ざっくり要約!
- 多くの路線では、午前7時30分~9時頃が通勤ラッシュのピーク。
- 東京圏では川口~赤羽、大阪圏では神崎川~十三、名古屋圏では神宮前~金山で、通勤ラッシュ時の混雑率が特に高い。
近年では通勤・通学のスタイルや働き方が多様になりつつありますが、それでもまだ完全に解消されていないものが通勤ラッシュです。
この記事では三大都市圏における混雑率の推移や、混雑率の目安を解説します。また、東京・大阪・名古屋の混雑率ランキングも紹介するので、参考にしてください。
記事サマリー
コロナ禍で混雑率は低下傾向に
国土交通省から毎年発表される平均混雑率は、2019~2020年を境に数値が下がっており、その要因の一つはコロナ禍でリモートワークなどが増えたことと考えられています。しかし、直近のデータでは再び混雑率が上昇傾向にあります。
まずは混雑率の目安や、三大都市圏における混雑率の推移を見ていきましょう。
混雑率の目安
交通機関の混雑度合いを表す際には、「定員÷実際の乗車人数」で算出される混雑率が使用されます。たとえば混雑率100%は、定員と実際の利用者数が一致していることを示しており、あまり混雑していないことを意味します。
混雑率100%から250%まで、国土交通省が公表している目安は以下の通りです。
混雑率 | 体感 |
---|---|
100% | 定員乗車(座席につくか、吊革や柱につかまることができる)。 |
150% | 新聞を楽に広げて読める。 |
180% | 新聞を折りたたむなど、無理をすれば読める。 |
200% | 体がふれあい、相当圧迫感がある。 週刊誌程度なら何とか読める。 |
250% | 電車がゆれるたびに体が斜めになる。 身動きができず、手も動かせない。 |
三大都市圏の混雑率の推移
東京、大阪、名古屋の三大都市圏における平均混雑率は、国土交通省によって毎年発表されています。2022年までの推移は以下の通りです。
東京圏 | 大阪圏 | 名古屋圏 | |
---|---|---|---|
1998年 | 183% | 147% | 157% |
2008年 | 171% | 130% | 139% |
2014年 | 165% | 123% | 131% |
2019年 | 163% | 126% | 132% |
2020年 | 107% | 103% | 104% |
2021年 | 108% | 104% | 110% |
2022年 | 123% | 109% | 118% |
2014年から2019年にかけての混雑率は、東京圏で163~165%、大阪圏で123~126%、名古屋圏で131~132%となっていました。
2020年からはコロナの影響により、三大都市圏のいずれも混雑率が減少。通勤や通学で電車を利用する人数が減り、混雑状況は改善されていました。しかし2022年以降、再び利用者が増え始め、混雑率も上昇しています。
通勤ラッシュの時間帯はいつ?
朝の通勤時間帯において、ほとんどの路線では7時前後から徐々に混み始め、7時30分~9時頃が通勤ラッシュのピークとなります。
路線により多少の違いがあり、たとえば京成本線の「大神宮下~京成船橋」は、7:20~8:20が最も混雑する時間帯です。一方、東京地下鉄丸ノ内線の「新大塚~茗荷谷」におけるピークは、8:00~9:00となっています。
地域や路線によってわずかな違いがあるものの、一般的に午前8時前後がピークとされています。
東京・大阪・名古屋の通勤ラッシュ混雑区間ランキング
国土交通省から、三大都市圏における主要区間の混雑率が発表されました。結果を見ると、通勤ラッシュの時間帯でもひときわ混雑率の高い区間があることが分かります。
東京圏・大阪圏・名古屋圏の混雑率ランキングを見ていきましょう。
東京圏
順位 | 路線・会社名 | 区間 | 時間帯 | 混雑率 |
---|---|---|---|---|
1 | JR東日本 京浜東北線 | 川口→赤羽 | 7:20〜8:20 | 142% |
2 | JR東日本 中央線(快速) | 中野→新宿 | 7:41〜8:41 | 139% |
3 | 東京地下鉄 千代田線 | 町屋→西日暮里 | 7:45〜8:45 | 139% |
4 | 東京地下鉄 東西線 | 木場→門前仲町 | 7:50〜8:50 | 138% |
5 | 東京地下鉄 日比谷線 | 三ノ輪→入谷 | 7:50〜8:50 | 135% |
6 | 東京都 三田線 | 西巣鴨→巣鴨 | 7:40〜8:40 | 135% |
7 | JR東日本 東海道線 | 川崎→品川 | 7:39〜8:39 | 134% |
東京圏のランキング上位は三大都市圏の中でも特に混雑率が高く、1位の川口~赤羽間は142%となっています。2~7位も130%を超えており、混雑率の高い区間が多いことが分かります。
大阪圏
順位 | 路線・会社名 | 区間 | 時間帯 | 混雑率 |
---|---|---|---|---|
1 | 阪急電鉄 神戸本線 | 神崎川→十三 | 7:33〜8:33 | 134% |
2 | 大阪市高速電気軌道 御堂筋線 | 梅田→淀屋橋 | 8:00〜9:00 | 123% |
3 | JR西日本 阪和(快速) | 堺市→天王寺 | 7:55〜8:55 | 120% |
4 | 阪急電鉄 宝塚本線 | 三国→十三 | 7:31〜8:31 | 118% |
5 | 京阪電気鉄道 京阪本線 | 野江→京橋 | 7:40〜8:40 | 116% |
6 | JR西日本 大阪環状 | 鶴橋→玉造 | 7:20〜8:20 | 115% |
7 | 近鉄 奈良線 | 河内小阪→河内永和 | 7:41〜8:41 | 114% |
大阪圏は1位の神崎川~十三間は134%と混雑率は高いですが、4位の三国→十三間以降は混雑率が120%以下まで低下します。
名古屋圏
順位 | 路線・会社名 | 区間 | 時間帯 | 混雑率 |
---|---|---|---|---|
1 | 名鉄 本線(東) | 神宮前→金山 | 7:40〜8:40 | 132% |
2 | 名古屋市 名城・名港線 | 東別院→上前津 | 7:30〜8:30 | 131% |
3 | 名古屋市 東山線 | 名古屋→伏見 | 7:30〜8:30 | 130% |
4 | 名鉄 本線(西) | 栄生→名鉄名古屋 | 7:30〜8:30 | 130% |
5 | JR東海 中央線 | 新守山→大 曽 根 | 7:40〜8:39 | 112% |
東京圏ほどではないものの、名古屋圏も1~4位まで混雑率が130%超と、高くなっています。
東京・大阪・名古屋の通勤ラッシュ空いている区間ランキング
通勤ラッシュ時は、基本的にどの路線も混雑しているものの、中には混雑率が100%を下回る区間も存在します。朝の時間帯に空いている区間のランキングを見ていきましょう。
東京圏
順位 | 路線・会社名 | 区間 | 時間帯 | 混雑率 |
---|---|---|---|---|
1 | JR東日本 中央 (緩 行) | 代々木→千駄ヶ谷 | 8:01〜9:01 | 81% |
2 | 京成 本線 | 大神宮下→京成船橋 | 7:20〜8:20 | 93% |
3 | 東京地下鉄 銀座 | 赤坂見附→溜池山王 | 8:00〜9:00 | 94% |
4 | 東京地下鉄 半蔵門 | 渋谷→表参道 | 8:00〜9:00 | 97% |
5 | 東京都 浅草 | 本所吾妻橋→浅草 | 7:30〜8:30 | 105% |
どこも満員電車のイメージがある東京圏ですが、代々木→千駄ヶ谷間は8:01〜9:01の時間帯で混雑率81%となっています。乗客が定員数よりも少ない状態のため、東京圏の中ではかなり空いているほうだと言えるでしょう。
大阪圏
順位 | 路線・会社名 | 区間 | 時間帯 | 混雑率 |
---|---|---|---|---|
1 | 大阪市高速電気軌道 四つ橋 | 難波→四ツ橋 | 8:00〜9:00 | 82% |
2 | 大阪市高速電気軌道 堺筋 | 日本橋→長堀橋 | 7:50〜8:50 | 89% |
3 | 阪神 本線 | 出屋敷→尼崎 | 7:32〜8:31 | 96% |
4 | 阪急 京都本線 | 上新庄→淡路 | 7:35〜8:35 | 101% |
5 | 大阪市高速電気軌道 谷町 | 谷町九丁目→谷町六丁目 | 7:50〜8:50 | 102% |
大阪圏でも難波~四ツ橋間や日本橋~長堀橋間などは、混雑率が80%台となっており、通勤ラッシュ時でも空いている区間が存在しています。
名古屋圏
順位 | 路線・会社名 | 区間 | 時間帯 | 混雑率 |
---|---|---|---|---|
1 | JR東海 東海道線 | 枇杷島→名古屋 | 7:24〜8:23 | 90% |
2 | 名古屋市 鶴舞線 | 塩釜口→八事 | 7:30〜8:30 | 97% |
3 | 近鉄 名古屋線 | 米野→名古屋 | 7:35〜8:35 | 107% |
名古屋圏は混雑率が低いところでも90%となっており、東京圏や大阪圏の空いている区間と比べると、やや混雑している状況です。
まとめ
通勤ラッシュの時間帯は、一般的に7時半から9時頃がピークです。その時間帯になると混雑率が120〜140%になる区間もあるほどです。
東京圏では7:20〜8:20の時間帯に川口~赤羽間で142%、大阪圏では7:33〜8:33に神崎川〜十三間で134%の混雑率となっています。
しかし、朝の時間帯にも比較的空いている路線や区間はあるため、通勤ラッシュを避けたい方は混雑率を参考にしながら、居住エリアを検討してみるのもよいでしょう。
この記事のポイント
- 通勤ラッシュになる時間帯はいつ?
多くの路線では、午前7時30分~9時頃が通勤ラッシュのピークとなります。
詳しくは「通勤ラッシュの時間帯はいつ?」をご覧ください。
- 混雑率の目安は?
100%は座席につくか、吊革につかまることが可能です。150%で新聞を楽に広げて読むことが可能で、200%になると相当圧迫感があります。
詳しくは「混雑率の目安」をご覧ください。
- 通勤ラッシュ時に混雑する区間はどこ?
東京圏では7:20〜8:20の時間帯に川口~赤羽間で142%、大阪圏では7:33〜8:33に神崎川~十三間で134%、名古屋圏では7:40〜8:40に神宮前~金山間で132%の混雑率となっています。
詳しくは「東京・大阪・名古屋の通勤ラッシュ混雑区間ランキング」をご覧ください。
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