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高級老人ホームと一般的な老人ホームと何が違う?費用や選び方を解説

執筆者プロフィール

藤川ゆきえ
FP技能士2級、相続診断士

相続・終活を専門に執筆するライター。実家の相続や遺品整理を経験したことにより終活の必要性を実感。お金や制度に関する情報を、高齢世代にもわかりやすく伝えることを信念に活動中。

ざっくり要約!

  • 高級老人ホームは、一般的な老人ホームよりも設備もサービスもワンランク上の施設
  • 入居にかかる費用はかなり高額なので、失敗しないようにしっかり選ぶことが大切

高級老人ホームは、一般的な老人ホームよりも優雅な空間で暮らしたい人にとって魅力的な施設です。立地がよく、豪華な施設では、手の込んだ食事や手厚いサービスを受けられます。しかし、一般的な老人ホームよりも費用は高額です。せっかく入居した高級老人ホームが終の棲家になるように、失敗しない施設選びをしましょう。

本記事では、高級老人ホームの費用や選び方のポイントを解説します。

おすすめの高級老人ホーム

一口に高級老人ホームといっても、住宅のタイプやサービス内容は異なります。高級老人ホームは、次の3つに大別されます。

  • 介護付き有料老人ホーム(介護が必要な人向き)
  • 住宅型有料老人ホーム(介護度の軽い人向き)
  • サービス付き高齢者向け住宅(ほとんど介護を必要としない人向き)

施設によって、立地やコンセプト、設備も異なります。これらについては、入居者の好みに合わせて選ぶとよいでしょう。

また、介護の必要度合いによっても、おすすめの高級老人ホームは異なります。将来、介護が必要になったときにどのような介護サービスを受けられるのかを含めて、検討してみるとよいでしょう。

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高級老人ホームと一般的な老人ホームの違い

高級老人ホームは、一般的な老人ホームよりもワンランク上のおもてなしや介護サービスを受けられる施設です。高級老人ホームは費用が高い分、一般の老人ホームよりも豪華な設備で手厚いサービスを受けられます。具体的な違いをご紹介します。

立地

高級老人ホームの多くは、都市部に建てられています。自立している入居者が多い施設では、主要駅から近かったり周辺に商業施設があったりと、便利な環境に建てられていることが多いようです。一方、郊外の静かな環境に、大型の高級老人ホームが立地されているケースもあります。海や山などの自然に囲まれた高級老人ホームは、生活しながらリゾート気分を味わいたい人に人気です。

外観・内装

外観や内装は、高級老人ホームと一般的な老人ホームとで大きな違いがあります。高級老人ホームの外観は、高級マンションのように立派です。一見すると老人ホームとは思えない豪華な外観になっています。
内装も、一般的な老人ホームとは異なり高級感のある雰囲気です。ヨーロッパの邸宅風や和モダン、豪華で優美な雰囲気と、施設によってコンセプトはさまざまですが、上質な家具や調度品を使用して落ち着いて暮らしやすい空間になっています。

豪華で上質な内装ですが、高齢者が安心して暮らせるように、すべてバリアフリー仕様です。車椅子でも移動できるように、広々としています。

また、高級老人ホームの居室は、原則的に個室です。居室内にトイレや浴室、キッチンが設置している施設もあります。一般的な老人ホームは、ベッドと小さなテーブルだけが置かれているだけの、狭くてシンプルな居室が普通です。一方、高級老人ホームはよりプライベートな空間が充実しているといえるでしょう。

共用設備

高級老人ホームは、一般的な老人ホームにはない共用設備を備えています。たとえば、大浴場やプール、ジム、ダンスホールなどといった、元気なシニアにとって嬉しい設備をもつ高級老人ホームもあります。施設にいながら自然を感じられる広い庭園や入居者同士で楽しめるシアタールームなど、充実した共有設備が高級老人ホームの魅力です。

介護・医療体制

介護・医療体制は、各施設によって大きく異なります。一般的な老人ホームよりも介護スタッフの人員を多く配置していたり、医師や看護師を24時間365日常駐させていたりする施設もあります。

食事

高級老人ホームの食事は、毎日、和食か洋食かを選べたり、季節ごとにイベント食が提供されたりと、一般的な老人ホームよりもバラエティーに富んでいます。有名なレストランのシェフが監修している食事が提供されるなど、豪華な食事を楽しめるのも高級老人ホームの魅力の1つです。

豪華なだけでなく、一般的な老人ホームと同様、きざみ食やソフト食などにも対応しています。体調に配慮した食事を提供してくれる点は、入居者や家族の安心につながるでしょう。

高級老人ホームの費用

高級老人ホームに入居する際は、初期費用として入居一時金を支払う必要があります。入居一時金には、次の2つの意味合いがあります。

  1. 賃貸物件を契約する際に支払う敷金のようなもの
  2. 月額家賃の前払い金

1つ目は、敷金のように家賃の滞納や傷の修繕に備える預け金です。施設によって異なりますが、一般的には月額家賃の約3ヵ月分を入居時に支払います。このお金は、入居契約が終了した後に、原状回復などにかかった実費を除いて契約者に返還されます。

2つ目は、月額家賃の前払い金です。かかると想定される月額家賃の全額、もしくは一部を入居一時金として支払うときに必要な費用です。こちらは、施設や居室の大きさによって大きく金額が異なります。相場としては1,000~5,000万円ですが、なかには1億円を超える施設もあります。前払い金は高額ですが、その分毎月の支払金額を軽減できるのがメリットです。

月額利用料

月額利用料とは、高級老人ホームの家賃やサービス料として毎月支払うお金です。一般的には、月額利用料のなかに、家賃や管理費、食費、日用品代などが含まれます。

月額利用料は施設によって異なりますが、20万~50万円程度です。施設によっては、特別食やおやつ、レクレーションにかかる費用が追加で必要になります。また、介護が必要になったときの、介護サービス費用も別途かかると考えておきましょう。

費用の支払い方法

高級老人ホームにかかる費用の支払い方法は、次の3つです。支払いのタイミングや金額がそれぞれ異なるため、自分たちに適している方法を慎重に選びましょう。

入居時に全額前払い

入居時に、亡くなるまでの月額利用料を入居一時金として全額前払いする方法です。全額支払うので、入居時にまとまったお金が必要になります。自宅を売却して高級老人ホームに入居する場合など、資金に余裕がある人に適した支払い方法です。

入居時に全額前払いすると、その後は月額利用料に含まれない食費やサービス料だけを支払うだけでよいので、毎月の出費を抑えられるというメリットがあります。

入居時に利用料の一部を前払い

入居時に亡くなるまでに必要と想定される月額利用料の一部を入居一時金として支払う方法です。全額前払いよりも初期費用は少なくて済むものの、多少まとまったお金が必要になります。

全額支払うほど資金は潤沢ではないものの、高齢になってから高額の月額利用料を支払うのが不安な方に適した支払い方法です。入居一時金として月額利用料の一部を前払いすると、毎月の支払いを軽減できるメリットがあります。

前払いなしで月払い

施設によっては、前払いなしで、毎月かかった月額利用料を支払うことも可能です。ただし、前払いしている場合と比較すると、毎月支払う方が金額は大きくなります。

また、前払いをしなくても、高級老人ホームのほとんどで敷金がかかります。このため、高級老人ホームに入居する際は、月額家賃の3ヵ月分程度のまとまったお金が必要だと考えたほうがよいでしょう。

高級老人ホームの入居条件

高級老人ホームには入居の条件があります。施設によって条件は異なるので、事前に確認しましょう。

条件①:介護認定の条件があることも

高級老人ホームへの入居を検討するときは、介護認定の条件を確認しましょう。施設によっては自立している人を想定しており、要介護区分が高くなったら別の施設に移らなければならないケースもあります。反対に、要支援・要介護状態でなければ入居できない施設もあるので、注意が必要です。

条件②:身元保証人・引受人がいること

一般的な老人ホームでも同じですが、入居する際は身元保証人や引受人がいることが条件の1つとなります。身元保証人や引受人とは、月額利用料の支払いが滞ったり入院が必要になったりしたときに連絡を受ける人です。身元保証人や引受人になれるのは、原則として入居者の家族です。頼れる家族がいない場合は、入居希望の施設や地域の状活支援センターに相談しましょう。

失敗しないために!高級老人ホームの選び方

豪華で素敵な高級老人ホームですが、選び方を間違えると入居後に後悔する可能性もあります。失敗を防ぐために、高級老人ホームを選ぶときは以下の3つのポイントをしっかりチェックしましょう。

施設の見学や体験宿泊をしてみよう

入居を希望する施設があれば、パンフレットやホームページの情報だけで決めず、必ず実際に行ってみて見学をしましょう。可能であれば、昼食会や体験宿泊会に参加することがおすすめです。

実際に行ってみると、施設までのアクセスや入居者の様子、スタッフの雰囲気などがわかるでしょう。すでに入居している人の話を聞いてみるのもよいですね。また、施設選びのなかで、提供される食事が口に合うかどうかはとても大事なポイントです。見学時に食事の試食ができる施設もあるので、ぜひいただいてみるとよいでしょう。

長く住む場所なので、何度か足を運んで不安がない状態で入居を決めてください。

認知症に対応できるか確認しよう

入居時に元気であっても、年を重ねるうちに認知症になる可能性もあるでしょう。しかし、認知症に対応していない施設も多いので、注意が必要です。終の棲家として高級老人ホームに入居するなら、可能な限り認知症になっても暮らし続けられるほうが安心です。施設の医療・介護体制なども、入居検討時にチェックしたほうがよいでしょう。

支払い続けられるか計算しよう

高級老人ホームでは入居時に月額利用料を全額支払っていたとしても、追加で食費やサービス料などが発生することもあります。

また、入居一時金としておさめている前払い金も、居住期間を想定して計算しています。想定している居住期間を超えて住み続ける場合には、別途費用が必要です。このため、100歳まで元気で暮らすことを想定して、高級老人ホームの費用を支払えるかどうか事前に計算しておきましょう。

まとめ

高級老人ホームは一般の老人ホームよりもワンランク上のサービスを受けられる施設です。立派な外観、おしゃれな内装、豪華な食事と、高級ホテルのような環境で生活できます。
しかし、豪華で充実した設備と手厚いサービスがある分、一般の老人ホームよりも費用は高くなります。初期費用としてまとまったお金が必要なこともあり、入居後に失敗だと感じてもなかなか違う場所に移ることはできないでしょう。

このため、高級老人ホームを選ぶときは、実際に施設に赴いて見学をすることが大切です。また、途中で退去する事態にならないように、認知症になったときの対応や長生きを想定した資金繰りなどを、事前に確認しておきましょう。

この記事のポイント

高級老人ホームと一般的な老人ホームとの違いは何?

高級老人ホームは一般的な老人ホームよりも豪華な施設で、ワンランク上のサービスを受けられます。その分、かかる費用も高額です。

詳しくは「高級老人ホームと一般的な老人ホームの違い」をご覧ください。

高級老人ホームに入居するときにかかる初期費用はいくら?

施設によって異なりますが、1,000万~5,000万円ほどかかります。立地がよく豪華な設備をもつ施設では、1億円かかる場合もあります。毎月支払う金額が高くなるものの、初期費用を抑えることは可能です。

詳しくは「高級老人ホームの費用」をご覧ください。

高級老人ホームを選ぶときのポイントは?

実際に赴いて、施設や入居者の雰囲気を確かめることが大切です。また、認知症に対応しているか、支払いを続けられるかなどを事前に確認しましょう。

詳しくは「失敗しないために!高級老人ホームの選び方」をご覧ください。

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