ざっくり要約!
- 物件情報に「最寄り駅まで徒歩10分」と記載されている場合、具体的な距離は800m
- 最寄り駅から徒歩10分の物件は、物件数が多く、通勤通学が便利といったメリットがある
不動産の広告や図面を見ていると、「最寄り駅まで徒歩10分」と表記されていることがありますが、本当に徒歩10分で到着するのでしょうか。
実際には歩く人や条件によって多少異なります。しかし不動産広告の表示にはルールがあり、80ⅿを徒歩1分として所要時間を算出することになっています。
この記事では、実際に住んだときのイメージをするために、徒歩10分の物件を選ぶメリットとデメリットを解説します。また物件選びのポイントも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
記事サマリー
徒歩10分の距離とは
不動産広告の表示に関してはルールがあり、80ⅿを徒歩1分として所要時間を算出することになっています(不動産の表示に関する公正競争規約・同施行規則第9条)。
つまり徒歩10分の場合、その距離は800mです。端数は繰り上げるため、1㎞の場合は徒歩12.5分ではなく、13分と表示します。
また「最寄り駅まで徒歩10分」と表示した場合、スタート地点は建物の出入口で、ゴールは建物から最も近い駅の出入口と定めています。
ターミナル駅のような大きな駅では、さらに改札口まで歩くケースがあり、もう少し時間がかかるでしょう。
出典:不動産の表示に関する公正競争規約・同施行規則|不動産公正取引協議会連合会
大人が歩いた場合は約800m
この「徒歩10分=800m」は、大人が歩いた場合の目安と考えた方がよいでしょう。たとえば子どもや高齢者が歩いた場合や、大きな荷物を持っているときなどはもう少し時間がかかります。
また赤信号やエレベーターを待つ時間、駅構内の距離は含まれません。実際には自分で歩いて確認しましょう。
タクシーでワンメーター
タクシーでワンメーターの距離は地域や地区によって多少異なりますが、おおむね1Km圏内を初乗り料金(ワンメーター)としています。
つまり徒歩10分(800m)は、タクシーを利用した場合ワンメーターで行ける距離です。時間にして2分程度です。
自転車で約4分
次は自転車に置き換えてイメージしてみましょう。
街中で自転車が走行できる速さを時速15㎞(分速250m)と想定した場合、徒歩10分の距離(800m)は、自転車であれば約4分で行ける距離です。
しかし駅まで自転車で通勤通学する場合、駐輪場に停める時間を考慮する必要があります。駐輪場の立地によっては、歩いた場合とたいして変わらないかもしれません。
地図で見た場合との違い
地図上で見た場合はどうでしょうか、不動産広告のルールでは「道路の距離」としており、出発地点から目的地までの直線距離ではありません。
つまり出発地点から目的地まで実際に歩く経路の距離を測り、80mを1分として計算します。
目的地までに橋や線路がある場合は遠回りしなければなりませんが、通常それを加味して所要時間を算出しています。
徒歩10分の距離を目安程度に考えるべき理由
徒歩10分と表示されていたとしても、それ以上に時間がかかることがあるため、目安程度に考えておくことをおすすめします。
この章では、徒歩10分の距離とされていても、想定より時間がかかりやすいケースを3つ紹介します。
信号や坂道
歩く経路に信号や坂道がある場合、距離が800mだとしても徒歩10分で着かない可能性があります。
徒歩による所要時間は、一定のスピードを保って歩き続けた場合の時間であり、信号待ちの時間は含まれません。
また急な坂がある場合、平坦な道に比べて歩く速度が遅くなることが考えられます。目的地までに信号や踏切、坂道がある場合は、それを加味しておきましょう。
天候による影響
歩く速さは、天候に左右されることがあります。
たとえば歩道が狭い場合、傘をさして歩いているときは先を歩く人を追い越せず、通常よりも時間がかかる可能性があります。
また雪が降ったときは転倒しないように歩くため、いつもより時間がかかります。天候によっては、余裕をもって出発しなければならないでしょう。
人通りの多さ
イベントなど混みあう場所へ出かけるときは、歩道を歩く人が多くて思うように歩けず、想定した所要時間で着かない場合があります。混雑を考慮して逆算し、出発するようにしましょう。
徒歩10分の距離の物件を選ぶメリット
最寄り駅から徒歩10分の物件を選んだ場合、どのようなメリットがあるのでしょうか。この章では、代表的なメリットを3つ紹介します。
物件数の多さ
物件を探す際に条件を絞り過ぎると、選択肢が少なくなりすぎてしまうことがあります。たとえば徒歩5分圏内など、駅に近い物件を希望していたとしても、最初は徒歩10分圏内で探してみましょう。
通勤通学の便利さ
最寄り駅まで徒歩10分の距離であれば、バスを使わず徒歩で通勤通学できます。もちろん雨の日や荷物が多いときは、バスやタクシーに乗るなど都合に応じて使い分けることもできるでしょう。
道路を工事しているときや時間帯によっては歩いた方が早いこともあるため、徒歩でもバスでも通勤通学できる立地が便利です。
商業施設と住宅街のバランスの良さ
駅前周辺は商業施設や飲食店などが多く、場所によっては深夜の騒音が気になることがあります。住環境を考えたときに好ましくないと感じることもあるでしょう。
最寄り駅から徒歩10分圏内まで広げると、住環境と利便性のバランスがよいエリアも多いです。
また、駅からの帰り道で買い物ができると便利なので、生活圏内にスーパーや商店街、ドラッグストアなど、日用品が揃えられる店舗があるのか確認しておきましょう。
徒歩10分の距離の物件を選ぶデメリット
徒歩10分の距離の物件を選ぶとき、デメリットがあるとしたらどのような点が考えられるのでしょうか。この章では4つのデメリットを紹介します。
悪天候時の移動への影響
台風や雪が降ったときなどは、徒歩10分の距離が長く感じられるかもしれません。いつもは気にならない距離も、悪天候時はつらいと感じる可能性があります。
駅までの徒歩経路だけでなく、バスやタクシーの利用も想定しておくことをおすすめします。
近くにバス停があったとしても、本数が少なければそれほど当てにできない場合もあります。事前にバスの時刻表や路線図もチェックしておきましょう。
荷物が多い場合の大変さ
いつもは苦にならない距離も、多い荷物を持って10分歩くのは意外と大変です。スーパーや商業施設までの距離も確認しておきましょう。
駅から家までの経路にスーパーがあれば、仕事帰りの買い物もスムーズにできますが、駅の反対側にスーパーがあった場合は大きな買い物が負担になるかもしれません。
その場合、ネットスーパーやオンラインストアを上手に活用するのも1つの方法です。
商業施設が近い場合の騒音
駅の規模や立地によっては、駅から徒歩10分の目安の距離である800m圏内にも商業施設や飲食店が多く立ち並んでいることがあり、騒音が気になることがあります。また線路や踏切が近くにある場合も同様です。
業態や営業時間によっては、夜遅い時間帯まで騒がしいかもしれません。後悔しないためにも、家を探すときは昼間だけでなく、深夜や休日の様子も確認しておきましょう。
周囲の環境変化の可能性
すでに開発や区画整理などにより、駅周辺の街並みが形成されている場合、住環境に変化はないかもしれません。しかし都市開発や道路の拡張、線路が高架化・地下化がされた場合、周辺環境は様変わりするでしょう。
通勤通学や生活環境が便利になるのはメリットですが、人口が急激に増加した場合、思いもしない変化が生じる可能性があります。
徒歩10分の距離の物件でチェックしたいポイント
最寄り駅から徒歩10分の距離の物件を検討する場合、どのようなポイントをチェックしたらよいのでしょうか。この章では、2つのポイントを紹介します。
実際に歩いて周辺環境の状況を確認
気になる物件の周辺環境をさまざまな時間帯で把握するようにしましょう。昼は明るくても、夜は暗い道などもあるので注意が必要です。
物件を見学する際には、まず最寄り駅から実際に歩いて所要時間を確認します。最短経路だけでなく、スーパーに立ち寄った場合など複数の経路を確認しましょう。
また、帰宅が深夜になった場合を想定して、街灯が多い道はどこなのかなども確認しておけると安心です。子どもがいる場合は、学校や公園から家までの道のりや、繁華街を通らない経路も確認しておきましょう。
実際に住んでいる状況をイメージして歩き、周辺環境を把握しておくことで、後悔しない家選びができます。
該当エリアの再開発情報を確認
ある程度住みたいエリアが決まったら、再開発情報などがないか確認します。
再開発情報といっても難しく考える必要はありません。インターネットで街を検索することで、再開発の予定や街の情報を入手できます。
また利用する路線の鉄道会社もチェックしておきましょう。新駅誕生や駅が高架化・地下化することで、人の流れが変わることがあります。街が便利になるのは歓迎すべきことですが、静かな住環境を望む人にはデメリットに感じるかもしれません。
なお、再開発や住環境については、情報に敏感な不動産会社の担当者に相談するのもおすすめです。
イメージする住まいや周辺環境がどんなものなのかを伝えて、理想の家を手に入れましょう。
・「自分にぴったりの住みたい街の見つけ方」に関する記事はこちら 住みたいのはどんな街? 家探しの前に街探し |
この記事のポイント
- 徒歩10分の距離はタクシーでどのくらい?
徒歩10分(800m)は、タクシーを利用した場合ワンメーターで行ける距離です。
乗車時間にして2分程度となります。
詳しくは「徒歩10分の距離とは」をご覧ください。
- 「最寄り駅から徒歩10分」は目安程度に考えるべきって本当?
歩く経路に信号や坂道がある場合、距離が800mだとしても徒歩10分で着かない可能性があります。
徒歩による所要時間は、一定のスピードを保って歩き続けた場合の時間であり、信号待ちの時間は含まれません。
詳しくは「徒歩10分の距離を目安程度に考えるべき理由」をご覧ください。
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