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マンションで猫は飼える? 注意点や飼い方のポイントを紹介

執筆者プロフィール

高山みさと
インテリアコーディネーター

CADオペレーター・大手住宅設備メーカー勤務を経て、住宅ライターとして開業。インテリアコーディネーター資格保有。元キッチンスペシャリスト。家づくりやリフォームにおける難しい知識を分かりやすく伝えている。プライベートでは築20年の戸建て住まい。リフォームやDIYで家づくりを楽しんでいる。

ざっくり要約!

  • マンションで猫の飼育が許可されていれば、猫を飼うことは可能
  • マンションで猫を飼う際には、管理組合への事前申請が必要

「猫を飼ってみたいけれど、マンションでも飼える?」とお悩みではありませんか?

体も鳴き声も小さめで散歩の必要がない猫は、実はマンションで飼育するのに向いている動物です。しかし、多くの人が暮らすマンションでは、たとえペットの飼育が許可されていても、さまざまなことに配慮する必要があります。

この記事では、マンションで猫を飼う際の注意点や、飼育のポイントについてまとめました。マンションで猫を飼いたい方はぜひご覧ください。

マンションで猫は飼えるの?

マンションで猫の飼育が許可されていれば、猫を飼うことは可能です。しかし、許可されていても、住人の中には動物が苦手だったり、アレルギーがあったりする方もいます。

お住まいの上下左右の住戸には、猫を飼っている旨を伝え、マンションの規約やマナーを守って生活することが大切です。

ペット飼育の可否を確認

「室内飼いなら、マンションで猫を飼ってもバレないのでは?」と思う方もいるかもしれませんが、こっそり飼うことは厳禁です。ペット飼育の可否は必ず確認し、管理組合に事前申請を行う必要があります。

ペットの飼育を許可してるマンションでも、管理規約ではペット飼育に関する細則が定められています。細則ではペットの種類・身長・体重、飼育できる頭数などが決められており、違反すれば訴訟や損害賠償に発展することもあり得ます。

ペットクラブには必ず加入を

ペットを飼っている住人で構成されたペットクラブがある場合は、必ず加入しましょう。加入が義務になっているマンションもあります。

規約やマナーを守って生活していても、ペットにまつわる苦情やトラブルはつきもの。ペットクラブでは苦情やトラブルの解決に努めています。
他にも、ペットクラブは近隣の病院やトリマーの情報交換などをできるメリットがあります。

猫はマンションでも飼いやすいペット

猫は行動範囲が狭く、散歩の必要がない動物です。猫はマンションで飼いやすいペットといえます。

体が小さい

犬は小型犬から大型犬まで大きさがさまざまですが、猫は比較的小さな動物です。管理規約の細則では、ペットの身長や体重が決められている場合がありますが、猫であればほとんどクリアできるでしょう。

散歩する必要がない

犬は散歩をしないと運動不足になってしまいますが、猫は散歩する必要がありません。
ただし、運動不足にならないための配慮は必要です。上下運動が好きな猫のために、キャットタワーやキャットウォークなどを用意してあげましょう。

鳴き声が少ない

猫の通常の鳴き声は小さく、頻繁に鳴くこともあまりありません。猫は、近隣に迷惑をかけることは比較的少ない動物です。

ただし、発情期の場合は事情が変わります。とくにメス猫は、発情期に大きな鳴き声を上げるので、マンションで飼うためには発情期をおこさないための避妊手術が必要です。

猫を飼う前に確認しておきたいポイント

猫を飼うためにはさまざまな責任が伴います。居住がマンションとなると、近隣住戸への配慮も欠かせないため、猫を飼い始める前に注意点を確認しておきましょう。

マンションの遮音性

マンションの遮音性は、床であればコンクリートスラブの厚さや床の構造、壁なら戸境壁の構造や厚さで決まります。マンションの構造に関しては不動産会社に確認しましょう。

床の遮音性を上げるには、猫の活動範囲に防音マットや遮音カーペットを敷くなどの対策をします。壁に対しては、遮音シート+吸音パネルといった具合に、遮音性能と吸音性能を組み合わせると防音効果を高められます。

トイレの置き場所

猫のトイレの置き場所は、食事場所から離れた静かな場所を選びます。
臭いが気になることも多いので、換気しやすい場所がおすすめ。換気扇のあるトイレや洗面所が良いでしょう。

臭いが気になるからといって、共用部であるベランダに置くのはNGです。ベランダに猫を出すことによって、近隣住戸に迷惑をかけたり、転落したりする危険があります。

ペット病院の場所

犬と比べると、病院にかかる頻度が低い猫ですが、急な体調不良や思いがけない誤飲で病院のお世話になることがあります。かかりつけのペット病院があると安心です。

また、マーキングの習性があるオス猫。去勢をしないと、家のあらゆる場所でスプレー行動(おしっこ)をしてしまいます。

メスの場合も、発情期には大きな鳴き声を上げるため、マンションで猫を飼う場合はオスもメスも去勢・避妊手術をする必要があります。

家具・家電の配置

猫は上下に運動するのが好きな動物です。家具の上に載ることは避けられないため、落下して危険な物は家具の上に置かないことが大切です。

また、猫は好奇心やストレスなどから電源コードを噛むことがあります。感電の危険もあるので電源コードにはケーブルチューブを巻いたり、ケーブルカバーを被せたりして、猫が噛めないように加工しておくと安心です。

猫アレルギー

猫を飼う前に大切なのが、自分や家族に猫アレルギーがないかということ。飼い始めてから気付くのでは遅いため、事前に確認しておきましょう。

猫アレルギーの検査は、皮膚科やアレルギー科で受けることができます。

飼い主としての責任

猫はきれい好きな動物です。毎日のトイレ清掃、ブラッシングや爪切りなど細やかなお世話が必要になります。

また、飼育するためにかかる費用は餌代だけではありません。ワクチン接種や体調を崩したときの医療費、ペット保険料などがかかります。猫は暑さに強くなく、猛暑にはエアコンを24時間稼働しなければならないことも。電気代がかさむ場合もあります。

猫を飼うためには、毎日のお世話に時間をかけられ、ある程度経済的な余裕も必要といえるでしょう。

マンションで猫を飼育するポイント

猫はマンションで飼いやすい動物ですが、ストレスのない環境を整えてあげたいものです。マンションならではの飼育のポイントも解説します。

壁や家具に爪とぎ対策を施す

爪とぎは猫の習性であるため、しつけをして止めるものではありません。傷付けられたくない壁や家具には、市販の爪とぎ防止シートを貼ります。爪とぎ防止シートはツルツルとした素材で、傷が付きにくくなっています。

爪とぎ対策を施したら、今度は爪とぎをしても良い場所をつくってあげましょう。猫がどこで爪とぎをしているか観察をし、そこへ爪とぎボードを設置します。

脱走対策を考える

マンションは戸建てよりも猫が脱走するリスクは低くなりますが、脱走防止の対策はしておいたほうが安心です。

猫は専有部で飼育することが基本のため、玄関やベランダに出られないように対策をします。脱走防止にはペットゲートの設置が有効です。賃貸向けには、突っ張り棒で固定するペットゲートもあります。

玄関からの脱走防止にはパーティションタイプ、小さな窓にはペット用網戸を設置して、猫の脱走を防ぎましょう。

猫の運動不足が解消できる遊具や家具を用意する

散歩の必要がないとはいえ、猫にも運動が必要です。運動不足はストレスにつながることもあるため、ケージ飼いはしないようにしましょう。

猫が上下運動できるキャットタワーの設置も良いですが、家具の配置を工夫して段差をつくるだけでも十分です。

また、高い場所は猫にとって安心できる場所でもあります。リビング全体を見渡せる高所に猫が休める場所があると、猫にとっても居心地の良いリビングになります。

管理規約とマナーを守り、マンションで猫と暮らそう

賃貸や中古マンションばかりでなく、新築の分譲マンションでも猫を飼える物件は増えています。しかし、ペット飼育が許可されているマンションでも、飼っていない住人の方が多い場合もあります。

近隣住人への配慮を忘れず、管理規約やマナーを守ることが、愛猫とマンションで快適に暮らすためのコツといえるでしょう。

この記事のポイント

マンションで猫をこっそり飼うことはできる?

マンションで猫を飼うためには、管理組合への事前申請が必要です。

詳しくは「ペット飼育の可否を確認」をご覧ください。

マンションで飼い猫への苦情があったらどうすればいい?

ペットを飼育する住人で構成される「ペットクラブ」があり、苦情やトラブルの解決に努めています。ペットクラブには事前に加入しておきましょう。

詳しくは「ペットクラブには必ず加入を」をご覧ください。

マンションで猫を飼うときに注意することは?

トイレの場所や家具の配置といった基本的なことから、マンションならではの注意点もあります。

詳しくは「猫を飼う前に確認しておきたいポイント」をご覧ください。

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