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サービス付き高齢者向け住宅の特徴とは?入居条件や費用、サービスを紹介

サービス付き高齢者向け住宅は、「ある程度のことは自分でできるが、生活の一部をサポートして欲しい高齢者」向けの住宅として人気があります。

しかし、「一般的な有料老人ホームとどのような違いがあるのかわかりにくい……」とお困りの方もいるでしょう。

そこで今回は、サービス付き高齢者向け住宅の特徴について解説します。

他の高齢者住宅や老人ホームとの違い、入居条件・費用・サービスなどについても解説するので、入居を検討している方やご家族の方はぜひご覧ください。

サービス付き高齢者向け住宅の概要

まず、サービス付き高齢者向け住宅の概要を紹介します。サービス付き高齢者向け住宅(略称「サ高住」)は、高齢者が安心して生活するための見守りサービスを兼ね備えた、バリアフリー構造の賃貸住宅です。

サービス付き高齢者向け住宅事業は民間事業ではなく、「高齢者の居住の安定確保に関する法律(高齢者住まい法)」によって規律される公的な事業です。

したがって、バリアフリー構造や居住部分の面積、サービスの基準について法定の条件をクリアした施設だけが登録できます。

また、契約形態が賃貸借契約であることも特徴の一つです。入居者に所有権はないため、要介護の状態になって運営会社による対応が難しくなった場合は、退去を要求される可能性もあることに注意しましょう。

ただし、退去条件は施設によりさまざまで、介護サービスを提供する事業者もあります。要介護状態になっても継続して利用したい場合は、介護サービスの有無をチェックするとよいでしょう。

サービス付き高齢者向け住宅と住宅型有料老人ホームの違い

サービス付き高齢者向け住宅と類似する施設に、住宅型有料老人ホームがあります。

2つの施設に共通しているのは、基本的に介護をする必要がなく、自宅にいるときに近い生活ができる方を対象としているところです。ただし、以下のような違いがあります。

契約形態が違う

サービス付き高齢者向け住宅は賃貸借契約です。一方、住宅型有料老人ホームは死亡するまでの利用権を購入する利用権方式です。

住宅型有料老人ホームも所有者になるわけではないため、利用者が死亡した場合、利用権の相続は発生しません。

費用の性質が違う

サービス付き高齢者向け住宅では賃貸借契約のため、一般の賃貸住宅と同様に、入居時の敷金と月々の賃料が必要です。

それに対して住宅型有料老人ホームの場合、入居時の一時金と、毎月の管理費や利用料(光熱費・食費など)を支払います。

サービス付き高齢者向け住宅とシニア向け分譲マンションとの違い

サービス付き高齢者向け住宅とシニア向け分譲マンションは、高齢者の生活を支援してくれる点では同じです。

しかし、両者には以下3つの大きな違いがあります。

法定基準がない

サービス付き高齢者向け住宅には、高齢者住まい法によって規定されている、高齢者向けの施設として必要な設備などに関する法定基準があります。

一方、シニア向け分譲マンションは、施設ではなくあくまでも住宅という分類のため、高齢者向けの設備などに関する法定基準がありません。

契約形態が違う

サービス付き高齢者向け住宅は賃貸借契約であるのに対し、シニア向け分譲マンションは所有権方式です。

したがって、シニア向け分譲マンションは相続財産として遺産分割の対象になります。

初期費用に差がある

シニア向け分譲マンションの場合、マンションを購入することになるので高額な初期費用が必要です。

コンセプトやサービスがシニア向けというだけで、実質的には一般の分譲マンションのため、購入時の出費はやむを得ないでしょう。

サービス付き高齢者向け住宅に入居するための条件

サービス付き高齢者向け住宅に入居するためには、一定の条件をクリアしなければなりません。入居条件は高齢者住まい法により定められています。

まず、入居者の年齢は基本的に60歳以上が条件です。ただし、要介護・要支援認定を受けている場合は60歳未満でも入居が可能です。

夫婦で入居する場合、配偶者の年齢制限はありません。配偶者以外の親族が同居する場合は、その親族に入居者本人と同じ条件が適用されます。

また、配偶者や親族でなくても、特別な事情により入居者の生活に必要であると都道府県知事に認められた人は同居が可能です。

サービス付き高齢者向け住宅で暮らすために必要な費用

ここからは、サービス付き高齢者向け住宅で暮らすために必要な費用を「入居時の費用」「毎月の費用」「追加費用」に分けて簡単に説明します。

まずは入居時の費用です。賃貸借契約を交わすため、入居時には敷金の支払いが必要です(家賃数ヶ月分が一般的)。ただし、事業者の裁量により敷金不要としているケースもあります。

毎月かかる費用には、賃料や光熱費、サービス料金などがあります。

そして追加費用は、事業者が任意に提供する有償のオプションサービスにかかる費用です。オプションのサービスを受ければ毎日の生活もより良いものになりますが、その代わりに毎月の費用が高くなることもふまえて検討しましょう。

特に介護サービスについては、要介護度が上がるほど必要なサービスが増え、費用も高くなるので注意しましょう。

サービス付き高齢者向け住宅で受けられるサービス

サービス付き高齢者向け住宅で受けられるサービスには、どの施設でも必ず受けられる基本のサービスと、施設によって受けられるサービスがあります。

必ず受けられる基本のサービス

サービス付き高齢者向け住宅として登録している施設では、高齢者住まい法第5条1項、第18条により、少なくとも次の2つの基本サービスが受けられます。

1つ目は状況確認(安否確認)サービスです。職員による定期的な巡回などにより、入居者の心身の状態を把握(安否確認)します。詳細内容は施設によって異なります。

例としては、トイレ・浴室に通報センサーを設置する、24時間体制で居室を訪問して状況を確認するなどです。

2つ目は生活相談サービスです。入居者が日常生活を安心安全に過ごせるよう、入居者からの相談に応じて助言するサービスです。

例えば、相談員が常に施設におり、入居者が困っていることや悩んでいることの相談を受けたり、家族に連絡を入れたりするなどです。

これら2つのサービスの提供は法律上の義務です。したがって、どこのサービス付き高齢者向け住宅を選んでも同等のサービスが受けられます。

施設によって受けられるサービス

状況把握(安否確認)サービスと生活相談サービスは、法律で提供が義務付けられた基本のサービスです。しかし、施設によっては、以下のサービスが受けられるところもあります。

  • 緊急時の対応
  • 食事の提供
  • 外出時の付き添い(買い物や通院など)
  • 介護サービス(家事支援、身体介護)
  • リハビリや看取りなどの医療支援

なかには、外部の事業者と連携して、さまざまな任意の有償サービスを提供している施設もあります。

スタッフの数やスキル、設備によっても、受けられるサービスの質や費用も違ってきます。入居を決める前に、自分が受けたいサービスの有無やスタッフの状況などを自分の目で見て確認することも大切なポイントです。

自由度の高いサービス付き高齢者向け住宅は特徴を理解したうえで選択しましょう

サービス付き高齢者向け住宅は、安否確認サービスと生活相談サービスを基本の軸とした、自由度の高い生活が送れる施設です。

利用者のニーズにあわせて必要なサービスを選べる仕組みである点が、サービス付き高齢者向け住宅のメリットといえるでしょう。

ただし、任意サービスや退去条件などは施設によって異なります。内容によっては入居後の生活に大きく影響するため、契約前にしっかり確認しましょう。

また、サービス付き高齢者向け住宅だけではなく、住宅型有料老人ホームやシニア向け分譲マンションといった、他の高齢者向け施設と比較検討するのもおすすめです。

国が公開している情報や本記事などを参考にしながら、自分の希望に合ったサービス付き高齢者向け住宅を選択しましょう。

この記事のポイント

サービス付き高齢者向け住宅の特徴とは?

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)は高齢者が安心して生活するための見守りサービスを兼ね備えたバリアフリー構造の賃貸住宅です。

詳しくは「サービス付き高齢者向け住宅の概要」をご確認ください。

サービス付き高齢者向けのサービス内容とは?

必ず受けられるサービスは以下の通りです。

  • 安否確認
  • 生活相談

施設によっては、緊急時の対応や食事の提供・外出時の付き添いなどのサービスがあります。
詳しくは「サービス付き高齢者向け住宅で受けられるサービス」をご確認ください。


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