老後の生活に対して漠然と不安を抱えている方は少なくないでしょう。
現在の日本では人生100年時代を迎え、長生きすることがリスクになるとも言われています。
社会保障給付のみでは一般的な生活を送ることも難しいと言われ、自分自身で老後資金を準備しておくことが大切です。
今回は、日本人の平均寿命の現実と老後の平均生活費、老後の不安やその不安を解消するための方法を紹介します。老後に対する漠然とした不安を抱えている方は、ぜひ参考にしてください。
記事サマリー
日本人の平均寿命と老後の平均生活費
2020年時点での日本人の平均寿命は、女性は87.74歳、男性は81.64歳です。
一方で、出生者数は年々減少し続けているため、少子高齢化がさらに加速する恐れがあります。
今後、さらに少子高齢化が進むことによって、長生きがリスクになり老後の生活が不安定になることもあるでしょう。
まずは日本の現状を把握するために、日本人の平均寿命と老後に必要となる生活費について解説します。
日本人の平均寿命は年々上昇傾向
日本人の平均寿命は年々伸び続け、「令和2年版厚生労働白書-令和時代の社会保障と働き方を考える-」によると、2040年には女性で89.63歳、男性で83.27歳まで平均寿命が伸びると予測されています。
その理由として、医学の進歩や健康への意識向上が挙げられます。
過去を振り返ると、1955年時点の平均寿命は女性が67.75歳、男性で63.60歳でした。
わずか65年の間で18年〜20年程度も寿命が伸びています。今後はさらに平均寿命が上昇していくでしょう。
平均寿命が年々あがる一方で、出生率が低下し、働き世代が減ることによって老後の生活面や経済面で大きな影響が出ることが予想されます。
今後は、長生きすることを前提に考え、老後の生活に対する不安を解消するために自助努力が求められるようになります。
老後の生活費は毎月23万円~25万円必要
総務省統計局によると、老後の生活費は夫婦無収入世帯で23万円〜25万円程度です。
65歳〜69歳までの間の平均生活費は、約25万円であり、以降は平均23万円程度に減少していきます。
仮に、夫婦2人が95歳まで生存していた場合は、約8,500万円の老後資金が必要になります。
社会保障給付として月額22万円程度を受け取ったとしても、毎月1万円〜3万円程度の生活費が不足します。その結果、65歳から30年間生存した場合は、約580万円不足することになるでしょう。
老後の生活を豊かにするために押さえておくべき3つのポイント
老後の生活を豊かにするためには、自助努力が必要不可欠です。自分でできるポイントは下記の3つです。
- 老後資金の確保
- 老後の住まいを検討しておく
- 老後のライフプランを明確にしておく
老後資金の確保
老後の生活を豊かにするためには、資金の確保が必要不可欠です。
今後、さらに少子高齢化が進んだ場合、社会保障給付(年金など)の支給額が減少する可能性も考えられます。
仮に現在と同水準の給付を受けられたとしても、その他の部分(税金など)による負担は大きくなるでしょう。
豊かな老後生活を送るためには、資金を自助努力で確保しておかなければいけません。
民間保険商品や株式などの金融商品の保有も視野に入れ、早い段階から資金確保を検討しておいたほうがよいでしょう。
老後の住まいを検討しておく
老後の住まいに関して、早い段階から検討しておくことも大切です。
現在、持ち家に住まわれている場合、老後は売却してしまうのかその家に住み続けるのかについても検討しておくとよいでしょう。
売却をする場合はいくらくらいで売却できるのか?売却した資金を老後資金として利用できるのか?を把握しておくことで、老後の生活プランを立てやすくなります。
老後のライフプランを明確にしておく
老後のライフプランを明確にしておくことは、老後の生活や健康面で大きなメリットになり得ます。
今まで働き続けてきた方が、定年退職などによって「やりがい」を失ってしまうと、うつ病(退職うつ)や認知症などの病気になるケースも多く見られます。病気になってしまうと、豊かな老後生活を送ることは難しくなってしまいます。
そのため、老後の生活を具体的にイメージしておくことはとても大切です。
老後の生活を意識し出したタイミングで、長く続けられる趣味や楽しみを見つけておくと良いでしょう。
老後の生活に関わる不安と備え
生命保険文化センターの「生活保障に関する調査」によると、老後の生活に対して漠然と不安を抱えている方の割合は84%と非常に多いです。
なかでも、老後資金に対する不安と居住確保に対する不安を抱えている方の割合が多い傾向にあります。
次に、老後の生活に対する不安と不安を解消するための方法を解説します。
老後資金不足問題に対する不安
老後生活の不安としてもっとも多いのが、資金不足問題です。現在の公的年金制度では、満額支給されたとしても一般的な収支で見るとマイナスとなる方が大半でしょう。
そのため「公的年金のみでは老後資金が不足する」といったことに対する、漠然とした不安を抱えている方も多くいらっしゃいます。
公的年金制度のみでは、十分な老後生活を送れなくなった現在、早い段階から自助努力による資金確保を検討する必要があります。
つみたてNISAの活用やiDeCo(個人型拠出年金)、個人年金保険などへ加入しておくことで、老後資金の不足部分をある程度はカバーできるでしょう。
できるだけ早くから検討しておくことで、無理なく老後資金を確保できます。
老後の居住確保に対する不安
老後の居住確保に対する不安を抱えている方も少なくありません。
高齢者になると一人きりで亡くなるリスクや金銭面でのリスクから、賃貸借契約を断られてしまうケースも多くなります。その結果、居住の確保が難しくなることもあります。
そのため、あらかじめ家族と老後の居住確保について話し合っておくことが大切です。
介護が必要になった場合は家族と一緒に暮らせるのか、介護付きマンションに入居するのか、資金は用意できるのか、誰が用意をするのか、など具体的な内容を詰めておくことが大切です。
いざ老後を迎え、「居住確保が難しい」といったことが起こらないように、前もって準備を進めておきましょう。
老後の充実した生活は事前準備が大切
今回は、充実した老後の生活を送るためのポイントを紹介しました。
日本は世界的に見ても長寿国であり、年々伸び続ける平均寿命から人生100年時代が訪れるとも言われています。
超高齢化社会がさらに加速し、長生きすることがリスクになってしまう恐れもあります。
今後、充実した老後の生活を送るためには、早い段階から対策を講じておくことが重要です。
今後は、老後のライフプランを明確にした上で、不足する老後資金や住まいの準備を進めていきましょう。
この記事のポイント
- 老後の生活を豊かにするためには?
老後の生活を豊かにするためには、老後資金の確保と居住の確保、ライフプランのイメージがとても大切です。
詳しくは「老後の生活を豊かにするために押さえておくべき3つのポイント」をご確認ください。
- 老後の生活に関わる不安を解消するためには?
老後に対する漠然とした不安の多くは、資金不足と居住確保です。この2つの不安を解消するためには、早い段階から先を見据えた対策を取りましょう。
詳しくは「老後の生活に関わる不安と備え」をご確認ください。
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