ざっくり要約!
- 庭のリフォームにはウッドデッキの設置や砂利や芝生による整地などさまざまな種類がある
- 庭のリフォーム前にはメンテナンスについて把握しておき、完成後のイメージを明確にしておくことも大切
リフォームは家の中だけではなく、「庭」を対象に行うこともあります。
庭はリフォームすることで住み心地が向上するだけでなく、庭でキャンプができる等の新たな楽しみが生まれることも多いです。
また、工事内容によっては補助金がもらえるケースがあります。庭の工事の補助金は、自治体が行っているものが多い点が特徴です。どのような補助金があるかを知っておくと、リフォームも行いやすいといえます。
この記事では、「庭のリフォーム」について解説します。
記事サマリー
庭のリフォーム事例と費用相場
庭のリフォーム事例と費用相場を解説します。
ウッドデッキを設置する
ウッドデッキとは、屋外に床板を張って作る木製のスペースのことです。
ウッドデッキのメリットは、屋外にもリビングのような憩いのスペースを設けられる点が挙げられます。
デメリットは、掃除や雑草抜き等のメンテナンスが必要になるという点です。
ウッドデッキは、天然木または人工木を使うケースがあります。天然木は風合いがあり雰囲気も出て良いのですが、腐食が早いのが欠点です。一方、人工木は風合いが失われますが、腐食しにくいという利点があります。
費用の相場は、天然木なら1平方メートルあたり3~4万円、人工木なら1平方メートルあたり1~3万円です。
カーポートを作る
カーポートとは、屋根を付けただけの壁に囲まれていない駐車スペースのことです。「囲まれていない」という点がポイントとなります。
例えば、屋根があり3方向以上の壁で囲まれたガレージを作ってしまうと、そのガレージに建物としての固定資産税が課されてしまいます。カーポートは壁がなく、建物の課税要件を満たしていないことから固定資産税が発生しない点が特徴です。
カーポートのメリットは、車を雨や雪からある程度守ることができる点になります。横殴りの雨や雪に対しては効力が低いですが、一般的な雨や雪であれば車を守る十分な効力があります。
一方、デメリットとしては、防犯性が低いという点です。ガレージのように囲まれていないため、車上荒らしに遭うリスクもあります。
費用の相場は、20~50万円程度です。
砂利や芝生で整地する
砂利敷きとは、整地した土地の上に砂利を敷く仕上げのことです。駐車場としても利用でき、防草シートを下に敷くと雑草も生えにくいというメリットがあります。一方で、転んだときにケガをしやすいといった点がデメリットです。
芝生とは、整地した土地の上に芝を敷き詰める仕上げのことです。芝生は雰囲気も良く、子どもも安心して遊べる点がメリットとなります。一方で、雑草が生えやすく駐車場には向かない点がデメリットです。
費用の相場は、砂利敷きが1平方メートルあたり4,000~10,000円、芝生が1平方メートルあたり6,000~14,000円となります。
ガーデンルームを作る
ガーデンルームとは、屋根と3面の壁をガラスで囲った空間のことです。見た目はサンルームとほぼ同じですが、サンルームは出入口が固定されているのに対し、ガーデンルームは折り戸によって全面開放できるという違いがあります。
ガーデンルームは、全面開放ができることから開放感が味わえる点がメリットです。
一方で、台風や豪雨のときに雨が浸入しやすい点がデメリットとなります。また、ガーデンルームには建物としての固定資産税が発生する点も把握しておかなければなりません。
費用の相場は、150~200万円程度となります。
目隠しフェンスを設置する
目隠しフェンスとは、通行人からの視線を遮ることを目的としたフェンスのことです。
メリットはプライバシーが守られ、防犯性も高まるという点が挙げられます。デメリットは、日当たりや風通しが悪くなる場合があるという点です。
費用相場は、標準的な規模の住宅で100~150万円程度となります。
庭をリフォームする際のポイント
庭をリフォームする際のポイントについて解説します。
メンテナンスについて把握しておく
庭のリフォームは、選ぶ素材によってメンテナンスの方法や頻度が異なります。
例えば、ウッドデッキで天然木か人工木かを選択するだけでも、その後のメンテナンス方法が異なってきます。天然木であれば定期的な塗装が必要となりますが、人工木であればほとんどメンテナンスフリーです。
また、庭も砂利敷きなら草むしりは基本的に不要ですが、芝だと草むしりが発生します。素材を選ぶ際は、金額だけでなく、その後のメンテナンスも加味して選択することが望ましいでしょう。
イメージを明確にする
庭をリフォームするなら、完成後のイメージをできるだけ明確にすることも必要です。
例えば、ウッドデッキを作ってみたものの、庭に出る機会が増えたため、目隠しフェンスが欲しくなるというケースが考えられます。ただし、後から目隠しフェンスを付けると、今度は逆にウッドデッキの日当たりが悪くなってしまうこともあります。
失敗を防ぐには、実際の事例等も参考にしながら、完成後の利用シーンを十分に想像して計画することがポイントです。
庭をリフォームする際の補助金とは
補助金は大きく分けて「国の補助金」と「自治体の補助金」の2種類があります。
庭のリフォームで利用できるのは、ほとんどが自治体の補助金です。
自治体の補助金は全国一律ではないため、「ある自治体」と「ない自治体」が存在します。また、似たような補助金でも、自治体によって要件や補助額が異なることが通常です。
この章では、該当する補助金がある自治体の具体例を紹介します。紹介するのはあくまでも特定の自治体の制度であるため、補助金を利用する際は対象地域の自治体で補助制度の有無と内容を調べるようにしてください。
生垣の設置
生垣の設置に関しては、東京都墨田区の事例を紹介します。
樹木による生垣は、快適な環境や安全なまちづくりにとって欠かせない役割があります。緑を街の中にもっと増やすため、墨田区では「緑のへい助成制度(沿道緑化)」という補助金制度を設けています。
補助金額は、下表の額と実際の工事費のいずれか少ない方になります。
工事内容 | 補助金額 |
---|---|
生け垣 | 植え込み地の長さ1メートル(10センチメートル未満は切り捨て)につき2万円(限度額は40万円) |
植樹帯 | 植え込み地の面積1平方メートル(10平方センチメートル未満は切り捨て)につき2.4万円(限度額は40万円) |
なお、ブロック塀等を取り壊した跡に緑のへいを設置した場合は、1メートルにつき1万円加算されます。
適用条件と申請方法
補助の対象となる工事は、新たに道路に面した沿道部分に緑のへい(生け垣や植樹帯)を設置した場合です。
生け垣や植樹の要件は下表のようになっています。
工事内容 | 要件 |
---|---|
生け垣 | 高さ1メートル以上の樹木を葉と葉が触れ合う間隔で列植したもの。 |
植樹帯 | 奥行き50センチメートル以上の植栽ますに葉と葉が触れ合う間隔で樹木を列植したもの。 |
また、以下のような場合は補助の対象にはなりません。
【補助対象外要件】
- 法令に不適合な建築物に設置する場合および条例または要綱に基づき設置する場合。
- 隣地との境界沿いに設置する場合(対象となるのは道路に面した沿道部分のみ)。
- 沿道部分であっても、道路と緑のへいを遮るような構造物(フェンスを含む)を設置する場合。
- ブロック等の縁石の高さが45センチメートル超の場合。
申請の際は、まず墨田区の窓口に相談に行くことが必要です。区の職員が設置予定場所の現地に出向き、対象の可否を判断します。
対象として認められたら、「緑のへい等設置補助金等交付申請書」等の必要書類を提出し、交付決定を待ちます。
工事着工は交付決定後に実施し、工事が完了したら検査を受けた上で請求を行い、約3~4週間後に補助金が振り込まれるという流れです。
雨水タンクの設置
雨水タンクの設置に関しては、東京都品川区の事例を紹介します。
屋根に降った雨水は、貯めておくと夏場の打ち水や植木の水やり、いざというときの水の確保に利用することができます。
さらに水道代の節約にもなり、浸水対策としても貢献できます。
東京都品川区では、「雨水利用タンク設置助成」という補助金制度を設けています。
補助対象および補助金額は下表の通りです。
工事内容 | 補助金額 |
---|---|
雨水タンク本体、および雨水タンク設置工事費 | 雨水タンク本体価格と雨水タンク設置工事費の合計の2分の1(上限額は5万円、ただし設置工事費の助成額の上限は1万5千円まで) |
適用条件と申請方法
対象となる雨水タンクは、以下の要件を満たしていることが必要です。
工事内容 | 要件 |
---|---|
雨水タンク | ・貯留した雨水の水質が悪化しない構造であること。 ・容易に転倒しない構造であるなど、使用にあたって安全性が確保されていること。 |
上表の要件を満たしていれば、タンクの種類は問わないとしています。
申請の際は、事前に品川区の窓口に相談に行くことが必要です。
補助の対象と判断されたら、「雨水利用タンクの購入予定費および設置工事予定費のわかる書類」等の必要書類を提出し、問題がなければ交付決定がなされます。
雨水タンクの設置は交付決定を受けてから行い、設置が完了したら完了届と請求書を品川区に提出します。
請求内容に問題がなければ、補助金が支給されるという流れです。
屋上緑化・壁面緑化
屋上緑化・壁面緑化に関しては、東京都大田区の事例を紹介します。
東京都大田区では、緑の保護緑化を目的に「屋上緑化・壁面緑化助成制度」という補助金制度を設けています。
補助対象および補助金額は下表の通りです。
工事内容 | 要件 |
---|---|
屋上緑化 | 対象経費の2分の1(上限額は1平方メートルあたり2万円、総額で上限50万円) |
壁面緑化 |
適用条件と申請方法
対象となる緑化は、以下の要件を満たしていることが必要です。
工事内容 | 要件 |
---|---|
屋上緑化 | ・住居として使用されている居室の屋上及び屋根の部分 ・階下が住居の居室になっている屋根のないバルコニー等の床面 |
壁面緑化 | ・住居として使用されている居室部分の外壁で屋根のない部分 |
対象建物は大田区内にある住居もしくは住居併用として使用しているもので、1981年(昭和56年)6月1日以降に建築確認を受けたものになります。
また、屋上緑化と壁面緑化は、それぞれ以下の要件を満たすことが必要です。
- 年間通じて緑が維持できる植栽とすること
- 自動潅水装置を設置すること
- 最低、5年間は維持すること
申請は、事前に大田区の窓口に相談に行くことが必要です。職員が現地確認を行い、問題がなければ「屋上緑化等助成申請書」等の必要書類を提出し、交付決定がなされます。
緑化の工事は交付決定を受けてから実施し、工事が完了したら区の職員による確認が行われ、その後に請求書を提出します。
請求書類等に不備がなければ、補助金が支給されるという流れです。
この記事のポイント
- 庭のリフォーム事例にはどんなものがありますか?
庭のリフォーム事例としては、ウッドデッキやカーポートを作ることや、砂利や芝生で整地することが挙げられます。
そのほか、ガーデンルームや目隠しフェンスを設置することも可能です。
詳しくは「庭のリフォーム事例と費用相場」をご覧ください。
- 庭をリフォームする際の補助金はありますか?
庭のリフォームで利用できる補助金は、ほとんどが自治体の補助金です。
自治体の補助金は全国一律ではないため、「ある自治体」と「ない自治体」が存在します。また、似たような補助金でも、自治体によって要件や補助額が異なることが通常です。
詳しくは「庭をリフォームする際の補助金とは」をご覧ください。
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