ざっくり要約!
- 中古マンションを購入する場合は、売却時の値崩れリスク、リフォームやリノベーションをする場合の管理規約などに注意する
- 新築マンションを購入する場合は、モデルルームの仕様が標準とは限らないこと、内覧できない場合があることなどに注意する
マンションを購入するためには、いくつかの手続きが必要です。マンションを探し始めてから実際に入居できるまでに数カ月以上かかることが多いため、全体の流れを把握しておくことが重要です。
この記事ではマンションを購入する際の基本的な流れと、購入時に注意すべきポイント解説します。
中古マンションと新築マンションはそれぞれ特徴が異なるため、注意点も異なります。マンションの購入を検討している方や、中古マンションと新築マンションのどちらを購入しようか迷っている方は、購入後に後悔しないためにもぜひ参考にしてください。
記事サマリー
マンション購入の基本的な流れ
マンションを購入するまでに、いくつかの手続きが必要になります。また情報収集を始めてからマンションに入居するまでに通常数カ月以上かかるため、基本的な流れをつかんでおくことが重要です。
マンション購入の基本的な流れを、3つのステップで解説します。
- 情報収集・不動産会社選び・内覧
- 購入申し込み・売買契約・住宅ローン契約
- 決済・引き渡し・入居
1.情報収集・不動産会社選び・内覧
まずマンションに関する情報収集し、希望エリアや条件を検討します。同時に、マンション購入に使える自己資金を想定し、資金企画を立てます。
金融機関の窓口で、住宅ローンについて相談することも可能です。しかし基本的には平日の昼間しか相談できません。金融機関によっては、ホームページから住宅ローンの審査申込や、AIによる事前診断をすることができます。各種サービスを上手に活用しましょう。
もちろん、資金計画も含めて不動産会社に相談することも可能です。不動産会社が保有するiPadなどのタブレットからの申し込みで、提携割引適用の金利で金融機関を紹介してもらえることもあります。個人で金融機関に相談するよりも金利が優遇される場合もありますので不動産会社に確認してみましょう。
相談する際は、ある程度希望や条件、が資金計画を想定しておくと、スムーズに相談することができます。
不動産会社に希望や予算に合うマンションの紹介を受けて、気になる物件は内覧します。購入したいマンションが見つかったら、不動産会社の担当者経由で売主に対して購入申込書を提出します。
2.購入申し込み・売買契約・住宅ローン契約
購入申込書には、購入希望価格や契約時に用意できる手付金額、住所・氏名などを記入して交渉します。売買価格や条件に折り合いがついたら、手付金を用意して売買契約を締結します。
金融機関に対して住宅ローンの事前審査を申し込み、売買契約前にある程度住宅ローンの借り入れが可能であることを確認できるとスムーズに取引を進めることができます。住宅ローンの契約は、売買契約締結後に行います。
なお住宅ローンを借りてマンションを購入する場合、万が一住宅ローンの承認が下りなかった場合は白紙にできる特約(ローン特約)を付けるのが一般的です。その場合、支払い済みの手付金は返還されます。
決済・引き渡し・入居
住宅ローンの正式な承認が下りたら、売主・買主で引渡し日を定めて決済となります。当日は司法書士と不動産会社の担当者が立会い、売主・買主の本人確認をし、登記に必要な書類を提出します。
司法書士によって手続きに問題がないことを確認後、金融機関に住宅ローンの実行をしてもらい、買主は売買代金から手付金を差し引いた金額を売主に支払います。同日にマンションの引渡しを受け、鍵を受け取ります。
当日のうちに司法書士によって所有権移転登記の申請が行われ、後日登記識別情報通知(従来の登記済証に代えて発行される書面)を郵送等で受け取ることになります。
・「登記識別情報」に関する記事はこちら 登記識別情報の重要性とは?使用する場面や注意点について解説 |
決済日には固定資産税や管理費、修繕積立金を売主・買主間で精算し、マンションの管理組合に対しては区分所有者の変更届を提出します。
・東急リバブルの「不動産購入の流れ」はこちら
マンション購入時の基本的な注意点
マンションの購入を決める際に、いくつか注意すべき点があります。購入してから後悔しないためにも、事前に確認してから購入するかどうかの判断をしましょう。
- 立地・環境・災害リスク
- 間取り・共用部分・設備
- 支払い関係
立地・環境・災害リスク
マンションの資産価値は、マンションの住戸部分だけで判断されるものではありません。マンションの立地や周辺環境、災害リスクも影響します。
またマンションに一生住むつもりで購入したとしても、家族構成やライフスタイルの変化により、将来的に売却や賃貸する可能性があります。購入価格に対してマンションの資産価値が妥当か考えてみましょう。
そのためにはマンション周辺の相場を知る必要があります。必ず複数のマンションを内覧した上で、購入を決めるようにしましょう。
例えば室内はリフォームによって変えることはできますが、立地や環境は変えられません。購入前に立地や周辺環境を確認しましょう。
近年地球温暖化に伴い、自然災害が増えています。災害リスクは自治体のホームページなどで確認することができます。事前に土砂災害や水害、地震が起きたときの影響などをチェックしておきましょう。
また、マンション内の集合掲示板を確認いただくことで、騒音やペットの飼育トラブル、不審者等のマンション内の注意喚起事項を確認することができます。
ぜひ、ご内見時に確認しましょう。
間取り・共有部分・設備
マンションを購入する前に、家族のライフスタイルに間取りが合っているのか、また必要な設備や共用施設が備わっているのか確認しましょう。
今現在は2LDKでよいとしても、将来家族が増えた場合は手狭に感じるかもしれません。マンションはそう簡単に買い替えできませんので、ある程度将来のことを想定したうえで購入しましょう。
例えば床暖房や食器洗い乾燥機は、リフォームによって取り付けることができます。しかし、ディスポーザーや宅配ボックス、ゲストルームなどは個人で設けることはできません。自分が求めている共用施設や設備が備わっているか確認してから、購入を決めるようにしましょう。
支払い関係
マンションを購入する場合、購入代金以外に諸費用がかかります。新築マンションは物件価格の3~5%、中古マンションは6~8%程度かかるといわれています。資金計画を立てる際には、諸費用も忘れずに計上しましょう。
またマンションは、毎月管理費や修繕積立金がかかります。住宅ローンの支払い以外にかかる費用を想定しておかないと、月々の家計が苦しくなる恐れがあります。毎年かかる固定資産税等も含めて支出を想定し、余裕を持った資金計画を立てましょう。
中古マンション購入時の注意点
新築マンションと異なり、中古マンションは中古ならではの注意すべき点があります。ここでは特に注意したいポイントを4つ紹介します。
- 売却時の値崩れリスクを確認
- リフォームやリノベーションをする場合は管理規約を確認
- 修繕計画について把握
- 耐震性をチェック
売却時の値崩れリスクを確認
マンションは築年数が経つにつれて、その資産価も下落しますが、一般的に築20年を過ぎるとその下落傾向は緩やかになります。
また現在、中古マンションの成約事例のうち約3割は、築30年超のマンションです。つまり築30年超であっても、問題なく流通していることがわかります。
2022年末で築40年以上のマンションは約125.7万戸存在し、10年後には約2.1倍、20年後には約3.5倍に増加する見込みです。売却時のマンションの需要によっては、値崩れする可能性があります。売却時のリスクも視野に入れて購入しましょう。
出典:
首都圏中古マンション・中古戸建住宅地域別・築年帯別成約状況【2023年4~6月】|公益財団法人東日本不動産流通機構
築40年以上のマンションストック数の推移|国土交通省
リフォームやリノベーションをする場合は管理規約を確認
中古マンションを購入してリフォームやリノベーションをする場合、思い通りに改装できない可能性があるので注意が必要です。
まず共用部分であるバルコニーや玄関ドア、窓は住戸の所有者であっても自由にリフォームすることはできません。
また使用する建材の仕様や等級を制限しているケースもあります。大掛かりな工事を予定している場合は、購入前に管理規約や使用細則を確認することをおすすめします。
・「リフォーム費用」に関する記事はこちら マンションのリフォーム費用はどのくらい?注意点や補助金も紹介 |
修繕計画について把握
マンションは築15年までに1回目の大規模修繕を実施することが多く、2回目は通常築26~30年のタイミングで行います。購入する時期によっては、購入してすぐに大規模修繕工事が始まることもあります。
また修繕積立金は、基本的には築年数とともに値上がりするものです。築年数が古いマンションで、段階的に修繕積立金を増額する方式(段階増額積立方式)を採用している場合は、想像以上に高額になることもあります。
長期修繕計画については契約時に重要事項として説明される内容ではありますが、事前に確認しておけると安心です。
・「マンションの修繕」に関する記事はこちら マンションの大規模修繕工事とは。いつどんな工事をするのか、必要性や金額、資産価値への影響を解説 |
出典:マンションの修繕積立金に関するガイドライン|国土交通省
耐震性をチェック
中古マンションの中には、現行の耐震基準とは異なる旧耐震基準で建てられているものがあります。
建築確認日が1981年6月1日以降であれば新耐震基準が適用されていますが、それ以前であれば旧耐震基準である可能性が高いです。
旧耐震基準であっても、もちろん住むことに問題はありません。しかし担保評価が低くなることから住宅ローンの借り入れが難しい可能性があり、住宅ローン控除を受けるには、耐震基準適合証明が必要になります。
また、耐震基準適合証明書があれば不動産取得税の軽減を受けられますが、取得できない場合は、軽減措置は適用されません。税制面でも不利になるため、まずはマンションが耐震診断を受けているのか、そして診断後に改修工事等をしているのか確認しましょう。
・「耐震基準」に関する記事はこちら 旧耐震と新耐震の違いは?地震発生時のリスクも解説 |
新築マンション購入時の注意点
新築マンションを購入する場合でも、注意すべきポイントはあります。ここでは代表的な注意点を4つ紹介します。
- モデルルームの仕様が標準とは限らない
- 内覧できない場合がある
- 近隣の住人を確認できないことも
- 引き渡しまでの期間を考慮する
モデルルームの仕様が標準とは限らない
完成前の新築マンションを購入する場合は、実物を確認することはできません。基本的にはモデルルームやパンフレットを見て判断することになります。
また、新築マンションはオプションを用意していることが多く、通常モデルルームはオプションを盛り込んだ仕様になっています。
オプションリストが用意されているケースや、目印となるシールが貼ってあることがありますので、モデルルームで気に入った設備があれば、それが標準仕様なのか、それともオプションなのか確認するようにしましょう。
内覧できない場合がある
新築マンションは完成前から販売されます。したがって人気のマンションは、完成前に完売になることも珍しくありません。
内覧できない状態で購入を検討する場合、モデルルームやパンフレット、イメージ図などで判断することになります。なかでも眺望や日当たりはイメージすることが難しいため、気になる点はそのままにせず、担当者にしっかりと確認するようにしましょう。
近隣の住人を確認できないことも
新築マンションの完成前に購入を決める場合、どのような住人が住むことになるのか確認できません。3LDKが中心のファミリー向けのマンションであれば、家族で住むことをイメージできますが、さまざまな間取りが混在するマンションの場合は、単身者が住む可能性もあります。
引き渡しまでの期間を考慮する
新築マンションは完成していない状態で購入することが多いため、すぐに入居することはできません。例えば子どもの入園や入学の時期に合わせたい場合、タイミングが合わないこともあります。あらかじめ完成時期を確認するようにしましょう。
入居のしたいタイミングが決まっている場合は、中古マンションも視野に入れて探すことをおすすめします。
中古マンションといっても、築浅マンションやリフォーム済みのマンションもあり、新築マンションと比べても遜色ない魅力的な物件もあります。
新築マンションは建物に対して消費税がかかりますが、中古マンションの多くは個人が売主のため、ほとんどの場合消費税がかかりません。中古マンションは、価格の面でもメリットを感じられるでしょう。
この記事のポイント
- マンション購入時の基本的な注意点は?
マンション購入時には、立地・環境・災害リスク、間取り・共用部分・設備、支払い関係についてしっかり確認しておくことが重要です。
これは新築・中古にかかわらず、押さえておきたい注意点となります。
詳しくは「マンション購入時の基本的な注意点」をご覧ください。
- 中古マンション購入時の注意点は?
中古マンションを購入する際の注意点としては、売却時の値崩れリスクを確認する、リフォームやリノベーションをする場合は管理規約を確認する、修繕計画について把握しておく、耐震性をチェックすることなどが挙げられます。
詳しくは「中古マンション購入時の注意点」をご覧ください。
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