通勤時間 平均
更新日:  

通勤時間の平均はどれくらい?

執筆者プロフィール

悠木まちゃ
宅地建物取引士

ライター・編集者。ハウスメーカー勤務時に、新築戸建て住宅のほか、事務所建築や賃貸アパートの営業・設計を経験。
その後、2019年よりフリーライター・編集者として活動を開始。実務経験を活かし、不動産・金融系を中心に執筆から編集まで行う。ブックライターとしても活動するほか、ライター向けオンラインサロンの講師も担当している。

ざっくり要約!

  • 通勤時間の全国平均は往復で1時間19分、東京都の平均は往復1時間35分です。
  • 全国の中では首都圏・近畿圏の通勤時間が長い傾向にあります。

居住地を選ぶ際、基準のひとつとなるのが勤務先までの通勤時間です。通勤時間に正解はないものの、一般的にどの程度の時間を費やすものなのか、気になる方もいるのではないでしょうか。

この記事では、通勤時間の平均値や都道府県別のランキングのほか、通勤時間の長短によるメリットを解説します。自身の価値観に合う住まいと居住エリアの選択肢として、ぜひ参考にしてください。

通勤時間の全国平均は往復で1時間19分

総務省統計局が調査した「令和3年社会生活基本調査」によると、通勤時間の全国平均は往復で1時間19分であることが分かりました。首都圏や近畿圏など、各地域における傾向を見ていきましょう。

東京都の平均は往復1時間35分

都道府県別のデータを見ると、東京都における通勤時間の平均は往復で1時間35分、片道に換算すると48分となっています。全国では首都圏・近畿圏の通勤時間が長い傾向にあります。

一方、全国の中でも通勤時間が短い傾向にあるのが東北です。特に秋田県・山形県は、いずれも通勤時間の平均が往復で1時間以下となっています。

通勤時間ランキング

順位都道府県往復片道
1神奈川県1時間40分50分
2千葉県1時間35分48分
2東京都1時間35分48分
4埼玉県1時間34分47分
5奈良県1時間28分44分
6大阪府1時間27分44分
7兵庫県1時間24分42分
8京都府1時間21分41分
9茨城県1時間18分39分
9愛知県1時間18分39分

※出典:総務省統計局|令和3年社会生活基本調査

上記は、通勤時間が長いほうから順に並べたランキングです。上位4つは首都圏となりました。1位の神奈川県においては勤務先が東京にあるなど、県外に勤務しているケースが多いと予想されます。また、2位の千葉県、4位の埼玉県も同様に、勤務地が東京などで通勤時間が長くなっていると考えられるでしょう。

5~8位は近畿圏です。こちらも同様に大阪への通勤など、県を跨いで移動している人が多いと予想できます。

その他、同率9位は茨城県と愛知県で、いずれも製造業が盛んな地域です。これらの地域は首都圏・近畿圏とは反対のパターンで、利便性の高い場所に住み、地方で働くケースも考えられます。

テレワークしている人の傾向

テレワークの傾向

近年はテレワークにより、在宅で働いている人も増えている状況です。その場合の通勤時間や1日の過ごし方は、どのようになっているのでしょうか。

2021年のテレワーク率は6.7%

総務省の情報通信白書によれば、新型コロナウイルス感染症拡大による一度目の緊急事態宣言が発令される前の2020年3月の企業のテレワーク実施率は、17.6%でした。この割合は、20年5月から6月に50%を超え、感染の収束が見られ始めてから減少傾向にありますが、いまだにテレワークを継続している人は少なくありません。

2021年、総務省統計局はテレワーク(在宅勤務)による「1日の生活時間の配分」の変化を把握するために、調査を行いました 。調査対象者は仕事をおこなっている人、5,286万7,000人です。そのうち、調査当日にテレワークをしていた人は354万2,000人で、全体の 6.7%を占めていました。およそ15人に1人がテレワークをしている状況です。いまや「在宅勤務」は、働き方の選択肢の1つになっています。

通勤時間とともに身支度にかける時間も短い

総務省統計局は、テレワークをしていた354万2,000人と、出社ありの人における「1日の生活時間の配分の差異」を年齢階級別で比較する調査を行いました。その結果が、以下の表です。

勤務形態身支度通勤
25~34 歳 テレワーク (在宅勤務) 56分 3分
出社あり 1時間13分 1時間15分
35~44 歳 テレワーク (在宅勤務) 1時間7分 5分
出社あり 1時間18分 1時間8分
45~54 歳 テレワーク (在宅勤務) 1時間17分 5分
出社あり 1時間20分 1時間8分

※出典:総務省統計局|テレワークによる生活時間の変化

テレワークをしていた人は、当然ながら通勤時間が非常に短くなっています(在宅勤務で午後のみ出勤等があるため、通勤時間は0分ではありません)。

また、通勤時間とともに短くなっていたものが、身支度にかける時間です。特に25~34 歳では出社ありの人より17分短くなっており、年齢が上がるにつれて、出社の有無による差は少なくなっています。

睡眠・食事・育児にかける時間が長い

続けて調査結果を見ていくと、通勤時間や身支度以外で差が出ていたのは、睡眠・食事・育児の時間でした。

勤務形態睡眠食事育児
25~34 歳 テレワーク (在宅勤務) 8時間6分 1時間30分 13分
出社あり 7時間25分 1時間15分 15分
35~44 歳 テレワーク (在宅勤務) 7時間18分 1時間29分 41分
出社あり 7時間17分 1時間18分 18分
45~54 歳 テレワーク (在宅勤務) 7時間16分 1時間40分 9分
出社あり 6時間59分 1時間24分 4分

※出典:総務省統計局|テレワークによる生活時間の変化

テレワークの人の睡眠時間は、出社ありの人よりも長くなっています。25~34歳では特に顕著で41分長く、45~54歳では17分長くなっています。

食事の時間は、すべての年齢階級において出社ありの人よりも増えており、テレワークの人のほうが11~16分長くなりました。

また、育児については35~44歳で23分長くなるという結果が出ています。
(この調査での「育児」は就学前の子どもの世話であり、就学後の子どもの世話は「家事」に含まれています。)

これらの調査結果から、テレワークの人たちは通勤や身支度にかける時間が減った分、睡眠・食事・育児の時間が増え、家族での時間やプライベートが充実していると考えられます。

通勤時間が短いメリット

ここからは通勤時間の長短がもたらす影響について見ていきましょう。まずは通勤時間が短い場合のメリットを紹介します。

家事や睡眠、趣味に充てられる時間が増える

平日は、1日24時間から勤務時間と通勤時間を差し引いた、残りのわずかな時間がプライベートタイムです。通勤時間が短くなれば、その分、朝・晩の自由に使える時間が増えます。

睡眠を多く取る人もいれば、家事や趣味の時間に充てる人もいるでしょう。特に残業などがあり帰宅が夜遅くなる人にとっては、増える時間が1日30分であっても貴重です。

副業や自己投資の時間も取りやすい

通勤時間が短くなることで増える時間は、趣味や睡眠だけでなく、自己投資の時間にも充てられます。資格取得の勉強や副業など、1日少しずつでも自己投資を行うことによって、将来の自分が楽になります。

副業を始めたいけれど時間がないという方は、通勤時間を短縮することを検討してみても良いかもしれません。

通勤時のストレスがかからない

通勤中の満員電車に乗る時間や、渋滞の中を運転する時間が短くなると、移動中に受けるストレスが軽減できます。

さらに、通勤時のストレスは、出勤後の生産性や仕事満足度に影響するという調査結果もあります。通勤時間を短くすることで、成果を上げやすくなると考えられるでしょう。

通勤時間が長いメリット

通勤時間は短いほど良いように感じるものの、意外にも通勤時間が長い場合に得られるメリットも存在します。

住まいの賃料・取得費用が下がる可能性がある

勤務先の周辺に住む場合は居住エリアが限られますが、通勤時間を長く確保できると、住むエリアの選択肢が広がります。たとえば首都圏や近畿圏の中心部で勤務している場合は、距離が離れるほど家賃設定の低い物件を選びやすくなるでしょう。

また、エリアが広がることで、様々な物件の中からコストパフォーマンスの良い物件を選択できます。

早起きの習慣がつく

始業時間が全社一律であれば、通勤時間が長くなるほど朝早く自宅を出なければなりません。その状況を良い方向に活用し、早起きの習慣を身につけて生活リズムを整えるのもひとつです。

自分の意思で規則正しい生活を送れる人にはメリットになりませんが、強制力があるから起きられるという人は少なくないでしょう。

通勤中に勉強や読書ができる

電車やバスなど公共交通機関で通勤している場合には、通勤時間が長いほど、その間に勉強や読書が進みます。自宅にいる時とは違い、できる作業が限られる車内だからこそ、誘惑も少なく集中して勉強できるかもしれません。

日頃、忙しくて時間を取れない人は、毎日の通勤時間を勉強に充てるだけでも、数か月後には今より多くの知識が身についていることでしょう。

まとめ

通勤時間の全国平均は往復で1時間19分、東京都では1時間35分となっています。全国の中で通勤時間の上位は首都圏・近畿圏が占めており、県外での勤務が多い地域では通勤時間が長くなる傾向が見られました。

通勤時間の長短はどちらにもメリットがあり、短い場合は家事や趣味、自己投資に充てられる時間が増えます。一方、通勤時間が長い場合には、移動時間を勉強に充てられるほか、居住エリアの選択肢も広がります。

いずれも工夫次第で充実した生活を送れるため、自身の価値観に合わせて居住地を選びましょう。

この記事のポイント

通勤時間の平均はどれくらい?

通勤時間の全国平均は往復で1時間19分、東京都の平均は往復1時間35分です。

詳しくは「通勤時間の全国平均は往復で1時間19分」をご覧ください。

通勤時間が短いメリットは?

家事や睡眠、趣味、副業、自己投資に充てられる時間が増えること、通勤時のストレスがかからないことが挙げられます。

詳しくは「通勤時間が短いメリット」をご覧ください。

通勤時間が長いメリットは?

住まいの賃料・取得費用が下がる可能性があること、早起きの習慣がつくこと、通勤中に勉強や読書ができることです。

詳しくは「通勤時間が長いメリット」をご覧ください。

物件探しや売却がもっと便利に。

無料登録で最新物件情報をお届けいたします。

Myリバブルのサービス詳細はこちら