ざっくり要約!
- マンションの駐車場には、平置駐車場、機械式立体駐車場、自走式立体駐車場の3種類があります。
- マンションの駐車場は住戸の数より少ないケースもあるため、必ず利用できるとは限りません。
- 分譲マンションを購入しても、多くの場合、駐車場の権利は「賃貸」となっています。
分譲マンションを購入する際、車を所有していると駐車場も必要となるでしょう。しかし、さまざまなタイプの駐車場があり、何を基準に選べばよいか悩んでいる方もいるかもしれません。
本記事では、マンションの駐車場の種類とメリット・デメリット、使用料の相場や注意点を解説します。駐車場探しや契約をスムーズに進めたい方はぜひ参考にしてください。
記事サマリー
マンションの駐車場の種類とメリット・デメリット
マンションの駐車場には、主に平置駐車場、機械式立体駐車場、自走式立体駐車場の3種類があります。それぞれの形状やシステムならではのメリット・デメリットがあるため、まずは特徴を把握しておきましょう。
1.平置駐車場
平置駐車場とは、地面のような平面に設置された駐車場のことを言います。アスファルト舗装や砂利の地面上に、駐車スペースが1台分ずつ区画分けされているスタンダードな形式です。
平置駐車場の多くは屋根のない青空駐車場ですが、なかには屋根が設置されているタイプもあります。
平置駐車場のメリット・デメリットは以下の通りです。
メリット | ・駐車や入出庫にかかる時間が少ない ・修繕積立金や管理費を抑えられる |
---|---|
デメリット | ・都市部には物件が少ない 【屋根がない場合】 ・車が汚れやすい ・雨天時は乗り降りする際に濡れやすい ・積雪地域では冬期の除雪が大変 |
平置駐車場は敷地内に入ってから比較的すぐに駐車できるため、車の出し入れにかかる時間が短く済みます。そのため、平置駐車場は人気があり、賃貸で借りる場合は家賃が高くなる傾向があります。
一方、広い敷地面積を要するため、都市部には物件が少ないことはデメリットの一つです。屋根がないタイプの場合は、雨天時や積雪地域における冬期の利用も大変です。
・「平置駐車場」を含む物件一覧はこちら |
2.機械式立体駐車場
機械式立体駐車場とは、パレットと呼ばれる台に車を乗せ、機械操作によって入出庫する駐車場です。ピット式やエレベーター方式など、さまざまなタイプがあります。
機械式立体駐車場のメリット・デメリットは以下の通りです。
メリット | ・車上荒らしやいたずらのリスクが少ない ・車が汚れにくい ・狭いスペースに多くの台数を収容できる |
---|---|
デメリット | ・車の入出庫に時間がかかる ・停電時や機械のメンテナンス時に利用できない ・修繕積立金や管理費が高くなりやすい ・駐車できる車のサイズには制限がある |
機械式立体駐車場に駐車している間は、車に人が近づけなくなるため、車上荒らしなどにあうリスクが非常に少なくなります。また、駐車中は雨風で汚れることもありません。ただし、最上階には屋根がないことが多くなっています。
一方、入出庫に時間がかかる点や、停電時に利用できない点はデメリットとして挙げられます。また、駐車できる車のサイズには制限があります。車長・車高・車幅がオーバーしていないか、確認しておきましょう。
3.自走式立体駐車場
自走式立体駐車場とは、スロープや車路を自ら運転して駐車する形式の立体駐車場です。大型ショッピングモールによく見られるタイプで、フラット式やスキップ式などの形状があります。
自走式立体駐車場のメリット・デメリットは以下の通りです。
メリット | ・雨天時にも利用しやすい ・車が汚れにくい ・機械操作がないので簡単に出し入れできる ・多くの台数を収容できる |
---|---|
デメリット | ・車の入出庫に時間がかかる ・住居との行き来に時間がかかる |
自走式立体駐車場は屋根があるので、雨天の際も乗り降りや荷物の出し入れがしやすいことが特徴です。また、機械式立体駐車場と比べて、車高の高い車でも駐車可能なケースが多いです。
一方、大型の立体駐車場の場合は、車をとめた場所から自宅までの移動時間がかかる場合があります。
・「自走式駐車場」を含む物件一覧はこちら |
・「屋根付駐車場」を含む物件一覧はこちら |
マンションの駐車場の使用料の相場はどれくらい?
マンションの駐車場の使用料は、地域によって数千円から数万円まで幅があります。郊外ならば5,000円程度から利用できる駐車場もあります。
一方、都内や都市部では3万円からが目安となっており、中心部では5万円程度かかる駐車場も珍しくありません。
マンションの駐車場は必ず利用できる?
マンションの駐車場は、住民であっても必ず利用できるとは限りません。住戸の数より駐車場のほうが少ないケースもあるためです。また、物件が新築か中古かによっても、状況は異なります。
住戸の数だけ用意されているとは限らない
マンションのような集合住宅において、駐車場を設ける義務は、法律上で定められていません。
分譲マンションでは駐車場が設置される傾向がありますが、その場合も住戸の数より少ないケースがあります。特に首都圏の中心部は土地代が高いため、あまり多くは用意されません。
マンションを購入する際には、駐車場の有無や空き状況を必ず確認しましょう。
新築時は抽選になることが多い
駐車場の利用は、1戸に1台と制限がある場合も珍しくありません。
新築マンションでは、駐車場の台数を利用希望者数が上回る場合、抽選となることが多いです。抽選時期はマンションによって異なります。
仮に抽選に外れた場合は、同じマンションで抽選に参加した人のキャンセル待ちをすることが可能です。また、確実に駐車場を使いたい場合は、駐車場の権利がついている住戸を購入することも方法のひとつです。
中古マンションは空きがなければキャンセル待ち
中古マンションでは、先に住んでいる住民の車で、すでに駐車場が埋まっている場合があります。
マンション購入時に駐車場の空きがない場合は、キャンセル待ちをしなければなりません。もしくは、マンションに付随する駐車場にこだわらない場合は、近隣の有料駐車場を使う選択肢もあります。
物件選びの際に、駐車場の有無の優先順位を決めておくとよいでしょう。
マンションの駐車場の注意点
マンションの駐車場を利用する際には、注意したいポイントがあります。特に権利関係や自然災害のリスク、使用料の値上げの可能性などについて把握しておきましょう。
駐車場の「権利」をチェックしよう
分譲マンションに設置された駐車場の権利には「分譲」と「賃貸」の2種類があります。
このうち、多くの分譲マンションで採用されているのは、賃貸方式の駐車場です。分譲マンションと同時に申し込んでいたとしても、駐車場の権利が分譲になっているとは限らないのです。
分譲マンションを購入したことによって、駐車場も購入したものと勘違いしてしまうケースが見られます。契約書を確認し、駐車場の権利の種類をチェックしましょう。昨今では駐車場の設置率が下がっており、駐車場がないマンションも珍しくありません。
なお、分譲の場合、駐車場の賃貸料は発生しませんが、購入代金や登記費用、固定資産税などがかかります。
一方、使用料を払って駐車場を借りるのが賃貸です。賃貸の場合、駐車場は共用部分となり、マンションの管理組合が管理します。
機械式駐車場は水害に気をつけたい
近年、集中豪雨などが発生した際に、機械式立体駐車場が水没するトラブルが発生しています。立体駐車場であれば水没しないように思えますが、パレットを動かす機械が水没すると操作できなくなることがあります。
また、駐車スペースが地下にある場合は、入庫中の車が水没してしまう恐れもあります。水害が多い地域の場合、保険に加入するなどの対策を検討してみてもよいでしょう。
駐車場の種類や数が管理に与える影響
近年では車の所有率は都市部において特に低下しています。若者のクルマ離れに加えて、カーシェアリングの普及などがその要因です。
駐車場の種類や空き駐車場の数は、維持管理に影響を及ぼし、住民が支払う使用料にも反映されることがあります。
駐車場の使用料は修繕積立金や管理費に充てられており、空きが増えると管理費が不足するためです。その結果、使用料が値上がりし、住民の負担が増えることとなります。
特に、3種類の駐車場のなかでメンテナンス費用が高いのは、機械式立体駐車場です。そのため、機械式立体駐車場で空きが多くなると、他のタイプよりも影響が大きくなります。自身が利用する駐車場の空き状況などを確認してみるとよいかもしれません。
マンションの駐車場におけるトラブル
マンションの駐車場はさまざまな人が利用するため、トラブルが発生することもあります。主なトラブルは以下の4つです。
トラブルの種類 | 内容 |
---|---|
無断駐車 | ・契約車両以外の車が駐車されている ・住民の知人が来訪した際に無断で駐車している |
駐車スペースのはみ出し | ・隣の駐車スペースへはみ出して駐車している |
車両・物損事故 | ・他人の車両に接触して傷をつける ・駐車場の塀に接触する |
窃盗などの犯罪 | ・車上荒らしで金品を取られる |
事故や犯罪が起きた場合には、警察へ連絡しましょう。
一方、無断駐車やはみ出しがある場合には、まず管理会社へ連絡します。車両の所有者が分かる場合は、管理会社から本人へ連絡してもらえます。所有者が不明な場合も、全住戸に対して注意喚起をしてもらうといった対処が考えられるでしょう。
また、無断駐車を事前に防ぐためには、自身が車で外出する際にコーンを置いておく方法が有効です。
まとめ
マンションの駐車場は住戸の数より少ないケースもあるため、必ずしも利用できるとは限りません。分譲マンションを購入する際には、駐車場の有無や空き状況を必ず確認しましょう。
新築マンションでは、駐車場の利用希望者数が多い場合、抽選となる傾向があります。確実に使いたい場合は、駐車場の権利がついている住戸を購入することも方法のひとつです。
また、マンションに付随する駐車場にこだわらない場合は、近隣の有料駐車場を使う選択肢もあります。あらかじめ駐車場の優先順位を決めたうえで、物件選びを進めていくとよいでしょう。
この記事のポイント
- マンションの駐車場の種類と、それぞれのメリット・デメリットは?
マンションの駐車場には、主に平置駐車場、機械式立体駐車場、自走式立体駐車場の3種類があります。平置は入出庫に時間を要しませんが、悪天候時に利用しにくい特徴があり、自走式立体駐車場はその逆の特徴があります。機械式立体駐車場は防犯面で優れていますが、停電時に利用できないといったデメリットがあります。
詳しくは「マンションの駐車場の種類とメリット・デメリット」をご覧ください。
- マンションの駐車場の使用料の相場はどれくらい?
駐車場の使用料は、地域によって数千円から数万円まで幅があります。郊外ならば5,000円程度から、都内や都市部では3万円からが目安となっています。
詳しくは「マンションの駐車場の使用料の相場はどれくらい?」をご覧ください。
- マンションの駐車場は必ず利用できる?
住戸の数より駐車場のほうが少ないケースもあるため、必ず利用できるとは限りません。
詳しくは「マンションの駐車場は必ず利用できる?」をご覧ください。
物件探しや売却がもっと便利に。
無料登録で最新物件情報をお届けいたします。
Myリバブルのサービス詳細はこちら