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引越し続きの転勤族が決意した、マイホームの購入。選んだのは、青春を過ごした街。

家えらびのポイントや街の魅力について、そこに暮らす人へインタビューする企画。今回は、お父さまのお仕事の関係で転勤が多いというご家族。これまでに大阪や愛媛など各地で暮らし、子どもの受験を機に10年前マンションを購入。選んだのは、夫婦がともに学生時代を過ごした街、吉祥寺でした。お父さまは今もなお単身赴任中ということですが、毎週末にはお家に帰ってこられるそう。夫婦にとって馴染み深い街に住むことには、どんな良さがあるのか。お話を聞きました。

プロフィール
家族構成:夫・妻・子どもの三人家族
居住エリア:吉祥寺
居住歴:10年
間取り:3LDK

転勤つづきの家族がマイホーム購入を決意、きっかけは子どもの進学。

お父さまの仕事柄、転勤が多くさまざまな街で暮らしてきたというご家族。子どもが小さい頃は良かったけれど、大きくなるにつれて、まわりの生活環境や友人関係を安定させてあげたい。という夫婦の強い思いから、子どもの受験を機にマンション購入を決意しました。

お母さま:「もともと夫の職業柄、定年近くまで転勤が続く予定だと知っていたので、いつかは子どもが暮らす環境を安定させるため、進学などを機に家を購入すると夫婦で話し合い、決めていました。そのタイミングとなったのが、子どもの中学受験。息子の『受験したい』という言葉をきっかけに、夫は単身赴任を、私は東京に戻る決意を固め、定住できる地を探しはじめました」

これまでいろいろな場所に住んだからこそ、定住したい街の具体的なイメージがあったといいます。それはかつて住んだことのある大阪・梅田のような都会の便利さと、愛媛・松山のような自然の豊かさを両方バランスよく兼ね備えた街。その上で、しっくりきたのが吉祥寺エリアでした。

お母さま:「私も主人も、学生時代を吉祥寺で過ごしています。私の学生時代の友人や、親戚も近くに住んでおり、ホームタウンですね。都心へのアクセスも良好ながら、落ち着いた雰囲気もある。『程よく田舎で程よく都会』な感じがちょうどいいんです。あとは、駅のまわりでいろいろなことが完結するのも気に入った理由の一つでした。井の頭公園など緑の多い公園もありながら、その反対側には商業施設もたくさんある。すこし駅から離れると閑静な住宅街が広がっていて、さまざまな面でのいいとこ取りみたいな街です。ずっとここに戻りたい思いはありましたが、息子の進学先が決まったことが決め手となりました」

物件を決めるとき、戸建ではなく、マンションへのこだわりがあったというお母さま。
その理由を聞きました。

将来の暮らしを見据えた、マンション購入という選択肢。

お母さま:「ひざに持病があるので体のことを考えて、階段のある戸建てではなく、エレベーターのあるマンションに決めていました。マンションなら、管理やメンテナンスも楽。戸建てだと、庭のお手入れや家の修繕まわりもすべて自分たちで手配しなければいけなくてすこし大変だと実家の母からも聞いていたので。また、以前住んでいたマンションで上の階からの生活音が気になった経験があり、購入したのは最上階。いろいろな場所に住んでいるので、身を持って学んだことも多々ありますね(笑)」

転勤つづきの経験が、街えらびだけでなく、家えらびにも活きてきたというお母さま。
それ以外に、今の家を選んだ決め手は?聞いてみました。

お母さま:「今の家は、一部屋をつぶしてリビングを広くできるオプションがあり、そこに魅力を感じました。また、ほか二部屋を自由に使えるため、将来的に子どもが独立して家を出た後に夫婦だけの生活になったとしても、夫婦それぞれで一部屋ずつ使えて、お互いのパーソナルスペースが確保できることも決め手の一つでした」

当時の選択にとても満足されている様子のお母さまですが、10年住んでみた今だからこそ、なにか家に対する考え方の変化はあったのでしょうか。

お母さま:「これからの老後のことを本気で考えたときには、今の家は駅から少し歩くため、ひざが悪いとちょっと不便かなとも思ったりしています。もちろんタクシーやバス、車を利用する前提で住んではいますが、これから先、車の運転が難しくなってくる年齢になったときには、買い物や病院に近くて便利な駅近に引越しすることも考えています。その場合、またここを売って…ということになるのかな。あとは長く住んでいるとどうしてもやっぱり飽きてしまうため、インテリアの向きや配置をちょこちょこ変えたり。転勤で一度住んだ沖縄に、一年限定で住みたいとも考えています。でもやっぱり、友人や身内が近くにいるというのはいいですね。老後、人との繋がりがある場所に住むことは、すごく重要だと思います」

青春時代を過ごした街に暮らすことは、良いことづくし。

お母さま:「マンション購入前、子どもが小さかった頃もこのあたりに住んでいましたが、公園など自然が多いのはとても利点でした。子育てが忙しい時期は、必要な買い物を近くで済ませることもできました。息子が中学生にもなると、一人で行動することも格段に増えます。中学への通学圏内の途中に吉祥寺駅があり息子は自転車で通っていたのですが、自分が学生時代を過ごした街だからこそ、土地勘があり治安について不安はなかったです。部活などで少し遅くなって寄り道してきても、安心して帰宅を待っていられました。もう少し都心に近づくと、やっぱり親としては心配な部分も。そういった面も含めて、この10年で不満に思うことはほぼありません」

お母さま自身が学生時代を過ごした場所だからこそ、今なお近くに住んでいる友人が多く、たまにランチにいったりと、交流があるそうです。実家が近いため、親や兄弟、親戚とも行き来しやすい。馴染みの街だからこその良いところを、お母さまはどのように感じているのでしょうか。

お母さま:「知人や家族が近くに多くいるということは、年齢を重ねるにつれ、より安心できるポイントになると思います。とくに我が家は、夫が転勤で家にいないことも多いので、近くに知り合いがたくさんいることで寂しい思いをせずに過ごせています」

お父さまが単身赴任先から帰ってくる週末には、家族で海釣りに出かけることもあれば、夫婦ふたりで青春時代を過ごした街を懐かしく歩くこともあるのだそう。昔から変わらない街の雰囲気は、安心して生活できる大事な要素のようです。

お母さま:「ここに住んでから10年が経ちますが、吉祥寺はいい意味で昔からあまり変わらないんです。都心は10年も経てば大きく街が変わりますが、このエリアはお店の入れ替わりはあるものの、新しい商業施設が建って人の流れが大きく変わる、などという激しい変化はあまりないように思います。10年前どころか、30年前に私が学生時代に通っていた頃とも、大きくは変わらないんです。学生時代の友人とも、よく行ったフレンチレストランまだあるね。懐かしいね。など、よく話をしています。そんなところも吉祥寺に落ち着いて住めるポイントなのかな」

転勤族にとってマイホームの購入は、ある意味「家族が離れる」という大きな決断。
そこには子どもを第一に考えた夫婦の姿がありました。そして選んだのは、ご夫婦の思い出がつまった街。子どもの成長環境はもちろん、夫婦二人の生活も見据えた選択など、「いま大事なもの」だけでなく「これから先大事になるもの」も視野に入れると、また新しい選択肢が見えてくるのではないでしょうか。

(注釈)
※このインタビューは2022年11月に行いました。

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