ざっくり要約!
- 実家の売却で譲渡所得が発生した場合は特別控除を利用できる可能性がある
- 相続前だと売却手続きがスムーズに進むが、相続後だと税金はお得になる可能性が高い
高齢の親が住んでいる実家は、いずれ相続が発生し子どもの誰かが継承することになるかもしれません。実家が遠方だったり自分もすでにマイホームを持っていたりすると、実家をそのまま維持するのが難しくなるでしょう。
親が元気なうちに実家を売却したほうがよいのか、それとも相続後に処分を検討したほうがよいのかと悩む方もいるはずです。
そこで、本記事では実家を売却するタイミングが相続前、相続後だとどのようなメリットがあるのかについて、税金や売却の流れとともに解説します。
実家の売却を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
記事サマリー
実家の売却の流れ
実家を売却する際の流れは、一般的な不動産の売却とほとんど変わりません。ただし、実家を売却するタイミングによっては相続登記が必要となります。実家の売却の流れにおける6つのステップを解説します。
1.相続登記
相続後に実家を売却する場合、相続登記が必要です。相続登記とは、相続によって土地や建物の登記を変更する手続きのことを指します。
相続前の場合は基本的に不要ですが、代々受け継いでいる実家では登記名義人が先代のままになっている可能性があります。相続登記は2024年の4月から義務化されており、実家の名義が先代になっている場合は相続前でも相続登記が必要です。
・「相続登記義務化」に関する記事はこちら 相続登記の義務化はどのような影響がある?いつから始まるのかについても解説 |
2.売却査定
実家の売却を決めたら、まずは売却査定を行います。相場を知るために複数の不動産会社に査定を依頼するとよいでしょう。インターネット上では何社かに一括査定を依頼できるサイトもあります。一括査定をしたあとに業者を絞って、実際に訪問査定をしてもらうと効率的です。
訪問なしの査定は気軽に依頼でき数日で結果が出るものの、あくまでも概算なので実際の売却価格と差が出ることもあります。一方、訪問査定では査定価格と売却価格に差が生じにくいものの、時間や手間がかかります。
・「家の査定」に関する記事はこちら 「家の査定」とは?家を高く売るにはコツがある!査定の事前準備と注意点を実例も踏まえ解説 |
3.媒介契約
売却査定を依頼した不動産会社のなかから、実際に媒介してもらう会社を選び媒介契約を結びます。媒介契約を結ぶ会社は、営業担当者の対応や売却価格などから判断するとよいでしょう。
媒介契約の方法にはいくつかの種類があり、必ずしも1社に決める必要はありません。媒介契約は以下の3種類から決めます。
専属専任媒介契約 | 専任媒介契約 | 一般媒介契約 | |
---|---|---|---|
複数社との契約は可能? | × | × | ○ |
自ら買主を見つけて取引できる? | × | ○ | ○ |
不動産会社の状況報告頻度 | 1週間に1回以上 | 2週間に1回以上 | 任意 |
レインズへの登録義務(※) | 5営業日以内 | 7営業日以内 | 任意 |
契約の有効期限 | 3カ月以内 | 3カ月以内 | 指定なし |
※レインズ(REINS)とは、不動産流通標準情報システム(Real Estate Information Network System)の略称で、不動産会社が売買や賃貸といった物件情報をリアルタイムで交換するためのシステムです。
・「媒介契約」に関する記事はこちら 専属専任媒介契約とは?専任媒介・一般媒介との違いやメリットを解説 |
4.販売活動
媒介契約を結ぶと、不動産会社が物件の売却に向けた販売活動を開始します。実家の売却に関して希望や条件があれば、先に不動産会社に伝えておきましょう。それを元に営業担当者は販売戦略を立て、宣伝広告を出したり内覧希望者への対応をしたりします。必要に応じて売り出し価格の見直しをすることもあります。
5.売買契約
購入希望者が見つかったら、いよいよ売買契約を締結します。ただし、購入希望者が売主側の条件をすべて承諾してくれるわけではありません。値下げや引渡時期などのリクエストが入ることもあるので、不動産会社の営業担当者と相談しながら取引条件を交渉します。
交渉成立後、重要事項説明書や売買契約書の読み合わせと書面への署名、買主からの手付金の受け取りを行い、売買契約締結となります。
・「売買契約」に関する記事はこちら 不動産の売買契約とは?簡単にわかりやすく解説! |
6.決済・引き渡し
売買契約締結後1カ月程度で決済・引き渡しが行われます。決済日は売主・買主・不動産会社の担当者・司法書士が金融機関に集まり手続きを進めるのが一般的です。決済と引き渡しは同日に行うことが一般的なため、事前に実家の引越しを済ませる必要があります。
実家の売却にかかる税金
実家の売却では3種類の税金が課されます。それぞれの税金の概要や金額を解説します。
譲渡所得税
譲渡所得税は実家の売却にかかる税金の大半を占めるもので、所得税・住民税・復興特別所得税の3つを合計したものです。税金の算定基準となる譲渡所得金額は、実家の売却価格や取得したときの金額、譲渡のために支払った費用などによって変わってきます。
課税譲渡所得金額は以下の式で算出します。
課税譲渡所得金額=実家の売却による収入-(取得金額+譲渡のためにかかった費用)-特別控除額
譲渡所得税は課税所得金額に税率を掛けて算出します。
譲渡所得税=課税譲渡所得金額×税率
土地や建物の譲渡所得税の税率は、不動産を所有していた年数によって異なります。それぞれの税率は以下の通りです。
所得税 | 住民税 | 復興特別所得税 | 合計 | |
---|---|---|---|---|
長期譲渡所得 (所有期間が5年超) | 15% | 5% | 0.315% | 20.315% |
短期譲渡所得 (所有期間が5年以下) | 30% | 9% | 0.63% | 39.63% |
つまり、5年を超えて所有していた不動産は短期保有だった不動産に比べて、所得税の金額が2分の1程度になります。また、所有期間には相続や贈与を受ける前の持ち主の所有期間も合算されるのが基本です。つまり、相続前も相続後も長年親が生活していた実家においては、ほとんどの場合長期譲渡所得として譲渡所得税を算出することになります。
参考:国税庁「No.1440 譲渡所得(土地や建物を譲渡したとき)」
・「長期譲渡所得」「短期譲渡所得」に関する記事はこちら 短期譲渡所得・長期譲渡所得の基礎知識!不動産売却で気をつけるべき点も |
印紙税
印紙税は契約書や領収書といった特定の文書に課される税金です。実家を売却する際は、売買契約書に所定の金額の収入印紙を貼り付けることで納税します。印紙税は契約金額によって税額が変わりますが、契約金額が10万円以下の場合は課されません。また、不動産の譲渡に関しては軽減税率の対象となるため、一般的な商品やサービスよりも税額は安くなります。
契約金額 | 本則税率 | 軽減税率 |
---|---|---|
10万円超~50万円以下 | 400円 | 200円 |
50万円超~100万円以下 | 1,000円 | 500円 |
100万円超~500万円以下 | 2,000円 | 1,000円 |
500万円超~1,000万円以下 | 1万円 | 5,000円 |
1,000万円超~5,000万円以下 | 2万円 | 1万円 |
5,000万円超~1億円以下 | 6万円 | 3万円 |
1億円超~5億円以下 | 10万円 | 6万円 |
5億円超~10億円以下 | 20万円 | 16万円 |
10億円超~50億円以下 | 40万円 | 32万円 |
50億円超 | 60万円 | 48万円 |
・「印紙税」に関する記事はこちら 不動産売買の印紙代(印紙税)の金額は?軽減税率も解説 |
登録免許税
登録免許税は、売却時に抵当権が残っている場合に課される税金です。住宅ローンが残っている場合は抵当権が設定されている可能性があります。抵当権が設定されている状態だと実家を売却することはできないため、司法書士に依頼して抹消します。
抵当権抹消のために必要な登録免許税は、1つの不動産につき1,000円です。土地と建物の両方に抵当権が設定されている場合、それぞれに登録免許税がかかるため合計2,000円が必要となります。
・「登録免許税」に関する記事はこちら 登録免許税の計算方法と支払時期を解説!軽減措置や事例もあわせて紹介 |
確定申告で適用されるかも⁈ 実家の売却で利用できる控除特例
実家を売却する際は、売却金額が高額になるため高い税金が課されることを心配する方もいるはずです。しかし、税制面での優遇措置があるため、実際には税金が少なくなることもあります。そこで、実家の売却時に利用できる税金の控除特例をご紹介します。
居住用財産の3,000万円特別控除(マイホーム特例)
一般的に「マイホーム特例」と呼ばれる居住用財産の3,000万円特別控除は、相続前に利用できる税金控除の特例です。マイホーム特例とは、居住用財産を売却したときに所有期間の長さに関係なく譲渡所得から最高3,000万円まで控除できるものです。この特例を利用するためには、いくつかの要件を満たす必要があります。主な要件は以下の通りです。
- 自分が住んでいる、もしくは住んでいた家屋や土地を売却すること(別荘や一時的な使用目的で所有した家屋ではない)
- 過去に住んでいた家の場合、住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却すること
- 更地にして土地を売却する場合は、家屋を取り壊した日から1年以内に譲渡契約が締結されていること
- 土地を売却する場合は、譲渡契約を締結した日までに貸駐車場など居住以外の用途で使用していないこと
- 売却の2年前からマイホームの買い換えや交換などに関する税金の特例を受けていないこと
- 売り手と買い手が親子や夫婦などといった特別な関係ではないこと
参考:国税庁「No.3302 マイホームを売ったときの特例」
・「マイホーム特例」に関する記事はこちら 3,000万円控除とは?制度の概要、適用条件や具体的な計算方法も解説! |
軽減税率の特例
軽減税率の特例は、相続前に利用できる税金控除の特例です。10年を超えて所有していたマイホームを売却するときに利用でき、課税譲渡所得が6,000万円までは長期譲渡所得の税額(15%)よりも低い税率(10%)で算出できます。
課税譲渡所得金額 | 税額の算出式 |
---|---|
6,000万円以下 | 課税譲渡所得金額×10% |
6,000万円超 | (課税譲渡所得金額-6,000万円)×15%+600万円 |
例えば課税譲渡所得金額が7,500万円だったとき、軽減税率の特例を利用した場合としない場合では税額に違いが出ます。
【特例を利用せず】
7,500万円×15%=1,125万円
【特例を利用】
(7,500万円-6,000万円)×15%+6,000万円×10%=825万円
適用するためには要件を満たす必要がありますが、長期譲渡所得の税額より安くなるため負担を軽減できます。軽減税率の特例を利用するために満たすべき5つの要件は次の通りです。
- 日本国内にある自分の家屋を売るか、家屋と一緒にその敷地も売ること
- 売却した年の1月1日において、土地と家屋の所有期間が10年を超えていること
- 2年前から現在まで、この特例の適用を受けていないこと
- 売却した土地や家屋についてマイホームの買い換えや交換の特例などを受けていないこと
- 売主と買主が、親子・夫婦といった特別な関係にないこと
軽減税率の特例は先ほどご紹介した「居住用財産の3,000万円特別控除」と同時に利用できます。相続前の実家を売却するときに2つの特別控除を利用すれば、税金の負担を軽減できるでしょう。
参考:国税庁「No.3305 マイホームを売ったときの軽減税率の特例」
相続空き家の3,000万円特別控除
相続空き家の3,000万円特別控除は、相続後の実家を売却するときに利用できる税金控除の特例です。要件を満たす必要がありますが、相続や遺贈によって取得した居住用家屋や敷地を約3年以内に売却した場合、譲渡所得から3,000万円を控除できます。
この制度は当初2023年に終了する予定でしたが、税制改正によって4年間延長し2027年12月31日まで適用されることになりました。2024年1月1日以降の譲渡に関しては、適用の条件や控除される金額が変更されています。
相続空き家の3,000万円特別控除を適用するための主な要件は次の通りです。
- 被相続人(亡くなった親)が相続開始直前まで住んでいた家屋や敷地であること(※)
- 昭和56年5月31日以前に建設された家屋であること
- 相続開始直前まで、被相続人以外に居住していた人がいなかったこと
- 相続や遺贈によって取得した居住用の家屋や敷地を売却すること
- 売却時もしくは売却日翌年の2月15日までに、家屋は一定の耐震基準を満たすかすべて取り壊すこと
- 相続の開始から3年経過する年の12月31日までに売却すること
- 売却代金が1億円以下であること
※要介護認定を受けて老人ホームに入居していた場合など、特定の理由があれば実際に相続人が居住していなくても認められます。
この特別控除ではもともと複数の相続人で所得した場合、それぞれが3,000万円までの控除を受けることができました。つまり、相続人3人で被相続人が暮らしていた空き家を売却した場合、最大で所得税を合計9,000万円控除可能でした。しかし、税制改正によって2024年1月1日以降の譲渡においては、実家を相続した人が3人以上の場合控除できる金額は2,000万円までとなっています。相続人3人で相続した空き家を売却した場合の所得税控除金額は、最大で合計6,000万円です。
参考:国税庁「No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」
取得費加算の特例
取得費加算の特例は、相続後に実家を売却するときに利用できる所得税の優遇措置です。相続や遺贈によって取得した財産を一定期間内に売却したとき、納めた相続税の一部を資産の所得費として加算できます。これによって課税譲渡所得金額を抑えることができ、結果として譲渡所得税を軽減できるというわけです。
この特例を適用するためには、以下の3つの要件を満たす必要があります。
- 相続や遺贈によって取得した財産であること
- 財産を取得した人に対して相続税が課されていること
- 取得した財産は相続開始の翌日から3年10カ月後までに売却が完了していること
参考:国税庁「No.3267 相続財産を譲渡した場合の取得費の特例」
相続前に実家を売却するメリット
相続前に実家を売却するメリットは主に4つあります。それぞれのメリットを解説します。
マイホーム特例を利用できる
1つ目のメリットはマイホーム特例が利用できることです。相続した実家も「相続空き家の3,000万円特別控除」が利用できることがありますが、マイホーム特例と比べると適用要件が厳しくなります。マイホーム特例は所有期間の長短に関係なく利用可能なので、高い節税効果を期待できます。
スムーズに売りやすい
相続前の実家は、遺産分割協議や相続登記をせずに売却できます。売却までの手続きをいくつか削減できるため、スムーズに売りやすいのがメリットです。
また、実家に対する思いはきょうだい間でも異なり、「実家を残したい」や「思い出が消えるようでさみしい」といった感情を抱く方もいるかもしれません。しかし、相続前に親の意向で実家の売却をすれば、子どもたちは感情的なトラブルを避けられ、家族全員が納得しやすいはずです。
遺産分割がしやすくなる
相続前に実家を売却すると、遺産分割がしやすくなります。これは親の財産の大部分を実家の土地や建物が占めていたり相続人が複数いたりする場合、とくに大きなメリットとなります。
不動産は分割しにくい財産です。相続人が複数いる場合、価値の高い不動産があると遺産を均等に分割するのは難しくなる可能性があります。きょうだい間で相続財産に不公平感が出ると、争族の原因になるかもしれません。実家を相続前に売却して現金化することで、遺産分割を容易に進めることができるでしょう。
親の老後資金・介護資金が捻出できる
親が元気なうちに実家を売却すると、親の老後資金や介護資金を捻出できます。老後の生活費は公的年金ではまかないきれない可能性があるので、少しでも蓄えがあると安心です。
高齢になると生活しやすいマンションへの住み替えや高齢者施設への入居なども考えられます。実家を売却して資金を持っていると、親は老後の生活にさまざまな選択ができるでしょう。
相続後に実家を売却するメリット
相続後に実家を売却するメリットは主に2つあります。それぞれのメリットを解説します。
税金控除の特例を利用できる
相続後の実家を売却するときは、相続空き家の3,000万円特別控除や相続税の取得費加算といった税金控除の特例を利用できます。相続空き家の3,000万円特別控除は、相続前の実家を売却する際に利用できるマイホーム特例と同様に3,000万円を所得税から控除可能です。
マイホーム特例よりも要件が厳しいので、確実に控除を受けられるように計画的に売却を進める必要があります。ただし、実家を受け継いだ相続人が複数いる場合にはそれぞれが控除を受けられるため、マイホーム特例よりもメリットは大きくなるでしょう。
相続税評価額を抑えることができる
相続税評価額とは、相続税算定のもとになる財産を金額で評価したものです。実家を相続する場合、土地は路線価方式や倍率方式を、家屋は固定資産税評価額を用います。土地と家屋はいずれも、時価よりも相続税評価額は低くなるのが一般的です。このため、現金を相続するよりも、不動産のまま相続したほうが相続税は割安になります。
親の認知症発症に備える方法
高齢になると認知症を発症する方が増えます。2022年における認知症の高齢者数は443.2万人と推計されており、高齢者の約8人に1人が認知症を発症していることがわかりました。
認知症になると認知機能や判断力が衰えて、今までできていた家事や仕事、身の回りのことができなくなることがあります。財産の管理や重要な契約もできなくなるため、実家の売却を考えているなら親が元気なうちに進める必要があります。
また、子ども世代は親が認知症になったときにどのような困り事が起こるのかを知り、対策を考えておくことが大切です。
不動産は原則的に所有者の「意思」がなければ売却できない
不動産売買契約は、原則的に所有者の意思がなければ締結できません。民法3条には「法律行為の当事者が意思表示をした時に意思能力を有しなかったときは、その法律行為は、無効とする」という条文があります。判断力や記憶力が衰える認知症では、意思能力の有無が問題になります。重度の認知症では意思能力がないと判断され、不動産売買契約が無効になることがあるからです。
成年後見制度
成年後見制度とは、認知症や知的障害、精神障害などによって判断力が不十分な状態の方をサポートするための制度です。財産の管理だけでなく、介護・医療サービスに関する契約を結んだり、悪徳商法から守ったりするのも後見人の仕事です。成年後見制度には任意後見制度と法定後見制度の2種類があります。
- 任意後見制度:本人の判断力が十分なうちに自分の意思で任意後見人になる人や委任する内容を決めておき、万が一のときに備える
- 法定後見制度:すでに本人の判断力が不十分な状態で申し立て、家庭裁判所が成年後見人を選任する
親が認知症になった場合も成年後見制度を利用すれば、不動産の売買契約を行うことが可能です。ただし、成年後見人制度は本人の保護を目的としているため、積極的な運用はできません。また、定期的に財産の管理状況を家庭裁判所に報告する義務があったり、専門家に依頼すると継続的に報酬が発生したりと、手続きや運用が煩雑になりがちだという問題もあります。
参考:厚生労働省「ご本人・家族・地域のみなさまへ(成年後見制度とは)」
・「成年後見制度」に関する記事はこちら 成年後見人になれる人は誰?資格の有無や親族がなれる条件、法定相続人についても解説 |
家族信託
家族信託とは、認知症などが原因で財産管理ができなくなったときに備えて、信頼できる家族に財産を託して管理・処分・承継をしてもらう財産管理方法です。あらかじめ信託の目的を決めておくので、本人の意思を尊重した形で財産を活用できます。また、成年後見制度とは異なり、原則として財産を託すのは家族の1人です。専門家に依頼するわけではないため、高額な報酬が発生することはありません。
まとめ
実家を売却する際は相続前か相続後なのかによって、売却手続きや利用できる税金の控除特例が変わります。一般的に相続前のほうが実家の売却手続きはスムーズに進み、適用要件を満たしやすい「マイホーム特例」を利用できます。一方、相続後に実家を売却するときは、相続税評価額を低く抑えられ、要件を満たせば「空き家の3,000万円特別控除」を利用できます。
いずれのタイミングであっても、税金の控除特例を利用するためにはいくつかの要件を満たさなければなりません。実家を売却する際は多額の譲渡所得税が課されることが多いので、損をしないように控除の適用要件なども事前に確認しておきましょう。
この記事のポイント
- 実家と一般的なマイホームでは売却までの流れに違いはありますか?
相続後に実家を売却する際は、相続登記をする必要があります。
詳しくは「実家の売却の流れ」をご覧ください。
- 実家を売却するときに利用できる税金の優遇措置はありますか?
相続前、相続後それぞれのタイミングで利用できる税金の優遇措置があります。
詳しくは「確定申告で適用されるかも⁈ 実家の売却で利用できる控除特例」をご覧ください。
- 親が健在のうちに実家を売却するときに気を付けることはありますか?
親が認知症になると不動産の売買契約はできなくなる可能性があります。元気なうちに売却を完了する、もしくは認知症に備えた対策を考える必要があります。
詳しくは「親の認知症発症に備える方法」をご覧ください。
ライターからのワンポイントアドバイス
長年暮らしている実家は、家族の思い出が詰まっている場所です。実家への思いは親子・きょうだい間でも違うので、その家族によって適切な売却のタイミングは異なるでしょう。相続前、相続後いずれのタイミングで売却をしても、多額の譲渡所得税が課されます。一方、税金の優遇措置もあるので、税金の負担を軽減できます。税金の優遇措置にはさまざまな適用条件があり、満たしていなければ利用することはできません。大切な実家の売却ですので、なるべく損をしないように事前に情報を得ておきましょう。
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