ざっくり要約!
- サムターン回しとは、空き巣の手口のひとつで、ドアの外側からサムターンを回して解錠する手法です。
- 補助錠やサムターンカバーの設置、ドアポストの施錠などによって、サムターン回しを防止することが可能です。
近年、空き巣の主な手口が「ピッキング」から「サムターン回し」へ変わりつつあると言われています。被害を未然に防ぐためには、どのような対策が求められるのでしょうか。
この記事では、サムターン回しの手法や防止策について解説します。ご自宅に適した対策を施し、不審者の侵入を防ぎましょう。
記事サマリー
サムターン回しとは?
住宅の防犯性を高めるうえで、知っておきたいものが「サムターン回し」です。そもそもサムターンとは何かという基礎から、サムターン回しの手口まで説明します。
そもそも「サムターン」って何?
サムターンとは、ドアの鍵を室内側から開閉する際に使うつまみのことを言います。つまみを90度回転して水平や垂直にすることで、解錠・施錠を行います。
戸建て住宅やマンションでは玄関ドアによく用いられ、シリンダー錠とセットになっていることが多いです。
「サムターン回し」とは空き巣の手口
「サムターン回し」とは、ドアの外側から何らかの方法でサムターンを回し、不正に鍵を開ける手法です。サムターンを回すことで解錠できる仕組みを利用したもので、空き巣の手口となっています。
これまでは、鍵穴に工具を挿し込んで解錠するピッキングが、空き巣の手口として主流でした。しかし、近年では防犯性の高いシリンダー錠の登場により、ピッキングが困難となったことから、サムターン回しが増えています。
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サムターン回しのやり方
サムターン回しは、外側からサムターンを回転させるものですが、そのやり方は主に4パターンあります。対策を施すためにも、どのような手法で行われているかを知っておきましょう。
ドアポスト(郵便受け)からサムターンを回す
玄関ドアについている郵便受け(ドアポスト)を使い、サムターンを回すやり方があります。郵便受けから室内側に工具を挿し込んでサムターンを回す手法や、郵便受けを破壊して穴を広げ、そこから器具や手を伸ばして解錠する方法です。
郵便受けは、自宅から出ずに郵便物を受け取るには便利ですが、外部と室内を繋げる開口部でもあり、リスクが潜んでいます。
ドアスコープからサムターンを回す
室内から外を確認するためのドアスコープ(のぞき穴)を使った手法もあります。ドアスコープは、本来は外側から外せないものですが、ドアスコープとドアの間に工具を挿し込むことで無理やり外すことができます。
外れた後は玄関ドアに小さな穴が開いている状態となるため、そこから器具を挿入し、サムターンを回す方法です。
ドアスコープに器具を挿し込む様子を見かければ、不審者であることは一目で分かるでしょう。しかし、作業中に音が出にくいため、目撃者がいなければ周りに気づかれにくい手口となっています。
ドアの隙間からサムターンを回す
玄関ドアと外壁の間にあるわずかな隙間から、細い器具を挿し込んでサムターンを回す手口です。近年の防犯性が高い住宅であれば、隙間はほとんどありませんが、古くからある住宅には隙間があり、この手口が使われる事例も少なくありません。
隙間に器具を挿し込む手口の場合は、ピッキングよりも早く開けられることがあり、目撃されにくい手法のひとつです。
ドアに穴を開けてサムターンを回す
玄関ドアのシリンダー付近に電動ドリルで穴を開け、工具を挿し込んでサムターンを回すパターンです。ドアスコープや郵便受けが設置されていない場合のほか、壁との間に隙間がない場合も、ドアに無理やり穴を開けることでサムターン回しは可能となります。
穴を開ける際には音が鳴りますが、かかる時間はわずか1~2分です。空き巣は事前に周囲のリサーチをおこなっているため、人がいない時間帯に実行することで、気づかれにくくなっています。
サムターン回し防止に!簡単にできる5つの対策
あらゆる手段を用いておこなわれるサムターン回しですが、防止する方法はあります。対策を十分に施し、空き巣の侵入を防ぎましょう。
サムターンカバーを付ける
サムターンの周りをカバーで覆うことによって、サムターン回しを防ぐことは可能です。外部から器具を挿入して回す際は、サムターンの上下や横から回す形となるため、カバーに阻まれると操作しにくくなります。
サムターンカバーはホームセンターやネットショップで購入できるほか、ペットボトルを用いて自作することも可能です。
ただし、プラスチックやアクリルといった材質でできているため、物理的に破壊されたり、バーナーなどを使って高温で溶かされたりする恐れはあります。
ドアポストを施錠する
玄関ドアにドアポスト(郵便受け)がついている場合は、まず室内側にボックス(受け箱)を設置しましょう。さらにボックスを施錠すると、ドアポストから器具を挿し込むことによるサムターン回しを防ぎやすくなります。
そのほか、外からの覗き見を防止できることから、不在かどうかが分かりにくくなるでしょう。ただし、ボックスはドアにネジ止めするため、賃貸住宅の場合は設置の可否を管理会社へ確認する必要があります。
防犯用のドアスコープに取り替える
標準仕様でついているドアスコープを、防犯用のタイプへ取り替えるのも有効です。
防犯用ドアスコープは、外側から外そうとしてもリングが空回りし、取れにくい構造になっています。ドアスコープを外せなければ器具を挿入できないため、サムターン回しを防止しやすくなるでしょう。
さらに、防犯用のドアスコープには内側にカバーが付いているタイプもあり、外からの覗き見も防げます。
サムターンの他に補助錠をつける
メインの鍵の他に補助錠をつけ、1ドア2ロックにするのも効果的です。空き巣は目撃されることを回避するために、侵入に時間がかかる家を避ける傾向があります。特に、時間を要することが外観から分かると、侵入を試みる前に諦めるため、視覚的に訴えられる2ロックは役に立つでしょう。
ただし、賃貸住宅では玄関ドアに手を加えて補助錠をつけることは、難しいといえます。分譲マンションの場合、設置の可否は管理会社に問い合わせが必要です。
持ち家の場合は取り付け自由ですが、ドアの素材や厚みによって設置が可能かどうか、専門業者に相談してみることをおすすめします。
サムターン自体を取り替える
サムターン自体を防犯性の高いものへ取り替える方法もあります。たとえば、鍵を挿した状態でなければサムターンが空回りするタイプや、室内側からボタンを押さなければ回らないタイプが、そのひとつです。
そのほか、取り外し可能なサムターンもあります。サムターンを取り外すと物理的に回せなくなるため、有効な対策となるでしょう。
まとめ
「サムターン回し」とは、玄関ドアの外側からサムターンを回し、不正に解錠する空き巣の手口です。
ドアスコープや郵便受けなどの開口部のほか、外壁との隙間から器具を挿し込んでサムターンを回すやり方があります。また、電気ドリルで玄関ドアに穴を開けるのも方法のひとつです。
防止策としては、サムターン自体の取り替えや、補助錠の設置などが挙げられます。ただし分譲マンションの場合、補助錠を設置するには管理会社への確認が必要です。そのほか、ドアに加工が必要な対策を行う際には、管理会社へ相談をしてみましょう。
・「防犯」に関する記事はこちら プロに聞いた! 防犯を考慮した家選びのコツ~空き巣や強盗対策~ |
この記事のポイント
- サムターン回しとはどのようなものですか?
サムターン回しとは、玄関ドアを解錠し侵入する、空き巣の手口のひとつです。サムターンといわれる室内側から開閉する際に使うつまみを、何らかの方法でドアの外側から解錠する手法です。
詳しくは「サムターン回しとは?」をご覧ください。
- サムターン回しのやり方はどのようなものですか?
ドアポスト(郵便受け)やドアスコープ、ドアの隙間から器具を挿し込むほか、ドアに穴を開けてサムターンを回す方法があります。
詳しくは「サムターン回しのやり方」をご覧ください。
- サムターン回しを防止する対策は?
補助錠やサムターンカバーの設置、ドアポストの施錠、防犯用ドアスコープへの取り替えのほか、サムターン自体を防犯性の高いタイプへ付け替える方法があります。
詳しくは「サムターン回し防止に!簡単にできる5つの対策」をご覧ください。
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