ざっくり要約!
- 下がり天井とは、部分的に天井が低くなっている箇所のこと
- 下がり天井の有無は図面で判断しきれないため、現地を確認することが望ましい
マンションでよく見られる、部分的に天井が低くなった箇所を「下がり天井」と呼びます。
下がり天井があるか否かは内見して初めて分かる場合もあり、間取り図だけで判断することは困難です。
この記事では、下がり天井のメリット・デメリット、下がり天井のある物件を購入する場合
の注意点について解説します。
記事サマリー
下がり天井とは?
下がり天井とは、天井が部分的に低くなっている箇所のことです。
下がり天井は、マンションで梁を隠すためによく使われますが、デザイン性向上のために設けられることも少なくありません。その場合は、下がり天井部分のクロスを際立たせて、インテリアのアクセントとして用います。
梁や排気ダクトを隠すために天井を下げているケース
マンションの階高によっては、天井内に梁や排気ダクトを納められないケースもあります。その場合には、室内に梁や排気ダクトが露出しますが、それらを隠すために下がり天井が設けられます。
デザイン性を上げるため天井を下げているケース
戸建ての場合、下がり天井はデザインとして設けられることが大半です。よく採用される場所がキッチンですが、キッチンが際立つだけでなく、リビング側が広く見える効果にも期待できます。
寝室の下がり天井は、主に間接照明を埋め込むために用いられますが、天井が下がることによって落ち着きのある空間を演出することができます。
下がり天井のある間取りのメリット
下がり天井は、内部に照明を埋め込んだり、天井クロスを部分的に際立たせたり、デザイン面でのメリットが多くあります。
空間にメリハリを付けられる
壁の一部を際立たせるにはアクセントクロスを使いますが、それと同様に天井にアクセントを付けたい場合に下がり天井は有効です。
たとえば、LDKのように仕切りがない広い空間を、下がり天井を取り入れることによってメリハリのある空間に変えることができます。
スタイリッシュに見せられる
下がり天井と床材を同一の素材にすると、スタイリッシュで統一感のある空間を演出できます。
また、下がり天井をあえて床材と異素材にしたり、床材よりも濃い色を使ったりして、より強いアクセント効果を狙う方法もあります。
落ち着いた印象にすることも可能
キッチンの下がり天井は、空間にメリハリをつけたり、インテリアのアクセントとして取り入れたりしますが、寝室では落ち着いた環境にするために使われます。
寝室では、光源が直接見えるシーリングライトは望ましくありません。やわらかく照らす間接照明が適しており、下がり天井に埋め込むことで落ち着きのある空間をつくれます。
下がり天井のデメリット
下がり天井のある空間は、天井が低い分窮屈な印象を受けることも。家具の購入や搬入にも注意を要します。
圧迫感につながることも
マンションのキッチンは梁や設備の納まりの都合上、下がり天井になっているケースも多く見られます。
背の高い方は下がり天井のキッチンに立つと、圧迫された印象を受けることも。一般的なマンションの天井高は2.4m前後ですが、2.1m程度になると、人によっては窮屈さを感じるものです。
また、天井高の低いキッチンは、レンジフードの本体高さも低くなります。消防法における離隔距離(コンロ上からレンジフード下まで80cm以上確保)が優先されるためです。レンジフードの選択肢が少なくなったり、見映えが悪くなったりすることがあるので、注意が必要です。
家具の高さにも注意が必要
下がり天井は、見た目にはフラットに見えても、表面に凸凹がある可能性もあります。カップボードや本棚のような高さのある家具は、下がり天井ピッタリの高さの物を選ばないようにしましょう。
また、天井高ピッタリの高さの家具は、搬入や設置が困難になります。天井に傷を付ける恐れもあるので、下台と上台を現地で連結する構造の家具を選ぶと失敗がありません。
その上で、天井までの空間は5cm程あると安心です。天井までの隙間が気になる場合は、フィラー材でふさぐこともできます。
お掃除が大変になることも
下がり天井に間接照明を埋め込んでいる場合は、ホコリがたまりやすくなります。キッチンの場合は、油を含んだ汚れがたまることもあるでしょう。
定期的な清掃が欠かせませんが、高所で見えにくい場所になるため、お掃除に手間がかかるかもしれません。
下がり天井のある家を選ぶときのポイント
下がり天井は、実際に見ると思わぬ圧迫感を受ける場合があります。できるだけ内見で確認し、なぜそのような納まりになっているのかを確認できると良いでしょう。
図面だけでは分からない!現地で確認を
下がり天井がある物件は、間取り図に「点線」で表記されていることもあります。ただし、必ず表記があるとは限らず、現地で確認する必要があります。
中古マンションの場合は、実際に内見して下がり天井の状態を確認できますが、建築中の新築マンションでは、パンフレットの図面やモデルルームの内見しかできない場合も少なくありません。梁型の出幅は、階数によって変わるケースもあるので注意が必要です。詳細については、不動産会社に相談してみましょう。
なぜ下がっているのかを知る
下がり天井がある理由は大きく2つに分かれ、デザインとして設けている場合と、梁や排気ダクトを隠すために設けている場合があります。
デザインとして設けている場合は、リフォーム時に撤去して空間の再構成が可能です。
一方、梁や排気ダクトが納められている場合は、下がり天井を撤去することはできません。そのため、大規模なリフォームやリノベーションをしたい場合に不利になる可能性があります。
階高が低い場合もある
マンションに下がり天井がある場合、懸念されるのが「階高」の低さです。階高とは、ある階の床から、その上階の床までの高さを示します。
本来、床や天井の構造は「二重床」や「二重天井」とし、設備配管や梁まで納められるのが理想です。しかし、階高が低い場合は二重構造にすることが難しくなり、「直床」や「直天井」にせざるを得ないこともあります。
直床や直天井のマンションは、将来的なリフォームや間取り変更が制限される可能性もあるので注意が必要です。
下がり天井がある物件は購入前に確認を!
下がり天井の有無は、図面だけでは判断しきれません。また、実際にどのくらいの圧迫感を受けるかは個人差もあり、現地を確認することが一番です。
とくに、マンションの場合は下がり天井がある理由を知っておくことも大切。梁やダクトが納められている場合は、リフォームの際にも撤去することはできません。後悔しないためにも、物件を購入する前に気になることは不動産会社等に確認しておきましょう。
この記事のポイント
- 下がり天井がある理由は?
下がり天井はデザイン性向上のために設ける場合と、梁やダクトを隠すために設置される場合があります。
詳しくは「下がり天井とは?」をご覧ください。
- 下がり天井にデメリットはある?
家具の高さに注意が必要だったり、掃除が大変になったりするデメリットがあります。
詳しくは「下がり天井のデメリット」をご覧ください。
- 下がり天井があるかどうかは図面で判断できる?
下がり天井は、図面に「点線」で表記されている場合もありますが、表記がないこともあるので現地で確認が必要です。
詳しくは「図面だけでは分からない!現地で確認を」をご覧ください。
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