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中古マンションを高く売却するための注意点とは?不動産会社の選び方も解説

中古マンションの相場は、立地や築年数、床面積などによっておおよそ決まっています。しかし、工夫することで高く売却できることがあります。

この記事では、中古マンションを高く売却するために知っておきたい、高く売却しやすい時期や売却時に発生する税金を抑える方法について紹介します。

また、仲介不動産会社の選び方や売却する際の注意点などについても解説しますので、ぜひ参考にしてください。

中古マンションを高い価格で売却するために知っておきたいこと

初めて中古マンションを売却する方が、最初に知っておきたいことを紹介します。事前に知識があれば、スムーズに中古マンションを売却できるでしょう。

中古マンションは常に査定額のとおりに売れるのではありません。どうしてもこの物件を購入したいという買い手がいれば、査定額よりも高額で売れることもあります。

不動産会社の査定額を参考にし、時期や状況を反映した価格に設定しましょう。

築年数によって中古マンションの売却価格が変わる

中古マンションの売却価格は、築年数で大きく変わります。一般的には古くなれば古くなるほど価格は下がりますが、築20年を超えたあたりからは価格下落の幅が小さくなり、価格が下がりにくくなります。

時期によって中古マンションの需要が異なる

転勤や人事異動、就職、子どもの新学期などによって生活環境が変わるのは、4月と10月に集中しています。

そのため、2月か3月、8月か9月頃に契約が決まるように売り出し始めると比較的短期間で売却できることがあります。

なお、転勤や人事異動は直前に決まることが多いため、時間をかけた物件探しは難しいことも多いです。しかし、入学や就職などはかなり早い時期から分かっていることも多く、3月の引っ越しに合わせて、10月、11月ごろから物件を探し始めるケースもあります。

3月に引っ越しをする方たちをターゲットにする場合は、前年の秋ぐらいから売却案件として出し、実際の引き渡しを2月、3月頃に設定するのもよいでしょう。

長期譲渡所得の税額が適用されるか確認する

相場よりも高額な価格で売れたとしても、税金が高いと利益が少なくなるため、事前に税金についても考えておきましょう。

不動産を売却したときの利益を「譲渡所得」といいます。不動産を譲渡した年の1月1日現在の所有期間が5年を超えている場合は「長期譲渡所得」、5年以下の場合は「短期譲渡所得」と区別し、それぞれ税率が変わるので注意が必要です。

課税譲渡所得金額は以下の式で求めますが、長期譲渡所得に該当する場合は所得税率が15%、住民税率が5%であるのに対し、短期譲渡所得に該当すると所得税率は30%、住民税率は9%とほぼ2倍になっています。

・ 課税譲渡所得金額=譲渡価額-(取得費+譲渡費用)-特別控除

2015年10月30日に購入したマンションを2021年内に売却し、課税譲渡所得金額が1,000万円だったとしましょう。2021年1月1日の時点ですでに所有期間が5年を超えているため長期譲渡所得に該当し、所得税額は150万円、住民税額は50万円(※1)と計算できます。

一方、同じマンションを2020年内に売却し、課税譲渡所得金額が1,000万円とします。2020年1月1日の時点では所有期間が5年以下のため短期譲渡所得に該当し、所得税額は300万円、住民税額は90万円(※2)になってしまいます。

(※1、※2) 2013年から2037年は復興特別所得税として、各年分の基準所得税額の2.1%を所得税と併せて申告、納付します。

3,000万円特別控除が適用されるか確認する

居住用のマンションを売却したときは、3,000万円の特別控除が適用されます。これによりマンション売却によって得られた利益が3,000万円を超えていない場合は非課税になることがあります。

ただし、譲渡所得の内訳書を記入して、税務署に提出する必要があります。手続きが複雑なときは、税理士への依頼を検討しましょう。

・「マンション売却 相場」に関する記事はこちら
マンションの売却相場ってどのくらい?地域別の相場と調べ方を解説

不動産会社の選び方

中古マンションを高い価格で売却するためには、どの不動産会社を仲介業者として選ぶかも重要な要素になります。不動産会社の選び方について見ていきましょう。

中古マンションの売買に強い不動産会社を選ぶ

不動産会社といっても、得意分野はさまざまです。土地建物の売買に強い不動産会社もあれば、賃貸が得意な不動産会社もあります。また、不動産管理や開発を専門とする不動産会社もあります。

マンションを売却するときは、マンション売却を多く手掛けている不動産会社を選びましょう。

マンション売却に不得意な不動産業者に依頼してしまうと、手続きに時間がかかる場合や思ったよりも低価格で売却することになるケースもあります。

実績ある不動産会社であるかを確認する

経験豊富な不動産会社かどうかを判断するには、宅地建物取引業者票の免許番号の確認も目安のひとつとなります。

例えば「国土交通大臣(1)第XXXXX号」と記載されている場合は、かっこのなかの番号が1のため、一度も免許更新を行っていないと考えられます。免許更新は1996年以降に関しては5年に1度、1995年以前は3年に1度行われますので、まだ免許取得後5年が経っていません。

特定の都道府県内だけに事務所がある不動産会社は「東京都知事(2) 第XXXXX号」のように都道府県知事と記載されています。この場合かっこの中の番号は更新回数に1を加えた数字なので、この場合は1回のみ更新したと考えられます。

ただし、都道府県知事免許から国土交通大臣免許に変更したときや、個人事業主から法人化したときなどは、不動産売買の実績が長くてもかっこ内の数字が少なくなることがあります。そのため、かっこ内の数字は目安として見ましょう。

相談しやすく実力のある担当者を選ぶ

担当者もマンション売却が成功するかどうかの重要な要素のひとつです。

マンション売却の経験は豊富か、説明や質問に対しての回答がわかりやすいか、的確に連絡をもらうことができるかなどもチェックしましょう。

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中古マンション売却時の注意点

マンションを売却するときには、いくつか注意すべきポイントがあります。事前に知っておきたいこと、決めておきたいことを紹介します。

売却と同時に抵当権を抹消しないといけない

自宅マンションに抵当権が設定されている場合は、抵当権抹消登記は決済日に所有権移転登記と同時に行うことがほとんどです。

預貯金で住宅ローンを完済できる方は少なく、買主から受け取る売却代金をローン残高の返済に充てることが多いためです。通常、抵当権が抹消されないと売却はできませんので、ローン残債を返済できるように売却金額を決めないといけません。

いくらまで値引き可能か決めておく

購入検討者が値下げを要求する可能性もあります。

複数の購入検討者から値下げを求められる可能性もあるため、事前に「値引きは一切しない」、「5%」、「10%」のように値下げのルールを決めておくとよいでしょう。

リフォームが必要であるかを検討する

売却前のリフォームでマンションの印象は良くなりますが、売却価格は築年数や広さを反映することが多いため、影響は軽微と考えられます。

また、リフォームの様式や装飾などの好みが購入検討者に合わないときは売れにくくなる場合もあるでしょう。

ドアが開きづらい、窓を開けるときに異音がする、などの基本的設備は修理、リフォームをしてから売却するほうがよいですが、使うことはできるが設備が古いといった状況であればリフォームしないほうがよいかもしれません。

売却後の引き渡しは無理のない日程を設定する

引き渡しのタイミングは、確実に引き渡せる日を設定しておきましょう。一般的には、売り出し開始から完了するまで半年ほどかかります。

内覧に備えて準備する

現在住んでいるマンションを売却する場合、内覧では購入検討者が居住中の部屋を実際に見ることになります。部屋をきれいにし、整理整頓しておくと良い印象を与えられます。

また、周辺のお店や病院、治安、隣や上下の部屋に関して尋ねられることを想定し、スムーズに答えられるように考えておきましょう。

購入希望者がローン審査に通らない場合は契約解除せざるを得ない

購入希望者が購入を決意したとしても、その方の与信が低くローン審査に通らないと契約解除になることがあります。

ローン特約の内容が、ローン審査に通らなければ自動的に契約解除となるのか、期限内に買主側から連絡等の手続きを要するのかを確認しておきましょう。

なお、ローン特約は仲介事業者を介する場合は仲介事業者側に助言やあっせん等の義務があるため、特約自体はついているのが一般的です。

忘れずに確定申告を行う

売却後は確定申告を必ず行いましょう。不動産売却時に課税対象になるのは、売却価格から取得費と譲渡費用、特別控除を差し引いた譲渡所得です。

もしも申告手続きが難しい場合は、事前に税理士に相談しましょう。

・「マンション売却 失敗事例」に関する記事はこちら
マンション売却時にありがちな失敗事例とは?後悔しないコツを解説

中古マンション売却にかかる費用

中古マンションの売却には、さまざまな費用がかかります。売却した価格よりも受取額は少ないのでご注意ください。

仲介手数料

不動産会社に仲介手数料を支払います。仲介手数料の上限額は以下のように定められているので、事前に計算しておきましょう。

  • 売却価格のうち800万円以下の部分:一律30万円に消費税分を加算
  • 売却価格のうち800万円を超える部分:価格の3%+6万円に消費税分を加算

例えば、売却価格が3,000万円、消費税率が10%であれば、以下の式から手数料の上限額は1,056,000円と計算できます。

(3000万円×3%+6万)×1.1=1,056,000円

詳しくはこちら:不動産売却時の仲介手数料について教えてください

印紙税

1万円以上の契約書面を取り交わす際に印紙税が課税されます。

例えば、2021年7月現在では、1,000万円超5,000万円以下の契約には10,000円、5,000万円超1億円以下の契約には30,000円かかります。

登録免許税

不動産を登記する際には登録免許税が課税されます。

不動産の売買により所有権が移転する場合や、抵当権を抹消する場合(抵当権抹消登記)には正しく納付しましょう。

司法書士への報酬

登記の手続きを依頼した司法書士への報酬が発生します。

なお、司法書士への報酬は、売買を仲介した不動産会社を経由して支払うのが一般的です。

・「マンション売却 住み替え」に関する記事はこちら
マンションを売却して住み替える際の費用や損しない手順を徹底解説!

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売却時に用意しておく書類

売却時に用意しておく書類としては、次のものがあります。売却時に手間取らないためにも、早めに準備しておきましょう。

  • 身分証明書
  • 実印
  • 登記済み権利書
  • 固定資産税納税通知書
  • 固定資産税評価証明書
  • マンションの管理規約
  • マンションの維持費関係の書類

中古マンション売却の流れ

中古マンションの売却を不動産会社に依頼する場合は、以下の流れで手続きが進みます。

1.査定

まずは売却したいマンションの査定を不動産会社に依頼します。

査定を依頼する不動産会社のウェブサイトなどから、マンション売却の実績が豊富なのかチェックします。

2.媒介契約の締結

媒介契約には、一般媒介契約と専任媒介契約、専属専任媒介契約の3種類があります。

一般媒介契約は、同時に複数の不動産会社に売却を依頼できるので早く契約が決まることがあります。また、売主自身が見つけた買主にも、直接売却できます。

一方、専任媒介契約では売却を依頼できるのは1社のみです。ただし、売主自らが発見した相手と直接取引することは可能です。

また、専属専任媒介契約でも売却を依頼できるのは1社のみですが、売主自身が自分で発見した相手と直接取引できません。

3.売却活動

売却活動は不動産会社に任せるのが一般的です。自ら買主を見つけて売却したい場合は、一般媒介契約か専任媒介契約を選ぶようにしましょう。

4.内覧対応

内覧希望者には、居住中の部屋を見せます。部屋をきれいに掃除しておくことで良い印象を与えられます。

5.売買契約の締結

売り手と買い手の合意が得られたら契約です。なお、ローン特約があるときは契約後でも解約されることがありますが、費用的な負担がないのが一般的です。

6.引き渡し

契約が成立し、売却代金を受け取ったあとで引き渡しを行います。約束の日に引き渡せるよう、無理のないスケジュールを立てておきましょう。

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大切な資産を売るときは綿密な計画を立てましょう

大切な資産をより高く売却するためにも、売却時期や税金、仲介不動産会社などについても吟味するようにしましょう。

また、焦りが出ないように無理のないスケジュールを立てることも、好条件で売却するためのポイントです。

中古マンションを売却する際に事前に確認することは多いですが、実績が豊富な不動産会社を見つけることでスムーズな取引が可能になります。

ぜひ不動産会社のウェブサイトなどを参考に、中古マンションの売却に適した会社を選んでください。

この記事のポイント

中古マンションを高く売るポイントとは?

中古マンションを高く売るポイントは以下の通りです。

  • 築年数によって中古マンションの売却価格が変わる
  • 時期によって中古マンションの需要が異なる
  • 長期譲渡所得の税額が適用されるか確認する
  • 3,000万円特別控除が適用されるか確認する

詳しくは「中古マンションを高い価格で売却するために知っておきたいこと」をご確認ください。

マンション売買で不動産会社を探すなら?

不動産会社を通じてマンション売買をするなら中古マンションの売買に力を入れており、実績の高い不動産会社を選ぶことが大切です。

詳しくは「不動産会社の選び方」をご確認ください。

この記事の監修

安田 亮
資格情報: 公認会計士、税理士、1級ファイナンシャル・プランニング技能士

神戸市中央区で「安田亮公認会計士・税理士事務所」を開業している公認会計士・税理士。
大手監査法人で約4年間、東証一部上場企業で6年間勤務した後に独立開業。
税理士として法人企業や個人事業主の方の決算・申告はもちろんのこと、大家業を営まれている方の不動産所得や譲渡所得の申告を数多くこなす。また、1級FP技能士の資格も保有しており、個人のお金・家計・税金分野についても強みを持つ。

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