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洋瓦とは?メリット・デメリットや種類、葺き替え費用をわかりやすく解説

ざっくり要約!

  • 「洋瓦」は洋風の屋根瓦
  • 粘土瓦、セメント瓦、金属瓦などがある
  • 初期費用は高めだが維持コストがかかりにくい

屋根のリフォームを考えている方のなかには、おしゃれな洋瓦を検討している方も多いのではないでしょうか。

洋瓦とは、洋風の瓦全般のことで、地中海リゾートのようなおしゃれな雰囲気が魅力です。色のバリエーションが多く、和の風情がある和瓦とは違った特徴があります。

本記事では、洋瓦の種類やメリット、デメリットを解説します。費用についても説明するので、洋瓦に興味がある方、葺き替えを検討している方はぜひ参考にしてください。

洋瓦とは

「洋瓦(ようがわら)」は、洋風の屋根瓦全般を指します。おしゃれな雰囲気で、個性のある屋根に仕上がるのが特徴です。

洋瓦に対して、和風の住宅に多く使われているのが「和瓦」です。緩やかな曲線を描いた形状が特徴で、「Japanese」の頭文字をとって「J型」とも言われます。

両者の大きな違いは、見た目の印象です。緩やかなカーブで和の趣が感じられる和瓦に対して、洋瓦は凸凹が大きく、より丸みを帯びています。

和瓦は、銀色やいぶし色などの比較的落ち着いた色が多く、重厚感が感じられる雰囲気です。一方、洋瓦は、カラーバリエーションが豊富で明るい色も多く、個性的な印象になります。

洋瓦は主に海外で使われていたデザインですが、現在では海外から輸入されたものだけでなく、日本でもさまざまな洋瓦が生産されています。

洋瓦の素材による種類

洋瓦を素材で分類すると、主に粘土瓦、セメント瓦、金属瓦に分けられます。

  • 粘土瓦:自然素材の粘土を高温で焼き上げて作ったもの
  • セメント瓦:セメント、水、砂で作ったもの
  • 金属瓦:金属でできたもの

洋瓦のなかでも最もよくみられるのが粘土瓦です。

セメント瓦と洋瓦の見た目はよく似ていますが、粘土瓦はより耐久性が高く、寿命は50年程度と言われています。水や熱、防音性、通気性などに優れた、丈夫な屋根材です。

対して、セメント瓦は表面に塗装が施されており、定期的にメンテナンスを行う必要があります。重くて地震に弱いため、現在ではほとんど生産されていません。なお、セメント瓦には、モニエル瓦と呼ばれるコンクリートを主成分とした瓦も含まれます。

金属でできた金属瓦は、軽量で地震に強く、粘土瓦の見た目をリアルに再現しているものもあります。機能性と見た目の美しさを両立できることから、近年人気を集めている屋根材の1つです。

洋瓦の形状による種類

洋瓦を形状で分けると、主に平板瓦、スパニッシュ瓦、混ぜ葺き仕様のものがあります。

  • 平板瓦:フラットな形状のもの
  • スパニッシュ瓦:凹凸の大きい丸みを帯びた形状のもの
  • 混ぜ葺き仕様:複数の色を焼き付け、自然な色ムラを表現したもの

平板瓦は、凹凸が少ないフラットな形状の瓦です。「Flat」の頭文字をとって「F型」とも呼ばれます。シャープで軽やかな雰囲気の屋根にしたい方に適した瓦です。

フラットな形状なので、洋風だけでなく和風の住宅にも使われます。また、比較的施行が簡単で、太陽光パネルも設置しやすいのも特徴です。

スパニッシュ瓦は、凸凹が大きく丸みを帯びた形状の瓦です。「Spanish」(スペイン)の頭文字をとって「S型」とも呼ばれます。混同しやすいですが、スパニッシュ瓦は「スペイン風」の瓦であり、スペインで生産されたものは「スペイン瓦」と言います。

スパニッシュ瓦の魅力は、地中海リゾートのようなおしゃれな雰囲気です。個性を出したい方やかわいらしい屋根にしたい方に向いています。

一方、混ぜ葺き仕様は、あえて複数の色を焼き付けて自然な色ムラを出したものです。瓦は、経年により色ムラができていきますが、これをあえてデザイン化したものを指します。より個性的な屋根や味のある屋根を求める方に適した瓦です。

洋瓦のメリット

瓦は日本で古くから使われてきた代表的な屋根材であり、多くのメリットがあります。洋瓦の主なメリットは、以下のとおりです。

  • 寿命が長い
  • 色の選択肢が多い
  • 通気性が良い
  • 防水性が高い

寿命が長い

瓦は、ほかの屋根材と比べても耐久性が高く、長持ちします。なかでも、自然素材の粘土でできた粘土瓦は、寿命が50年程度と長く、基本的に塗装によるメンテナンスも不要です。

表面に塗装を施していないため、塗装が落ちてしまう心配がありません。紫外線による劣化や腐食、色落ちがなく、美しい外観を長い期間保つことができます。そのため、維持コストが安くなりやすく経済的です。

色の選択肢が多い

オレンジやピンク、グリーンなど、色のバリエーションが多いのも洋瓦のメリットです。

重厚感のある雰囲気が特徴の和瓦は、銀色やいぶし色、黒色など、洋瓦と比べると暗い色が多くなっています。洋瓦はより自由度が高く、個性を出したい方や明るい雰囲気や柔らかい印象にしたい方に適した瓦だと言えるでしょう。

通気性が良い

洋瓦は山と谷のある形状で、空気が流れやすいという特徴があります。瓦と屋根板の間に空間が生まれるため、湿気がたまりにくく、瓦の下の屋根板が劣化しにくいのがメリットです。

また、空気が流れやすいと、熱が屋根裏に伝わりにくくなります。空気層が熱や湿度をうまく調節してくれるので、暑い夏の季節も快適に過ごしやすいでしょう。

防水性が高い

屋根材の防水性は、私たちが快適に暮らすうえでとくに重要です。陶器質の瓦は吸水しにくく、そのうえ雨水を落としやすい形状に作られているため、高い防水性を発揮してくれます。

また、表面にガラス質や炭素の膜がコーティングされており、水をはじいてくれます。さらに、劣化しにくい瓦は、優れた耐水性が長く続くのも特徴です。

台風や大雨が多い日本に適した屋根材だと言えるでしょう。

洋瓦のデメリット

洋瓦の屋根を検討するなら、以下の注意点も知っておきましょう。洋瓦の主なデメリットは、以下のとおりです。

  • 施工費用が高い傾向にある
  • 重量がある

施工費用が高い傾向にある

洋瓦は、薄いセメント板でできたスレート屋根など、ほかの屋根材と比べて施工費用が高い傾向にあります。洋瓦のなかでもスパニッシュ瓦(S型)は施行が難しく、費用が高くつきやすいため、注意が必要です。

ただし、粘土瓦は色落ちによる塗装が不要なため、長い目でみると経済的です。ほかの屋根材では、再塗装が必要となり、足場代もかかります。初期費用は安くつきやすいものの、維持にかかるコストも考慮すると必ずしも安いとは言えません。

初期費用だけでなく、維持コストも踏まえて検討しましょう。

重量がある

スレート屋根や金属屋根と比べて、屋根の重量が大きくなってしまうのも瓦屋根の弱点です。

日本は地震大国として知られています。屋根の重量だけで決まるわけではありませんが、屋根を軽くするほど一般的に耐震性能は高くなります。屋根が軽いほど、建物に作用する地震の力が減り、壊れにくくなるためです。

そのため、近年では、軽くて自然災害のリスクが少ない金属瓦も人気を集めています。

洋瓦の葺き替え費用

洋瓦の葺き替え費用の相場は、8,000~20,000円/㎡程度です。

仮に、10,000円/㎡、施工面積が100㎡だとすると、費用は100万円かかることになります。

洋瓦の形状によっても異なり、一般的に、平板瓦(F型)は施工が簡単なため費用が安く、スパニッシュ瓦(S型)は施行が難しいため、高くなりやすい傾向にあります。

ただし、先に述べたとおり、塗装のメンテナンスが不要なため、維持コストは安くなりやすいです。スレート屋根や金属屋根の場合は、5~15年ごとに塗装が必要なため、そのたびにまとまった費用がかかります。

なお、洋瓦のメンテナンスには、葺き直しや瓦の交換、漆喰の補修などがあり費用はさまざまです。

  • 葺き替え:古い屋根材をすべて撤去し、新しい屋根材に張り替える
  • 葺き直し:瓦の下に敷いている防水シートを交換し、元々の瓦を葺き直す
  • 瓦の部分的な交換:一部の瓦をめくって張り直す、新しい瓦に交換する
  • 漆喰の補修:ずれや落下を防ぐ

元々の瓦を葺き直す「葺き直し」の場合は、葺き替えと比べて費用が安くなります。

瓦はほかの屋根材と比べて長持ちするのが特徴ですが、どんな屋根材でも定期的なメンテナンスは必要です。瓦屋根でも、10~20年に一度は補修などのメンテナンスを行いましょう。

おしゃれな洋瓦でひと味違った屋根に

洋瓦とは洋風の屋根瓦のことで、色のバリエーションが多く、明るくおしゃれな雰囲気になります。

初期費用が高くなりやすい点には注意が必要ですが、ほかの屋根材と比べて寿命が長く、メンテナンスに手間や費用がかからないため、長い目でみると経済的です。

ひと味違った屋根にしたい方、明るい印象にしたい方は洋瓦を検討してみてはいかがでしょうか。

この記事のポイント

洋瓦と和瓦の違いは?

和瓦は、緩やかなカーブを描いた形状で、和の趣が感じられる雰囲気が特徴です。銀色やいぶし色などの色が多く、重厚感があります。

一方で、洋瓦は和瓦よりも曲線が大きく丸みを帯びており、かわいらしい雰囲気に仕上がる屋根材です。また、和瓦と比べて明るい色の瓦も多く、個性のある屋根にしたい方にも適しています。

詳しくは、「洋瓦とは」をご覧ください。

洋瓦にデメリットはある?

洋瓦は、施工費用が高くつきやすい点に注意が必要です。なかでも、凹凸の大きい形状が特徴のスパニッシュ瓦(S型)は、施行が難しく、費用が高くなりやすい傾向にあります。

また、粘土やセメントでできた瓦は、ほかの屋根材と比べて重量があるため、自然災害に対しては不利だと言えます。屋根が軽量なほど、耐震性能は高くなるのが一般的です。

詳しくは、「洋瓦のデメリット」をご覧ください。

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