マイホームを購入した人に、物件えらびや街えらびについてインタビューする企画。今回お話を聞いたのは、さいたま新都心エリアの駅近マンションを購入したご家族。結婚当初、ご夫婦は東京都内で新婚生活を送っていましたが、一年ほどで子どもを授かり、引っ越すことに。はじめての子育てということもあり、両親のサポートを受けやすい奥さまの実家近くにて家探しをはじめます。これから先、家族のライフステージによって最適な家の形は変わるからこそ、「家を買う」を柔軟に考えるお二人。そんな夫婦の選択とは?話を聞きました。
プロフィール |
家族構成:夫・妻・子ども二人の四人家族 居住エリア:さいたま新都心 居住歴:5年 |
選んだのは、子どもの成長も街の成長も楽しみな「さいたま新都心」
結婚後子どもがいない段階では「いろんな街に住んでみたい」という思いで東京都内に住んでいたご夫婦。結婚して一年ほどで子どもを授かりました。共働きでの子育てということもあり、両親のサポートが受けやすい奥さまの実家のある埼玉へと引越し。
旦那さま:「現在も子どもが大きくなってからも、家族にとって暮らしやすいのはどういう場所か?と長い目で見てエリアを絞りました」
奥さま:「いろいろと検討した結果、実家が近く利便性がよい浦和〜大宮エリアで家探しをスタートしました。育休中で時間があったので、駅に置いてある住宅情報誌を見たり、販売店に問い合わせをしたり、ネットリサーチをしたり。一年近くかけて探しました」
旦那さま:「新築マンション、中古マンション、新築戸建て、中古戸建て……と、いろいろなタイプの物件を見ましたね」
二人の優先条件は、「日当たりのよさ」「3LDK以上」「収納を広くとれる部屋」「地盤のよさ」。そして面白いのは、戸建ての場合とマンションの場合では、探す条件を少し変えていたそうです。
旦那さま:「マンションなら、駅近はマスト条件でした。逆に戸建てなら、ある程度の広さを希望。部屋数もあり、ギュッと狭くないところを条件として挙げました。また、戸建ての場合はおそらく長く住むことになると思い、階段の上り下りがキツくなることを想定して三階建てではなく、二階建ての物件がいいね、と話していました」
奥さま:「物件を調べるうちに、子どもと一緒に遊べる大きな公園や便利なショッピングモールが近くにありながら、繁華街ではないエリアが子育てに向いていそうだな、と実感。そこで決めたのが『さいたま新都心』でした。転入数が多く人口も増加傾向にあり、 さらなる発展も見込めるのもポイントでした。これからより便利になることが予測でき、資産価値も上がるだろうという将来的観点も、決断の後押しになりました」
駅を絞った上で、物件タイプの選択肢を多くもったからこそ、条件が合わなかったり二人で意見が合わなければ、次の物件へ、とさくさく探せたのもよかったとか。そうして二人が決めたのは、駅近の中古のマンションでした。
決め手は周辺環境のよさ。中規模世帯であることも家族の暮らしにフィット
購入を決めた中古マンションは、「バランスのとれた物件」。
旦那さま:「駅からの距離、部屋の広さ、日あたり、間取り。いろいろなバランスが取れていることが決め手でした。マンションに関しては、築浅かどうかを除けば、中はほぼ同じような仕様で、間取り自体にあまり差異がない気がします。そういった意味で、家の中より家の外、周りの環境を重視しました。近所に『さいたま新都心公園』という大きな公園やショッピングモールがあるのがよかったです」
また、珍しい観点として「家の前の道」を気にしたという旦那さま。
旦那さま:「子どもと一緒によくボール遊びをするので、今住んでいるマンション前の道の車通りは気にしていました。子どもって急に飛び出したりするので。そこは、住む前に実際に足を運んでチェックしましたね」
奥さま:「最終的には『このマンションいいな!』という直感で決めたところもあるのですが、中古でも使用感が気にならなかったのは大きかったです。あとは、角部屋であること。戸建てのようなプライベート感もありつつ、マンションならではの日あたりのよさや駅からの距離も申し分ない。よい部分の贅沢盛りだと思い、決めました」
住んでみて5年。「こんないいところがあった!」「こうすればよかった…」といった点について、改めて感じたことなどはあったのでしょうか。
奥さま:「全部で50世帯ほどの中規模マンションなので、動線がコンパクトにまとまっていて生活しやすいのは、住んでみて実感しています。エレベーターもそんなに待たないですし、子どもの送迎に毎日のように自転車を使うので、自転車置き場へのアクセスがいいのも便利。角部屋なのでプライベートポーチに子どもの自転車を置いておけるのもありがたいです」
旦那さま:「来客用の駐車スペースがあるかも大事なポイントです。とくにうちは、育児サポートで妻の両親が頻繁に手伝いに来てくれるので。大規模マンションではなかなか予約が取れないこともあると聞きますが、そういったこともなく、前日でも予約を取りやすいです。見落としがちですが、こういうのって意外に重要だなと、日々実感しています」
マンションだけでなく戸建ての内見もした上で、感じることはあるのでしょうか。伺いました。
奥さま:「マンションのつくりはたいてい、北側の部屋がアウトフレームになっていなくて壁芯みたいなものがあるのですが、それが思った以上に使いづらくてデットスペースになってしまう……。戸建てはそういうのがあまりないのかな、とか」
旦那さま:「探しているときに、戸建ては近所付き合いが大変な場合も多いのかなと感じることがありました。マンションならそういったことは少なそうですし、もし万が一トラブルなどがあっても、売りやすいため住み替えやすさがあるのかなと」
「マンション」と一言でいっても、世帯数で住環境は大きく左右されます。そこもチェックポイントなのだと、改めて気付かされました。ご夫婦は「戸建て」か「マンション」かを最初から決めず柔軟に家探しをしましたが、その真髄とは?お伺いしました。
「売りやすさ」を重視した駅近のマンション購入で、未来への安心を「買う」
子どもの年齢によって家族のライフステージが変わっていく。それにより、住まいの最適な状態も変わっていく。と語る旦那さま。戸建ての場合はきっと長く住む、マンションの場合は長く住まない可能性もある、といったところで、マンションの方が気軽に考えられた部分もあったそうです。
奥さま:「コロナのことも含め、これから先、何が起こるか本当にわかりません。いざという時には家を手放す可能性もあるということを考えると、『売りやすさ』が大切だと思います。毎日の生活に必要不可欠なスーパー、学校、保育園……と、子育てファミリーにとって住みやすい周辺環境であるかは、物件の価値につながると思います」
旦那さま:「購入の際に『売りやすさ』の観点で、5年後でも売れる物件かを考えました。今のエリアは物件の価格も上がっているのでそれが可能だと思い、購入を決定。一方で、『ずっと住める家か』も考えました。子どもの学校のことを考えると簡単に住み替えもできないので、そういったことも踏まえて買う場所を選んだ方がいいかなとも思います。」
それでも、いずれ子どもたちが自分の部屋が欲しくなる年齢になったら、今の家を貸してもっと部屋数の多い物件に引っ越しを検討するのも視野に入れているのだそう。
奥さま:「そして、その先、ゆくゆくは子どもたちが家を出ることも考えると、今のマンションにまた戻る選択肢もあります。また、コロナ前は想定できていなかったですが、今はリモートワークが主流にもなっています。そのために一室を仕事部屋に使っていたりする現状もあるので、より不測の事態も考えて柔軟に動ける『駅近のマンション購入』という選択は、よかったなと思います」
「マイホームを持ったとしても、引っ越すという選択肢もある。もちろん、長く住み続けるという選択肢もある。そういったことも含め柔軟な視点で家探しをした結果、これから先の、来たるライフステージの変化に柔軟に対応できる家えらびができた」、と語るご夫婦。変わっていくことを見据えた上での家探しというのも、今の時代に即しているのかもしれません。
※このインタビューは2022年12月に行いました。