ざっくり要約!
- ファミリークローゼットとは、家族の衣類をまとめて収納するクローゼットのこと
- ファミリークローゼットを配置するなら、家族全員の使いやすさを考慮することが大切
近年、私たちの生活はめまぐるしい変化を続けています。共働き世帯の増加、感染症の流行、リモートワークの普及など、生活様式を変えながら私たちの価値観にも大きな影響を与えました。
新しい生活様式にあった間取りとして定着しつつあるのが「ファミリークローゼット」です。衛生面と家事効率化、両方のメリットを享受できるファミリークローゼットは、家づくりを検討する方から人気があります。
この記事では、ファミリークローゼットのメリット・デメリット、生活動線が良くなる配置場所や注意点について解説します。
記事サマリー
ファミリークローゼットとは?
ファミリークローゼットとは、家族の衣類をまとめて収納するクローゼットのことです。「ファミクロ」と省略されて呼ばれることもあります。
ファミリークローゼットは、家のどこに配置するかが重要です。また、ウォークインタイプが定番ですが、通り抜けができるウォークスルータイプも人気があります。
ファミリークローゼットは、広さや配置場所、ウォークインかウォークスルーかによって、使い勝手が変わります。
ファミリークローゼットのある間取りのメリット
ファミリークローゼットがあると生活動線が良くなり、衣類の片付けがしやすくなるため、家事の効率化が期待できます。
生活動線が良くなる
ファミリークローゼットは、配置次第で生活動線が便利になる収納です。とくに、ウォークスルータイプは、出入口を2か所設けるため収納量は減りますが、家事動線上に配置すると、家事効率アップを期待できます。
利便性が高くなる配置場所は、ご家庭によって少しずつ異なります。着替える、外出する、収納する、入浴する……といった衣類を出し入れする場面を想像しながら、考えてみると良いでしょう。
片付け・整理が楽になる
洗濯物を畳んで各部屋のクローゼットに片付ける作業は、毎日のことになると負担です。
ファミリークローゼットで1か所に収納できれば、家事の時短になります。
また、家族全員分の衣替えも大変な作業のひとつ。衣替えもファミリークローゼットで一度に済ませられると負担が減ります。オフシーズンの衣類まで収納できれば、衣替え自体も不要です。
各部屋の有効スペースが増える
クローゼットをファミリークローゼットとして1か所に集約することで、各部屋にクローゼットを設置する必要がなくなり、部屋を広く使えるようになります。
ファミリークローゼットのある間取りのデメリット
家族の共有スペースであるファミリークローゼットは、家族全員が快適に使えることが大切です。必要な広さを十分検討し、湿気や臭い対策にも気を配りましょう。
湿気・臭いの対策が必要
クローゼットは、基本的に湿気や臭いがたまりやすい場所です。とくに湿気は、衣類にカビが付く原因となるため、通風や除湿のための工夫が必要になります。
ファミリークローゼットの計画段階にできる対策は以下の通りです。
- 換気扇や窓を設置する
- ウォークスルータイプのファミリークローゼットにする
- ウォークインタイプの場合は扉を付けない(または引き戸)仕様にする
また、ファミリークローゼットを使い始めてからできる、湿気と臭い対策もあります。
- 着用後すぐに洗濯やクリーニングをしない衣類は、陰干ししてから収納する
- クローゼット専用の除湿・脱臭剤を使う
- 定期的に除湿器や扇風機を使って除湿・換気をする
- 服を詰め込みすぎず、ゆとりを持って収納する
まとまった広さが必要
ファミリークローゼットに必要な広さは、家族構成や所持している衣類によって変わりますが、4人家族で3帖から4.5帖ほど、オフシーズンの衣類も収納するなら6帖ほど必要といわれています。
ファミリークローゼットの広さは、下記の条件によっても変わります。
- ファミリークローゼット内で着替えるか
- 家族の身支度時間は重なるか
- オフシーズンの衣類は別の場所に収納するか
- 着替え以外のこと(アイロン掛けなど)を行うか
所有する衣類の量やライフスタイルで必要な広さが変わるため、広さは家族全員で検討する必要があります。また、リビングやキッチンなど他の空間を圧迫しないか、十分な検討が必要です。
プライバシーの確保が課題
家族とはいえ、子どもにもプライバシーが必要です。とくに思春期のお子さんは、家族と自分の衣類が同じ場所にあるファミリークローゼットを嫌がる可能性があります。
子どものプライバシーを確保するためには、以下のような対策をすると良いでしょう。
- ファミリークローゼットを子ども部屋の近くに配置し、子ども部屋で着替えられるようにする
- 将来的にはファミリークローゼットは夫婦専用にする(子ども部屋にもクローゼットをつくる)
- 子ども部屋にハンガーパイプを後付けできるように壁下地を用意する
生活動線を良くするファミリークローゼットの配置場所
ファミリークローゼットの配置場所は、基本的に洗濯動線を短くすることを意識しますが、外出時・子どもの着替え時・入浴時など、衣類を使うさまざまな場面をイメージして決めると後悔がありません。
洗濯物を干すスペースの近く
洗濯家事は洗う・干す・収納すると工程が多いため、家事動線が長くなりがちです。洗濯物を干した場所の近くにファミリークローゼットがあると、家事動線を短くできます。
外干しをするベランダやウッドデッキなどの近くにファミリークローゼットがあれば、ハンガー掛けの洗濯物を、そのままハンガーパイプに掛けて収納できるので効率的です。
リビングに隣接
子どもが小さい場合は、親が手伝いながらリビングで着替えることも多いものです。ファミリークローゼットがリビングに隣接していれば、着替えをサポートしやすくなります。
また、洗濯物をリビングで畳む習慣のある方にとっても、リビングに隣接したファミリークローゼットは便利です。
洗面室に隣接
ファミリークローゼットが洗面室に隣接していると、衣類を脱いだ際に手洗いをするという自然な流れが生まれ、家の中に花粉やウイルスを持ち込まずに済みます。
とくに、シューズクロークと洗面室の間にファミリークローゼットがあると、帰宅後の動線がスムーズです。
脱衣室・ランドリールームに隣接
家事の時短においては、ドラム式洗濯乾燥機を使うご家庭も多くなりました。ドラム式洗濯乾燥機で乾燥まで済ませたら、後は収納するだけ。ランドリールームにファミリークローゼットが隣接していれば、時短効果は絶大です。
生活動線上は非常に便利な間取りですが、湿気が気になる場合もあります。その場合は、下着・パジャマ・普段着など、使用頻度の高い衣類に限定すると良いでしょう。
ファミリークローゼットのある家を選択するときの注意点
ファミリークローゼットは便利な反面、家族のライフスタイルに合わないと失敗につながることもあります。家族の共有スペースだからこそ、家族全員で話し合うことが大切です。
容量が十分か確認する
ファミリークローゼットの広さを決めるのは難しく、使い始めると「もっと広くすれば良かった」という声も少なくありません。
しかし、間取りの都合上十分な広さを確保できない可能性もあります。そのような場合は、ファミリークローゼットは使用頻度の高い衣類に限定し、オフシーズンや使用頻度の低い衣類は別の場所に保管するのも一案です。
家族全員の「整理」「収納」の意向を聞く
家事を担う人にとっては、効率化できるものは積極的に取り入れたいものですが、共有スペースの場合は、家族全員の意向を聞くことも大切です。
子どもがある程度成長していれば、子どもの意見を尊重する必要もあります。結果として、「ファミリークローゼットではなく、各個室にクローゼットを配置した方が良い」という意見にまとまる可能性もあるでしょう。
「今」だけでなく家族の「将来」もイメージする
家づくりの最中には小さかった子どもも、あっという間に大きくなります。子どもが大きくなったら、ファミリークローゼットがどのように使われるのかを予測しておくことも必要です。
先にも述べたように、ファミリークローゼットをつくったとしても、子どもが使わなくなる可能性は十分にあります。
将来を考えるうえでは、具体的に何を収納するのかイメージすることも大切です。
ファミリークローゼットに家族の衣類をすべて収納するのか、日常使いする衣類のみを収納するのかによっても、必要な容量や将来の余剰スペースは異なります。
ファミリークローゼットは家族全員の使いやすさを大切に
ファミリークローゼットは家事を軽減する効果があるため、家事を担う人が中心になって仕様を決める傾向にありますが、実際に使う家族の意見も大切です。
家族が使いにくいと感じれば、結局使われなくなり後悔することも。家族全員が快適に使うためにも、広さや設置場所は十分に検討を重ねましょう。
この記事のポイント
- ファミリークローゼットがあると便利?
ファミリークローゼットのある間取りは、洗濯物の片付けがラクになる、生活動線が良くなるといった効果があり、生活で感じている不便やストレスを軽減できます。
詳しくは「ファミリークローゼットのある間取りのメリット」をご覧ください。
- ファミリークローゼットのある間取りは何に注意すればいい?
ファミリークローゼットは家族の共有スペースであるため、広さや使い方を家族全員で話し合って決める必要があります。
詳しくは「ファミリークローゼットのある家を選択するときの注意点」をご覧ください。
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