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住宅ローンが払えないとどうなるのか時系列で解説!すぐに検討すべき対処法も紹介

住宅ローンが払えないと、およそ10ヶ月程度で立ち退きをしなければいけない状態になってしまいます。

強制的に立ち退きせざるを得ない状況になれば、引っ越し費用を工面することもできないまま、家を出ていかなければいけなくなるでしょう。

早めの対策を取ることで、その家に住み続けられる可能性が高まったり、出て行くにしても引っ越し費用を準備できる可能性があります。

今回は、住宅ローンが払えないと起こり得るリスクや、住宅ローンが払えないときの対処法についてお伝えします。

住宅ローンの返済が難しいと感じている方は、これからお伝えすることをぜひ参考にしてください。

住宅ローンが払えないと10ヶ月後には立ち退きとなる

住宅ローンを払えない期間が10ヶ月程度経過すると、最終的にはその家から立ち退きをしなければいけなくなります。

まずは、住宅ローンを払えないと起こることを時系列で解説します。

滞納直後:遅延損害金が発生し督促状が届く

住宅ローンの返済日に遅れた日が滞納開始日です。滞納が始まるとまずは、債権者(銀行)から支払い状況を確認するための電話がかかってくるでしょう。

具体的には「〇月分のローン返済が確認できておりません」という内容です。

この時点で直ちに住宅ローンを払えれば大きな問題はありませんが、払えないでいると「〇月〇日までに支払いがなければ、遅延損害金と残高を一括請求する」といった内容の督促状が送付されます。

多くの住宅ローンの遅延損害金利率は14%程度であるため、1,000万円を1日滞納しただけで3,835円程度発生するでしょう。

非常に高額な利息を請求されるため、住宅ローンを払えない状態が続くと危険です。早めに対処するよう心がけてください。

滞納3ヶ月経過:期限の利益を喪失し残債を一括請求される

住宅ローンを払えない状態が3ヶ月程度続くと、期限の利益を喪失して残債の一括返済を求められます。

期限の利益の喪失とは、毎月決まった金額を返済するとされていた期限の利益を喪失したことを意味します。よって、期限の利益を喪失した時点で、残債および遅延損害金を一括返済する必要があります。

一括請求されたあと債権者(銀行)に「分割払いにしてほしい」と伝えても、認められない、もしくは認められても厳しい和解条件を提示されます。

期限の利益については、住宅ローンを契約する際の契約書にも記載されている事項です。

住宅ローンの利用者が契約書の内容に納得をしてサインをしている以上、今さら「払えないから分割払いにしてほしい」と伝えても難しいのが現実です。

また、期限の利益の喪失と同時期に「〇月〇日までに支払いがなければ競売を開始する」と記載された書類が届きます。

つまり、記載された日時までに残債および遅延損害金を一括で返済できなければ、競売が開始されます。

滞納6ヶ月経過:競売開始の決定

住宅ローンを払えない期間が6ヶ月程度経過すると、競売開始時期を決定して、実際に競売へ向けた準備が開始されます。

この時点で、裁判所の執行官や不動産鑑定士が家に訪れ、写真を撮ったり物件の査定を行ったりします。

滞納8ヶ月経過:競売入札期間の通知

住宅ローンが払えない状況になってからおよそ8ヶ月経過後、裁判所から期間入札決定通知書が届きます。

この通知書は、「この期間に入札を行います」というのを伝える書類であり、実際に購入希望者を募る期間に入ることを知らせます。

その後、入札形式で住宅を売り出し、実際に購入希望者を募って売却を目指します。

滞納10ヶ月経過:立ち退き

およそ10ヶ月経過したあたりですべての競売手続きが完了し、家は新たな所有者のものになります。今までその家に住んでいたとしても、すでに所有権を失っているため、新たな所有者の指示に従って、立ち退きをしなければいけません。

もしも、立ち退き命令を無視して居座った場合には、裁判所にて強制執行が行われて、強制的に追い出されてしまうでしょう。

新たな所有者次第では、立ち退きタイミングの交渉に応じてくれることもあります。何らかの事情で今すぐに立ち退きができないなら、新しい所有者へ相談が必要になります。

住宅ローンを払えないときに検討すべき対処法

住宅ローンが払えないと、最終的にはその家を立ち退かなければいけません。

このような最悪の事態を避けるためには、下記の対処法を検討してください。

  • 住宅ローン返済計画の見直し
  • 住宅ローンの借り換えを検討
  • 団体信用生命保険や行政制度の利用
  • リバースモーゲージを利用
  • 個人再生を検討

ここからは、住宅ローンが払えないときに、検討すべき対処法を詳しく解説します。

住宅ローン返済計画の見直し

住宅ローンが払えないとき、まずは返済計画の見直しをしてください。その上で、どうすれば確実に住宅ローンを返済できるのかを検討します。

毎月の返済負担額が軽減されれば住宅ローンが払える状況であれば、銀行へ返済期間の延長を相談してください。

そうすることで、毎月の返済負担額が軽減されて、無理なく返済を続けていけるようになるでしょう。

ただし、返済期間を延長した分総支払い金額(利息部分)が増加するため、経済的な損失は大きくなります。また、今後の生活や老後の資金問題にも影響が出る可能性があります。

返済期間を延長する際は、目先のことだけではなく、将来を見据えた上での判断が必要です。

住宅ローンの借り換えを検討

現在の住宅ローン借入金利が、相場よりも高い場合は、借り換えを検討してください。

住宅ローンでは、わずかな金利の違いでも、大きな差が発生します。

実際、数千万円単位の借入金に対して1%の金利差が発生すれば、月額数千円〜数万円の利息軽減に繋がります。

現在の借入金利を把握した上で、他行のほうが良いのであれば、借り換えも視野に入れましょう。

ただし、住宅ローンを1回でも滞納したことがある方は、借り換え審査に通らない可能性があります。そのため、この対処法を検討できるのはあくまでも、信用情報に問題がない方のみです。

団体信用生命保険や行政制度の利用

住宅ローン契約締結時に加入する団体信用生命保険(団信保険)の種類によっては、加入者が病気になった場合に支払いを免除するものがあります。

もしも、住宅ローンが払えなくなった原因が三代疾病による収入減であれば、団信保険の内容を確認してください。

また、保険の加入者が病気やケガで働けなくなってしまった場合には、公的貸付制度や給付金制度によってお金を工面できる可能性があります。

例えば、社会福祉資金貸付制度や傷病手当金制度を利用すれば、お金を借りられたり給付されたりするため、住宅ローンの返済にも充てられるでしょう 。

リバースモーゲージを利用

リバースモーゲージとは、逆住宅ローンのことです。

住宅や土地を担保としてお金を借りる制度で、不動産の所有者が死亡した際に借金の清算をするため、原則利息の支払いのみとなります。

住宅ローンの支払い義務は残るため、返済を続けていかなければいけませんが、まとまった資金を借りられる(不動産評価額の50%〜70%程度)ため、住宅ローンの返済にも充てられます。

個人再生を検討

住宅ローン以外の借金も抱えている方は、債務整理のひとつである個人再生を検討してください。

個人再生で住宅ローン特則を利用すれば、住宅ローン以外の借金を大幅に圧縮することができます。

個人再生で減額できる借金額は、最大で100万円まで、もしくは借金総額の1/10までです。

また、個人再生をきっかけに銀行に返済計画の見直しを持ちかけることもでき、毎月の返済金額を軽減できる可能性があります。

弁護士や司法書士といった専門家へ相談をすれば、個人再生手続きを進められます。

債務整理特有のデメリット(信用情報への記録)はありますが、住宅を残したまま住宅ローン以外の借金返済負担を軽減できるため、メリットは大きいでしょう。

住宅ローンが払えなくても絶対に避けるべきこと

住宅ローンが払えない状況が続くと、いかにして返済をしようか?と悩まれることが多いですがそのなかで、絶対に避けるべきことが2つあります。

  • 新たに借金をして住宅ローンの返済に充てる
  • 専門家に相談をせず身内で解決しようとする

これらは、今後の住宅ローン返済や生活に影響を与える恐れがあるため注意してください。

新たに借金をして住宅ローンの返済に充てる

住宅ローンを返済するために新たな借金をするのは絶対に避けてください。

目先の返済はできるかもしれませんが、あとで返済にかならず苦労するでしょう。

いずれまた住宅ローンが払えない状況に陥り、もうお金を借りられない状況になるはずです。

根本的な解決にはならないため、新たな借入をして返済に充てるのはおすすめできません。

専門家に相談せず身内で解決しようとする

住宅ローンが払えないときは、弁護士や司法書士などの専門家へ相談をしてください。

家族や身内に相談をしても、返済費用を工面できなければ意味がありません。

住宅ローンが払えないときは、まず弁護士や司法書士といった専門家へ相談をした上で対応を依頼するのが得策です。

住宅ローンが払えなくても適切に対処すれば住み続けることもできる

今回は、住宅ローンが払えないときに起こることを時系列で解説しました。

住宅ローンを払えない状況が10ヶ月程度続くと、その家から出ていかなければいけなくなります。

もしも競売から立ち退きになってしまえば、引っ越し費用の準備すらできないままで家を追い出されることになるでしょう。

早めの対応を心がけることで、その家に住み続けられる可能性も上がります。仮に家を出ていかなければいけなくなっても、引っ越し費用などの最低限のお金を準備してもらえる可能性があります。

今回の内容を参考にして、できるだけ早めの対応をするよう心がけましょう。

この記事のポイント

住宅ローンが払えない場合どうなる?

住宅ローンを払えない状況が3ヶ月程続くと期限の利益を喪失して残債の一括返済を求められます。その後競売を行い10ヶ月経過したあたりで立ち退きとなります。
詳しくは「住宅ローンが払えないと10ヶ月後には立ち退きとなる」をご確認ください。

住宅ローンが払えないときに避けるべきことは?

住宅ローンが払えない状況では以下のことに気をつけましょう。

  • 新たに借金をして住宅ローンの返済に当てる
  • 専門家に相談をせず身内で解決しようとする

詳しくは「住宅ローンが払えなくても絶対に避けるべきこと」をご確認ください。

この記事の監修

林 裕二
資格情報: 2級ファイナンシャルプランニング技能士、AFP

2018年に2級FP技能士を取得後、FP Webライター として業務を開始。不動産や相続、ライフプランニング等「人生」に関わる分野を得意とする。現在は宅建士の資格取得を目指して勉強をしながら、不動産関連記事執筆をメインに活動している。

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