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女優・紫吹淳は“家”で作られる。活力と癒しを与え、自分をリセットできる暮らし

紫吹淳さんプロフィール
宝塚歌劇団出身。「レビュー交響楽」で初舞台。2000年ドイツ・ベルリン公演にて主演を務め翌年2001年月組トップスターに就任。2004年「薔薇の封印」を最後に退団、女優デビュー。確かな実力と華やかな存在感で舞台・テレビ等、幅広く活躍。主な舞台作品には、「ガイズ&ドールズ」「モダンミリー」「グッバイガール」など主演「ボーイ・フロム・オズ」「細雪」「DREAM BOYS」「クラスアクト」など多数出演。2024年11月15.16.17日Cotton Club東京にてLIVEが予定されている。
<SNS情報>
Instagram:jun_shibuki_official

憧れのライフスタイルを送る話題の人に、暮らしと住まいのこだわりをお聞きする本企画。今回登場いただくのは、元宝塚歌劇団月組トップスターで、現在も女優として第一線で活躍する紫吹淳さんです。バラエティ番組で自宅を公開した際には、その優雅で美しい暮らしぶりが話題に。大好きなお花へのこだわりや、お気に入りのインテリア、そして心豊かな暮らしをおくるための秘訣などについてうかがいました。

自然豊かな土地で、お花を愛でる暮らし

都会の喧騒を忘れさせてくれる家で、穏やかな暮らしをおくる紫吹さん。

群馬県邑楽郡大泉町で生まれ、17歳から宝塚歌劇団に入団し、退団までの18年間を兵庫県宝塚市で過ごした紫吹淳さん。幼い頃よりずっと、自然があふれる閑静な土地に身を置いていたため、東京で物件を探す際も“緑豊かで静かなところ”を求めていたといいます。

「一人暮らしなのでそんなに大きい家はいらないけれど、お家の周りの静けさは重視していました。いまのお家は緑が多く、すずめや、虫の鳴き声が聞こえるようなところで。大きな窓があるから日当たりもいいですし、お家の中に入ったら心と体が再生するような癒しの空間です。このお家に出会えてよかったと思っています。お家だけは本当にタイミングとご縁なので、もしかしたら旦那さんを探すより大変かもしれないですね(笑)」

自然に囲まれたお家で暮らす紫吹さんですが、お部屋の中にも必ず生花を置くようにしているそうで。

「宝塚時代はお花をいただくことが多く、贅沢なことですが、昔から生活の中にお花があるのが当たり前でした。退団後も度々お花をいただくことはありましたが、その機会は宝塚の頃に比べると減ってしまって。やっぱりお花がある生活がしたいと思い、いまは週に一回、お花屋さんにお花を届けてもらっています。

結婚式場に飾られているような、淡い色のお花がお気に入り。

夏だとドウダンツツジが届いたり、そろそろ秋に近付いているからか、先日はススキが入っていました。お正月シーズンには南天の実が来たり、届くお花によって四季を感じられるのもいいですね」

お花への愛が高じて、独学で華道を勉強されたという紫吹さん。その腕前は、フラワーアーティストの假屋崎省吾さんから認められたほど。

紫吹さんの秀でた美的センスに、フラワーアーティストの假屋崎さんも驚き。

「バラエティ番組で、生け花の能力を競う企画があったのですが、審査員の假屋崎さんから優勝のさらに上の賞をいただきまして。生け方にこだわりはなく、あくまでも自己流ですが、お花と長いことお付き合いしているので、それだけ目が養われたのかもしれませんね。お花はそこにあるだけで優雅な気持ちになれるし、香りで癒しも与えてくれる。私の心にゆとりを生み出してくれる存在です」

男役時代はヒールを履けず……

ご自宅のお気に入りポイントは、大きなシューズボックス。アンティーク調の全身鏡を開けると、中にはずらりと私物の靴が並んでいます。数あるファッションアイテムの中でも、特に靴への思い入れは強いそうで。

煌びやかなパンプスやミュールが所狭しと並ぶ。これらは紫吹さんが所有するコレクションの、ほんの一部。

「宝塚時代は男役だったので、ヒールが履けませんでした。禁止されていたわけではないのですが、ファンの方々の夢を壊しちゃいけないので。服装もずっとメンズライクなものを着ており、その反動で女性らしいパンプスやミュールなどをたくさん購入していました。でも、買うだけで満足してしまい、一回しか履いていないものも多いですね。いまの世の中はスニーカーブームだから、なかなかルブタンの11cmヒールなどは履く機会がなく……ちょっともったいないとも思っています」

一方で、ジュエリーにもこだわりがある紫吹さん。2019年には「第30回日本ジュエリーベストドレッサー賞」を受賞し、同世代の女性を中心に大きな注目を集めました。

ジュエリーベストドレッサー賞の授賞式では、タイトな黒のドレス姿が「美しすぎる」と話題に。

「特にお気に入りのジュエリーは、宝塚時代に購入した珊瑚のネックレスです。チェーンと珊瑚が一体化しているデザインがほしかったので、オーダーして作ってもらった特注品です。20代から所有しているけれど、そんなにお手入れをしなくてもずっと綺麗なまま使えていますね。ブランドものはたいがい人と被ってしまうけれど、これはオンリーワンなので。大切に身につけています」

また、ジュエリーにまつわる、ご家族とのエピソードも語ってくれました。

「宝塚の初舞台のとき、父からブレスレットをもらいまして。当時流行していた、太めの喜平チェーンに『Jun Shibuki』と刻印されているものでした。紫吹淳としての初めてのステージだったので、思い出の品ですね」

お父様からいただいたものは、ほかにも。

骨董品がお好きなお父様と、薔薇がお好きなお母様。お二人のご趣味は、紫吹さんのライフスタイルにも影響を与えているようです。

「骨董品好きの父から白とブルーの壺を譲り受けたので、今もお部屋に飾っています。私の部屋は全体的に洋風ですが、洋の中に和があるのが好きなので気に入っています。ただ、この壺、昔テレビ東京の『なんでも鑑定団』に出してみたら、なんと偽物だったんです(笑)。それでもデザインが本当に素敵なので、私は気にしていません(笑)」

コロナでお家の大切さを再認識

もともとはあまり家事が得意ではなかったという紫吹さんですが、コロナの蔓延により、生活スタイルはガラッと変わりました。

コロナ禍で誰とも会わない期間でも、アンクレットを身に着けるなどして自分の意識を高めていたという。

「コロナ禍になるまでは、絶対にお料理はしないと言い切っていたのですが、外出ができなくなり、自炊するしかなくなって。今ではピザだって自分で作れるようになりました。最近は、どうせ食べるなら体にいいものをと思い、黒米と、美白によいハトムギを混ぜて炊いたご飯を食べています。今までいろいろな美容を試してきましたが、一周回って、美しさは中から作られるということに気が付きました。心安らげるお家で、無添加のお食事。衣食住にこだわることこそが、美容と健康の秘訣だと感じています」

世界中のどこよりも、自分のお家が一番好き。外出自粛期間を経て、その思いはより一層強まったそうです。

「家にいる時間が長くなり、家の大切さを改めて感じました。ついこの前も舞台の公演で全国各地を巡っていたのですが、どんなに素敵なホテルでも、宿泊先だとなかなか熟睡できなくて。やっぱり家が落ち着きます。自分のお家の中に、どれだけ心安らげる空間を作れるかが大切ですね」

バタバタするのは苦手で、家でゆっくり過ごすのが好きだそう。

そんな紫吹さんに、心豊かな暮らしをおくるための秘訣を聞いてみると。

「やっぱりお花ですかね。お部屋に一輪でもあると、優雅な気持ちになれますから。あとはクラシックですね。お掃除をするときに、自分の好きなクラシックを流していると、まるで貴族のお家に仕えるメイドさんになったような気分でお掃除ができるんです。クラシックには、自分を別の世界に連れて行ってくれる力があると感じています」

座右の銘は「自分次第」思いや行動ですべてが変わる

少しの工夫で、苦手だった家事を楽しめるように。いつも前向きで明るい紫吹さんの座右の銘は「自分次第」だといいます。

宝塚時代は、笑顔が素敵で常にポジティブな人に憧れを抱いていたという。「その人にも嫌なことはあったと思うけれど、人に与える印象はすごく明るい。私も、そういうふうに生きたいんです」

「これは宝塚時代に学んだことなのですが、やっぱり、やりたくない役を与えられるときもあるんです。でも、稽古や公演期間中ずっと、嫌々その役をやるのは嫌じゃないですか。だから、どうしたらその役を楽しく演じられるのかを考えるようにしていました。自分の思いや行動ひとつで、嫌な一日が楽しい一日に変わる。すべては、自分次第でどうにでもなると思っています」

芝居、歌、ダンス、そしてそのポジティブなマインドで、多くの人に幸せを与えてきた紫吹さん。彼女にとって家とは、そんな“紫吹淳”を作るための場所だと語ります。

「普段はリビングで台詞の練習をしますし、バーテンダー役を演じたときは、お家に即席のバーカウンターを作りました。お家は仕事を兼ねる場所であり、また、仕事を頑張るために自分をリセットする場所でもあります。自分の好きなものに囲まれて、ゆったりお食事ができて、深い睡眠がとれる。お家は、私にとって最高の空間です」

最後に、紫吹さんの「理想の暮らし」についてお話をうかがいました。

家では一人でゆったり過ごすのが好きで、あまり人は呼ばないそう。「私、どちらかというと秘密主義なんです」と微笑む。

「歳を重ねるにつれ、地方に移住する人が増えますよね。でも私は、今のお家のように、都会にありながらも静かで自然が感じられる場所が好きなんです。都会ならではの、ビルと緑のコントラストも素敵だなと感じます。仕事から帰ってくるとホッとできて、癒やしと活力を与えてくれる。いまの暮らしが、私にとっては とても“理想の暮らし”に近いのかもしれません」

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