ざっくり要約!
- アクセントクロスとは、壁紙や天井クロスの一部のデザインを変えること
- 部屋がおしゃれに見えるだけでなく、視覚効果で広さを演出することもできる
天井や壁のデザインを部分的に変える「アクセントクロス」。アクセントクロスを取り入れるだけで空間は一変し、より豊かなインテリアになります。
この記事では、インテリアコーディネーターの筆者がアクセントクロスの上手な取り入れ方を解説。筆者の失敗例もあわせて紹介します。
記事サマリー
アクセントクロスとは?どんな効果がある?
部屋に貼る壁紙のことを、建築用語では「クロス」と呼びます。
「アクセントクロス」とは、壁や天井に貼るクロスの一部を異なるデザインに変えるものです。色や柄を部分的に変えることによって、個性的でインパクトのある空間を演出することができます。
部屋がおしゃれになる
壁にアクセントを付けるには、壁紙以外にも腰壁・タイル・エコカラットなど、さまざまな方法がありますが、費用や施工期間がかかるというデメリットがあります。
アクセントクロスを使うメリットは、手軽かつ低コストでおしゃれな空間をつくれること。壁の一面だけ変えるのであれば、DIYでもチャレンジできます。
空間のメリハリをつけられる
白いクロスだけが貼られた部屋は明るく広く見えますが、どこか単調で面白味がない空間になりがちです。
アクセントクロスを取り入れると、それだけで空間にメリハリが生まれます。そのためには、ハッキリとした変化を付けられる色柄を選ぶことがポイントです。
例えば、アイボリーのような白に近い色は、アクセントクロスにはあまり適していません。
部屋を広く見せる効果も
アクセントクロスは、色や柄の使い方によって部屋を広く見せる効果もあります。
水色や青などの寒色系は「後退色」とも呼ばれ、壁が遠くに感じられる色です。入り口から奥の方の壁に使うと、広く奥行きのある空間に見せることができます。
また、ストライプ柄は縦の空間を強調します。天井を高く見せたいときに取り入れると効果的です。
アクセントクロスの失敗例
アクセントクロスは一面とはいえ、壁の大きな面積を占めることになります。カーテンのように気軽には変えられないため、慎重に選びましょう。
イメージとは異なる仕上がりになってしまった
クロスは、小さなサンプルやウェブカタログの写真で選ぶ場合も多く、実際に貼られた際にイメージ違いが起きることも少なくありません。面積が広くなると、色は薄く感じられる傾向にあるので注意が必要です。
また、日当たりや照明の当たり具合によって、印象が変わる場合もあります。
部屋の統一感が損なわれてしまった
インテリアは、面積の大きな壁・床・天井・建具などに統一感を持たせることが大切です。
気に入ったデザインのアクセントクロスであっても、インテリアを構成する部材と調和しなければ、ちぐはぐとした印象を与えてしまいます。
アクセントクロスを選ぶ際には、インテリアのトータルコーディネートが必要です。
空間に飽きてしまった
筆者は、アクセントクロスをDIYで貼ったことがあります。白一色の壁に、北欧デザインのクロスを取り入れ、空間が一変した嬉しさを覚えています。
しかし、それも数年経ってしまうと何故かシンプルな壁紙に戻したくなりました。今もクロスのデザイン自体は好きですが、その空間には飽きてしまったのです。
また、インテリアにはトレンドもあります。模様替えで新しい流行を取り入れたいと思っても、アクセントクロスの雰囲気が邪魔になってしまう可能性もあるでしょう。
アクセントクロスを取り入れるのに適している場所は?
アクセントクロスはどのような場所にも取り入れられますが、おすすめの4つの場所をご紹介します。
リビングの一角
広くおしゃれに見せたいリビングは、アクセントクロスを取り入れる場所としておすすめです。リビングに入って最初に目に入る壁や、テレビの背面など、目に付きやすい場所を選びましょう。
基本的に壁の一面を選んで貼りますが、リビングの場合は一面が広範囲になることもあります。アクセントとして効果を発揮しやすい面積は、空間全体の2割程度が目安となります。
控えめに取り入れたい場合は、ニッチやヌックに取り入れるのもおすすめです。
トイレ
トイレも、アクセントクロスを貼る場所として適しています。ドアを開けて正面の壁や、座ったときに正面になる壁に貼ると、ひと味違うトイレ空間になります。
トイレは長時間過ごす場所ではないため、個性的なデザインに挑戦するのもおすすめです。
子ども部屋
子ども部屋は4畳半から6畳程度であることが多いため、アクセントクロスを取り入れて少しでも広く見せたい空間です。
子ども部屋をつくる年齢にもよりますが、幼児期であれば子どもが楽しく過ごせる色や柄を選びましょう。
就学後は、集中力を高めるブルー系のアクセントクロスがおすすめです。ブルー系は部屋を広く見せる効果もあります。低学年の間は、ウォールステッカーでアレンジすると楽しい空間になるでしょう。
寝室
物が少ない寝室は、シンプルな空間になりがちです。アクセントクロスで色を取り入れることで、癒し効果の高い寝室を演出できます。
ブルーを取り入れると心が落ち着き、グリーンやブラウンといったアースカラーはリラックス効果を得られるでしょう。
アクセントクロスを選ぶときに失敗しないポイントは?
アクセントクロスで失敗しないためには、インテリアのテーマを決め、それに沿った色やデザインを選ぶことが大切です。
まず部屋のインテリアスタイルを決める
アクセントクロスを選ぶ際には、インテリアスタイルやテーマを決めておきます。
北欧、モダン、ナチュラル、インダストリアルなど、インテリアスタイルが明確になっていれば、アクセントクロスを選ぶ際にも迷いません。
また、アクセントクロスの色柄によっては、模様替えが難しくなる可能性があります。とくに個性的なデザインのクロスは慎重に選びましょう。
色彩が与える効果・印象を知る
色彩がインテリアに与える影響は大きく、壁のような広い面積ではその影響がより強くなります。アクセントクロスにおける、色の効果について解説します。
有彩色と無彩色
色は有彩色と無彩色に大別されます。無彩色は色彩のない、黒や白、グレーを指し、モダンインテリアを中心に使われる色です。
有彩色には色彩があり、暖色・中性色・寒色に分類されます。
有彩色 | 暖色 | 中性色 | 寒色 |
---|---|---|---|
色 | 赤・オレンジ・黄色 | 緑・紫 | 水色・ブルー・ネイビー |
印象 | 明るい、暖かい | 落ち着きがある | 涼しげ、さわやか |
明度
明度とは、色の明るさのことです。
明度の高いパステル系の色は、部屋を広く見せる効果があります。ただし、明度が高い色は、他の壁とのメリハリが付きにくく、アクセント効果を得にくい場合があります。
反対に、明度の低い色はグレーやブラウンなどを指し、重厚感を演出することができます。ただし、明度が低すぎる場合は、圧迫感や窮屈さを感じる可能性があります。使用面積や色調などを慎重に検討しましょう。
彩度
彩度は色の鮮やかさを示し、彩度の高い色は赤・黄色・黄緑・青などの原色です。ビビットカラーともいわれ、インパクトのある空間を演出できます。
彩度の低い色は、落ち着きのある色が多く、アクセントクロスによく採用されます。カーキやテラコッタなど、自然を彷彿とさせるアースカラーに人気があり、部屋になじみやすいことが特徴です。
アクセントクロスの人気色を知る
アクセントクロスで失敗しないためには、「人気色」を取り入れる方法もあります。個性は出しづらくなりますが、取り入れやすい色であることは確かです。
アクセントクロスの人気色は、グレー・ブルー・ブルーグレーなど、明度や彩度がやや低い落ち着いた色です。床や建具と合わせやすい色でもあります。
サンプルで現物を確認する
クロスは実物を確認して選ぶことが大切です。サンプルを取り寄せ、実際に貼る予定の壁にマスキングテープで貼ってみると、光の当たり方や雰囲気を確認できます。そのためにも、できるだけ大きなサンプルを取り寄せましょう。
また、サンゲツやリリカラといった建材メーカーにはショールームもあります。多くのサンプルを見られるだけでなく、トレンドを知れたり、アクセントクロスがコーディネートされた空間を見られるので、選ぶ上で参考になります。
アクセントクロスのデザインを決めかねている場合は、ショールームの活用もおすすめです。
アクセントクロスで魅力的な空間演出を
壁紙の一面だけ変える「アクセントクロス」。アクセントクロスは、費用を抑えながらも空間を一変させる威力があります。
アクセントクロスは、クロス単体の色やデザインでは決めずに、部屋全体のインテリアに合わせて選ぶことがポイントです。また、色の効果について知っておくと、クロスを選ぶ際に役立つでしょう。
この記事のポイント
- アクセントクロスを貼るメリットは?
アクセントクロスは部屋がおしゃれに見える、メリハリのある空間を演出できるといったメリットがあります。
詳しくは「アクセントクロスとは?どんな効果がある?」をご覧ください。
- アクセントクロスの失敗例は?
アクセントクロスの失敗例には、イメージと違う、飽きてしまったなどが挙げられます。
詳しくは「アクセントクロスの失敗例」をご覧ください。
- アクセントクロスの人気色は何?
アクセントクロスは、ブルーやグレーといった落ち着きのある色が人気です。
詳しくは「アクセントクロスの人気色を知る」をご覧ください。
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