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防音室の値段は?ゲーム配信向けや1畳〜2畳タイプ、安い設置方法を紹介

執筆者プロフィール

竹内 英二
不動産鑑定士

不動産鑑定事務所および宅地建物取引業者である(株)グロープロフィットの代表取締役。不動産鑑定士、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、公認不動産コンサルティングマスター(相続対策専門士)、住宅ローンアドバイザー、中小企業診断士の資格を保有。

ざっくり要約!

  • 防音室の値段は、1畳のユニットタイプであれば80~150万程度が相場
  • 部屋ごと防音室にリフォームする場合は300~550万円程度が相場

近年はテレワークや動画配信等、自宅で仕事をする人も増えてきています。
防音室は従来であれば主に楽器を演奏する人が利用していましたが、最近では楽器演奏者以外でも防音室を利用したいという人が増えてきました。

防音室は新築時に設置することは少なく、竣工後にリフォーム等で後付けすることも多いです。防音室には、後付けを想定したさまざまな種類のものが存在します。防音室は、一体どのようなものが存在するのでしょうか。
この記事では、「防音室」について解説します。

防音室とは?

防音室とは、室内に音が入ったり、漏れたりすることを防ぐ部屋のことです。
音は「遮音」と「吸音」の2つで制御されます。

遮音とは、音の波動を遮り反射させることで、壁等の透過する音エネルギーを減少させることです。
吸音とは、音の波動が空気の振動等でエネルギーを失い、反射が少なくなることを指します。

防音室は、家の中に防音仕様の部屋を特別に設けて設置されることが一般的です。

家の中に設ける防音室には、以下のような利用方法があります。

【防音室の利用方法】

  • 楽器の練習に利用する
  • カラオケで歌の練習をする
  • 静かに読書をしたいときに使う
  • 大音量で音楽を聴きたいときに利用する
  • ホームシアターにする
  • YouTube等でライブ配信を行う
  • ゲームをする部屋として使う
  • テレワークの会議に利用する
  • プレゼンテーションの練習をする

防音室は楽器の演奏だけに使われるイメージがありますが、実際には多様な利用方法が存在するため、あると便利です。

近年は、テレワークを行う人やYouTubeで動画配信をする人が増えてきましたので、防音室があることで今どきのニーズに対応できるようにもなります。

防音室には、組み立て式の簡易タイプのものや、置き型のユニットタイプ、自由設計で部屋を丸ごと防音室にするタイプ等の種類が存在します。

防音室設置のメリット

防音室設置のメリットとしては、以下のような点が挙げられます。

【防音室のメリット】

  • 近所迷惑を防ぐことができる
  • 時間帯を気にせずに仕事や趣味に没頭できる
  • 子どもに楽器を習わせることができる

1つ目は、騒音トラブルの近所迷惑を防ぐことができるという点です。
防音室を作る最大の目的は、音漏れを防ぎ、ご近所迷惑を生じさせないことにあります。
都市部は家が密集しているため、近隣からの音漏れは深刻な問題です。
防音室は、都市部の密集した住環境における音の問題を解決する有効な対策となります。

2つ目は、時間帯を気にせずに仕事や趣味に没頭できるという点です。
防音室があれば、深夜でも音を出す活動ができます。
海外の人とリモート通話したい人でも、時差を気にせず会話をすることが可能です。
会社から遅く帰宅しても、大きな音量で趣味を楽しむこともできます。

3つ目は、子どもに楽器を習わせることができるという点です。
近年は、都市部の密集した住宅に住む人が増えてきたことから、子どもにピアノやバイオリン等の楽器を習わせにくくなりました。
防音室があれば、子どもに積極的に楽器を習わすことができるようになります。

防音室設置のデメリット

防音室設置のデメリットとしては、以下のような点が挙げられます。

【防音室のデメリット】

  • 設置にコストがかかる
  • 部屋が狭くなる
  • 暑さ対策でエアコンの設置が必要となる

1つ目は、設置にコストがかかるという点です。
新築で設置するにしろ、竣工後に後付けするにしろ、防音室は特殊な仕様であることから追加のコストがかかってしまいます。

2つ目は、部屋が狭くなるという点です。
防音室には、部屋の中に設置する置き型タイプのものも存在します。
家が狭い場合は、そもそも防音室を置けるスペースがないという問題もあります。
近年は住宅価格が高くなっていることから、価格を抑えるために特に新築物件は狭い面積となっていることが多いです。
狭い家は、防音室を設置することが非現実的な場合もあります。

3つ目は、暑さ対策でエアコンの設置が必要となるという点です。
防音室は音漏れを防ぐために気密性が高く設計されており、熱がこもりやすく、夏場は非常に暑くなります。
そのため、防音室を快適に利用するには、エアコンの設置が必要です。

置き型の場合、防音室から冷媒配管を取り出し、さらに建物の室外へ冷媒管を出すために壁に穴を空ける必要があります。
壁に冷媒配管用の穴(スリーブ穴)が開いていなかったり、室外機置場がなかったりする場合はエアコンを設置できません。

特にマンションは新たにスリーブ穴を空けることは難しいため、エアコンがネックで設置できないケースもあります。

防音室の設置方法

防音室の設置方法について解説します。

組立式の簡易防音室を設置する

組立式の簡易防音室とは、部屋に置く1人用の置き型の簡易な防音室のことです。
約0.5畳程度の広さのボックスであり、ロッカーを少し広くしたようなイメージの防音室になります。

簡易防音室のメリットは、価格が安く、自分で組み立てることができ、専門業者の工事も不要となる点です。
また、比較的小さいことから、後から場所を移動することもできます。

一方で、デメリットはスペースが狭いため、利用用途も楽器を立って演奏するといった使い道に限られてしまう点です。
また、商品によってはエアコンや照明が設置できないものも存在します。

ユニットタイプの防音室を設置する

防音室で比較的多いのが、置き型のユニットタイプです。
ユニットタイプは工場で成形されたボックス状の部屋であり、部屋の中に箱型の防音室を置くことになります。

ユニットタイプのメリットは、用途に応じてさまざまな広さのタイプのものが存在するという点です。
クラリネットやバイオリン等の立って演奏する人向けなら1.5畳、グランドピアノを演奏する人向けなら3.5畳等の用途に合ったサイズが用意されています。

無駄に大き過ぎる防音室を作る必要がなく、防音室以外の空間を有効に利用することができます。また、ユニットタイプは3~4時間あれば設置できるため、工期も短い点もメリットです。

一方で、デメリットは、サイズが決まってしまっているという点です。
小さな防音室を設置した後、後から広くしたい場合に対応がしにくいといえます。
また、天井が低い小さな小部屋であるため、音響に不満を感じる人もいるようです。

リフォームする

防音室は、部屋ごと防音仕様にリフォームするという方法もあります。

リフォームのメリットは、部屋ごとリフォームされるため、空間が広いという点です。
部屋に空調がついている場合には、空調をそのまま利用することができます。

一方でデメリットは、工期とコストがかかるという点です。
工期は施工内容にもよりますが、2~3週間程度かかる場合もあります。

防音室の値段相場

防音室の値段の相場について解説します。

1畳・2畳・3畳のコンパクトな防音室

1畳は、クラリネットやオーボエ等の立奏や歌の練習に適した広さとなります。
ユニットタイプであれば、80~150万程度が相場です。

1.5畳くらいになると、バイオリンを演奏するのに適した広さとなります。
ユニットタイプであれば、100~150万程度が相場です。

2~2.5畳は、アップライトピアノの練習ができる広さになります。
ユニットタイプであれば、130~230万程度が相場です。

3~3.5畳は、グランドピアノの練習ができる広さになります。
ユニットタイプであれば、160~260万程度が相場です。

ゲームや配信、映画鑑賞用の6畳〜10畳の中型防音室

6~10畳になると、楽器演奏以外にシアタールームとしても利用できる規模の防音室となります。
ユニットタイプであれば、250~350万程度が相場です。

ピアノや音楽制作用の大型防音室

部屋ごと防音室にリフォームする場合には、ピアノ教室やシアタールーム、ドラムの練習場としても利用することができます。
防音室のリフォーム費用は、300~550万円程度です。

防音リフォームは、壁の内部に防音シートや遮音シートを入れ、床も防音性のある床に張り替えます。
ガラスも防音ガラスや二重窓にし、ドアも防音ドアに変更することが求められます。

防音室選びのポイント

防音室選びのポイントについて解説します。

目的と予算のバランスを考える

防音室は、目的と予算のバランスを考えて選択します。

立って楽器を演奏し、防音性能も最低限でよく、長時間使用しない場合には、組立式の簡易防音室でもよいと思われます。

一方で、グランドピアノ等を練習し、かつスリーブ穴を確保できる場合には、ユニットタイプの防音室も選択の1つです。
ユニットタイプの防音室であれば、リフォームよりもコストを抑えて設置することができます。
また、エアコンも設置できれば、防音室の中で長時間練習することも可能です。

その他として、自宅でピアノ教室を行いたい場合や、部屋ごとシアタールームにしたい等の希望がある場合には、リフォームが適しています。

なお、ユニットタイプの防音室を木造の2階に設置する場合、念のため、荷重に耐えられるかも確認しておくことが望ましいです。

昨今の防音室の規格は、ほとんどが荷重に耐えられるようになっているため問題ないと思われますが、床が抜けそうな古い家の場合には確認することが適切といえます。

また、マンションは新たにスリーブ穴を開けることができませんので、スリーブ穴が余っていない場合にはユニットタイプの防音室にエアコンを付けられません。

目的に合った防音性能になっているか

防音室の性能が目的に合ったものになっているかも選ぶポイントです。
例えば楽器演奏のための防音室でも、トランペットを演奏するのかドラムを演奏するかによって必要な広さが異なります。

楽器でも高音域を出す楽器か、低音域を出す楽器かによっても、必要な防音室の性能は異なってきます。

防音室の購入時は、利用目的を明確に伝え、防音性能が目的に合致しているか確認することが必要です。

安い設置方法は防音パネルの活用

簡易的に部屋の防音性能を上げたい場合には、防音パネル・防音ボードを壁に取り付けるという方法もあります。
防音パネル・防音ボードは、吸音材と遮音材を併用した壁の仕上げ材です。
扉も防音ドアに変更すれば、より防音性能が上がります。

立地や施工内容で補助金が出る場合も

東京都では自動車がもたらす騒音障害の防止を目的に、環状七号線等の一部の幹線道路の沿線において防音工事の助成金が出る場合があります。

対象となる住戸は、道路交通騒音の大きさが夜間65デシベル以上または昼間70デシベル以上ある居室です(条例が施工された日以前から存在している建物に限る)。

助成金の対象となる工事は、壁やサッシ、ドアの改良等が該当します。
補助金額は、東京都が審査した工事費用の4分の3となっており、騒音調査結果に基づく対象室数により助成限度額が異なります。

出典:防音工事助成|東京都建設局

この記事のポイント

防音室設置のメリットは?

防音室のメリットとしては、騒音による近所迷惑を防ぐことができる、時間帯を気にせずに仕事や趣味に没頭できる、子どもに楽器を習わせることができるなどがあります。

詳しくは「防音室設置のメリット」をご覧ください。

防音室を安く設置する方法はある?

簡易的に部屋の防音性能を上げたい場合には、防音パネル・防音ボードを壁に取り付けるという方法もあります。

防音パネル・防音ボードは、吸音材と遮音材を併用した壁の仕上げ材です。扉も防音ドアに変更すれば、より防音性能が上がります。

詳しくは「防音室選びのポイント」をご覧ください。

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