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家を売却する流れや不動産会社の選び方、失敗しないポイントを徹底解説!

家族構成の変化や転勤などの事情によって、家を売却することがあります。

ただし、多くの人にとって家の売却は人生で何度も経験することではありません。このため、家の売却手続きや注意点を事前にイメージしておくことで、後悔のない売却をしたいところです。

そこで、家の売却をするときに事前に知っておきたいことや売却の流れ、費用や税金などについて詳しく解説します。

家を売却する流れ

家の売却を不動産会社に依頼してから、売却が完了するまで、約2ヶ月~8ヶ月かかります。

家を売却するときの一般的な流れは次のとおりです。

  1. 必要な書類、ローン残高の確認
  2. 査定依頼
  3. 売却に向けた営業活動
  4. 内覧対応
  5. 売買条件の交渉
  6. 売買契約の締結
  7. 家の引き渡し

以下、詳しく解説していきます。

1.必要な書類、ローン残高の確認

家の売却を考えたらまず、不動産登記簿や自分が不動産を購入したときの売買契約書や重要事項説明書などを用意します。

また、住宅ローンが残っている場合には、残高を一括で支払う必要があるため、金融機関にローン残高を確認します。

2.査定依頼

必要書類が揃ったら、不動産売買の仲介を依頼する不動産会社に査定を依頼します。査定は複数の不動産会社に依頼してもよいでしょう。

3.売却に向けた営業活動

仲介を依頼する不動産会社が決まったら、家の売却に向けた営業活動が行われます。もっとも、実際に営業活動をするのは不動産会社であるため、売主がすることはほとんどありません。

4.内覧対応

不動産会社が買い手候補者を見つけたら、次に買い手が家の内覧に訪れることが多いでしょう。内覧によって買い手は家を購入するか否かを判断することになります。

5.売買条件の交渉

内覧によって買い手候補者が購入の意思を固めたら、次に不動産会社と買い手との間で売買条件の交渉が行われます。

買い手から売却価格の値下げなどを求められる可能性もありますが、どの程度まで譲歩するかについては、不動産会社とよく話し合っておきましょう。

6.売買契約の締結

売買条件について合意に達すると、いよいよ家の売買契約を締結します。不動産売買契約書の作成や重要事項説明などの手続は不動産会社がやってくれます。

売主は契約締結日に指定の場所に行き、契約書への押印などの手続をします。

7.家の引き渡し

家の引き渡しは売買契約より後の日にちが指定されることが一般的です。引渡し日には、不動産登記の申請や代金の支払いが行われます。

家の売却にかかる費用

家を売却する際には、各種費用や税金がかかることもあります。

以下では、一例として、一戸建てを購入して7年後に3,000万円で売却し、500万円の売却益が出たケース(ローン未完済の状態)で説明します。

費用計算方法本ケースで想定される費用
抵当権抹消の登録免許税不動産1個につき1,000円2,000円
※抵当権が土地と建物の2個に設定されている場合
印紙税契約金額に応じて、400円〜600,000円10,000円
※平成26年4月1日から令和4年3月31日までに契約書を作成する場合
ローン返済手数料0円〜33,000円33,000円
※金融機関や手続方法によって大きく異なる
引越し費用50,000円〜150,000円150,000円
譲渡所得税・保有期間5年以下の場合
 売却益×39.63%(短期譲渡所得)
・保有期間5年超の場合
売却益×20.315%(長期譲渡所得)
1,015,750円
仲介手数料売買価格 × 3% + 6万円960,000円

このケースで金額が大きいのは、譲渡所得税と仲介手数料です。仲介手数料は、不動産会社によって異なることはほとんどなく、売買価格に比例して増額することが通常です。

一方、譲渡所得税が発生する可能性があるのは、上のケースのように、購入価格より高い価格で売却できた場合に限られます。ただし、居住用不動産では、いわゆる「3,000万円特例」を適用して無税にできる場合もあります。

譲渡所得税の実際の計算はとても複雑です。購入価格より高い金額で売れそうな場合には、事前に税務署や税理士などの専門家に計算方法を確認しましょう。

このほか、住宅ローンが残っている家を売却する際には、引渡し日までにローンを完済し抵当権設定登記を抹消する必要があります。このときに国に支払う税金が、登録免許税です。

登記申請を司法書士に依頼する場合には、登録免許税とは別に20,000〜30,000円程度の司法書士報酬の必要となります。

印紙税については、平成26年4月1日から令和4年3月31日までに不動産売買契約書を作成した場合、軽減税率の対象となります。

ローン返済手数料は、住宅ローンを繰り上げ返済することに伴い、金融機関に支払う手数料です。手数料額は、金融機関によって大きく異なります。また、返済期間によっては、保証料が返還されることもあります。

また、手続きが窓口か、あるいは、オンラインか、によって手数料額が違ってくることもありますので、事前に金融機関に問い合わせておくとよいでしょう。

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不動産会社の選び方

不動産の売却の際には、不動産会社に仲介を依頼することが通常です。もっとも、ひとことで不動産会社といっても、不動産管理が主体の会社、賃貸不動産の仲介が主体の会社などもあります。

このため、どの不動産会社に依頼しても同じということはありません。家の売却をする場合には、住宅用不動産の売却を専門にしている不動産会社に依頼するべきです。

・「不動産売却 どこがいい」に関する記事はこちら
不動産売却や査定はどこがいい?迷ったときの選び方

家を売却する前に知っておくべき基礎知識

家の売却をする前に知っておきたい基礎知識を、次に解説します。

正確な査定額が期待できるのは訪問査定

不動産会社を選定する前に査定を依頼します。査定の方法としては、訪問査定のほか机上査定と呼ばれる方法もあります。

このうち、訪問査定とは不動産会社の担当者が現地訪問して、不動産の現物を見て査定することをいいます。

これに対し、机上査定とは、不動産の現物を見ず、近隣の取引事例などのデータのみから機械的に査定することをいいます。

不動産は、現地で実物を見ないと正確な経済的価値の判断が難しいことが多いため、正確な査定額を知りたいのであれば、訪問査定がよいでしょう。

ローン残高の確認は事前に必ず行う

家を購入したときの住宅ローンが残っている場合には、引渡し日までにローン残高を完済して抵当権設定登記の抹消をする必要があります。

このため、ローン残高が多いときは、売買代金や手元資金で完済ができるか事前に確認しておく必要があります。

また、住宅ローンを組んでいる金融機関にも、売却に伴い一括返済する可能性があることを事前に打診しておきましょう。

媒介契約には3種類ある

家の査定後に、仲介を依頼する不動産会社が決まったら、売主と不動産会社との間で媒介契約を締結します。

媒介契約の種類として、一般媒介、専属専任媒介、専任媒介の3種類があります。

一般媒介とは、複数の不動産会社に同時に媒介を依頼できる契約です。売主自身が自分で買い手を探すこともできます。

専任媒介とは、1社の不動産会社に独占的に媒介を依頼する契約です。ただし、一般媒介と同様に、売主自身が自分で買い手を探すことも可能です。

専属専任媒介とは、1社の不動産会社に独占的に媒介を依頼し、かつ売主自身が自分で買い手を見つけることができない契約です。

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家の売却で失敗しないポイント

家の売却で失敗しないためには、あまり売り急がずに慎重に対応していくことが大切です。以下では、家の売却を上手にすすめるためのポイントを説明します。

売買交渉のルールを決めておく

買い手が家の購入を希望する場合には、売買条件の交渉をすすめることになります。家の売却では売り出し価格で購入してもらえるとは限らず、買い手から値下げ交渉をされることはよくあります。

どの程度の条件まで許容するかは、住宅ローン残高や住替えの計画によっても異なります。

また、家の売却にかかる費用や税金も考慮して、売買代金を決める必要があります。

内覧時は部屋をきれいにして印象を良くする

自宅を売却する場合には、空き家でもない限り、買い手の候補が内覧のため、自宅に来ます。

不動産は視覚的な情報が購入の判断につながることが多いため、内覧時には部屋をきれいに掃除して、物件のイメージをよくする工夫をすることが大切です。

内覧時の印象が悪いと、買い手が家の購入をやめたり、売買価格の値下げを要求したりすることにつながります。

すぐに現金が必要な場合は不動産会社へ買取を依頼する

不動産会社に仲介を依頼して売却する方法以外に、不動産会社自体が買取をすることもあります。不動産の買取をした不動産会社は、内装のリフォームなどを行って不動産を第三者に転売します。

不動産会社が買い取る場合には、不動産の現金化が早く進むメリットがあります。また、売買手続もトラブルなく進みやすいので売主としても気が楽です。

ただし、不動産会社が買取をする場合には、その後の販売によって利益を得る目的があるため、提示された買取価格が相場と比較して妥当であるか、検討しましょう。

特別控除を利用して税金を抑える

家の売却では売主に税金がかかることがあります。このため、家の売却にかかる税金を事前に確認することが大切です。条件次第では、「3000万円控除」など特別控除を利用して税金を抑えられることもあります。

なお、特別控除などの節税策の条件を満たしている場合でも、税務署が自動的に適用してくれるわけではありません。納税者自身が税額を計算して確定申告手続きをする必要があります。

・「家の売却で やってはいけない こと」に関する記事はこちら
家の売却でやってはいけないことは?よくあるトラブルやNG行為を解説

家の売却は信頼できる不動産会社に依頼する

家の売却は人生に何度もあることではありません。不動産は取引金額も大きく手続きも複雑であることが多いため、慎重に進めなくてはなりません。

売買条件の交渉などもありますので家の売却を成功させるためには不動産会社の手腕が問われます。信頼できる不動産会社に仲介を依頼することが大切です。

この記事のポイント

家を売却する流れとは?

家を売却する際の流れは以下の通りです。

  1. 必要な書類、ローン残高の確認
  2. 査定依頼
  3. 売却に向けた営業活動
  4. 内覧対応
  5. 売買条件の交渉
  6. 売買契約の締結
  7. 家の引き渡し

詳しくは「家を売却する流れ」をご確認ください。

家の売却で失敗しないポイントとは?

家の売却で失敗しないために抑えておきたいポイントは以下の通りです。

  • 売買交渉のルールを決めておく
  • 内覧時は部屋をきれいにして印象を良くする
  • すぐに現金が必要な場合は不動産会社へ買取を依頼する
  • 特別控除を利用して税金を抑える

詳しくは「家の売却で失敗しないポイント」をご確認ください。

取材・文

松浦 絢子
資格情報: 弁護士、宅地建物取引士

松浦綜合法律事務所代表。
京都大学法学部、一橋大学法学研究科法務専攻卒業。東京弁護士会所属(登録番号49705)。宅地建物取引士の資格も有している。法律事務所や大手不動産会社、大手不動産投資顧問会社を経て独立。IT、不動産・建築、相続、金融取引など幅広い相談に対応している。さまざまなメディアにおいて多数の執筆実績がある。

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