※ すまい給付金は、令和4年(2022年)12月31日までに引渡され、入居が完了した住宅を対象とした制度で、現在は終了しています。
マイホームを購入した方が利用できる優遇制度として、すまい給付金があります。
この記事では、制度の対象者や物件の要件と申請方法、気をつけたい注意点を解説していきますので、ぜひ参考にしてください。
記事サマリー
すまい給付金とは?
すまい給付金は、段階的な消費増税によって増えた住宅の購入者の税負担を軽減するために設けられた制度で、要件に基づいて現金が支給されます。
支給金額は、最大で50万円となっています。求められる要件の内容をよく確認して、受け取れるようしてください。
なお、要件は大きく分けて、新築住宅と中古住宅によって異なりますので、その内容を解説します。
新築住宅
新築住宅とは、未だ人が住んだことがない住宅で、工事完了から1年以内のものを指します。
住宅ローンで借り入れをして購入した場合、床面積は原則として50平米以上が対象となります。
また、施工中に、下記の品質を保証する第三者の現場検査を受ける必要があります。
- 住宅瑕疵担保責任保険へ加入
- 建設住宅性能表示の利用
- 住宅瑕疵担保責任保険法人によって保険と同等の検査の実施
住宅ローンを利用せず現金で購入した場合は、上記の条件に加え、購入時点の年齢が50才以上であり収入額の目安が650万円以下、フラット35S(住宅金融支援機構)と同等の基準を満たす住宅が対象です。
(※)以下の期間内に契約した場合は、40㎡以上が対象
新築の注文住宅・・・令和2年10月1日~令和3年9月30日まで
分譲・中古住宅・・・令和2年12月1日~令和3年11月30日まで
中古住宅
中古住宅の対象は、物件を不動産会社から購入した課税される物件の場合のみで、個人から購入した場合は該当しません。
住宅ローンで借り入れをして購入した場合、新築住宅の場合と同様に、床面積は原則として50平米以上が対象となります(※)。
また、売買時には検査が必要となり、以下のいずれかに該当することが求められます。
- 既存住宅売買瑕疵保険へ加入している物件
- 既存住宅性能表示制度を利用している物件(耐震等級は1以上に限る)
- 建築後10年以内で、住宅瑕疵担保責任保険に加入している、または建設住宅性能表示を利用している物件
さらに、住宅ローンを利用せず現金で購入した場合は、住宅の引き渡しを受けた年の12月末日時点で50歳以上の方が対象です。
すまい給付金の対象者
すまい給付金は自ら居住するマイホームに関する制度です。自分は住まずに、家族に住まわせている、賃貸して他人が住んでいる、などの場合は対象になりません。
すまい給付金の対象者になる主な要件は以下のとおりです。
- 住宅を購入して登記上の持分を持った者が、その住宅に住む
- 収入が775万円以下
- 住宅を取得する契約時期、および引き渡しを受ける時期が規定の範囲内
それぞれの時期は以下となります。
住宅を取得する契約時期
注文住宅の新築の場合 …令和2年10月1日から令和3年9月30日まで
分譲住宅・既存住宅取得の場合…令和2年12月1日から令和3年11月30日まで
住宅の引き渡しを受ける時期…令和4年 12 月 31 日まで
受け取れる支給額は対象者の年収によって異なる
マイホームに関係する代表的な優遇税制に、住宅ローン減税があります。これは毎年末のローン残高に一定の料率を掛けて算出した金額を、一定年数のあいだは所得税や住民税から差し引いてくれるという制度です。
しかし、この制度は、上限の所得税や住民税が低い低所得の方には、十分な控除にならないという意見が以前からありました。すまい給付金はこれらの収入層に対して、増税による負担を軽減しようという狙いがあります。
給付額は物件を取得した者の収入と持分割合によって決まります。収入は、市区町村が発行する個人住民税の課税証明書の、都道府県民税の所得割額で確認します。
給付額早見表
収入額の目安 | 住民税(都道府県)所得割額(※1) | 給付額 |
---|---|---|
450万円以下 | 7.60万円以下 | 50万円 |
450万円超525万円以下 | 7.60万円超9.79万円以下 | 40万円 |
525万円超600万円以下 | 9.79万円超11.90万円以下 | 30万円 |
600万円超675万円以下 | 11.90万円超14.06万円以下 | 20万円 |
675万円超775万円以下 | 14.06万円超17.26万円以下 | 10万円 |
では、実際は、どれくらいの給付金を受け取れるのでしょうか。以下で給付金の事例を2つ取り上げておりますので、ご覧ください。
事例1
年収 | 400万円(会社員で源泉徴収のみ) |
扶養家族 | 2人 |
消費税率 | 10% |
住宅ローン | 利用 |
所有 | 単独持分 |
住宅契約 | 令和3年11月 |
引渡し | 令和4年2月 |
入居 | 令和4年2月 |
このような場合、目安の給付額は50万円となります。
事例2
年収 | 600万円(会社員で源泉徴収のみ) |
扶養家族 | 3人 |
消費税率 | 10% |
住宅ローン | 利用 |
所有 | 単独持分 |
住宅契約 | 令和3年7月 |
引渡し | 令和4年2月 |
入居 | 令和4年3月 |
上記の場合、目安の給付額は40万円です。
なお、持分を持つ方が複数人いる場合には、収入に応じて決まる給付基礎額に持分割合を掛けた額を給付額とします。
すまい給付金の申請方法
すまい給付金の申請に必要な書類は以下となります。取得するまでに時間がかかる書類もありますので、早めに準備するようにしましょう。
1 | 給付申請書(原本) |
2 | 建物の登記事項証明書(原本) |
3 | 住民票(原本) |
4 | 住民税の課税証明書(原本)(非課税証明書、個人、引越し前のもの) |
5 | 工事請負契約書、または不動産売買契約書(コピー) |
6 | 住宅ローン契約書(金銭消費貸借契約書)(コピー) |
7 | 銀行の通帳、(給付金を受取る口座が確認できるもの)(コピー) |
8 | 検査実施が確認できる書類(下記のいずれか1点)(コピー) |
9 | フラット35S(2020年12月時点)基準への適合が確認できる書類(以下いずれか1点))(コピー)
|
給付金の申請書は、すまい給付金のウェブサイトからダウンロードできます。
申請方法は、申請書に必要事項を記入し必要書類も一緒に添付して、すまい給付金事務局へ郵送、もしくは持参により、申請できます。
申請期限は引渡しを受けた日から1年3ヶ月以内です。期限切れとならないように注意してください。
すまい給付金の注意点
すまい給付金は要件がそろっていれば、現金が給付される制度ですが、注意点もありますので、ご確認ください。
自ら申請をする必要がある
要件に該当するケースであっても、申請しない限りは自動で適用されることはありません。
また、申請期間が過ぎてしまえば、該当するケースであっても権利は消滅します。
すまい給付金の申請は原則として、対象要件を満たす上で、登記された持分を持つ個人単位で申請します。本人自らが申請し、給付金は自分名義の口座で受けとらなければいけません。
夫婦共有で双方に持分ある場合
たとえ同居し生計を同じくするご夫婦でも、世帯単位での申請はできません。登記上の持分があれば、所有者の個人単位で個別に申請が必要です。
ただし、物件を取得、共有し居住する、複数人が本人受領として申請する場合には、まとめて申請が使えます。確認書類の一部が重複する場合も、個別の提出を省略が可能です。
すまい給付金が対象外になるケース
すまい給付金にはさまざまな要件があります。そのなかでも対象外となっていないか、確認が必要です。
下記に該当する場合には、すまい給付金を受けられませんので注意してください。
- 年収が775万円超える人
- 物件取得者が自分で住まない家
- 床面積が(原則)50㎡未満の物件
- 第三者が行った現場の検査で、一定の品質に満たさない物件
すまい給付金のまとめ
すまい給付金制度は自動では適用されませんので、自ら申請しなければいけません。難しい要件は特にありませんが、新築・中古にかかわらず物件の検査を受ける必要があります。
また、必要書類を集めて申請書を揃えて、本人が申請しなければなりません。マイホームを購入される方はご自身が該当するかどうか調べて、該当するなら確実に申請しておきましょう。
この記事のポイント
- すまい給付金の給付額を教えてください
支給金額は、最大で50万円となっています。
支給の要件は大きく分けて、新築住宅と中古住宅とでは違いがあります。詳しくは「すまい給付金とは?」をご確認ください。
- すまい給付金の対象者は?
すまい給付金の対象者になるには下記のような主な要件を満たす必要があります。
- 住宅を購入して登記上の持分を持った者が、その住宅に住む
- 収入が775万円以下
- 住宅を取得する契約時期、および引き渡しを受ける時期が規定の範囲内。注文住宅の新築の場合は、令和2年10月1日から令和3年9月30日まで、分譲住宅・既存住宅取得の場合は、令和2年12月1日から令和3年11月30日まで。住宅の引き渡しを受ける時期は、令和4年 12 月 31 日まで。
詳しくは「すまい給付金の対象者」をご確認ください。
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