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ヤスデ・ムカデ・ゲジゲジの違いは? 家や庭で見たときの駆除方法

執筆者プロフィール

手塚裕之
2級ファイナンシャル・プランニング技能士

エンタメ業界の管理職として12年勤務後、2018年12月からフリーライター活動を開始。税金、不動産、株式投資、クレジットカードなどお金に関する記事執筆・取材を行う。

ざっくり要約!

  • ヤスデ・ムカデ・ゲジゲジは異なる特徴を持つ虫だが、暗く湿度が高い場所を好む共通点がある
  • 毒性が高いムカデはすぐに駆除したほうがよいが、ゲジゲジは他の虫をエサにする益虫という側面もあるため、見掛ける数によってはしばらく放置してもよい

多足類の一種であるヤスデ・ムカデ・ゲジゲジは、一般家庭の庭やその周辺でよく見かける生き物です。これらの虫の外見は似ているように見えますが、特徴や生態、人間への影響などが大きく異なります。

本記事では、それぞれの特徴や見分け方、自宅や庭で見かけたときの適切な対処法について解説します。

毒はある? ヤスデ・ムカデ・ゲジゲジの生態

ヤスデ・ムカデ・ゲジゲジは同じ多足類の仲間ですが、それぞれの生態は異なります。見かけたときの対処法を適切に判断するためにも、出没しやすい場所や見た目の特徴を理解しておきましょう。

ヤスデ

ヤスデは噛まれたり刺されたりする心配はありません。ただし、強い刺激を受けると強烈な悪臭を発する体液を分泌し、触れると痛みが生じる場合があります。主に落ち葉などの腐植物質やキノコなどの菌類が主食であるため、落ち葉や倒木、石の下といったジメジメした場所に生息しています。ムカデやゲジゲジよりも小さく、2.5cm前後と体長は小ぶりです。

ムカデ

ムカデは虫や小動物を捕食する肉食性の虫です。非常に攻撃性が強く、接触した相手には躊躇無くかみつきます。強い毒性を持ち、噛まれると強い痛みや腫れを引き起こします。一口にムカデといっても非常に種類が多く、日本国内だけでも100を越える種類のムカデが棲息していると言われており、大きさは6~20cmの間でばらつきがあります。

ゲジゲジ

ゲジゲジは、正式名称を「ゲジ」といいます。生物学上はムカデの一種に分類されますが、毒性は弱く人体にほとんど影響を与えることはありません。ゴキブリやシロアリといった家屋に被害を与える虫を捕食することから、益虫として扱われる場合があります。体長はムカデよりも小さく、4cm前後が一般的です。

ヤスデ・ムカデ・ゲジゲジの見分け方

一見似ているように見えるヤスデ・ムカデ・ゲジゲジですが、よく観察すると明確な違いがあります。体の形状や足の特徴、動き方などに注目することで、それぞれを正確に識別できるようになるでしょう。

ヤスデは長いダンゴムシのような形

ヤスデはムカデ・ゲジゲジとは異なり、ひとつの体節から二対の足が生えているのが特徴です。硬い殻のような体表を持ち、危険を感じると小さく丸まる習性を持つことから、長いダンゴムシと表現されることもあります。

ムカデはサイズが大きく足の数が多いのが特徴

ムカデは前述の通り他の2種類よりも体長が長い傾向があります。ひとつの体節から生えている足は左右一本ずつです。体節の数はムカデの種類によって大きく異なります。有名なオオムカデを含むオオムカデ目では21対(または23対)ですが、ムカデ目は最大で200対近い数の足を持つムカデがいます。

ゲジゲジの特徴は長い足

ゲジゲジは足の本数は少なめですが、ヤスデやムカデに比べて非常に長い足を持っているのが特徴です。一方で体長はヤスデやムカデよりも短く、小さな体から長い足と触角が生えているユーモラスな見た目をしています。

ヤスデ・ムカデ・ゲジゲジが家や庭に出たら駆除すべき?

ヤスデ・ムカデ・ゲジゲジは見た目こそ似ていますが、その特徴と人間に与える影響は大きく異なります。それぞれ対処方法も異なりますので、虫の種類別の適切な対応を覚えておくとよいでしょう。

殺虫剤を避けたいなら「冷却スプレー」が効果的

ヤスデは見た目のグロテスクさから「不快害虫」と呼ばれています。咬まれるような被害がないとしても出没して欲しくないと思うのは自然なことでしょう。

ヤスデを駆除する際には、一般的な殺虫剤ではなく冷却タイプのスプレーがおすすめです。一瞬で凍らせるスプレーなら、瞬時に完了する駆除が期待できます。

ムカデは要駆除

ムカデは強い毒性を持つ害虫であるため、見つけたら急いで駆除するべきといえます。ムカデにはヤスデと同様に冷却タイプのスプレーが有効です。しかし直接触れると腫れや痛みといった被害を被るおそれがあり、ひどい時にはアナフィラキシーショックを起こすかもしれません。また、一匹だけではなく複数匹が庭に隠れている可能性もあります。安全を第一に考えた駆除を行うなら、プロの害虫駆除業者への依頼も視野に入れた検討を行いましょう。

ゲジゲジは「益虫」という一面も

ゲジゲジは多足類の一種ではありますが、ムカデやヤスデのような被害は受けにくいと考えられます。むしろ害虫を食べてくれる益虫の側面もありますので、一匹見かけた程度の段階ならばあわてて駆除しなくてもよいでしょう。ただし、弱いとはいえ毒性を持っていることには変わりがありませんので、気になるようなら駆除に踏み切っても問題ありません。

有効なヤスデ・ムカデ・ゲジゲジ対策

出現したヤスデ・ムカデ・ゲジゲジを駆除するための方法は、化学的な対策から物理的な予防策までさまざまです。効果的な対策を行うには、虫が出る頻度や環境に合わせて適切な方法を選択することが重要です。

毒餌・殺虫剤で対策

ヤスデ・ムカデ・ゲジゲジの駆除には化学的な薬剤が有効です。代表的な薬剤である毒餌と殺虫剤を使えば、多くのケースでこれらの虫を的確に駆除できるでしょう。

殺虫剤は直接虫に吹きかけるだけでなく、予防策として出そうな場所にあらかじめ吹きかけておくのもよい対策になります。毒餌は虫の出所が分からない虫をおびき寄せて駆除できるうえ、殺虫剤のような薬剤の飛び散りがない点もうれしいメリットです。

消石灰をまく

薬品の使用を避けた駆除を行いたい場合は、消石灰の使用がおすすめです。消石灰は湿気と混ざると、ヤスデやムカデが嫌う強アルカリ性に変化し、強い防虫効果を発揮します。ただし、殺虫効果は化学的な薬剤に劣る点には注意が必要です。出現した虫を駆除するなら市販の薬剤、出る前の予防が目的なら消石灰というように、状況に応じて使う道具を検討しましょう。

日光・風が通るようにする

ヤスデ・ムカデ・ゲジゲジは、日が当たり風通しがいい場所には出現しません。これらの虫は落ち葉や倒木、石の下などのジメジメした場所を好みます。裏を返せばジメジメさせなければ出にくくなりますので、室内やガレージなどを換気するだけでヤスデ・ムカデ・ゲジゲジの出現を予防しやすくなるでしょう。押入れのような換気がしにくい場所が気になるようなら、除湿機や除湿剤を使って湿気を取り除くだけでも効果が期待できます。

まとめ

ヤスデ・ムカデ・ゲジゲジはそれぞれ特徴が異なり、人間との関わり方も様々です。特にムカデは毒性が強いため、見つけた場合は慎重に対応しましょう。

ヤスデ・ムカデ・ゲジゲジは暗く湿気がある場所を好む傾向があります。これらの虫が自宅に出るのを予防したいなら、換気や日光の取り込みを行い、室内を明るく清潔な状態に保ちましょう。

この記事のポイント

ヤスデ・ムカデ・ゲジゲジはどのような虫ですか?

多足類の仲間で、ひとつの体節から1、2組の足が生えています。ムカデ・ヤスデは毒性があり、特にムカデは強い毒性を持っています。

詳しくは「ヤスデ・ムカデ・ゲジゲジの見分け方」をご覧ください。

ヤスデ・ムカデ・ゲジゲジが家に出たら駆除すべき?

ムカデを放置すると刺されるなどの被害が出ますので、早急に駆除すべきです。ヤスデは駆除してもよいですが、ムカデほどの緊急性はありません。ゲジゲジは害虫を食べる益虫という見方ができますので、数が少ないうちは無理に駆除しなくてもよいでしょう。

詳しくは「ヤスデ・ムカデ・ゲジゲジが家や庭に出たら駆除すべき?」をご覧ください。

ヤスデ・ムカデ・ゲジゲジが出た場合の対策は?

すでに出現した後なら、殺虫剤や毒餌といった化学的な薬剤を使って駆除しましょう。まだ出現していないようなら、居室や庭、押入れなどから湿気を逃がすだけで有効な予防になります。

詳しくは「有効なヤスデ・ムカデ・ゲジゲジ対策」をご覧ください。

ライターからのワンポイントアドバイス

ヤスデ・ムカデ・ゲジゲジをひと目見ただけで見分けるのは難しい方も多いでしょう。ゲジゲジと間違えてムカデを素手で触ってしまうと、しばらくの間腫れや痛みに悩まされてしまうかもしれません。ヤスデ・ムカデ・ゲジゲジ対策には、換気や日光を取り込むことも効果的です。空気を入れ替え、日の光を浴びることは、健康にも生活環境にも良いことですので、毎日の習慣としてみてはいかがでしょうか。

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