ざっくり要約!
- 理想の家づくりには「ライフプランシミュレーション」が重要
- 資金・メンテナンス・資産価値など、長期的な視点での計画性も必要
理想の家を考えるときには、希望と不安が入り混じるものではないでしょうか。間取りやインテリアを考えることは楽しく、お金のことには不安が付きまといます。
また、住まいは建物の構造やメンテナンスなど、目には見えにくい部分も重要です。この記事では、理想の家を現実化するために重要な7つのポイントを解説します。
記事サマリー
理想の家を考えるときに欠かせないのが「ライフプランシミュレーション」
ライフプランとは、住宅購入や教育費、車の所有台数、老後の生活費や余暇の過ごし方など……どのように生活したいか、そのためにはどのくらいの資金がかかるのかを計画することです。
ライフプランシミュレーションでは、家族構成や収支、子どもの入学や卒業、定年退職といった予測されるライフイベントを具体的に落とし込みます。長期的な収支が数値化されるため、資産形成や貯蓄、住宅購入の計画を立てるのに役立ちます。
「今」だけでなく「将来」を考える重要性
住宅購入を考える時期は、20代後半から40代前半頃までが多く、幼い子どもを育てる時期と重なります。乳幼児との生活を前提に家づくりを考える必要もありますが、子どもはずっと幼い訳ではありません。
「今」だけにとらわれてしまうと、必要以上のコストをかけたり、本来必要なものが欠けてしまったりするかもしれません。年齢を重ねた「将来」の自分たちが安心・安全に暮らせる家であることも大切です。
まずは家族で理想について話し合ってみよう
理想の家とは、形はどうあれ、家族が楽しく暮らせることが一番大切なはずです。まずは、一人ひとりがどのような理想を抱いているのか、知ることから始めましょう。
庭が欲しい、アイランドキッチンにしたい、個室が欲しいなど、後悔しないように理想はできるだけピックアップします。
つぎに、好きな家やインテリアの写真を切り抜き、視覚的な整理も行いましょう。アプリで整理するのも良いですが、スクラップブックのほうが家族全員で共有しやすくなります。
理想の家を現実にするために重要な7つのポイント
理想をピックアップできたところで、現実的な検討段階に入ります。理想を現実にするために、重視すべきポイントを7つ紹介します。
1.資金計画
住宅の資金計画と言えば、住宅ローンを思い浮かべますが、それ以外にもローン事務手数料や登記料、火災保険料などの諸経費がかかります。総額でどの程度の資金が必要になるのか、まずは概算を出してみましょう。
理想の家を実現できるかは、借入可能額が大きく影響します。限度額まで借りれば、理想を全て叶えられるかもしれません。
しかし、借入可能額と返済可能額は異なります。返済可能額は、返済負担率(手取り年収×25%)を目安に検討しましょう。他に、生活費や家の維持費を考慮することも大切です。
また、一般的には定年を境に年収は下がります。定年までの完済を目指しましょう。
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2.災害リスクの把握
近年、甚大な被害が増えている災害。災害にも種類がありますが、国土交通省が運営する「ハザードマップポータルサイト」では、洪水・土砂災害・高潮・津波の4つの災害リスクを重ねて表示することが可能です。
国土交通省「ハザードマップポータルサイト」
ハザードマップとは、自然災害による被害の軽減や防災を目的として、被災想定区域や避難場所・避難経路などを表示した地図を指します。ハザードマップは、その地域の土地の成り立ちや災害の素因となる地形・地盤の特徴、過去の災害履歴などをもとに作成されるため、立地を選ぶ上で参考になるものです。
災害は避けたいものですが、起こり得るリスクを把握しておくことは重要です。
出典:国土交通省国土地理院
3.住まいの省エネ性能
普段、私たちが何気なく使っている冷暖房ですが、使用の際にはエネルギーを消費しています。そのエネルギー消費量を抑えること、住宅の断熱性を高めることが、省エネ性能を上げるポイントです。
省エネ住宅の基準とされるのが、断熱等性能等級と一次エネルギー消費量等級です。
断熱等性能等級は、等級1から等級7まであり、数字が大きくなるほど断熱性が高いことを示します。
一次エネルギー消費量等級は、住宅で消費されるエネルギー消費量を等級付けしたものです。2024年現在では、等級6が最も高く、エネルギー消費量が少ないことを示しています。
2025年4月からは、全ての新築住宅に省エネ基準適合が義務付けられる予定です。これにより、断熱等性能等級4、一次エネルギー消費量等級4に満たない住宅は、建てられなくなります。快適に生活するためにも、省エネ性能は重視すべきポイントと言えるでしょう。
参考:省エネ基準適合見直し3つのポイント
省エネ性能に係る上位等級の創設
4.周辺環境
利便性や日当たりの良さ、学校との距離といった条件は多くの人が望むものです。好条件が揃うほど土地の価格も上がるため、周辺環境は自分のライフスタイルを踏まえて検討する必要があります。
共働き世帯であれば、利便性が高いほうが便利です。リモートワークで在宅時間が長ければ、日当たりが良く騒音の少ない環境が快適になります。車移動が多ければ、必要な台数を駐車できる敷地の広さを優先したほうが良いでしょう。
5.生活動線を考える
生活動線を考えることは、間取りを考えることでもあります。間取りは、家づくりの楽しみのひとつとなっており、理想の家づくりをシミュレーションできるアプリまで登場しています。
生活動線を考える上でヒントになるのが、現在の生活で不満や不便を感じていることです。使い勝手が悪い場所、家事で面倒に感じること、そういった自分にしか分からない情報を蓄積することで、自分にとって理想的な生活動線をつくるのに役立ちます。
6.資産価値が維持できる住まいを選ぶ
住まいの資産価値を維持するためには、長期優良住宅の認定基準が参考になります。
長期優良住宅の認定基準では、数世代にわたって構造躯体を使用できる劣化対策、地震による損傷レベル低減を図った耐震性、配管の維持管理・更新の容易性などの基準が示されているので、確認しておきましょう。
参考:長期優良住宅認定制度の技術基準の概要について(一般社団法人 住宅性能評価・表示協会)
7.住まいのメンテナンス計画を立てる
理想の家を長く良い状態に維持するためには、メンテナンスが欠かせません。
戸建ての場合は、ハウスメーカー側で点検・助言を行う場合もありますが、メンテナンス計画は自分で立てる必要があります。
マンションの場合は、修繕積立金や管理費で賄われる共用部のメンテナンスについては考える必要はありませんが、専有部については自分で計画しなくてはなりません。
リフォーム費用が高額になりやすい屋根や外壁、キッチン・浴室などは、あらかじめライフプランに計画を組み込んでおくと、予算の見通しを立てやすくなります。
・「住まいのメンテナンス」に関する記事はこちら 給湯器の寿命と耐用年数は約10年!修理・交換のサインとなる症状を解説 フローリングの張り替えタイミングはいつ? 床材の種類や費用、リフォーム工法も紹介 お風呂のリフォームはいくらかかる?費用の内訳や期間、ポイントを解説 |
理想の家の間取り・外観・内装…「理想」の粒度を細かくするためにすべきこと
理想の家を実現するためには、形のない理想をリアルで具体性のあるものに変えていく必要があります。そのためには、家や建材などの実物を見ることが有効です。
ショールームに足を運ぶ
外観や内装、住宅設備にインテリア……と家づくりには決めることが多くあります。
SNSやバーチャルショールームの活用もおすすめですが、細部を確認するには実物を見ることが一番です。
特にこだわりたい建材や設備だけでも、ショールームに足を運んで実物を確認しておきましょう。
物件を内覧する
モデルハウスやモデルルーム、住宅展示場などは内覧が可能ですが、オプションが装備されている場合も多くあります。同等の仕様を求めると高額になるケースもあるため、その点に注意して内覧しましょう。
ハウスメーカーやリノベーション会社主催の「現地見学会」では、オーナーのこだわりが詰まったリアルな住まいを見学できることが魅力です。
また、不動産会社では実際に販売されている物件の内覧が可能です。価格・立地・建物の全体的な相場感を知ることができます。
・「内見・内覧」に関する記事はこちら 内見とは?内覧との違いや持ち物・流れ・確認することを解説 |
リノベーションも視野に入れる
ショールームや住宅展示場でさまざまな物件や設備を見学していると、理想が明確になる一方で、費用がかさむことも少なくありません。
コストと理想のバランスを考慮する上で、検討してみたいのがリノベーションです。中古物件を活用することで、土地建物にかかる費用を抑えることができます。
リノベーションは、断熱性・耐震性の強化、間取り変更、内装のフルチェンジも可能です。土地探しから始める注文住宅よりも、スケジュールを早く進めやすいというメリットもあります。
・「リノベーション」に関する記事はこちら リノベーション費用の相場とは?マンション・戸建てでどう変わる? リノベーションの価値と役割。リノベーションマンションの魅力とは |
まとめ
理想の家を実現する最初の一歩は、ライフプランシミュレーションで長期的な家計の収支を把握することです。それから、家族で理想について話し合いイメージを膨らませていきます。
長期にわたって安心、快適に生活するためには、住まいの省エネ性能やメンテナンス性、災害リスクの把握も重要です。目には見えにくいポイントも忘れずに検討しましょう。
この記事のポイント
- 理想の家に住みたいけれど、何から始めればいい?
理想の家づくりを始めるには、まずライフプランシミュレーションで長期的な収支を把握することが大切です。
詳しくは「理想の家を考えるときに欠かせないのが「ライフプランシミュレーション」」をご覧ください。
- 理想の家を実現するには、何を重視したらいい?
家づくりにおいて重要なのは、資金計画や災害リスクの把握、省エネ性能や快適な生活動線などです。
詳しくは「理想の家を現実にするために重要な7つのポイント」をご覧ください。
- 漠然とした理想のイメージをまとめるにはどうしたらいい?
形のない理想のイメージをリアルで具体性のあるものに変えていくには、家や建材などの実物を見ることが有効です。
詳しくは「理想の家の間取り・外観・内装…「理想」の粒度を細かくするためにすべきこと」をご覧ください。
ライターからのワンポイントアドバイス
「理想」の形は、人それぞれです。資産価値が落ちない好立地かつ性能の高い家に住むことだけが幸せではありません。理想の家を求める際には「どのような暮らしをしたいのか」「どのような夢を叶えたいのか」に目を向けて見てください。理想を100%実現するのは難しいかもしれませんが、優先度をつけ、叶えたいことが実現できる住まいを取得しましょう。
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