野口啓代さんプロフィール |
1989年生まれ、茨城県龍ケ崎市出身。小学校5年生でフリークライミングを始めて、わずか1年で全日本ユースを制覇。その後、数々の大会で輝かしい成績を残し、ワールドカップ優勝通算21回という快挙を成し遂げる。競技人生最後の大会となる東京2020オリンピックでは銅メダルを獲得。引退後は、自身の活動基盤となるAkiyo’s Companyを設立し、プロフリークライマーとして幅広い分野で活躍中。夫はスポーツクライマーの楢崎智亜選手、1児の母。 |
憧れのライフスタイルを送る話題の人に、暮らしと住まいのこだわりをお聞きする本企画。今回登場いただくのは、“日本女子クライミング界のパイオニア”として多くの記録を持ち、現在はプロフリークライマーとして活躍する野口啓代(のぐちあきよ)さんです。現役のスポーツクライマーである夫・楢崎智亜選手、1歳の娘さんとともに暮らすご自宅のこだわりや、アスリート同士のご夫婦ならではの貴重なエピソードをお話いただきました。
記事サマリー
オリンピック前にスタートした「家づくり」
ワールドカップ優勝は通算21回、東京2020オリンピックでは銅メダルを獲得。そんな華々しい経歴を持ち、現役引退後はプロフリークライマーとして、幅広い分野で活躍する野口啓代さん。

プライベートでは、現役のスポーツクライマーである楢崎智亜選手と2021年に結婚。現在はご夫婦と1歳のお子さんで、野口さんの地元・茨城県龍ケ崎市に暮らしています。
野口さんが、地元・龍ケ崎市に家を建てることを決めたのは、東京2020オリンピックよりも前のこと。現役引退後に結婚が決まっていたことから、引退より前に家の設計を開始しました。
家を建てる場所は「龍ケ崎市一択だった」と話す野口さん。アスリート同士のご夫婦として、野口さんの実家に併設する練習施設から近い立地であることが大きな決め手となったそうです。

練習施設は、なんと野口さんのお父様が作ったもの。
「中学校1年生だった当初はボルダリング壁がある6〜8畳ほどの空間だったのですが、私の成長とともに壁もスペースもどんどん大きくなっていって。東京オリンピックの頃には、リード壁とスピード壁も備えた3種目の練習ができる施設になっていました」
今では、都内や海外からトレーニングをしに訪れる選手やクライマーもいるほど本格的な練習施設に。野口さん自身も、ほとんどのトレーニングをこの施設で行っているそうです。
ご自宅から練習施設までは、わずか500m。外部のジムと違い一般客がいないので、短時間でも気軽にトレーニングしに行けるのが、大きなメリットだといいます。
家探しは「クライミング」基準
野口さんは、生まれも育ちも茨城県龍ケ崎市。地元・龍ケ崎市とクライミング業界を盛り上げる取り組みとして「スポーツクライミングのまち龍ケ崎」の事業に携わるほか、龍ケ崎ふるさと大使としても活動しています。
また、最近では龍ケ崎市との共催で、小・中学生を対象としたユースクライミング大会「AKIYO’s DREAM with RYUGASAKI」を開催。地域に根付いたクライミングの普及活動でも注目を集めています。

8歳までは、龍ケ崎市の実家に住んでいたという野口さん。実家を出てから現在のご自宅に住むまでの間には、関東圏のマンションを中心に5、6回ほど、お引っ越しを経験しています。
これまでのお家探しも、クライマーである野口さんならではの基準が。
「クライミングジムが近くにあること、もしくは岩場に近いエリアであることが決め手でした。初めて一人暮らしをした場所も、当時クライミングジムが多くあった千葉県でしたね」
茨城と他県の2拠点生活をしていたこともあるようで、現在のご自宅を建てることを決意したのも、ちょうどその頃だったそうです。
“家は生活するところ”が夫婦の共通認識
プロフリークライマーとして活躍する野口さんと、現役のオリンピック選手である夫の楢崎智亜選手。夫婦揃ってアスリートということで、思わずトレーニング器具などが揃ったご自宅を想像してしまいますが、実際はどうなのでしょうか。
「実は、トレーニング器具やクライミングに関するものは、全く家に置いていないんです。なので、知らずに遊びに来たらアスリートの家だとは気づかないかもしれないですね(笑)」と野口さん。
以前は、マンションの一部屋をトレーニング・ケアルームとして使っていたこともあるそうですが、今はすぐ近くに練習施設があるので、トレーニングからトレーニング後のケアまで、全てを済ませてから自宅へ帰るようにしているとのこと。
とはいえ、おふたりの中でそういったルールを定めているわけではないそうで。
「家の中でもクライミングやトレーニングの話はよくしますし、クライミングを家に持ち込まないというルールも特にありません。でも、ふたりとも“家は生活するところ”という認識なので、家に帰ると自動的にオンオフが切り替わるんだと思います」

日々、仕事や育児で多忙を極める野口さんのリフレッシュ方法についても伺ってみました。
「現役の頃はトレーニングをするのがメインだったので、オフの日にゆっくり過ごすことがリフレッシュになっていたのですが、今はお仕事や家事・育児で忙しい分、トレーニングをしている時間がリフレッシュやストレス発散になっています。トレーニングに行けない時間が続くと、体が凝り固まってしまうような気がするので、定期的にトレーニングできるようには心がけていますね」
料理のモチベーションが上がる豪華なキッチン
シンプルかつホテルライクな内観と、天井の高い広々としたリビングが印象的な、野口さんのご自宅。お家づくりに関することは、ほとんど野口さん主導で進めていったそうです。
「主人は、家に対してあまり意見がなかったんですよね(笑)。なので、基本は私におまかせ。迷ったときだけ相談に乗ってもらっていました。

もちろん最初は家に関する全然知識がなかったので、主人とモデルルームを見に行ったりしながら、色々情報を集めることから始めました。無機質な感じの家が好きだったので、結果的にすごくシンプルになったのですが、今更ながら『もう少し温かみのある家にしてもよかったかな?』なんて考えたりもしています(笑)」
ご自宅の中で、特にお気に入りだと話すのが、オールステンレスの広々としたアイランド式キッチン。

「私自身、料理があまり得意ではなかったので、モチベーションが上がるような広いキッチンを作ってもらいました」と野口さん。たしかに、こんな素敵なキッチンなら料理をするのが楽しみになりそうです。
また、高さのあるダイニングテーブルとハイチェアを選ぶことで、キッチンとダイニングテーブルの間に段差をなくしたのもこだわりのひとつ。
「大人が数人立てる広さがあるので、お料理と洗い物を同時にできたり、子どもの離乳食と大人のごはんを同時に作れたりするのが、とっても便利ですね」
夫・楢崎選手の理想を叶えた「バスルーム」と「書斎」
お家づくりに対してあまり要望がなかったという夫の楢崎選手ですが、2つだけ譲れないこだわりが。
1つ目は「バスルーム」。
「アスリートなので、入浴にはすごくこだわりがあるんですよね。理想としては交代浴(温かいお風呂と冷たいお風呂を交互に入浴すること)をしたかったようですが、湯船を2つ作るのは現実的に難しいので、ゆっくり浸かれる大きな湯船を作ることにしました」と野口さん。
日本のブランドは長方形の湯船がほとんどなので、海外ブランドの湯船を選んだのもこだわりのポイントだそう。


一流ホテルを思わせる広々としたバスルームは、開放感たっぷり。誰もが憧れるラグジュアリーな空間です。
そして、2つ目のこだわりは「書斎」。

「書斎……という名の“ゲーム部屋”ですね(笑)」と野口さん。
置くモニターの数や照明の位置まで、ちょっぴりマニアックな理想の数々を叶えた空間は、ゲーム好きな楢崎選手も大満足な仕上がりに。オフの時間には、書斎にこもりゲームを楽しむこともあるそうです。
多忙な生活の中で大切にする「家族の時間」
2023年には、第一子となる女の子が誕生。お子さんが生まれたことをきっかけに、野口さんの中で「家」の概念が大きく変わったと話します。

「現役中は、“寝に帰るだけの場所”というくらい、家にいる時間が少なかったのですが、今は、保育園のお迎えから帰ったあとは基本的に家で過ごしています。子どもが小さいこともあり、熱を出してしまったり体調を崩して出かけられなくなることも多いので、今までの人生でいちばん家にいる時間が長いかもしれません(笑)」

そんな野口さんですが、お仕事が忙しい時期には、なかなかお子さんと過ごす時間が取れないこともあるそうで。

「私たちの仕事って、定時が決まっているわけでもなくかなり不規則なので、1週間の中で仕事と家庭のバランスを取ることはなかなか難しくて。なので、もう少し長いスパンで見て、うまくバランスを取るようにしています。
たとえば、『今週はお仕事ばかりだったから、次の週は保育園を休んで家族でどこかに出かけよう!』とか、『土日が仕事で全部埋まってしまったから、平日に遊びに行こう!』とか。主人は現役のアスリートなので、常に家族最優先というわけにはいかないですが、その中でも、できる限り家族で過ごせる時間を作れるようには心がけています」
そんな野口さんファミリーが大切にしているのが「家族旅行」の時間。国内外さまざまな場所へ、季節を感じられる旅をするのが定番です。

「今はW杯のシーズンではないので、主人が日本にいますが、W杯が始まると海外と日本行ったり来たりのスケジュールが続くので、家族が揃っている時期を狙って旅行を計画するようにしています」
愛猫たちと心地よく暮らすアイデア
3匹の愛猫と暮らす、野口さんファミリー。猫との暮らしをより快適にする工夫の数々も、お家づくりをする上で大切なポイントだったそうです。
たとえば「トイレ」。一般的な家庭のトイレよりも広めに作られたスペースには、猫用のトイレが設置されています。

猫のトイレをリビングなどに置くのが嫌だったと話す野口さん。
「ニオイもそうなのですが、トイレの砂がリビングに落ちるのが気になってしまって。なので、トイレを広く作って、猫のトイレも人間のトイレと同じ部屋に入れられるようにしました」
また、ガレージの2階部分に位置するベランダにも、猫のために施した工夫が。広々とした空間ですが、塀がかなり高いのが特徴です。

「元々は猫たちをお外に出していなかったのですが、やっぱり日向とか風を感じるのがすごく好きみたいで。家を建てる際には、猫が外の空気を感じられる場所を作ろうと決めていました。
こだわったのは180cmほどある高い塀。というのも、3匹中1匹だけ、ものすごいジャンプ力の子がいて……(笑)。私の身長くらいだったら軽く超えてしまうので、それよりもっと高い塀を作りました。その分、かなり閉鎖的になってしまいましたが、猫の安全のためには仕方ないですね(笑)」
春から夏にかけては、猫たちが自由に行き来できるほか、家族や友人とBBQをすることもあるそうです。
「また来たい」と思ってもらえる理想の住まい
選手時代には大会への出場や遠征など、海外へ赴く機会が多かった野口さん。海外へ訪れた際には、海外選手や友人の自宅に招待してもらうことが多かったと話します。
「日本の場合、海外の方が来てくれたときは、お寿司やお好み焼きみたいなレストランへ連れていっておもてなしをすることが多いと思うのですが、ヨーロッパだと、自分の家に招いてその国の料理を振る舞ってくれることが多いんです」

そんな影響もあってか、野口さんのご自宅にはアスリートを含め、さまざまな友人が遊びに来るそう。
「泊まりに来てくれた人が、次の日の朝『すごくよく寝れた』とか『居心地いいね』と言ってくれると、とてもうれしいんですよね。きっと、私にとっての理想の家は、遊びに来た人が“また来たい”と思ってくれるような家なのだと思います」
最後に、ご自宅で過ごす中で“いちばん幸せな時間”を尋ねてみると「子どもを寝かしつけて、1人の時間ができたときですね」と野口さん。
「ひとり時間が作れたときには、友達と連絡を取ったり、本を読んだり、ゆっくりお風呂に入ったり。あとは、子どもができてからなんだか寂しそうな猫たちを、思いっきり可愛がってあげる時間に充てています(笑)」

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