宅ローンの金利や借入可能額、借入条件は金融機関によって異なります。金融機関を選ぶ際には、「給与振込先の銀行だから」という理由だけでなく、住宅ローンの条件もよく比較してから選ぶようにしましょう。
少しの金利差でも、借入額が大きく年数も長くなると、返済総額では大きな違いが出ることがあります。
また、ゼロ金利政策が解除されたこともあり、今後住宅ローンの金利が上昇する可能性があります。当面の間は変動金利の方が、金利が低い状況が続くかもしれません。
しかし今後金利が上昇することも視野に入れて、一部固定金利で借入することを検討するなどし、無理のない資金計画を立てましょう。
・「マイナス金利解除」に関する記事はこちら マイナス金利解除!住宅ローン金利や不動産価格に与える影響は? |
中古マンションの資産価値
地価や物価、建築資材の高騰により、新築マンションの価格は上昇し続けており、そのあおりを受けて、中古マンションの価格も上昇し続けています。しかしこの上昇傾向は、いつまで続くかわかりません。
中古マンションの購入を検討するのであれば、資産価値が下がりにくいマンションを選ぶようにしましょう。
資産価値が下がりにくい中古マンションとは?
中古マンションの建物部分は経年により劣化し、資産価値も下がります。築30年以降になるとマンション価格が下がりにくいのは、ほぼ土地値になるからです。
中古マンションを購入するのであれば、最寄り駅からの距離や利便性を重視し、資産価値が下がりにくいマンションを選ぶようにしましょう。
・「中古マンションの売却」に関する記事はこちら 中古マンションを高く売却するための注意点とは?不動産会社の選び方も解説 ・「資産価値の高いマンションの条件」に関する記事はこちら 資産価値の高いマンションの条件とは?戸建てとの比較も紹介 |
投資目的での中古マンション選びのポイント
家賃収入を得るためなど、投資目的で購入する場合は、入居者がつきやすいマンションを選ぶようにします。駅やスーパーの近くなど、通勤・通学や日々の生活が便利なマンションがおすすめです。
また高額なファミリータイプのマンションを1部屋所有するよりも、コンパクトなマンションを複数所有することで、空室によるリスクを軽減できます。
この記事のポイント
- 築10年未満のマンションの特徴・メリットは?
新築から10年未満のマンションは、設備が新しく内装の状態もよい物件が多いため、リフォームがほとんど必要ないのが特徴です。
中古マンションの耐震性や配管の状態に不安を感じる人も、安心して購入できるでしょう。
詳しくは「中古マンションの築年数ごとの特徴やメリット」をご覧ください。
- 中古マンションの購入前に確認すべき点は?
中古マンションを購入する前には、耐震性と築年数、リフォームやリノベーションの必要性、管理状態と修繕記録を確認しておきましょう。
詳しくは「中古マンションを買うなら築何年?購入前に確認すべき点」をご覧ください。
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