コートハウス
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コートハウスとは?メリット・デメリットやチェックポイントを解説

執筆者プロフィール

悠木まちゃ
宅地建物取引士

ライター・編集者。ハウスメーカー勤務時に、新築戸建て住宅のほか、事務所建築や賃貸アパートの営業・設計を経験。
その後、2019年よりフリーライター・編集者として活動を開始。実務経験を活かし、不動産・金融系を中心に執筆から編集まで行う。ブックライターとしても活動するほか、ライター向けオンラインサロンの講師も担当している。

ざっくり要約!

  • コートハウスとは、壁や塀に囲まれた中庭がある住宅のことです。
  • コートハウスのメリットは、プライバシーを保護できる点や安全性・防犯性が高い点、採光・通風に優れている点です。
  • コートハウスを選ぶときには、中庭のカビやコケ、窓・壁の結露や染みの有無のほか、生活動線をチェックしましょう。

コートハウスは、壁や塀に囲まれたプライベートな中庭を有する住宅です。おしゃれな雰囲気や開放感が魅力である一方、実用性が気になる方もいるでしょう。

本記事ではコートハウスのメリット・デメリットのほか、物件を選ぶときのポイントも解説します。コートハウスを検討している方は、ぜひ参考にしてください。

コートハウスとは

コートハウスとは、壁や塀に囲まれた中庭がある住宅のことです。建物で囲まれた中庭だけではなく、道路との境に塀を設けてつくられる中庭もあります。

コートハウスの形状は、四方を建物で囲んでいるロの字型や、三方を囲むコの字型、二方向のみ囲むL字型など、さまざまです。中庭に面して大きな窓を設置し、開放的なプランニングをすることが特徴として挙げられます。

コートハウスのメリット

中庭を有するコートハウスは、日々の暮らしが快適になるだけではなく、防犯性や安全性が高まるといったメリットもあります。

視線が気にならない中庭でリラックスできる

壁や塀に囲まれた中庭では、外部からの視線を気にせずにリラックスして過ごせます。バーベキューやブランチをしたり、夏には子ども用のプールを出して遊んだりもできるでしょう。

近隣住民や通行人から見られることがなく、家族だけのプライベートな空間でアウトドアを楽しめます。

防犯性が高まる

中庭に面して開放的な窓を設けるコートハウスでは、外側にあまり大きな開口部をつくらない傾向があります。そのため、外部から人が入れるような開口部はほとんどありません。

玄関の戸締りさえ行えば、空き巣や不審者の侵入を防ぎやすい構造となっています。

子どももペットも安全に遊べる

建物や塀に囲まれた中庭では、子供やペットが道路に飛び出す危険性が低く、安全に遊べます。

また、公園で遊ぶ場合には「不審者がいないか」「目の届かない場所に行かないか」といった心配がありますが、中庭ならそのリスクも低いでしょう。小さな子どもやペットがいる家庭には、大きなメリットといえます。

居室内の採光・通風に優れる

中庭に面して大きな開口部を設けられるコートハウスは、採光や通風に優れています。

一般的な住宅では外側からしか光や風を取り込めないのに対し、コートハウスでは家の中心部からも取り入れられます。暗くなりがちな内側にまで自然光が届くため、明るい居住スペースをつくることが可能です。

コートハウスのデメリット

コートハウスにはメリットが多い一方で、デメリットも存在します。あらかじめ把握しておき、デメリットを軽減できるような対策を施しましょう。

建築コストが高くなりやすい

凹凸のある家は、シンプルな形の家より外壁の面積が大きくなるため、コートハウスは建築コストが高くなる傾向があります。

外壁の面積が大きくなると、外壁材が増えるだけではなく、構造躯体の柱や梁、断熱材なども増えます。その一つ一つに材料費と工賃がかかるため、コートハウスの価格は高くなりやすいのです。

また、中庭に面して設置する大きな窓も、通常の窓より高価格であるほか、中庭の排水設備にもコストがかかります。

居住スペースが狭くなる

限られた敷地面積の中でコートハウスをつくる場合、中庭を設けた分、居室の面積が減ってしまうことは避けられません。また、住宅の中心部を中庭とすることで、家の内部に大きな空間を確保しにくくなる側面もあります。

ただし、敷地が広い場合には、中庭をつくったうえで居住スペースの面積を確保することも可能でしょう。

断熱性能が低くなりがち

中庭に面して大きな開口部を設けるコートハウスでは、断熱性能が低くなる傾向があります。外壁には断熱材が入っていますが、開口部分には断熱材がないためです。大きな窓を取り付けるほど、家全体の断熱性能は下がってしまいます。

しかし、窓にも色々な製品があり、断熱性能もそれぞれ異なります。これから新築する場合には、断熱性の高い窓を採用することで、デメリットを軽減できるでしょう。

湿気が溜まりやすい

台風や集中豪雨が発生した場合、中庭の排水環境が整っていないと、水が溜まってしまう恐れがあります。コートハウスを作る際には、水はけを考慮して設計することが重要です。

また、中庭があまり広くない場合は、風通しが悪くなり湿気が溜まりやすくなります。通気性を確保できるようなプランニングを行いましょう。

メンテナンスが大変

コートハウスは、メンテナンスに手間や費用がかかる傾向があります。たとえば中庭の排水管にゴミや枯葉が詰まると水が溜まってしまうので、こまめに掃除をしなければなりません。

さらに、中庭に面した大きな窓が汚れていると、せっかくの解放感や魅力が半減してしまうため、クリアな状態を維持するために定期的な清掃が必要となるでしょう。

また、外壁の面積が大きいと、塗り替え・張り替えの際の費用がかかることも懸念されます。

コートハウスに住むのに向いている人

ここまでに紹介したメリット・デメリットを踏まえると、コートハウスは中庭を生活の一部として楽しみたい方に向いています。

たとえば、以下のような方におすすめです。

  • 開放感のある住宅に住みたい方
  • 外部からの視線を気にせず庭で過ごしたい方
  • 中庭を通して四季を感じたい方
  • 植物を育てるのが好きな人

上記のように、自然環境も含めて楽しめる人に向いているといえます。

コートハウスの家を選ぶときのポイント

中古住宅や賃貸でコートハウスを選ぶときには、見るべきポイントがあります。住み始めてから後悔しないよう、チェックしておきましょう。

中庭部分にカビや苔が生えていないかチェック

コートハウスでは、設計によって中庭に湿気が溜まりやすくなり、カビや苔が発生する場合があります。見た目が悪いだけではなく、カビの臭いを感じることもあるかもしれません。

コートハウスを選ぶ際には、家の中だけではなく中庭の状況もチェックしましょう。

中庭に面した窓や壁に結露や染みはないか確認

寒い時期になると、窓が結露することがありますが、コートハウスも例外ではありません。結露とは、室内の暖かい空気が冷たい窓に触れて冷やされ、水滴になる現象です。結露がひどいと壁に染みができることもあります。

窓が大きいと広範囲にわたって結露が発生する場合もあるため、中庭に面した窓や壁に結露や染みがないか、よく確認してみましょう。

1年を通した暮らし方をイメージする

中庭に面して大きな窓を設けるコートハウスでは、1年を通した暮らし方を想定することが大切です。夏や冬のことを考えて、断熱性の高い窓が採用されている住宅を選びましょう。

断熱性は、ガラスのタイプや枚数によって異なります。たとえばLow-Eと呼ばれる金属コーティングによって熱を伝わりにくくしているタイプや、ガラスの間にガスを充填して断熱性を高めているサッシなどがあります。

ペアガラス(ガラスが2枚)より断熱性が高いトリプルガラス(ガラスが3枚)も選択肢のひとつです。

また、真夏の直射日光を遮るため、中庭に面する窓に開閉可能なオーニング(布製の庇)が設置されている住宅もよいでしょう。

居住スペースの動線も見ておこう

コートハウスは中心部に庭があり、その周りに部屋が配置されるため、導線は長くなる傾向があります。しかし、頻繁に行き来する箇所の動線は、短いに越したことはありません。

キッチンや洗面脱衣室の家事動線のほか、各居室とトイレなどの水まわりの位置関係を確認しておきましょう。玄関から遠い位置には、勝手口のような裏口もあると便利です。

まとめ

中庭があるコートハウスは、外からの視線を気にせずにリラックスできるうえ、子どもやペットも安全に遊べます。

一方で、居住スペースが狭くなったり、断熱性能が低くなったりといったデメリットも存在します。コートハウスを選ぶときには、中庭のカビやコケ、窓や壁の結露・染みがないかを十分に確認しましょう。

また、動線が短くなるよう設計されている物件を選ぶことで、生活がしやすくなります。

この記事のポイント

コートハウスとは何?

コートハウスとは、壁や塀に囲まれた中庭がある住宅のことです。

詳しくは「コートハウスとは」をご覧ください。

コートハウスのメリットは?

中庭で視線を気にせずリラックスできることや、子ども・ペットが安全に遊べること、防犯性が高いこと、採光・通風に優れていることなどが挙げられます。

詳しくは「コートハウスのメリット」をご覧ください。

コートハウスのデメリットは?

居住スペースが狭くなることや、断熱性能が低くなること、湿気が溜まりやすいことなどです。

詳しくは「コートハウスのデメリット」をご覧ください。

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