ざっくり要約!
- コーニス照明とは壁に沿って平行かつ下向きに光源を取り付け、光を壁やカーテンに反射させる間接照明
- コーニス照明は壁を明るく照らすことで開放感を表現したり、逆に光を制限することでラグジュアリーな空間を演出したりできる
新築の施工例やリフォームの実例集などを見ていると、間接照明を上手に活用して、デザイン性の高い空間を表現している家を目にすることがあります。
この記事では、間接照明を取り入れて高級感や落ち着いた雰囲気を演出したいと思っている方のために、コーニス照明の特徴や採用する際の注意点を解説します。
またおしゃれな活用方法やリフォーム例を紹介します。これから新築やリフォームを考えている方は、コーニス照明の採用を検討してみましょう。
記事サマリー
コーニス照明とは?
コーニス照明とは、壁に沿って平行かつ下向きに光源を取り付けて、光を壁やカーテンに反射させる間接照明です。
室内や手元を直接的に照らすシーリングライトやペンダントライトとは異なり、壁を明るく照らすことで光を拡散させるので、空間に広がりや奥行を表現することができます。
また壁の素材や形状を工夫して意匠を凝らすことで、光の陰影やグラデーションを表現できるので、デザイン性も楽しむことができます。
コーニスとは建築用語で、洋風建築の軒や壁の上部に水平の帯状に取り巻かれた装飾のことをいいます。
屋根と外壁の見切り材として使われるもので、壁に雨水が当たらないようにする庇や雨どいの役目を果たすものです。コーニス照明は、壁に装飾されたコーニスの水平で帯状のその特徴から名づけられています。
コーブ照明との違い
コーニス照明は壁やカーテンに光を当てて明るくするために、基本的には光源を高い位置かつ下向きに取り付けますが、コーブ照明は天井に光を反射させるために上に向けて光源を取り付けます。
つまりどちらも間接照明です。壁を照らして明るくする照明がコーニス照明で、天井に光を当てて明るくするタイプがコーブ照明です。
コーニス照明の特徴やデメリットとは
コーニス照明のおもな特徴や、デメリットを紹介します。
高級感漂う家づくりができる
コーニス照明は、空間演出にかかせないインテリアの1つともいえます。壁を明るく照らすことで開放感を表現したり、逆に光を制限することでラグジュアリーな空間を演出したりできます。
光の使い方次第で高級感もプラスできるため、ホテルのロビーやレストラン、商業施設などでも広く採用されています。
コーニス照明を自宅に取り入れることで、ホテルのような高級感漂う家づくりができます。
明るく広々とした空間が作れる
コーニス照明は壁やカーテンなどの広い面を明るく照らすことができるため、広々とした印象を与える視覚的効果を期待できます。
また壁全体を明るくすることができるため、たとえば日当たりが望めない部屋に採用することで、足りない明るさを補うこともできます。
ただし光源の光が強すぎたり、明るい部分が広すぎたりするとリラックスできない可能性があります。部屋の用途に応じて計画しましょう。
インテリアのアクセントになる
コーニス照明の光が当たる壁に凹凸のある素材やタイルなどを使うことで、光の陰影やグラデーションを楽しむことができます。光は空間的な広さに制限されることはありません。創り出したいイメージを光や素材、形状で表現できるのも魅力です。
コーニス照明の光は人の目を惹きつけやすく、インテリアのアクセントになります。おしゃれな空間を演出したいときの手法として、活用することをおすすめします。
光の広がりが均等にならないことも
ライン状に施工することが多いコーニス照明ですが、その間隔が均等でないときれいな光の広がりを表現できず、明るさも均一ではなくなります。光源の配置には注意しましょう。
また光源や電球を交換する際は、その明るさや光の色(電球色)にも気をつける必要があります。
家具との位置関係に注意が必要
コーニス照明を配置する場合は、家具などの配置にも注意しましょう。光が反射しやすいものに直接光が当たらないように計画し、逆に明るく照らしたいものにはきちんと光が届くようにしましょう。
たとえば光沢のある家具や床材は反射してしまう可能性があり、光源が写り込んでしまいます。光源の角度には注意する必要があります。
スポットライトの役目をさせたい場合は、その光源の明るさや高さを考慮することが重要です。光が弱すぎると、コーニス照明の魅力が半減してしまう可能性があります。
コーニス照明の上手な使い方を実現するポイント
コーニス照明の上手な使い方と、設置する際に注意すべきポイントを紹介します。イメージ通りの空間を演出するためにも、家具との相性や欲しい明るさが届くのかなどを確認しておきましょう。
テレビとの配置を工夫する
コーニス照明は、反射する光を利用する間接照明です。比較的テレビの画面に光が写り込みにくいのが特徴であり、コーニス照明が創り出す光によって、リラックスしながらテレビ鑑賞できます。
ただし明るすぎると見えにくくなることもあります。コーニス照明の光源の位置や角度、明るさに注意しましょう。
照明の目的を明確にする
コーニス照明を採用する目的を明確にしましょう。リビングであれば来客の可能性もあるためデザイン性を重視し、寝室であればリラックスできる明るさや配置にしましょう。
お気に入りの絵画やインテリアを飾るのであれば、コーニス照明が目立ち過ぎないように、光の明るさや明るくする部分を調整する必要があるでしょう。
光源を隠す
コーニス照明は間接照明のため、照明器具自体は隠して設置しましょう。光源が直接見えてしまうと、せっかくのデザイン性が損なわれてしまいます。
壁を一部凹ませて光源を設置する方法や、カーテンボックスのような空間を作り、光源を隠す方法などがあります。
しかし角度や立つ位置によっては、光源が見えてしまいます。出入り口に設置する場合や真下を通る可能性がある場合は、幕板を設置するなどし、凹ませる部分の間口を広げ過ぎないように工夫しましょう。
メンテナンスを行う
コーニス照明は比較的高いところに造作することが多く、また光源を隠すように設置するため、メンテナンスや掃除がしにくいので注意しましょう。
せっかくコーニス照明を設置したのに、電球切れや故障を放置してしまうと無駄になってしまいます。メンテナンスや光源の交換がしやすいように計画しましょう。
熱がこもらないように設計する
コーニス照明は光源を隠すように設置するため、比較的熱がこもりやすい状態になります。LEDは熱を放射しないため発熱量は低いもいえますが、内部に蓄積する熱により寿命が短くなったり、不具合の原因になったりすることがあります。
電球を利用しない場合でも、設置場所に熱がこもらないようにある程度空間を確保できるように工夫しましょう。
コーニス照明はDIY・後付けできる?
コーニス照明の取り付けといった電気工事のDIYを紹介しているブログやSNSがありますが、実は電気の配線工事をするには国家資格が必要です。自宅であっても無資格で工事をした場合、罰せられる可能性があります。
また素人が電気工事をすると感電や火災などの危険性もあるため、電気の配線などが必要な工事をする場合は、リフォーム会社や専門業者、電気工事士に依頼するようにしましょう。
DIYが趣味で、自宅の電気配線工事をできるようにしたい方は「第二種電気工事士」の取得を検討してみましょう。コンセントの設置や600V以下の家庭用の電気工作物の工事をすることができます。
第二種電気工事士の資格には有効期限がありません。また学科と実技による技能試験がありますが、合格率は6割前後です。
コーニス照明の活用例
コーニス照明は基本的に光源を見えなくする必要があり、新築時に計画することをおすすめしますが、リフォームにより後付けすることも可能です。
下記のようなコーニス照明用の照明器具があり、比較的簡単にライン状の照明を設置することができます。また屋外用もタイプもあるので、外構工事にも採用できます。
コーニス照明のリビングや玄関などの活用事例
テレビを置くスペースをアクセントウォールになるように、コーニス照明と調湿タイルを採用したリフォーム例です。インテリアのアクセントにもなり、リラックスできるスペースになっています。また室内を暗くしてコーニス照明だけを灯すことで、映画館のような演出も可能です。
引用:リフォーム部位別ギャラリー|パナソニック リフォーム株式会社
テレビの背面の壁をアクセントウォールにし、上部と下部にコーニス照明を配した施工例です。吹き抜けの開放的な雰囲気と相まって、まるで南国のリゾートのような素敵なリビングです。また和室の壁にもコーニス照明を採用しており、照明の演出が随所にみられる採用例です。
玄関を光のアクセントで華やかに演出した実例です。シューズクローゼットの下部と正面の壁を明るくすることで、温かみのある空間になっており、天井からのダウンライトがギャラリーのような雰囲気を漂わせています。
寝室のカーテンボックスにコーニス照明を配置した例です。カーテンボックスは光源を隠しやすく、後付けでもコーニス照明を取り入れやすいでしょう。ぬくもりを感じられ、リラックスできる空間になっています。
この記事のポイント
- コーニス照明とコーブ照明はどう違う?
コーニス照明は壁やカーテンに光を当てて明るくするために、基本的には光源を高い位置かつ下向きに取り付けます。
一方、コーブ照明は天井に光を反射させるために上に向けて光源を取り付けます。詳しくは「コーニス照明とは?」をご覧ください。
- コーニス照明はDIY・後付けできる
後付けすることは可能ですが、DIYは避けてください。
電気の配線工事をするには国家資格が必要です。自宅であっても無資格で工事をした場合、罰せられる可能性があります。
また素人が電気工事をすると感電や火災などの危険性もあるため、電気の配線などが必要な工事をする場合は、リフォーム会社や専門業者、電気工事士に依頼するようにしましょう。
詳しくは「コーニス照明はDIY・後付けできる?」をご覧ください。
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