マンションのエントランスの役割とは？　あると便利な設備も紹介

居住者や来訪者を迎え入れ、多くの人が行き交うマンションのエントランス。エントランスは、セキュリティの高いマンションの中で唯一、誰でも出入りできる空間です。エントランスには、居住者の生活を便利にする設備がありますが、マンション選びにおいて盲点となりやすい一面もあります。

この記事では、エントランスの役割や便利な設備、マンション選びで知っておきたい注意点を紹介します。

マンションのエントランスとは？

エントランスは、マンションの出入り口です。一般的にマンションのエントランスは1つですが、大規模マンションでは複数設けられていることもあります。エントランスは、マンションの第一印象を決める重要な空間でもあります。

エントランスとは建物の入り口を指す言葉

エントランスは、英語で「入り口」や「玄関」のことを指します。マンションの入り口が複数ある場合もありますが、主に最も大きい「正面玄関」となる場所がエントランスです。

マンションのエントランスは居住者や来訪者を迎え入れる玄関口

エントランスは、住戸の玄関とは別に設けられた、マンションの「玄関口」と呼べる場所です。基本的に居住者は出入りの際にエントランスを通り、来訪者もまた、エントランスを通らないと住戸を訪れることはできません。人が出入りする場所をエントランスに集約することで、マンションのセキュリティを高める効果もあります。

マンションのエントランスホールはどんなスペース？

エントランスドアを入った先にある空間を「エントランスホール」と呼びます。ホールの広さはマンションによりますが、吹き抜けで開放感を出したり、豪華な調度品を飾ったり、さまざまな方法でエントランスを演出しています。

また、ソファーや椅子が置かれ、ロビーとして使えるエントランスホールも。エントランスホールは開かれた場所であり、来客対応や待ち合わせ場所としても使える場所です。

マンションのエントランスの役割

エントランスはマンションの共用部であり、宅配業者や郵便配達員など、誰でも出入りできる空間です。その特性から、エントランスは居住者の安全な暮らしを守る役割も担います。

マンションの「顔」

エントランスは、来訪者が最初に足を踏み入れる場所です。エントランスが、マンション全体のイメージを決めるといっても過言ではありません。

エントランスのデザインや素材は、マンションの第一印象を決める重要な要素です。大理石や御影石などを使った豪華な内装やホテルライクな全面ガラス張り、モザイクタイルをあしらった個性的なデザインなど、さまざまなマンションエントランスが見られます。

他にも、居住者が安心・快適に暮らすために、防犯や利便性に配慮した設備を備えることもエントランスの重要な役割です。

防犯

近年、施工されるほとんどのマンションで、オートロックが採用されています。居住者および居住者が許可した人しか入れないため、オートロックがあることで不審者の侵入を防ぎます。また、エントランスに防犯カメラを設置したり、管理人やコンシェルジュが常駐したりするなど、人の「目」が多いマンションは、トラブルや犯罪を抑止する効果も期待できます。

風除室

エントランスドアと居住者専用の入り口の間にあるエントランスは「風除室」の役割も併せ持ちます。風除室は、屋外の冷気や熱気がマンション内に侵入することを防ぎ、強風や雨の吹き付けを緩和する目的で設置されます。エントランスがあることによって、マンション内の空調や環境を一定に保つことができるのです。

マンションのエントランスにあると嬉しい設備・サービス6選

居住者以外も出入りできるエントランスの特性を活かし、利便性の高い設備やサービスが充実したマンションも増えています。

宅配ボックス

宅配ボックスは、受取人が不在でも宅配便を配達できる設備です。宅配ボックスを介して宅配便を受け取るので、宅配業者への応対が不要となり、受け取りのために在宅する必要もありません。

不在なことが多いご家庭、在宅であってもリモートワークで対応時間が限られる方には大変便利な設備です。再配達が不要になるため、宅配業者側にもメリットがあります。

・「宅配ボックス」に関する記事はこちら 宅配ボックスの使い方を紹介！利用するメリットや注意点も解説

オートロック

エントランスは不特定多数の人が出入りできる空間のため、正面玄関を通った先に、居住者でないと開錠できない「オートロック」があると安心です。オートロックは、一定の築年数を超えるほとんどのマンションで採用されており、複数のオートロックでセキュリティを高めているマンションもあります。タッチキーや顔認証システム、暗証番号を入力して開錠するタイプなど、オートロックの形式もさまざまです。

ロビー

マンションにロビーがあると、居住者同士の待ち合わせや来客を招いた際の待機場所として便利に使えます。ソファーや椅子が設置されていたり、インターネットが使えたりすると、活用シーンの幅も広がるでしょう。

防犯カメラ

マンションのエントランスには、セキュリティ対策として防犯カメラがあると安心です。何らかのトラブルが起きた際にも、証拠が残るので原因や犯人を特定するのに役立つでしょう。また、防犯カメラを設置していること自体が防犯意識の高さを印象付け、トラブルや犯罪を抑止する効果も期待できます。

コンシェルジュ

多忙な方にとって、便利なサービスが「マンションコンシェルジュ」です。居住者に代わって、クリーニングの手続きやタクシーの手配、マンション共用施設の予約などを代行します。

管理人は共用部の管理や清掃、保守点検が主な業務ですが、コンシェルジュは居住者の生活を細やかにサポートするのが業務です。コンシェルジュがエントランスにいることで、ホテルのロビーのような安心感がありますが、導入されているマンションは多くありません。

エントランス併設の共用トイレ

エントランスに共用トイレがあると、便利な場面は多くあります。
大規模なマンションでは、エレベーターの待ち時間が発生したり、自宅に着くまで数分かかったりすることもめずらしくありません。

また、エントランスに共用トイレがないと、エントランスで待ち合わせの際に来客に不便をかけてしまうことも考えられます。

エントランスに共用トイレがあると、多くの場面で利便性を実感できるでしょう。

エントランスの設備が充実していれば良いわけではない

豪華で機能性も高いエントランスがあるマンションの魅力は、非常に大きいものです。しかし、エントランスの設備やサービスは、充実しているほど物件価格や管理費に反映されます。

共用設備には管理費がかかる

マンションの共用設備は、設置時だけでなく、設備を運用するための管理費がかかります。管理費とは、エントランス・共用廊下・エレベーター・ゴミ置き場など、生活する上で欠かせない共用部の維持にかかる費用を所有者全員で負担するものです。

エントランスにおいては、照明・空調にかかる光熱費、管理人やコンシェルジュの人件費、エレベーターや防犯カメラの保守点検費などに管理費が使われます。無料のサービスではないことから、エントランスが豪華絢爛で多機能であればいいとはいえません。

修繕費も割高になる

共用設備は管理費もかかりますが、年数が経てば劣化し、修繕も必要になります。そのために所有者全員から集めるのが「修繕積立金」です。

エントランス設備の入れ替え費用や大規模な修繕・改修が行われる際には、修繕積立金から費用を捻出します。よって、設備やサービスが充実しているほど、修繕費が割高になる可能性があります。万が一、修繕積立金が不足する場合には、積立金額が引き上げられたり、一時負担金が検討されたりすることもあるため、注意が必要です。

自分に必要な設備が備わっているマンションを選ぼう

マンション選びにおいて、エントランスを見るポイントは3つあります。

• 自分が必要とする設備やサービスがある
• 管理費や修繕積立金が無理なく支払える
• 清掃や管理が行き届いている

自分が必要とする設備やサービスがあることが重要ですが、管理費や修繕積立金とのバランスを考慮することも大切です。また、マンションの住み心地は、管理体制にも左右されます。エントランスは、マンションの管理体制がよく分かる場所なので、しっかりと確認しましょう。

エントランスを見るとマンションが分かる

エントランスは、マンションのイメージや資産価値が反映される場所です。居住者のみならず、来訪者にとっても快適な場所であることが求められます。

エントランスには、利便性が高い設備やサービスを備えることも必要ですが、誰でも出入りできる空間であることから、セキュリティ対策が最も重要です。

また、エントランスを観察すると、マンションの管理体制や居住者のマナーなどをうかがい知ることができます。マンション購入や居住を決める際には、エントランスをよく確認し、後悔のない選択をしましょう。

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