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【前編】元テニスプレイヤー・杉山愛さん&走さん夫婦が語る、家族の時間を楽しむ家

元プロテニスプレイヤー、コメンテーター、BJK杯日本代表監督など多方面で活躍する杉山愛さんと、夫・マネージャーとして公私ともに愛さんを支える杉山走さん。そんな杉山さんご夫婦は、2021年より2人のお子さんとともに、湘南エリアでの戸建て暮らしをスタートしました。前編では、生粋の住まいマニアとしても知られるおふたりが作り上げた「理想の住まい」について伺います。

杉山愛さんプロフィール
元プロテニスプレイヤー、コメンテーター、パーム・インターナショナル・スポーツ・クラブ代表、BJK杯日本代表監督。私生活では2011年に走さんと結婚。2015年に第一子、2021年に第二子を出産。夫の走さんはマネージャーとして活躍するほか、自身もTV番組に出演するなど、公私ともに愛さんのパートナーを務める。
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杉山走さんInstagram

子育ては、愛さんの育った街・湘南で

杉山さんご家族が暮らす湘南エリアは、愛さんが幼少期を過ごした街。

以前から「湘南エリアで子育てがしたい」と考えていた愛さん。夫の走さんと話し合いの上、息子さんが年長に上がるタイミングでのお引っ越しを決めていたそうです。

「それまでは都内のマンション暮らしなども経験してきました。都心には都心の便利さがありますが、子育てをするなら、海や自然、公園も多く、スポーツをするのに適した環境がある湘南エリアがいいなと思ったんです」(愛さん)

そんな愛さんの理想を聞いて、走さんは「僕は、ケニアで生まれてアメリカで育ったということもあり、日本の中で“ここに住みたい”という理想が特になかったんです。愛と出会ってから何度も引っ越しをしてきたけれど、愛さえいればどこにいても楽しかったので」とニッコリ。

「なんでみんなの前で惚気てるの(笑)」と照れながらもうれしそうな愛さん。ふたりの仲睦まじさが会話の中からも伺えます。

2年かけた「住まいづくり」は妥協なし

そんなおふたりが約2年もの時間をかけて作り上げたという「理想の住まい」には、こだわりがたっぷり。住まいづくりは、念入りな土地選びからスタートしました。

「私たち夫婦は、どこかのオフィスに勤めているわけではないので、子どもの生活を第一優先に。学校への通いやすさなどを特に重視しました」と愛さん。閑静な住宅街で、安心して暮らせるということも条件のひとつだったそうです。

「昼と夜ではまた雰囲気が違うので、色々な時間に訪れてみたり、交通量を見ながら、車でどう入っていくのかをシミュレーションしたり。さまざまな目線で見ていくことが大事ですね」と走さん。

杉山さんご夫婦の「住まいづくり」は隅から隅まで妥協なし。住まいの話となると、おふたりとも目が輝き出します。

「僕たち、家の話をするのは大好きなので」(走さん)

その“マニアっぷり”には、これまでの引っ越し経験が影響しているそうで。

「愛は出会った頃から、よく引っ越しをしていたんです。その時々のライフスタイルに合わせた間取りと空間を探すのが習慣だったようで。それから一緒に住むようになり、何度も引っ越しを繰り返すうちに、間取りの見方や、住まい選びについても詳しくなってきました。その経験が、今回の住まいづくりに役立っていますね」と走さん。

色々な土地へ何度も足を運んだ結果、やっと運命の出会いが。それが現在のご自宅の場所でした。

「他の土地を見にいく途中にたまたま通りがかった場所だったのですが、ふたりで『ここいいね』ってなって、問い合わせをして。かなり即決でしたね」(愛さん)

ストイックな打ち合わせで愛さんの体調が……

土地が決まったあとは、間取りや内観の相談へ。ここでも、もちろん妥協はなし。走さんを中心に、ビルダーや建築家との話し合いが始まります。

「せっかく時間があるのだから、理想の住まいを作るためにみっちり考えようということになったんです。何度も何度も打ち合わせを重ねるのですが、その話し合いが毎回楽しくって!」と興奮気味の走さん。

しかし「でもなぜか打ち合わせのあと、毎回愛が体調を崩すんですよ……」

一体、愛さんの身体に何が起きていたのでしょうか。

「頭痛がしたり、胃がキリキリ痛んだり、最初は全然理由が分からなくて。その打ち合わせ場所の空気が合わないのかな?と考えていたんですが、リモートの打ち合わせでも、同じように体調を崩してしまって」と愛さん。

「後々わかったのですが、僕が建築家の先生相手に、色々無理な要望や質問をぶつけすぎて、それを隣で聞いているのが心苦しすぎて、体調に影響していたようなんです」(走さん)

「自分では気づいていなかったけれど、相当プレッシャーだったみたいで(笑)。なので、途中からは打ち合わせに参加するのをやめるなど調整するようにしました。でも妥協せずに色々提案してくれたことで、色々な理想が叶ったので、走にはすごく感謝していますね」(愛さん)

気になることは全てぶつけていくタイプの走さん。愛さんの体調には影響してしまいましたが、その追求心こそが理想の住まいづくりに役立ったと話します。

「一見難しそうなことでも、構造上の問題さえクリアすれば解決できることも結構あって。たとえば、リビングには元々大きな柱があったのですが、走が『この柱ってなくすことできないんですか?』と聞いてくれて、そのほかの場所を調節すればなくすことができるということがわかったんです。

私だったら、なくすことができるなら最初からないだろうって思ってしまうところを、走は気になったことを全部確認してくれて。結果的に柱を無くしたことで開放感がアップしたので、本当によかったですね」(愛さん)

スムーズな住まいづくりは「役割分担」がカギ

公私ともにパートナーとして過ごし、いつでも円満な雰囲気を纏う杉山さんご夫婦。それぞれの“役割分担”を決めておくことが、スムーズな住まいづくりのコツだと話します。

愛さんはインテリアなども含め全体の空気感を大切にする「空間」担当、走さんは効率よく暮らすための配線や間取りを考える「導線」担当。それぞれがこだわりたい場所を明確にし、追求していくことで、より良い住まいづくりができるのだそう。

「出会った頃に愛が住んでいたマンションは、愛ひとりでリノベーションした部屋だったのですが、その家の空気感がすごく心地よかったんです。だからこそ、空間については愛に任せておけば大丈夫という信頼感がありますね」と走さん。

「走は、間取りの打ち合わせの段階から、家の中を歩くシミュレーションを繰り返して、配線や導線を考えてくれます。ここにスイッチあったら良いよねとか。その結果すごく効率的に動きやすい間取りと配線になっています」(愛さん)

お互いを信頼し合うからこその役割分担が、理想の住まいを叶える秘訣なのかもしれません。

プロ時代から大切にする「エネルギーチャージ」できる空間

コメンテーターやテニススクールの運営、監督業など、日々多忙な生活を送る愛さんにとって自宅は、エネルギーをチャージできる場所。

「自宅にいるときは、家族とのクオリティタイムなので、ぐだーっとして過ごしていますね」と愛さん。オンとオフをしっかり分けて休息を取るのは、テニスをやっていた頃からの習慣でもあると話します。

そんな愛さん、ベッドやソファ選びには強いこだわりが。

「睡眠や休息は、すごく大事にしています。特に、ベッドは人生の3分の1くらいを過ごす場所なので、マットレスはお金をかけて良いものを選ぶのがこだわり。その分、フレームとかはあまりお金をかけないんです。お金をかける場所とかけない場所はしっかり分けるようにしていますね」(愛さん)

「愛は、家にいるときはいい感じに息抜きしていて、ゆったり過ごせるアイテムを選ぶのも上手いんですよ。人それぞれ落ち着く空間って違うと思うのですが、それが愛と僕は似ているなと思っていて。一緒に過ごしているとすごく落ち着くんです」(走さん)

「自宅に心地よい空間を作ること」。
愛さんがプロテニスプレイヤー時代から続ける、住まいづくりへの強いこだわりが垣間見えました。

――杉山愛さん&走さんインタビュー後編はこちら、理想の住まいでの暮らしと家庭円満の秘訣について伺っています。

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