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家を売るときに内覧希望者を迎えるポイント!早期売却への道を徹底ガイド

執筆者プロフィール

亀梨奈美

株式会社realwave代表取締役。大手不動産会社退社後、不動産ジャーナリストとして独立。
2020年には「わかりにくい不動産を初心者にもわかりやすく」をモットーに、不動産を“伝える”ことに特化した株式会社realwaveを設立。
住宅専門全国紙の記者として活動しながら、不動産会社や銀行、出版社メディアへ多数寄稿。不動産ジャンル書籍の執筆協力なども行う。

ざっくり要約!

  • 内覧を希望する人は、それだけ物件に対して興味・関心が高いということ。内覧は、購入希望者を「買主」に変えるための最重要局面です。
  • 内覧で購入を決意してもらうため、家の印象をできる限り良くできるよう整理・清掃を徹底することが大切です。

不動産の購入を検討している人はほぼ、購入前に「内覧」を希望します。内覧次第で、売却の可否が決まるといっても過言ではありません。

本記事では、内覧前の整理・清掃のポイントとともに、内覧希望が入らない場合、あるいは内覧が多いのになかなか成約にいたらない場合の解決策を解説します。

不動産売却における「内覧」とは?

不動産を売却するには、ほとんどの場合「内覧」の対応をしなければなりません。内覧とは、購入希望者が実際に物件を見にくることを指します。

内覧対応なくして成約なし

買主の立場になって考えてみてください。不動産という高額な資産を購入するにあたって、現物を見ずに決めるのは恐怖を感じるのではないでしょうか?よって、自宅を購入する方はほぼ100%内覧するといっても過言ではありません。

とはいえ、気になった物件を全て内覧するとは限りません。わざわざ時間を作り、現地に訪れるということは、それだけ興味・関心が高いということを意味します。内覧は、購入希望者を「買主」に変えるための最重要局面。少しでも良い物件と思ってもらえるよう、気を引き締めて準備に臨みましょう。

家の印象を良くするための整理・清掃方法のポイント

内覧者は、価格やその他の条件、状況にある程度、満足しているからこそ内覧をするのです。言ってみれば、内覧者は買主になる有力候補。内覧で購入を決意してもらうため、家の印象をできる限り良くできるよう、特に次のポイントにこだわって整理・清掃を徹底しましょう。

玄関

玄関は、内覧者が一番最初に目にする場所であることから、最も印象に残ります。靴が散乱しているようであれば、全て靴箱に収納しましょう。飾り棚がある場合は花を生けたり、綺麗なスリッパを用意しておいたりすると、歓迎の気持ちが伝わります。

リビング

リビングは、内覧者にとって購入後の生活がイメージしやすい場所です。まずはリビングからチェックする方も多いため、玄関同様、整理・整頓を徹底しましょう。

家が売れたあとは、新居に移るはず。引っ越しを見越して、内覧前から不要なものを処分しておくことで家の中をすっきり見せることができます。

水まわり

浴室や洗面台、キッチン、トイレは「衛生的」であるかがジャッジされます。最も清掃に力を入れたい部分です。

水垢やカビが目立つようであれば、専用の洗剤を使ってできる限り綺麗に、清潔にしておきましょう。また、鏡が綺麗だと、空間が広く、衛生的に見えるものです。浴室や洗面台の鏡のウロコは、石鹸カスや水道水のカルキ、炭酸カルシウムなどがこびりついたもの。汚れの原因がアルカリ性のため、お酢やクエン酸水、酸性洗剤などを吹きつけ、ラップをつけて放置した後に流すと綺麗になりやすいので、ぜひ試してみてください。

キッチンのシンクのくすみや排水溝のぬめり、ガスコンロの五徳や換気扇の汚れは、なかなか落ちないもの。これらの箇所は、プロにお掃除を頼むことも検討してみましょう。

収納

内覧前の整理・清掃の盲点となりやすいのが、収納の中です。購入する住まいの収納力は、誰しもが確認しておきたいポイント。内覧者に「そこは見ないでください」と言うことのないよう、整理しておきたいものです。空にする必要性はありませんが、すっきりと見せられるよう、片付けておくと良いでしょう。靴箱も同様です。

ベランダ

ベランダは、洗濯物を干す場所および眺望の確認のため、多くの内覧者が確認するポイントです。落ち葉や埃などを取り除き、内覧当日は洗濯物を干すのは控えましょう。加えて、内覧者の数だけ屋外履きを用意しておくと、スムーズに内覧が進みます。

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内覧直前のポイント

整理・清掃をしっかりするだけでは、まだ安心できません。内覧直前には、次のポイントを実行することで、さらに印象を高めることができます。

快適な温度にする

夏場や冬場の内覧は、温度や湿度にも気をつけたいもの。「寒い」「暑い」といった記憶は、物件そのものの印象を悪くしかねません。内覧の数十分前には、冷房や暖房を付け、快適な温度にしておきましょう。

できる限り明るくする

暗い部屋は、どんなに広くても、どんなに片付いていても、印象が良いものではありません。昼間であればカーテンを明け、暗い時間帯なら全ての照明をつけておくことをおすすめします。とくに、内覧者が最初に目にする玄関は、内覧前から照明をつけておきましょう。

消臭する

家には、住んでいる人にはわからない特有の匂いがあることも少なくありません。嫌な匂いかはさておき、特有の匂いがあると「人の家」という感覚が強くなるもの。内覧者は購入を検討している家を見に来る以上、このような印象を与えることは良いとはいえません。また、嗅覚で感じ取ったものは人の記憶に残りやすいものです。

良い香りにすべきとはいいませんが、消臭剤などで匂いを消しておきましょう。内覧前には、窓を開け払い、空気を入れ替えるのもおすすめです。ただし、その場合は、内覧時の温度・湿度に気をつけてください。

内覧希望者が1ヶ月来ない?!解決策と早期売却方法

せっかく整理・清掃しても、内覧希望者がいなければ成約には近づきません。売り出してから1ヶ月以上、内覧希望者がいない場合は、不動産会社の担当者と相談しながら、次のような解決策を講じるのが効果的です。

掲載写真を増やす

「この物件、見てみたい!」と思わせるのに最も効果的なのは、写真です。価格や立地、広さや間取りも必要な情報ですが、物件写真は視覚的、感覚的に購入検討者の興味をそそるもの。クオリティの高い写真の掲載を増やせば、内覧申し込みに結びつきやすくなります。

売主自身がスマートフォンで物件写真を撮影することもできますが、より広く、より明るく、より魅力的に見える写真であるほど、内覧希望者は増えます。よって、プロカメラマンに撮影してもらうのもおすすめです。

ホームインスペクションを実施する

一定の費用と手間はかかりますが、物件に付加価値を与えるには「ホームインスペクション」も効果的です。ホームインスペクションとは、建物の診断を指します。第三者機関が、構造耐力上安全性に問題が生じやすい部分や雨漏りや水漏れの発生が多い箇所を中心に建物を検査することで購入検討者の「安心」につながり、内覧希望者の増加に期待できます。

価格を下げる

内覧希望が入らない理由は、価格にある場合も。物件の条件や状況に対して価格が高いと「どうせ内覧しても予算オーバーだし……」との思いから、内覧申し込みに繋がりません。相場より高く売り出している場合は、反響を見て、相場に近づけるための値下げも検討すべきでしょう。

値下げのポイントは“桁”を変えること。たとえば、3,100万円で売り出している物件を3,000万円に値下げしても、不動産ポータルサイトの絞り込み条件が「3,000万円未満」などであればヒットしません。

一方、2,980万円とすれば、「3,000万円以下」「3,000万円未満」いずれの検索条件でもヒットします。わずか20万円の差ですが、桁を変えるだけでより多くの人の目に物件情報を触れさせられるため、効果的な値下げとなるでしょう。

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内覧が多いのになかなか売れないときの対応策

  • 毎週末に内覧希望が入る
  • すでに10件以上の内覧対応をした
  • 反響・問い合わせも多い

このように、反響が多く、実際に内覧者も多いということは、価格や立地、その他、公開されている情報に対する満足度は高いものと推察されます。

その一方で、なかなか売れないというのであれば、内覧で良い印象を与えられていないことが要因として考えられます。このような状況下では、以下のような対応策が効果的です。

補修

築年数が比較的浅いにもかかわらず、目立つ傷がある場合は、補修をしたほうが早期に売れる可能性があります。しかし、壁や床に穴や凹み、めくれなどが目立つとしても、必ずしも補修しなければならないということはありません。それは、リフォーム前提で購入する人もいるからです。

ただし、補修には費用がかかるケースもあるため、独断では決めず、不動産会社の担当者と相談して実施を検討しましょう。

ハウスクリーニング

ハウスクリーニングも一定の費用がかかりますが、物件の印象を良くするには費用対効果の高い施策といえます。1軒まるごとハウスクリーニングする場合の予算は、15万円前後です。

値下げをする場合、10万円や15万円ほど下げたところで大きく印象は変わりませんが、自身では落としにくい汚れも、プロが専用の機材や洗剤で徹底的に綺麗にすれば、物件の印象がグッと上がります。

ホームステージング

ホームステージングとは、売り出し中の物件をモデルルームのように演出し、売りやすくするための施策です。とはいえ、居住中の家を売却している場合は、家具を入れ替えたり、物を少なくすることは現実的ではありません。

そこでおすすめなのが、CGを使った住まいの演出です。家具や家電が置いてあるお部屋でも、購入検討者は、リフォーム後の空室のイメージをCG上で確認できます。もちろん、空室であれば実際に家具や家電を置いてステージングするのもおすすめです。

CGリフォームイメージBEFOR
CGリフォームイメージAFTER

内覧を制して早期売却を勝ち取ろう

内覧は「購入検討者」を「買主」に変えるための最重要局面です。内覧前には、今回お伝えしたポイントを踏まえ、整理・清掃を徹底して臨みましょう。

とはいえ、内覧希望が入らなければ、内覧対応もできません。反響が少ない場合は、掲載写真を増やすなどの工夫も必要です。一方、何回も内覧対応をしているのになかなか売れないのであれば、内覧時に良い印象を与えられていないことが推測されます。改めて整理・清掃を徹底することに加え、ハウスクリーニングなども検討してみましょう。

この記事のポイント

内覧とは?

内覧とは、購入希望者が実際に物件を見にくることを指します。

詳しくは「不動産売却における内覧とは? 」をご覧ください。

内覧前の整理・清掃のポイントは?

内覧者が最初に目にする「玄関」、実際の暮らしをイメージしやすい「リンビング」、清潔さをジャッジされる「水まわり」などを中心に整理・清掃しましょう。

詳しくは「家の印象を良くするための整理・清掃方法のポイント 」をご覧ください。

内覧希望が入らない場合はどうすればいい?

掲載写真を増やしたり、インスペクションを実施したりすることを検討してみましょう。

詳しくは「内覧希望者が1ヶ月来ない?!解決策と早期売却方法 」をご覧ください。

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