ざっくり要約!
- 床下換気扇を設置すると、害虫対策、基礎構造部の劣化防止、健康被害の防止につながります。
- 水が溜まりやすい地域の家や風通しが悪い家には、床下換気扇の設置がおすすめです。
- 床下換気扇の導入費用は30坪程度の家で約15万円、ランニングコストは月100円程度です。
床下換気扇は、害虫対策や土台の劣化防止に役立つ設備です。しかし、効果があるのかわからず、導入を迷っている方もいるのではないでしょうか。
本記事では、床下換気扇を設置する目的や、設置したほうがいい家の特徴を解説します。導入費用やランニングコストも紹介するので、床下換気扇の設置を検討している方はぜひ参考にしてください。
記事サマリー
床下に換気扇を設置する目的
床下を効率よく換気して湿度を下げると、シロアリなどの害虫対策ができるほか、土台の劣化を防止することも可能です。さらにカビやダニを防ぐことで、住む人の健康被害も防止できます。
シロアリなどの害虫対策
シロアリやゴキブリ、ムカデなどの害虫は、湿気が多い場所に住みつく傾向があります。そのため、床下を換気して湿度を下げると、害虫対策につながります。
シロアリは住宅の土台をはじめとした木材をかじり、深刻な被害をもたらすため、放置すると危険です。また、ムカデやゴキブリも家の中へ侵入すると、噛まれたり、雑菌を持ち込んだりされるリスクがあります。
床下換気扇を設置すれば、害虫が増えにくい環境を維持できるでしょう。
基礎構造部の劣化を防ぐ
床下を換気して湿気を逃がすことで、土台を含む基礎構造部の劣化を防ぐことができます。
床下の土台は、住宅のなかでも特に木材が腐りやすい部分として挙げられています。その要因は、床下の湿度が高く、土台が水分を吸い込んでいるためです。
湿度や木材の含水率が高くなると、木材を腐らせる腐朽菌が繁殖しやすくなります。その結果、土台に使われている木材が腐り、強度が低下してしまうのです。やがて住まいそのものの強度が失われてしまいます。
床下換気扇で換気し、湿度を下げることによって、こうした腐敗や劣化を防ぐことができます。
住む人の健康にも寄与する
換気不足で湿気がたまると、カビが発生し、カビをエサとしているダニも増殖します。カビやダニのフン・死骸が体内に入ることで引き起こされるのは、鼻炎や喘息、皮膚炎などの症状です。同時にシックハウス症候群の発症リスクも懸念されます。
床下を換気してカビ・ダニの発生を防ぐことによって、健康被害を回避することが可能となります。
床下の換気扇は無意味?効果を高める設置方法・利用方法とは
床下換気扇を設置しても効果が感じられないという人もいるかもしれません。ここでは、効果を高める設置のしかたや利用方法を紹介します。
北側や水まわりの下部などに設置する
床下換気扇の効果を高めるには、風通しの悪い水まわりや、住宅の北側に設置することが推奨されます。水まわりは部屋が細かく仕切られ、空気が循環しにくい傾向があるためです。また、北側は十分に日が当たらず、湿気がこもりやすくなっています。
床下換気扇を設置する際には、風の通り道を考え、湿気が外に排出されるよう計画しましょう。南側から新鮮な空気を取り入れ、北側から湿った空気を排気できるような配置にすると効果的です。
排気口の周りにある雑草・モノを除去する
換気の効率をよくするためには、排気口の周りに物を置かないよう注意が必要です。
排気口は、床下の湿気を外に逃がすための重要な通風穴です。排気口周辺に室外機などが設置されると、風の通り道が遮られて湿気が十分に排出されなくなります。
また、雑草などが排気口を塞ぐこともあります。床下換気扇を設置する際には、随時確認し、雑草を取り除いておくことが不可欠です。
複数台必要なケースも
床下換気扇は、複数台の設置が必要なケースもあります。たとえば、約30坪までの大きさの住宅の場合、最適な台数は2〜4台程度です。
多ければよいというわけではなく、必要以上に設置すると、床下の換気性能が低下する恐れもあります。余分に換気扇を設置することによって、計画的な給排気のルートが乱されてしまうからです。
しかし、なかには過剰な台数を提案する業者もいるため、注意が必要です。目安を超えるような床下換気扇の提案がある場合は、慎重に検討しましょう。
床下に換気扇を設置したほうがいい住まいの特徴は?
自宅が建っている地域や過去の水害の有無などによって、同じ間取りでも、湿気のこもりやすさは異なります。
以下の特徴がある家は、床下に湿気がこもりやすいため、床下換気扇の設置がおすすめです。
分類 | 家・土地の特徴 | 床下に湿気がこもりやすい理由 |
---|---|---|
水が溜まりやすい | 過去に水田や湿地帯だった | 過去に水田だった場所は、もともと雨水が溜まりやすい性質がある。 |
台風や洪水で浸水したことがある | 浸水した土地は地面が大量の水を吸っている。 乾くまでに時間がかかる。 | |
雨水がたまりやすい | 雨水がたまりやすい場所は、水はけが悪い可能性がある。 | |
周囲よりも土地が低い | 周囲の高い土地から水が流れてくる。 | |
風通しが悪い | 住宅密集地である | 密集していると風通しが悪くなる。 |
床下の空間が狭い | 床下が狭いと空気が循環しにくい。 |
過去に水田だった場所や雨水がたまりやすい場所などは、土地自体に水がたまりやすい性質があります。そのため、地面に含まれている水分が蒸発し、床下に湿気がこもりやすくなるのです。
一方、密集地や床下空間が狭い家は、風通しが悪いことで、湿気がたまっている場合もあります。
上記のような特徴の家には、床下換気扇を設置したほうがよいといえるでしょう。
床下換気扇の導入費用とランニングコスト
床下換気扇の設置を検討する際、気になるのはコストです。設置するには、導入費用とランニングコストがかかります。
導入費用
床下換気扇の導入費用の相場は、以下の通り、本体価格と取付工事費を合わせて1台あたり約5万円です。
【床下換気扇の導入費用】
住宅規模 | 設置台数 | 本体価格+取付工事費 |
---|---|---|
ー | 1台 | 約5万円 |
~30坪 | 3台 | 約15万円 |
出典:株式会社サンキョークリーンサービス
出典:株式会社マエダ
※2023年11月時点
30坪以下の家の場合、適切な設置台数は2~4台程度です。平均3台となっているため、導入費用は15万円程と想定されます。
ランニングコスト
床下換気扇にかかるランニングコストは、運転するために必要な電気代です。
金額はそれほど大きくなく、月に100円程度となっています。
そのほか、将来的には床下換気扇本体の劣化による買い替え費用が発生します。メーカー側で、買い替えまたは重要部品の交換を推奨しているのは、使用期間が10年を経過した製品です。
一方、20年を経過しても問題なく動いている事例も見られるため、床下換気扇の寿命は一般的に10~20年と考えられています。
床下換気扇以外の湿気対策
ここまで床下換気扇について説明してきましたが、湿気対策としては、防湿シートや調湿剤を使う方法も挙げられます。
防湿シートは、床下全体に敷き詰めることで、地面から湿気が上がってくることを防ぐシートです。一方、調湿剤は湿気を吸い込んでくれるものです。シリカゲルや炭などの調湿剤があり、砂利のように敷き詰めるタイプや、袋ごと並べるタイプなどがあります。
いずれもホームセンターやネットショップなどで購入できるため、自分で対策することも可能です。
まとめ
床下換気扇を設置すると、シロアリなどの害虫対策ができるほか、基礎構造部の劣化を防いで建物を長くもたせることが可能です。さらに、カビやダニを防ぐことで、住む人の健康にも寄与できます。
本記事で紹介した「床下換気扇を設置したほうがいい家」の特徴に当てはまる場合は、無料調査を受けてみるとよいかもしれません。
この記事のポイント
- 床下換気扇の効果を高める方法は?
湿気がたまりやすい北側や水まわりの下部に設置したり、排気口の周りにあるモノや雑草を除去したり、必要に応じて複数台設置したりする方法が挙げられます。
詳しくは「床下の換気扇は無意味?効果を高める設置方法・利用方法とは」をご覧ください。
- 床下換気扇を設置したほうがいい住まいの特徴は?
水が溜まりやすい場所(過去に水田だった、浸水したことがある、雨水がたまりやすい、周囲より土地が低い)に建っている家と、風通しが悪い家(住宅密集地、床下の空間が狭い)です。
詳しくは「床下に換気扇を設置したほうがいい住まいの特徴は?」をご覧ください。
- 床下換気扇の導入費用とランニングコストは?
導入費用は30坪程度の家で約15万円(3台)、ランニングコストは月100円程度です。
詳しくは「床下換気扇の導入費用とランニングコスト」をご覧ください。
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