築年数が経過した住宅でもリフォームをすることによって経年劣化を抑え、長く快適に住み続けることができます。
また、築年数が経過した中古住宅を安価で購入して、入居前にリフォームをする方も増えています。
リフォームをするとき気になるのがリフォームにかかる費用です。リフォームについては国や地方自治体から補助金が出ることも多いので賢く利用したいところです。そこで、リフォーム費用の補助金の具体例や利用する際の注意点などを解説します。
記事サマリー
リフォーム補助金では住宅リフォームの費用を自治体が一部負担してくれる
リフォーム補助金とは、住宅のリフォームや改修にかかる費用の一部を国や自治体が支給してくれるものをいいます。
リフォーム補助金に限ったことではありませんが、補助金は金融機関からのローンなどとは異なり、基本的に返還する必要のないお金です。このため、予定しているリフォームが補助金の対象になる場合には有効に活用したいものです。
補助金を受け取るためには、申請をして審査を通過する必要があります。申請のための必要書類や手続きは市町村役場などの担当窓口で教えてもらえます。
国や地方公共団体としては、省エネや耐震性の確保などさまざまな公益的な理由により、建築物が一定の水準を満たすようリフォーム工事を促したいという狙いがあるため、数多くのリフォーム補助金が用意されています。
税制優遇との違い
補助金と似たものとして税制優遇があります。税制優遇は補助金のようにお金を直接もらえる制度ではなく、本来支払うべき税金が減免されるという点に違いがあります。
リフォームに適用される税制優遇としては次のようなものがあります。ただし、減税対象となるリフォーム工事が限定されていますので、事前に適用条件を確認しておく必要があります。
また、税制優遇には適用期限が定められていることも多いので、最新情報を入手しておくことも大切です。
所得税の控除
所得税から一定額を控除される結果、減税につながる制度があります。
リフォームの場合には、5年以上のリフォームローンがある場合に、控除対象限度額の2%及び12月末日時点におけるリフォームローン残高の一部の1%が控除される「ローン型減税」と呼ばれる制度があります。
固定資産税の減額
リフォームによって、家屋にかかる固定資産税の3分の1から3分の2が軽減される制度があります。何年度分の固定資産税が軽減の対象となるかは、条件によって異なります。
贈与税の非課税措置
リフォーム費用を親や祖父母から受け取った場合には、一定の条件下で贈与税の課税対象外となります。
登録免許税の軽減
個人が、宅地建物取引業者により家屋の質の向上を図るためリフォームを行った住宅を購入した場合、所有権移転登記にかかる登録免許税が軽減される制度があります。
不動産取得税の特例措置
宅地建物取引業者が、中古住宅を取得して住宅性能の向上を図るリフォームを実施して、個人の居住用として住宅を売却する場合には、宅地建物取引業者に課される不動産取得税が軽減されます。
リフォーム補助金でもらえる金額は100万円を超えることもある
リフォーム補助金の金額は対象工事の内容によって大きく異なります。
金額が少ない補助金だと数万円からあります。一方、高額の補助金で100万円〜200万円程度です。国や大都市の自治体による補助金は金額が大きい傾向にあります。
リフォーム補助金を申請するときの注意点
リフォーム補助金を受け取るためには申請手続きが必要です。
申請手続きは、国や市区町村によって細かく決められていますので、事前によく調べておくことが大切です。以下では、リフォーム補助金の申請をするときの代表的な注意点を説明します。
リフォームの内容が条件に該当しているか確認する
リフォーム補助金には適用のための条件が細かく設定されていることがよくあります。そもそも、自分が予定しているリフォーム工事について、補助金を受けることができるのか、またどのような工事内容にすればよいかについて、事前によく検討しておくことが大切です。
例えば、公式サイトなどで公開されている要件以外に工事内容などが細かく定められていることがあります。実際に補助金の申請をする際には、早めに市区町村などの窓口で詳しい話を聞いておいたほうがよいでしょう。
指定の書類を提出する必要がある
補助金を受け取るためには補助金申請の担当窓口へ申請手続きをする必要があります。工事計画などの提出を求められることが一般的です。
なお、リフォーム業者によっては補助金の申請代行をしていることもあります。
ただし、補助金申請をめぐっては、悪質な申請代行業者から法外な代行費用を請求されるなどの被害もあり得るところですので、十分に注意しましょう。
時期や期間が限定されている
補助金については申請できる期間が決められていることが一般的です。補助金の申請手続きは、必要書類などの準備に手間がかかりますので、利用したい補助金制度がある場合には、余裕をもって準備に着手しておいたほうがよいでしょう。
また、補助金は予算の枠内で実施される制度であるため、予想外に補助金申請が殺到したようなケースでは予定よりも早く締め切られることもあります。
リフォーム着工前に申請する
補助金申請で気をつけなければならないのは、原則として、補助金の交付決定前に契約・着工したものは補助の対象外になる点です。
また、補助金制度では、先にリフォームにかかる費用の全額を申請者本人が支出して、後から補助金が支給される形式が多いため、工事費用は自分で工面しておく必要があります。
リフォーム補助金の申請方法
次に、リフォーム補助金の申請方法について、国土交通省住宅局「令和3年度長期優良住宅化リフォーム推進事業」を例に説明します。
なお、長期優良住宅化リフォーム推進事業は大掛かりな工事が予定されるため、申請手続は発注者個人ではなく事業者が実施することが想定されています。
1.申請スケジュールを調べる
補助金申請には期限が定められているため、まず申請スケジュールを調べる必要があります。
長期優良住宅化リフォーム推進事業においては、公式サイトにおいて、申請期限が令和3年12月24日と定められています。
ただし、予算の執行状況によって期限が短縮される可能性があることが併記されていますので、できるだけ早めに申請をした方がよいでしょう。
2.施工業者を選定
申請のために工事内容を確定する必要があるので、リフォームを依頼する施工業者を決めます。
長期優良住宅化リフォーム推進事業においては、補助金の対象となる要件を満たすために施工業者側に相当の経験と実績が必要です。このため、当該事業を取り扱っている施工業者を選定することが重要です。
3.必要書類を提出
工事内容が決まったら、補助金申請の手続をします。
長期優良住宅化リフォーム推進事業では、申請前に施工業者と工事請負契約を締結して、補助金の事務局が用意するポータルサイトに住宅登録を済ませておく必要があります。
また、申請書類を作成したら、建築士による適合確認を経てから補助金申請をする必要があるなど必要となる手続きが多岐にわたります。
リフォーム補助金の事例
リフォーム補助金は国によるものとそれぞれの地方公共団体によるものとがあります。リフォームに関する補助金は非常に多くの種類があるため適用を受けられるものを探すことが重要です。
よくある補助金は耐震、省エネ、長寿命化に関するリフォーム補助金です。
長期優良住宅化リフォーム補助金(国)
耐久性、耐震性、省エネ性、維持管理のしやすさなどが一定水準以上となる住宅を対象にリフォーム工事費を補助するのが、長期優良住宅化リフォーム補助金です。
補助金の限度額はタイプごとに次のとおりです。
- 評価基準型…1戸100万円(耐久性、耐震性、省エネ性が一定水準を満たすもの)
- 高度省エネルギー型…1戸250万円(認定長期優良住宅のさらに高い省エネ性能をもつもの)
住宅改善工事助成事業(東京都品川区)
市区町村の実施する補助金制度にはかなりの種類があります。
例えば、東京都品川区における住宅改善工事助成事業(エコ&バリアフリー住宅改修)では、環境やバリアフリーに配慮したリフォーム工事を行う場合に、工事費用(税抜)の10%の金額(上限額20万円)が助成されます。
現在住んでいる地域で適用されるリフォーム補助金を調べる方法
適用を受けられる補助金を調べるには、住んでいる自治体のサイトを調べるか、市役所の担当課に問い合わせる必要があります。
また、地元の工務店などであれば自治体の補助金に精通していることがありますので、信頼できるリフォーム業者に相談してみるのもよいでしょう。
リフォーム前に補助金の利用を検討する
リフォームにはまとまった費用がかかります。このため、リフォーム実施前に国や地方自治体の補助金で利用できるものがないかよく確認しておきましょう。
年度によって補助金制度は変更になることがありますので、利用したい補助金があれば早めにリフォームを実施することも大切です。
この記事のポイント
- リフォーム補助金を申請するときの注意点は?
リフォーム補助金を申請する際は、リフォームの内容が条件に該当しているか確認する、指定の書類を提出する必要がある、時期や期間が限定されている、リフォーム着工前に申請するなど、国や市町村によって異なる要件をしっかりと調べておくことが重要です。
詳しくは「リフォーム補助金を申請するときの注意点」をご確認ください。
- リフォーム補助金の申請方法を教えてください
リフォーム補助金の申請方法は、
①申請スケジュールを調べる
②施工業者を選定
③必要書類を提出
の順に進めていきます。
予算の執行状況によって期限が短縮される可能性があることや、対象事業者の要件、申請後の手続きなど、事前に確認しておく事項は多岐にわたりますので注意が必要です。詳しくは「リフォーム補助金の申請方法」をご確認ください。
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