ファミリー向けマンション
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ファミリー向けマンションの特徴は?間取りや面積の選び方とおすすめ設備

執筆者プロフィール

村田愛美
宅地建物取引士

上智大学外を卒業後、不動産調査会社在籍中に宅地建物取引士試験に合格。宅建士として事業用不動産の仲介営業職に従事し、退職後はレンタルオフィスの運営会社で入居者・契約管理をするかたわら、売買・賃貸・住宅ローンを中心とした不動産関連の専門性が高い記事を多数執筆。不動産初心者でもわかりやすい文章に定評がある。

ざっくり要約!

  • ファミリー向けマンションとは、子育て世帯のニーズに合わせて作られた住宅のこと。
  • 間取りは2LDK~4LDKのものが一般的で、4人家族の場合は最低50㎡は面積が必要。
  • 子育て世帯に便利な設備・共用施設があるマンションを選ぶのがおすすめ。

マンションの広告でよく見かける「ファミリー向けマンション」という言葉。具体的にどのようなマンションのことを指すのか、よくわからないという人も少なくありません。

ファミリー向けマンションには明確な定義はありませんが、間取りや面積のほか、室内設備や共用施設など、子育て世帯が快適に暮らせるような住環境が整っているという魅力があります。

今回はファミリー向けマンションの特徴や選び方と、人気の設備・共用施設にはどのようなものがあるかをご紹介します。

ファミリー向けマンションとは?

ファミリー向けマンションというのは、主に子育て世帯のニーズに応えるために設計された住宅のことを指します。

広めの専有面積に加え、子育てに適した環境が整っているのが特徴の一つです。例えば、学校や公園が近くにあることや、子どもが安全に遊べる共有スペースが設けられていることが挙げられます。

ファミリー向けマンションの間取りは2〜4LDK程度

ファミリー向けマンション 間取り

ファミリー向けマンションの間取りは、一般的に2LDKから4LDK程度とされています。これは、子どもの年齢や家族構成によって、必要な部屋数や面積が変わることが理由です。

子どもが複数人いる家庭であっても、リビングで勉強するスタイルにすることで、子ども部屋は1つで十分な場合もあります。また、子どもが成長して家を出る時期になれば、子ども部屋自体が不要になるかもしれません。

ファミリー向けマンションは、こうした将来の家族構成の変化に合わせて、間取りや部屋数が柔軟に変化させられるように設計がされていることが多いです。

居住面積の目安

国土交通省では住宅の面積に対して、2つの水準を設けています。

健康で文化的な生活を送るために必要な最低ラインである「最低居住面積水準」においては、4人家族の場合で最低でも50㎡が必要とされています。

一方で、ライフスタイルの変化にも対応できる豊かな生活を送ることを目指す「誘導居住面積水準」では、都心部と郊外で水準が異なります。

都心部では4人家族であれば最低でも95㎡、郊外の場合は125㎡が理想的です。

ただし、50㎡以上でもワンルームや1LDKであればシングル向けとされることが多く、通常のファミリー向けマンションでは、2部屋以上ある間取りであるのが一般的です。

参考:国土交通省『住生活基本計画(全国計画)』令和3年3月19日

2〜4LDKの広さ

間取りを決めるにあたっては、どれくらいの面積であればどんな間取りの家に住めるのかを知っておくといいでしょう。

2LDKは基本的に「LDKと主寝室と洋室1室」の間取りで、55~60㎡程度のものが多くあります。

3LDKは「LDKと主寝室と洋室2つ」で70㎡。ファミリー向けのマンションで比較的多いのがこの3LDKの面積帯です。

4LDKは「LDKと主寝室と洋室3つ」という間取りで、専有面積は80~95㎡程度と広めです。

間取りの選び方

間取りを決めるには、家族のライフスタイルや将来の計画をイメージするといいでしょう。

子どもが異性2人であれば子ども部屋を分ける必要がありますが、同性の場合は1部屋でいい可能性があります。また、将来的に家族が増えることを考慮するのであれば、1室を2室に分けて使えるような間取りを選ぶことも重要です。

必要な部屋数や間取りは、家族構成によって変化します。子どもが独立した後のことも見据えて、長期的な視点で間取りを選びましょう。

ファミリーに嬉しい住宅設備

ファミリー向けマンションを選ぶ際、間取りや面積だけでなく、室内設備にも着目することをおすすめします。

家事の手間を減らしてくれる設備があれば、家族同士のコミュニケーションの機会が増えたり、子育てに集中できたりといった多くのメリットがあるためです。

対面式システムキッチン

対面式システムキッチンは特にファミリー層からの人気が高い設備の一つです。

料理をしながら家族とのコミュニケーションを取れるため、家族の絆を深める場としての役割も果たします。また、子どもの様子を見守りながら料理できるため、活発な子どもがいる家庭でも安心感があります。

対面式キッチンのもう1つの魅力は、収納スペースが充実している点です。壁面を有効活用することで、キッチン用品や食材をたくさん収納できるため、整理整頓がしやすくなります。キッチン周りがすっきりすると、料理の効率も上がるでしょう。

食器洗浄乾燥機

食器洗いは毎日の家事の中でも大きなウェイトを占めます。食器洗浄乾燥機は家事時間短縮に一役買ってくれるため、忙しいファミリー層に人気の設備の1つです。食器洗いの時間を大幅に削減できるということは、家族とのコミュニケーションの時間や自分の時間を増やせるということ。特に小さな子どもがいる家庭では、子育てに多くの時間を使える点は大きなメリットです。

さらに食器洗浄乾燥機は、節水効果が高いことでも知られています。手洗いの場合、水を出しっぱなしにしてしまうことが多く、多くの水を無駄にしてしまいがちです。食洗機は庫内に溜めたお湯や水を循環させて食器を洗うため、水の使用量を大幅に削減できます。そのため水道料金を節約できるという嬉しい効果があります。

浴室乾燥機

浴室乾燥機も、洗濯物が多くなりがちなファミリー層に人気の設備です。

家族の人数が多いと一度に洗濯する衣類の量も増える一方、干すスペースが足りない・夜中に洗濯しなければいけなくなった・梅雨の時期で洗濯物が乾きにくいなど、さまざまな悩みを抱えている家庭も少なくありません。

浴室乾燥機があれば時期や時間帯を気にせず、短時間で洗濯物を乾燥させられるため、洗濯物をため込まずに済む点が大きなメリットです。

また浴室乾燥機の乾燥機能を使用することで、カビの生えない清潔な浴室を保つことも可能です。

ウォークインクローゼット

ファミリー向けマンションを選ぶ際に、特に重視されるポイントの1つが収納スペースです。ウォークインクローゼットは、衣服だけでなく、帽子やバッグなどのアクセサリー、さらには季節ごとのアイテムも一箇所にまとめて収納できるため、整理整頓がしやすくなるため人気です。

ウォークインクローゼットを上手に活用することで、部屋をすっきりと見せる効果もあります。普通のクローゼットやタンスでは収納しきれない大きなアイテムも、ウォークインクローゼット内に収納できるため、部屋に物があふれることが少なくなります。

床暖房

マンションに床暖房を設置することで、暖房器具をいくつも使用しなくても部屋全体を温められます。特に子供がいる家庭では、子どもが暖房器具を倒してしまうリスクを減らせるため、安心感がある点が魅力です。

また床暖房は、ほかの暖房器具とは異なり、風を発生させることなく空気を温められる点もメリット。花粉やほこりが舞い上がらないため、アレルギーを持つ家族がいる家庭や、小さな子どもがいる家庭でも安心して使用できます。

あると便利!ファミリー向けのマンション共用施設

ファミリー向けのマンションでは、家族連れで利用できる共用設備が完備されていることもあります。

キッズルーム

キッズルームというのは、主に未就学児向けの遊具やマットがあるスペースを指します。従来までは「子どもの遊び場=公園」のイメージがありましたが、近年では防犯意識の高まりから、キッズルームを積極的に活用する家庭も増えてきました。

子どもたちが安全に遊べるスペースがマンション内にあることで、親は安心して子どもを遊ばせることができます。天候に左右されずに子供たちがエネルギーを発散できる場所があることも、親にとっても大きなメリットと言えるでしょう。

また、キッズルームは子供たちが社会性を育む場でもあります。同じマンション内に住む子供たちが集まることで、自然とコミュニケーションが生まれ、友達ができるきっかけになるという点も人気の理由です。

パーティールーム

パーティールームというのは、大勢で集まって気軽にパーティーなどのイベントを楽しめる空間として設計された部屋のことを指します。

パーティールームの最大の魅力は、利便性とプライバシーが保護されている点です。自宅で大規模なパーティーを開催する場合、準備や後片付け、騒音などの問題が発生することがあります。マンション内にパーティールームがあれば、準備・後片付け・近隣とのトラブルといった心配から解放され、集まりを存分に楽しめます。

また、パーティールームには通常、ダイニングテーブル・バーカウンター・冷蔵庫・食器などが完備されています。必要なものがすべて揃っているため、手ぶらで参加できるのも魅力の1つです。

ゲストルーム

ゲストルームは、来客の宿泊に対応した共用施設です。ベッド・トイレ・バスルームなどが備わっており、祖父母や友人が遠方から訪れた際に、ホテルの一室のような快適な宿泊環境を提供できるというものです。

ホテルに宿泊する場合、1泊あたり10,000円程度と高額になることがありますが、マンションのゲストルームは、1泊数千円程度と比較的低価格で利用できます。マンション内にゲストルームがあることで、来客者は気軽に宿泊することができ、招き入れる側も来客用の寝具やリネン類の準備、事前の掃除などの負担が軽減されます。

敷地内公園

ファミリー向けマンションの中には、敷地内に子供たちが遊べる公園が設置されたマンションもあります。

敷地内公園は、滑り台や砂場などの一般的な公園にあるような遊具が設置されており、子供たちが楽しく遊べるスペースです。子どもたちがのびのびと遊べるだけでなく、親子のコミュニケーションを深めるチャンスが広がる点も魅力です。

また、自宅からのアクセスの良さや防犯性に優れている点も人気の理由。公園がマンションの敷地内にあることで、外出の手間を省き、気軽に子どもを遊ばせられます。大人たちの目が届きやすいため、外部から不審者が侵入することを防ぎ、子供たちが安全に遊べる環境が保たれる点もメリットです。

24時間ゴミステーション

日々忙しい生活を送るファミリー層にとって、24時間いつでもゴミを出せる環境があるととても便利です。

通常のゴミ出しには、曜日や時間の制限があるため、忙しい朝や仕事からの帰宅後にゴミ出しをする必要があります。しかし、24時間ゴミステーションがあれば、家族のスケジュールに合わせていつでもゴミを出せます。特に小さな子どもがいる家庭では、子どもの睡眠時間や食事時間を気にせずにゴミ出しが可能です。

24時間ゴミステーションがあると、家の中にゴミを長時間保管する必要がなくなるため、室内を常に清潔に保てる点もメリットと言えます。

まとめ

ファミリー向けマンションは、さまざまな面積や間取りの部屋があり、現在のライフスタイルだけでなく、将来的な家族構成の変化も視野に入れて選ぶ必要があります。

さらに室内設備や共用施設が充実しているマンションを選ぶことで、子どもが安心してのびのびと成長でき、親も家事の負担を減らすことが可能になります。

引っ越しやマンションの購入を検討する際には、内覧やショールームなどに足を運び、実際の生活をイメージしましょう。

この記事のポイント

ファミリー向けマンションとはどのようなものですか?

子育て世帯のニーズに設計されたマンションのことで、面積の広さや、子育てに適した住環境、間取りや部屋数を柔軟に変化させられる構造などの特徴があります。

詳しくは「ファミリー向けマンションとは?」をご覧ください。

ファミリー向けマンションはどれくらいの面積の部屋を選べばいいですか?

国土交通省定める基準によると、4人家族が快適な生活を送るためには、都心部で最低95㎡、郊外で最低125㎡が必要とされています。

詳しくは「居住面積の目安」をご覧ください。

ファミリー向けマンションを選ぶ際、間取りや面積のほかに重視したほうがいいポイントはありますか?

室内設備や共用施設が充実しているマンションを選ぶと、家事の負担を減らせたり、家族のコミュニケーションの機会を増やせたりします。

詳しくは「ファミリーに嬉しい住宅設備」「あると便利!ファミリー向けのマンション共用施設」をご覧ください。

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