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賃貸の保証会社の審査に落ちることはある?保証会社不要の場合は?

執筆者プロフィール

桜木 理恵
資格情報: Webライター、宅地建物取引士、2級ファイナンシャル・プランニング技能士、管理業務主任者

大学在学中に宅地建物取引士に合格。新卒で大手不動産会社に入社し、売買仲介営業担当として約8年勤務。結婚・出産を機に大手ハウスメーカーのリフォームアドバイザーに転身し約5年勤務。その他信託銀行にて不動産事務として勤務経験あり。現在は不動産の知識と経験を活かし、フリーランスのWebライターとして活動。不動産や建築にまつわる記事を多数執筆。「宅地建物取引士」「2級ファイナンシャル・プランニング技能士」「管理業務主任者」所持。

ざっくり要約!

  • 賃貸保証会社の基本的な役割は借主が家賃を滞納した場合に立て替えること
  • 過去に滞納履歴がある、収入に対して家賃が高すぎることなどが理由で保証会社の審査に落ちることがある

賃貸保証会社の審査に落ちることはあるのでしょうか。また利用する場合は保証料がかかるため、保証会社不要で賃貸借契約ができないかと考えている方もいるでしょう。

以前は親族などを連帯保証人に立てることを条件にして、大家さんは家賃の滞納に備えていました。しかし現在は連帯保証人の代わりに、保証会社の利用を必須条件にしている賃貸借契約が増えています。

この記事では、保証会社の審査に落ちる理由や、保証会社が不要となるケースについて解説します。また賃貸保証会社を利用するメリット・デメリットや、利用料の相場も紹介しますので、賃貸物件を借りる予定の方はぜひ参考にしてください。

賃貸の保証会社とは?

賃貸保証会社は、家賃保証会社とも呼ばれます。万が一家賃を滞納した場合は、借主に代わって家賃を立て替えて、貸主に支払います。

つまり賃貸借契約における、連帯保証人の役目をするのが賃貸保証会社です。

賃貸保証会社の基本的な役割と、賃貸借契約において保証会社が必須になる理由について、もう少し詳しく解説します。

賃貸保証会社の基本的な役割

賃貸保証会社の基本的な役割は、借主の家賃滞納に対応して、立て替え払いを行うことです。保証会社のプランなどによっても保証の範囲が多少異なりますが、家賃のほか以下の費用も対象になるのが一般的です。

  • 共益費(管理費)
  • 更新料
  • クリーニング費用
  • 原状回復費用
  • 鍵の交換費用

貸主は滞納者に家賃を支払うように催促する必要もなくなるため、経済的損失と人的コストを軽減できるのが特徴です。

保証会社は滞納分の家賃を立て替えて貸主に支払いますが、その後借主から回収をすることになります。つまり借主にとっては支払い先が変わるだけで、支払う金額は変わりません。

保証会社利用が賃貸契約に必須な理由

以前は親族などの連帯保証人に立てて、賃貸借契約するのが一般的でした。しかし近年の高齢化により、親族が高齢で年金生活である場合が多く、滞納した家賃を支払えないケースが増えています。

賃貸保証会社の利用を必須とすれば、万が一家賃を滞納されても保証会社が立て替えてくれるため、貸主としてはリスク軽減できます。

こうした背景により借主の賃貸保証会社の利用を条件とする賃貸契約が増え、今ではスタンダードになりつつあります。

また2020年の民法改正により、保証する債務の上限額を明確に記載することが義務付けられました。連帯保証人になるハードルが上がり、借主側も連帯保証人を立てにくくなったことも、賃貸保証会社の利用が増えた要因の1つといえます。

出典:2020年4月1日から保証に関する民法のルールが大きく変わります|法務省

賃貸保証会社を利用するメリット

借主にとって賃貸保証会社を利用するメリットは、連帯保証人を立てられなくても、賃貸物件を借りられることです。

親に収入があったとしても頼りたくない人や、親族に心的負担をかけたくない人には便利な方法です。

また原状回復費用やクリーニング費用も保証の対象であるため、賃貸物件の中には敷金を安く抑えている物件もあります。

貸主にとっても、家賃や原状回復費用を払ってもらえない状況を回避できるため、安心して貸し出すことができます。また滞納した家賃の回収も保証会社が行うため、手間を省くことができることもメリットといえるでしょう。

賃貸保証会社を利用するデメリット

借主が賃貸保証会社を利用する場合、保証料を支払う必要があり、初期費用の負担額が増えてしまうことがデメリットです。

また家賃を滞納しても賃貸保証会社が立て替えてくれますが、結局は賃貸保証から請求されることになります。一定期間以上滞納した場合は、退去を求められることになるので注意しましょう。

貸主にとって、賃貸保証会社を利用するデメリットはほとんどありません。強いていえば、賃貸保証会社を利用することを望まない借主から、入居を敬遠されることぐらいでしょう。

賃貸保証会社の利用料の相場

賃貸保証会社を利用する場合は、保証料のほか更新料などがかかります。この章では、一般的な相場と計算方法を紹介します。

保証会社利用料の相場と計算方法

賃貸保証会社を利用する場合は、契約時に初回保証料を支払います。

賃貸保証会社やプランによって利用にかかる費用も異なり、家賃総合計の50%程度が一般的ですが、30%や100%の場合もあります。

たとえば家賃が10万円・共益費が5,000円の場合で、保証料の割合が50%の場合は、5.25万円の保証料がかかります。

中には月額保証料を採用しているケースもあり、その場合は毎月家賃の2%程度を家賃や共益費と合わせて支払います。

たとえば家賃が10万円・共益費が5,000円の場合は、2,100円/月です。また月額保証料の場合でも、別途初回保証料がかかることがあります。

賃貸保証会社の利用の有無や初回にかかる保証委託料は、賃貸物件の募集図面の備考欄などに記載されています。入居を検討する際は、詳細について確認しておきましょう。

初期費用や更新料などその他の関連費用

初回保証料の割合が比較的高い場合は更新料がかからないこともありますが、基本的には1年(もしくは2年)ごとに、更新料が1〜2万円程度かかります。

また月額保証料を採用している場合も、更新料がかかるケースとかからないケースがあり、支払い条件はさまざまです。

保証会社によって異なるため、更新料やその他の費用については確認してください。

賃貸保証会社の審査プロセスと落ちる理由

賃貸保証会社を利用する場合は審査があり、審査が通らなかったときは基本的には入居できません。審査の一般的な流れと、審査に落ちる主な理由を紹介します。

審査の流れや必要書類

賃貸保証会社の審査の流れを、4つのステップで紹介します。
入居申込書の提出から審査結果の連絡までは、通常1週間程度かかります。
入居したいタイミングから逆算し、ゆとりを持って計画しましょう。

賃貸保証会社の審査の必要書類

  • 本人確認書類(運転免許証・マイナンバーカード・パスポートなど)
  • 保険証(勤務先を確認するため)
  • 収入を証明できるもの(源泉徴収票や確定申告書など)
  • 車検証(部屋と一緒に駐車場を借りる場合)

賃貸保証会社の審査の流れ

  1. 入居申込書を記入し、必要書類とともに提出する
  2. 家賃保証会社の審査
  3. 本人確認や、会社に在籍確認の連絡が入る
  4. 審査結果の連絡

入居申込書に不備がある場合や、追加で提出が必要な書類などがあった場合は、審査途中で連絡が入ることがあります。スムーズに審査が進まず時間がかかってしまう可能性があるため、なるべく早く対応するようにしてください。

保証会社の審査に落ちる主な理由と対策

賃貸保証会社の審査に落ちることがありますが、通常はその理由を教えてもらうことはできません。「理由がわからなければ対処しようがない」と思うかもしれませんが、たいていの場合は過去に滞納履歴がある、または収入に対して家賃が高すぎることなどが理由です。

たとえばクレジットカードやカードローンなどに滞納履歴があると、信用情報機関に5〜10年間滞納履歴が残ってしまいます。いわゆる「ブラックリストにのる」ことになります。

ブラックリストにのってしまうと、審査が通りにくくなります。不動産会社に相談して他の賃貸保証会社を紹介してもらいましょう。

保証会社は大きく分けて2つの組織があり、異なる協会の保証会社に申し込むことで、審査が通ることがあります。

それでも難しい場合は連帯保証人になってくれる人を探し、賃貸保証会社を利用せずに借りられる賃貸物件を探しましょう。

また給与収入に対し、家賃が高すぎると審査に落ちることがあります。まずは不動産会に相談してみましょう。

保証会社不要の賃貸契約とは?

入居者に保証会社を利用してもらうことで、大家さんは安心して部屋を貸し出すことができます。つまりほかの方法でも大家さんが安心できれば、保証会社を利用しなくても賃貸借契約できるケースはあります。この章では、その条件や特徴について解説します。

保証会社が不要な賃貸契約の特徴と条件

もちろん大家さんに了承してもらう必要はありますが「家賃を払うのに十分な預金残高を見せる」「家賃を2年分先払いする」など、家賃支払い能力を証明することで、保証会社を利用しなくても借りられることがあります。

また家賃の支払い方法で、相談できるケースもあります。たとえば家賃をクレジット払いすることで、少なくともクレジット会社が1カ月程度は立て替えてくれます。しかしこの場合でも、クレジット会社の審査を通過する必要はあります。

なお、賃貸物件の事情によって、保証会社の利用が不要になることもあります。

いわゆる事故物件や入居者がなかなか決まらないような賃貸物件は、大家さんは入居者が入ることを優先し、保証会社の利用を条件にしていないこともあります。

審査が通らない場合は、物件の見直しも検討してみましょう。

保証会社を利用しないことによるメリットとデメリット

保証会社を利用しない場合、保証料や更新料を払わなくても済みます。初期費用をなるべく抑えたいと考える方にとってはメリットでしょう。また、保証会社の利用が不要である物件を選ぶ場合、エリアや条件によっては物件の選択肢が狭くなるのがデメリットです。

なお、保証会社を利用する場合、原状回復費用も保証の対象となるケースが多く、貸主は安心できることから敷金を安く設定していることがあります。

ゆえに、たとえば敷金が1カ月分安くなるのであれば、保証料を支払っても初期費用はさほど変わりません。賃貸物件を借りる場合は、保証料以外にかかる初期費用を考慮したうえで検討するようにしましょう。

賃貸保証会社を選ぶポイント

賃貸保証会社は不動産会社や大家さんが指定しているケースが多く、基本的に選ぶことは難しいでしょう。

しかし審査が通過しなかった場合に備えて、複数の保証会社を用意していることがあります。
1社の保証会社を提案された場合でも、ほかに候補がないか聞いてみましょう。

もし過去に保証会社の審査に落ちたことがある場合でも、他の協会に所属する保証会社に申し込むことで審査が通ることがあります。審査に落ちた保証会社を覚えているときは、異なる協会の保証会社が利用できないか相談してみてください。

この記事のポイント

賃貸保証会社を利用するメリットは?

借主にとって賃貸保証会社を利用するメリットは、連帯保証人を立てられなくても、賃貸物件を借りられることです。

親に収入があったとしても頼りたくない人や、親族に心的負担をかけたくない人には便利な方法です。

詳しくは「賃貸保証会社を利用するメリット」をご覧ください。

賃貸保証会社を利用するデメリットは?

借主が賃貸保証会社を利用する場合、保証料を支払う必要があり、初期費用の負担額が増えてしまうことがデメリットです。

また家賃を滞納しても賃貸保証会社が立て替えてくれますが、結局は賃貸保証から請求されることになります。一定期間以上滞納した場合は、退去を求められることになるので注意しましょう。

詳しくは「賃貸保証会社を利用するデメリット」をご覧ください。

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