造作キッチン ポイント
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造作キッチンの魅力とは? 後悔せずにつくるポイント

執筆者プロフィール

高山みさと
インテリアコーディネーター

CADオペレーター・大手住宅設備メーカー勤務を経て、住宅ライターとして開業。インテリアコーディネーター資格保有。元キッチンスペシャリスト。家づくりやリフォームにおける難しい知識を分かりやすく伝えている。プライベートでは築20年の戸建て住まい。リフォームやDIYで家づくりを楽しんでいる。

ざっくり要約!

  • 造作キッチンとは、オーダーに合わせて大工が施工現場で製作するキッチンのこと
  • 造作キッチンは、デザインもサイズも自由に設計できることが最大の魅力

自由なデザインで製作できる造作キッチン。キッチンを選ぶ機会は多くないからこそ、後悔したくはありませんよね。
この記事では、造作キッチンのメリット・デメリットを解説するとともに、後悔しないためのポイントや注意点をお伝えします。造作キッチンを検討している方は、ぜひ最後までご覧ください。

造作キッチンとは?

造作キッチンとは、オーダーに合わせて大工が施工現場で製作するキッチンを指します。デザインや仕様をカスタマイズできるので、オリジナリティの高いキッチンをつくれることが魅力です。

それぞれの現場に合わせて製作するので、建物との納まりも良く、他の内装と調和したデザインにできるというメリットもあります。

システムキッチンとの違い

システムキッチンとは、住宅設備メーカーが販売する既製品のキッチンのことです。使い勝手に優れ、品質が安定しているという特徴があります。

ただし、造作キッチンのようにカスタマイズすることはできません。デザインは基本的に、カタログに掲載されたものから選ぶ必要があります。

オーダーメイドキッチンとの違い

オーダーメイドキッチン(オーダーキッチン)とは、オーダーキッチン専門のメーカーに依頼してつくるキッチンを指します。

オーダーメイドキッチンは、キッチン専門の職人が工場で製作するため、品質や精度の高さが魅力です。フルオーダーを得意とするメーカー、ステンレス加工を得意とするメーカーなど、それぞれに特色があります。

オーダーメイドキッチンと造作キッチンは厳密には異なるものですが、広い意味で同じものとして扱われる場合もあります。

造作キッチンのメリット

造作キッチンは、デザインもサイズも自由に設計できることが最大の魅力です。

好みに合ったキッチンがつくれる

システムキッチンは、人気のデザインや仕様、使い勝手をメーカーが研究しているので、多くの人にとって使いやすいキッチンになっています。ですが、全ての人の好みに合うとは限りません。

造作キッチンであれば、ワークトップや扉、取手にいたるまで自由に選択できます。なかなか好みに合うキッチンが見つからないときは、自由に設計できる造作キッチンを検討してみましょう。

自分の体に合わせた設計ができる

システムキッチンのサイズは、モジュール(基本寸法)が決まっています。特に、キッチンの高さは、使いやすさや疲れやすさに影響するので、自分の体に合った高さを選ぶことが大切です。

システムキッチンの場合、一般的な高さは80・85・90cmの3種類です。台輪という部材を用いれば2.5cmの調整が可能ですが、細かいサイズ指定はできません。

造作キッチンであれば、指定寸法での製作も可能です。もちろん、高さだけでなく間口もサイズ指定することができます。

ダイニングキッチンに一体感が生まれる

キッチンとダイニングは近い方が使い勝手が良く、近距離で計画されることが増えています。その際に、キッチンと収納棚のデザインが異なると、違和感を覚えることも少なくありません。

造作キッチンとあわせて、背面収納やテーブルまでデザインを統一すれば、ダイニングキッチンが一体感のある空間になります。

多様な暮らしにフィットする

毎日料理をするご家庭もあれば、週末に夫婦でキッチンを囲むスタイル、ほとんど料理はしないけれどインテリアにはこだわりたいなど、ライフスタイルが多様化し、キッチンに対する価値観はさまざまです。

収納においても、キャビネットに整理整頓するばかりでなく、すぐ手に取れるように吊るして収納する方法にも人気があります。

このような個々のニーズに合わせ、キッチンの仕様を柔軟に変えられることも、造作キッチンならではのメリットです。

造作キッチンのデメリット

造作キッチンはデザインにこだわれる反面、高額になりやすく、製作工程に時間を要することがデメリットです。

高額になりやすい

造作キッチンは、現場での手作業が多く、人件費が多くかかる傾向にあります。設計費がかかる点にも注意しましょう。

また、造作キッチンは自由度が高い分、予算が膨らみがちです。費用をかける箇所とかけない箇所を事前に選別する必要があります。

ショールームなどで見学・体感できない

システムキッチンの場合は、住宅設備メーカーのショールームで使い勝手を体感することができます。

一方、造作キッチンの場合は、ビルトインするシンクやコンロといったパーツ単体を見られる場合はありますが、キッチンとしての完成形を事前に確認することはできません。

完成するまで実物を確認できないのは、大きなデメリットといえるでしょう。

設計・造作に時間がかかる

造作キッチンは、システムキッチンと比較して、納品までに長い期間を要します。
設計段階では詳細な打ち合わせに始まり、設計図の作成、設備や建材の調達、大工による造作工事と多くの工程があります。

また、海外製の設備機器を組み込む場合は、納品までの時間をさらに要するケースも少なくありません。

維持・メンテナンスがしにくい

清掃性の良いシステムキッチンに比べ、造作キッチンはお手入れがしにくい場合があります。

突板や無垢材を使用した造作キッチンは美しく、床や建具との統一感を出せますが、汚れやすいことが難点です。

経年変化を楽しめるともいえますが、乾拭きやオイルを塗るといったメンテナンスも必要なため、お手入れが大変に感じることもあるでしょう。

造作キッチンを後悔せずにつくるポイント

造作キッチン 後悔しない ポイント

造作キッチンで後悔する要因は、主にイメージ違いによるものです。要望を細かく伝えるなどの工夫をしましょう。

要望は細かく伝える

造作キッチンの製作は、図面や写真などイメージでのやり取りになるため、できるだけ細かい要望を伝えることが大切です。

システムキッチンのショールームに造作キッチンの実物はないものの、高さ・幅・奥行き・収納量など、基本的なキッチンの仕様を知ることができます。要望を整理する上で参考にし、分かりやすく伝えましょう。

使用する素材は現物を見る

造作キッチンで使用するワークトップやシンク、水栓や食洗機といったパーツ単体は、現物を確認できる場合があります。

特に、面積が大きなワークトップや扉面材は、キッチンのインテリアを大きく左右するので、できるだけ確認しておきましょう。

余裕のあるスケジュールを組む

造作キッチンの工程は長く、納期遅延や施工遅延など、トラブルが起きることも少なくありません。工程は少なくとも1~2か月を要し、造作する内容によっては、それ以上の期間がかかる可能性もあります。

保証・アフターサービスを確認する

造作キッチンに保証やアフターサービスがあるかは、依頼先によって異なります。事前に確認しておきましょう。

また、個人で購入したものをキッチンに取り付け依頼した場合は、施主支給品となり保証の対象外となります。

まとめ

造作キッチンの最大の魅力は、デザインやサイズを自由に設計できることです。収納やテーブルまでデザインを統一すれば、一体感のある素敵なダイニングキッチンになるでしょう。

また、造作キッチンで後悔しないためには、イメージ違いを防ぐことも大切です。造作キッチンで使う素材やパーツは、できるだけ実物を確認しておきましょう。
要望は整理して、細かく伝えることも失敗を防ぐポイントです。

この記事のポイント

造作キッチンとはどのようなキッチンですか?

造作キッチンとは、オーダーに合わせて大工が施工現場で製作するキッチンを指します。デザインや仕様をカスタマイズできるので、オリジナリティの高いキッチンをつくれることが魅力です。

詳しくは「造作キッチンとは?」をご覧ください。

造作キッチンのメリットは?

造作キッチンは、デザインもサイズも自由に設計できることが最大の魅力です。

詳しくは「造作キッチンのメリット」をご覧ください。

造作キッチンのデメリットは?

造作キッチンはデザインにこだわれる反面、高額になりやすく、製作工程に時間を要することがデメリットです。

詳しくは「造作キッチンのデメリット」をご覧ください。

ライターからのワンポイントアドバイス

造作キッチンは工務店や家具店に依頼しますが、デザインや使い勝手は設計者、品質は製作する大工の技術に左右されます。依頼先によって完成度が変わるため注意が必要です。後悔しないためには、どのような造作キッチンを手掛けてきたのか、施工事例で確認しましょう。希望やイメージに近い施工事例のある会社を選ぶことが大切です。

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