ざっくり要約!
- ペントハウスとは、マンションの最上階に設けられた住戸
- 最上階にあるというだけでなく、建具や設備が特別仕様で広い物件が多い
- 購入時には、災害リスクなどペントハウスのデメリットとなる点も知っておこう
「ペントハウス」という住まいをご存じですか?都市部に多いペントハウスは、豪華絢爛で特別感のある住まいであることから、富裕層を中心に人気があります。しかし、その特徴から、購入時には気をつけるべき点もあります。
本記事では、ペントハウスの特徴や購入時の注意点などについて解説します。
記事サマリー
ペントハウスとは?
「ペントハウス」とは、マンションの最上階に設けられた住戸を指します。とはいえ、すべてのマンションで、最上階の住戸をペントハウスと呼んでいるわけではありません。タワーマンションや大規模マンション、ブランドマンションなど、とりわけ「最上階」であることの価値が高いマンションに多く見られる呼び方です。
また、戸建やマンションの屋上に出るための塔屋やホテルの最上階の部屋などを「ペントハウス」と呼ぶケースもあります。
マンションのペントハウスの特徴
「ペントハウス」と呼ばれるマンションの最上階の住戸に多い特徴は、次のとおりです。
特別仕様
「ペントハウス」と呼ぶ目的の1つは、他の住戸と区別することです。最上階にあるというだけでなく、建具や壁紙、設備などのクオリティが他の住戸より高い特別仕様となっていることも少なくありません。
専有スペースが広い
ペントハウスは、他の住戸と比較して専有スペースが広い傾向にあります。たとえば「最上階以外はワンフロアに5つの住居があるのに対し、最上階は3戸だけ」というように、仕様だけでなく、広さも特別仕様になっているケースがあります。
ベランダ・バルコニーも広い
広さがあるのは、居室部分だけとは限りません。ワンフロアを広く使えることから、ベランダやバルコニーもその他の住戸と比較して広く設計されていることもあります。ルーフバルコニーが付いている住戸も少なくありません。
メゾネットタイプも見られる
中には、メゾネットタイプのペントハウスも見られます。メゾネットタイプとは、住戸内が2階以上の階層になっているマンションの一室を指します。マンションでありながら戸建感覚で暮らせるため、一層の「特別感」が感じられるはずです。
マンション1戸〜数戸のみ
10戸も20戸もペントハウスを作ると特別感がなく、その価値が損なわれてしまうため、多くの場合、ペントハウスは1つのマンションに数戸のみです。希少性が高い分、人気も高い傾向にあります。
ペントハウスを購入するメリット
ペントハウスは希少性が高く、所有すること、居住すること自体にステータスを感じる方も少なくありません。また、次のような点もメリットといえるでしょう。
眺望が良い
ペントハウスは、最上階ならではの眺望の良さが大きな魅力の1つです。ペントハウスのあるタワーマンションやブランドマンション、大規模マンションは総じて立地が良いため、場所によっては都市部の夜景や海、川などの景色を一望できます。
プライバシーが守られやすい
高層階にあり、上層階もないペントハウスは、プライバシーも守られやすいといえます。ベランダやバルコニーに出ても視線が気になりにくく、開放感のある暮らしができます。上層階の足音や生活音が聞こえることはなく、騒音も気になりにくいでしょう。
資産価値の維持にも期待できる
希少性が高く、特別仕様で広さもあるペントハウスは、中古になってからも人気が高い傾向にあります。なんらかの理由で将来手放すときにも高い需要に期待でき、資産価値も維持されやすいものと考えられます。
ペントハウスを購入するときの注意点
メリットの多いペントハウスですが、購入時には次のような点も把握しておきましょう。
他住戸と比べて販売価格が高い
特別仕様で広さもあり、眺望も良いペントハウスは、他の住戸と比べて販売価格が高い傾向にあります。広い分だけ高いのではなく、坪単価が高いということです。つまり、同じ広さであっても、下層階と比べて金額が高いことがあります。当然ながら、立地はその他の住戸と同じであるため「付加価値」に見合う価格差かどうかは十分見極める必要があるでしょう。
管理費・修繕積立金も高い傾向にある
マンションの管理費や修繕積立金は、専有面積が大きくなればなるほど高くなります。広さのあるペントハウスはその分、これらの費用が他の住戸と比べて割高です。将来的に、管理費や修繕積立金が値上げされることになった場合には、上昇率も高くなるものと考えられるため、初期費用のみならず、ランニングコストにも目を向けて物件を選ぶようにしましょう。
長周期地震動の影響を受けやすい
短い周期の地震動と長周期地震動による揺れとの違い
出典:気象庁
高層階にあるペントハウスは「長周期地震動」の影響を受けやすい住戸です。長周期地震動とは、大規模地震の際に発生することが多い、周期の長い、大きな揺れを指します。長周期の揺れは、地上では感じられないものであったとしても、建物の高層部分は共振しやすいといわれています。長周期地震動は、長時間にわたって大きく揺れるため、船酔いしたような感覚に陥る方も見られます。
災害時には避難が大変
長周期地震動にも通ずる話ですが、災害発生時にはエレベーターが停止してしまうリスクがあります。エレベーターが停まってしまうと、地上に行くには階段を利用するしかありません。ペントハウスに限ったことではありませんが、マンションの高層階に住む場合は災害リスクを想定し、十分な備えをしておく必要があります。
断熱性を要確認
ペントハウスは、眺望や開放感を楽しむため、窓が多く、大きいことも少なくありません。これはメリットの1つともいえますが、断熱性が低いと、夏は暑さを、冬は寒さを感じる要因にもなってしまいます。ペントハウスは、上層階もなく、角住戸であることも多いため、外気の影響を受けやすいという特徴があります。従って、断熱性についてはあらかじめ確認しておきましょう。サッシはアルミサッシより樹脂サッシが、窓は単板よりペアガラスやトリプルガラスのほうが断熱性は上です。
雨漏りの被害を最初に受ける可能性がある
ペントハウスには上層階がないため、マンションの屋上の防水施工に問題があると、最初に雨漏り被害を受けてしまう可能性があります。もちろん、上層階で水漏れがあれば下層階であっても被害にあうリスクはあります。しかし、屋上は常に紫外線や風雨にさらされているため、雨漏りのリスクは他の部屋と比べて高いといえるでしょう。
強風が吹く
ペントハウスに限ったことではありませんが、マンションの高層階では強い風が吹くため、揺れや風の音が気になることもあるかもしれません。また、マンションによっては、洗濯物を干したり、ベランダやバルコニーに置くものを制限されていたりすることもあります。これらの点は、内見時や管理規約、使用細則などで十分確認しておきましょう。
まとめ
タワーマンションやブランドマンションなどの高級マンションの高層階に多く見られるペントハウスは、特別感や希少性が高いことから人気があります。一方、管理費や修繕積立金の額が高めに設定されており、地震などの災害時には避難しにくいといったデメリットもあります。
ペントハウスはすべてのマンションにあるわけではなく、あったとしても1戸〜数戸です。市場に出る機会も少ないため、ペントハウスを購入したい方は、物件が出る前から不動産会社に相談しておくことをおすすめします。
この記事のポイント
- ペントハウスとは?
マンションの最上階の住戸を「ペントハウス」と呼ぶことがあります。
詳しくは「ペントハウスとは?」をご覧ください。
- ペントハウスにはどんな特徴があるの?
ペントハウスは、最上階にあるというだけでなく、設備や建具のグレードが高かったり、面積が広かったりすることが見られます。
詳しくは「マンションのペントハウスの特徴の傾向」をご覧ください。
- ペントハウスを購入するときに気をつけることは?
ペントハウスに限ったことではありませんが、マンションの高層階は災害時の避難が大変です。
その他の点は「ペントハウスを購入するときの注意点」をご覧ください。
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