家を守る屋根は、定期的にメンテナンスすることが重要です。しかし、普段目にすることがないため劣化に気づきにくく、塗装タイミングも判断しにくいでしょう。
また、屋根舗装には費用も時間もかかるので、費用相場や工程を知っておくことが大切です。
費用相場や工程を把握すると、見積もりの判断もしやすくなり、高額な業者に依頼することを防げるでしょう。
本記事では、屋根塗装の費用相場を解説します。あわせて、塗装タイミングの判断の仕方や塗装の流れも紹介するので、参考にしてください。
記事サマリー
屋根塗装の費用は30~100万円 が一般的
屋根塗装の費用感はさまざまで、実際の金額は塗装方法や屋根の状態・時期・地域によっても大きく異なります。そのため、事前に見積もりを取ったうえで比較検討しましょう。
ただし、見積もりをとってもその金額が高いのか妥当なのか判断が難しいものです。屋根塗装費用は、何にいくらかかるのかを把握することが大切です。
基本的に屋根塗装費用は、塗料の種類・人件費・足場代などに左右されます。それぞれにいくらかかるのかを見積もりでチェックしていくことで、少しでも費用を抑えることにつながります。
ちなみに、「足場を組むのだから一緒に外壁の塗装をしよう」と考える方もいらっしゃるかもしれません。確かに、足場を組むタイミングで屋根と外壁をまとめて塗装すれば、足場代を抑えることは可能です。
しかし、屋根と外壁では塗装すべきタイミングが異なるため、一概にまとめて塗装することが良いとは言えません。それぞれの塗装タイミングに合わせて、適切なタイミングで塗装しましょう。
素材ごとの塗装相場
屋根塗装費用を左右する1つが、塗料の種類です。塗料にはおもに5つの種類があり、それぞれの費用相場は次のようになります。
塗料種類 | 1㎡あたり費用相場 |
---|---|
ウレタン | 1,200円~2,500円 |
シリコン | 1,500円~3,000円 |
フッ素 | 2,500円~5,000円 |
遮熱 | 2,500円~5,000円 |
無機 | 2,500円~5,500円 |
ただし、価格だけで塗料を決めるのはおすすめしません。塗料は、それぞれ特徴や耐用年数が異なるものです。
安い塗料にして1回の塗装費用を抑えても、塗り替えが頻繁に必要なら総合的には費用が高くなってしまうでしょう。1回の費用だけでなく、今後の塗り替えなども考慮して塗料の種類を検討することが大切です。
屋根塗装をすべき時期
ここでは、屋根塗装に適切なタイミングについて解説します。屋根は劣化の状態を目で確認することが難しいので、いつ塗装すればいいのかわからないという方も多いでしょう。
適切なタイミングを判断するには、劣化だけでなく塗装の素材や屋根の種類も大きく関わってきます。
塗料の素材別
塗り替えを判断する大きなポイントの一つが、塗料の耐用年数です。塗料は、それぞれの種類によって耐用年数が次のように異なります。
塗料種類 | 耐用年数 |
---|---|
ウレタン | 7年~10年 |
シリコン | 5年~10年 |
フッ素 | 15年~20年 |
遮熱 | 15年~20年 |
無機 | 15年~25年 |
屋根の種類別
屋根といってもさまざまな種類があり、種類によって劣化の状態や進行具合も異なります。家の屋根の種類を把握し、種類に応じた塗り替えのタイミングを理解することが大切です。
屋根の種類には、次の4つがあります。
- スレート
- ガルバリウム
- 瓦
- アスファルトシングル
スレート
薄い板状に加工されたスレートと呼ばれる建築材で作られた屋根です。軽量で耐震性に優れているという特徴があり、一般的な住宅で多く利用されているのがスレートです。スレート材自体には防水性がないため、定期的な塗り替えが必要になります。
塗り替え目安:10年
ガルバリウム
アルミニウムや亜鉛などの合金メッキ銅板で作られるのがガリバリウム屋根です。金属屋根としてはトタン屋根もありますが、ガリバリウムはトタン屋根よりも錆びにくく耐久性が高いという特徴があります。
耐久性が高いといっても定期的にメンテナンスしなければならず、塗装も必要になります。
塗り替え目安:15年
瓦
昔ながらの日本家屋でよく使われる瓦は、素材によって日本瓦・洋瓦とセメント瓦に分かれます。粘土を使った焼き瓦である日本瓦や洋瓦は、耐久性が高く塗装処理もされていないという特徴があります。そのため、塗り直しの必要がなく破損などは1枚単位で交換が可能です。
それに対し、セメントを原料としたセメント瓦は価格が安く種類も豊富なため、一昔前までは一般的に使われていた素材です。表面の塗装処理により防水性を保っているため、定期的な塗装が必要になります。
塗り替え目安:10年
アスファルトシングル
ガラス繊維にアスファルトを染み込ませて表面に石を吹き付けたシート状の素材をアスファルトシングルといいます。
アスファルトシングルは軽量で耐震性が高く錆びないというメリットがあります。また、デザイン性の高さから近年人気の素材でもあります。
ただし、表面に吹き付けた石が落ちやすくカビやコケが生えやすいというデメリットもあるため、定期的な塗装が必要です。
塗り替え目安:10年
屋根塗装の施工の流れ
屋根塗装は日数が掛かり、その期間は生活にある程度の制限が発生します。また、近隣住民へ迷惑をかける場合もあるので注意が必要です。
屋根塗装の施工の流れを把握することで、いつどんな工事があるのか、どれくらいの迷惑をかける可能性があるのかなどの検討がつきやすくなります。
ここでは、屋根塗装の施工の流れを3つに分けて解説します。
- 事前準備
- 塗装作業
- 後片付け
事前準備
屋根塗装の事前準備としては、次の2つがあります。
- 挨拶回り
- 足場の組み立てや高圧洗浄
屋根塗装では、足場を組みたて塗料を吹き付けたりするため、近隣にある程度の迷惑をかけるものです。事前に挨拶に回り、塗装工事に理解を得られるようにしましょう。
基本的には、業者が事前に挨拶回りをします。可能であれば依頼主も一緒にすることが望ましいので、業者に相談して挨拶回りをできるように日程を調整すると良いでしょう。
塗装施工前には、足場を組みたて塗料飛沫防止のシートで覆います。その後、屋根に付着した汚れやコケ・カビなどを高圧洗浄します。また、この時ひび割れやかけなどがある場合は、補修していくのが一般的です。
塗装作業
下地処理や養生まで終えると、塗装作業に入ります。塗装は一度ですべて塗りきるのではなく、「下塗り」「中塗り」「上塗り」と段階が分かれます。
下塗りで下塗り用の塗料を塗り、中塗りと上塗りの2回に分けて塗料を塗布していきます。中塗りと上塗りは、それぞれ乾燥するまで待たなければならないため2~3日ほど時間が掛かるのが一般的です。
塗装工程後は、塗装状況を検査し必要に応じて手直しをしたら完了です。その後、足場の解体・周辺の清掃や片づけですべての工程が完了となります。工事完了後には、近隣へ工事完了の挨拶をしておくと良いでしょう。
この時、近隣からクレームが入る可能性があるので、できるだけ早い段階で挨拶に行くことが重要です。施工直後なら業者が近隣トラブルの対応をしてくれる可能性がありますが、施工完了後数日たってのトラブルでは対応が難しい場合もあるので注意しましょう。
後片付け
屋根舗装は1~2週間ほどかかるのが一般的です。ただし、天候にも大きく左右されます。雨天や雪が降る場合は施工ができず、また湿度が高い場合も乾燥に時間が掛かってしまうため、工期が伸びる可能性が高くなります。
反対に、夏場などは乾燥の時間が短縮できる場合もあるでしょう。大まかな工程や必要な期間を考慮し、業者に依頼することが大切です。
屋根塗装の相場とタイミングを知って、適切にメンテナンスしよう
屋根塗装は、一般的な住宅で30~100万ほどの費用が目安となります。ただし、塗料の種類や屋根の素材・面積・地域などによっても大きく異なるので、見積もりを取って検討することが重要です。
見積もりを取る場合でも、ある程度の費用相場を把握しておくことで、少しでも費用を抑えることにつながります。この記事を参考に、屋根塗装の費用相場や塗り替えのタイミングなどを理解し、定期的に屋根をメンテナンスして家を長持ちさせましょう。
この記事のポイント
- 屋根塗装の費用とは?
屋根塗装の費用は一般的に30~100万円となり、屋根の状態や時期・地域によって大きく異なる場合があります。
詳しくは「屋根塗装の費用は30~100万円が一般的」をご確認ください。
- 屋根塗装のタイミングとは?
塗り替えのタイミングを判断するポイントとして耐用年数をチェックしましょう。
- ウレタン:7年~10年
- シリコン:5年~10年
- フッ素:15年~20年
- 遮熱:15年~20年
- 無機:15年~25年
詳しくは「塗料の素材別」をご確認ください。
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